~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~   作:R.H.N

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偽航戦姫達が捕まり、ラバウルにやって来ました。

本編、ラバウル鎮守府編はそれから一週間たったある日から始まります。

プロローグはラバウルにやって来た偽航戦姫の私的記録です。


第二編
第2編「深海棲艦とラバウル鎮守府」、プロローグ【偽航戦姫の私的記録】


【~偽航戦姫達が捕まり一週間~】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・何だかんだと捕虜生活が一週間を過ぎたので、現状確認と捕虜生活の中で見知った事を、私的記録としてここに記すこととする。

 

 

まず最初に、あの作戦・・・・・・私達が捕虜になった原因でもあるあの出来事について、何があったのか?どうしてああなったのかについてある程度時系列に併せて整理がついたのでまとめることとした。

 

 

あの作戦・・・・・・深海棲艦の生存圏確保とニューカレドニア占領妨害、防衛を目標とした【太平洋ノ鎮魂歌】作戦は、人類側、深海棲艦側共々、本来の目的とは違う副次目標に無駄に力を入れすぎた結果、双方痛み分けに等しい形での決着となったと言うことがわかった。

 

 

まず私達は【ラバウルの戦力がハワイ方面で陽動を行う隙にニユーカレドニア攻略】が相手の大方の目標だと、相手の作戦目標を私の情報収集網をメインとして収集した情報を元に想定した。

 

 

対応の作戦として、ラバウル戦力を深海棲艦のほぼ総戦力で迎撃、撃退しつつ、戦艦水鬼の精鋭によって他の鎮守府のニューカレドニアを防衛、富士によるラバウルへの爆撃と、レ級達によるトラック奇襲でラバウルの戦力をトンボ帰りさせて撃退しつつ、他の鎮守府からニューカレドニアにやって来る戦力を迎撃、あわよくば仕掛けたトラップ(落とし穴)で身動きが取れ無くなってるところを自身の戦力で包囲し再占領する。

 

 

【太平洋ノ鎮魂歌】何て言う大層な作戦名は、ラバウルの戦力とぶつかるハワイ防衛部隊側は、ラバウル主力との交戦になるため生存が絶望的になるだろうと考えてのことであった。

 

 

・・・・・・が、結果はこの作戦に含み案を組み込んだ戦艦水鬼と、港湾水鬼以外にとっては意外な結果になったのだ。

 

【この作戦においては、私達深海棲艦にとって凄まじく嬉しくない誤算と、嬉しい誤算とが2つずつ存在していた】

 

 

一つ目の嬉しくない誤算・・・・・・まさしくそれは【超高速特殊戦術護衛艦[駆逐艦]・虚(うつろ)】(以降、虚と表記)の存在だ。

 

ラバウルにて此方が確認しそびれたこの艦こそ、情報戦を中心に装備を整えていた私と同等・・・・・・或いはそれ以上の情報戦能力を持つ川内に似た白髪のNINJA・・・・・・つまり私は情報戦において彼女に完全敗北していたのだ。

 

 

彼女が工作のために放った欺瞞通信を飛ばす魚雷・・・・・・本来は立体ホログラムで戦術単位の欺瞞を行う魚雷の副次機能によって、偽装された通信を大量に傍受させられ、人類側の作戦内容が偽装されていた。

 

【偽装航空戦艦】を名乗る私が、速力70knot越えのチート護衛艦相手とはいえ、仮にも相手の偽装にまんまと引っ掛かったのだ。

 

気づいたときには、自分の名前のに恥ずべきミスをした恥ずかしさと、自分のミスで沈んでいった他の深海棲艦達への申し訳なさで悶絶し続けたものである・・・・・・。

 

 

二つ目の嬉しくない誤算は、ラバウルへの爆撃が完了し、嬉しい誤算によって反攻が成し遂げられた直後辺りの段階で、トラックとラバウルに此処の提督達の親友がやって来たことだった。

 

 

まさか此処にいる四人の提督が【異世界からの来訪者】だとは思わなかった、正直私と同じ転生者かと思っていたのだ。

 

 

(この【転移提督】と【親友】の人々については後述することにする、正直とんだチート共過ぎて・・・・・・)

 

 

転移提督とその親友がこのタイミングで遭遇したために、創作提督、上総、ヴァツーチン、騎龍の4名が私たちの元にたどり着けたのだそうだ。

 

まぁ、正直その親友・・・アウドムラと覇天と言う人物がいかに異常なのかは初見のインパクトで大体わかっていたので、気になるのは【この世界】にやって来ているものの、所用で日本本土に赴いていていまだに会ったことの無い二人の人物だったりするのだが。

 

 

 

んで、嬉しい誤算と言うのは、【人類側の戦略が此方側の戦略とミスマッチを起こしていた事】と、【捕まったことで、日本の首脳部が講和を考えて米国へと発ったと知ることが出来たことである】

 

 

人類側の戦略は此方の大方の予想のほぼ逆であり、収集した情報を元手に【別の可能性】として予測を立てて作戦に含み案を組み込んだ戦艦水鬼と港湾水鬼のほぼ予測通りに進んだのだ。

 

いってしまえば【ラバウル戦力を持ってしてニューカレドニアを電撃攻略、ハワイへは攻略も視野に入れた大規模な陽動を仕掛ける】と言う戦力配置を真逆にしたものである。

 

この事は、ニューカレドニア戦線に過剰戦力を送り、結果副次的に私達が捕虜になったことと、逆としてハワイでの陽動攻勢に此方がほぼ全力を出し、【艦娘と提督達を捕虜にして半ば人質にする】と言う戦艦水鬼と港湾水鬼の含みが成立することになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、嬉しい二つ目の誤算を知ったのは私達が捕まって暫くの後の事である。

 

前々から講和ルートを探っていた私達だったが、実は人類側も講和を考えて動いてる勢力が主流になりつつあることを、ラバウルの提督の一人に教えてもらったのだ。

 

槇田 信重と高木 成義・・・・・・日本の首相と防衛大臣であるこの二人が、深海棲艦との講和の道を探っているらしい。

 

この他、横浜に各鎮守府の総元締めである【大本営鎮守府】なるものがあること、そこには他の戦線で捕虜になった深海棲艦が監視付きで保護されてること、その他、幾つかの鎮守府には深海棲艦が人類側に立って所属してることなど、色々と有用な情報がてに入った事をここに記し残す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、ラバウル鎮守府にいる超性能艦娘や提督、そして捕虜になった私達の現在を簡単に記録しとくこととした。

 

 

【艦娘】

 

 

特記事項がある艦娘のみ記述、順不同。

 

 

【りゅうおう】

 

事前に確認していたOVA版「青の6号」、紫スク水に白ジャケットを着た褐色の女性、斬新な服装とそのスタイルに目が行くが、原作アニメでの活躍に恥じない実力者。

 

ゾーンダイクとの戦いが終わったあとの時系列からやって来たらしく、自身の所属していた超国家組織「青」の理念を基に深海棲艦を【海上及び海中の安全を脅かす存在】として敵視していたが(残当な見解である)、深海棲艦と対話が可能であることを知った辺りから何か悩んでる様子がある。

 

ロレンツィニシステムによるものか素体の性能かは判別がつかないものの潜水棲姫よりも遥かに高い運動性能を持つため、通常の艦娘の対潜水艦兵器は無力である関係上、下手をすれば実質的なラバウル最強は彼女かもしれない。

 

現在、他の海外艦の面子、駆逐棲姫、軽巡棲姫ら深海棲艦の一部メンバー及び鎮守府所属の女性提督の一人と共にラバウルから多少離れた町、ココポへと良く赴いている模様。

 

 

 

 

【上総】【下総】【三郎】

 

左二名が副官ヲ級達にトラウマを植え付けた超装甲戦艦で三郎というのは彼女達と共にやって来た神格を持つネコ。

 

・・・・・・後者に突っ込みたい所が多数あるが、三郎本人(ネコだけど)は明らかにポヨ○ヨ観察日記のネコである。(上総と下総の姉妹に特に大切にされてる辺り他にも色々と秘密があるらしいのだが、現状は不明)

 

 

ラバウルにおける文句なしのメイン盾及び前線指揮官役の艦娘。

 

最大装甲厚2400ミリ、排水量46万トン、66cmの主砲を12門、全長は500メートル越え、と言う恐ろしい船であり、単純な防御能力では後述する騎龍よりも上なのではないかと思われる。

 

何がなんでも最後まで生き残り続ける司令塔と言った感じの設計だが、この姉妹は思ったよりも武闘派かつ厳格なようで、色々とアレなラバウル鎮守府のメンツが何かやらかす度に、艦娘だろうが提督だろうが軍属だろうがお構いなしに説教&お仕置きを担当している様子。

 

最近は捕虜なのにラバウル鎮守府所属提督達の好意で平然と鎮守府を歩き回れる私達の監視も担ってるらしく、ラバウルに足りない部分を積極的に補っている苦労人たちでもある。

 

最近、両人ともにやって来たばかりの覇天、アウドムラとよく話している姿を目撃するが、何を話しているのか気になるところである。

 

 

 

【騎龍】【モンタナ】

 

ラバウル鎮守府に所属する超兵器と、超兵器に対抗するために生まれた米国戦艦の二人組。

 

騎龍は超兵器ながら、その特殊な建造経緯とメイド服が語るように、どちらかと言うと実験艦、補助艦の意味合いが強いらしく、何かしらのコンセプトを中心として特化する傾向にある超兵器の一角の割には多芸で、私達を捕虜にした時量産されたグランパス(りゅうおう艦載の小型潜航艇)や航空機を多数展開して包囲網形成に寄与したり、しょっちゅう武装が切り替わるからと鎮守府で取り敢えず付与されたらしい2基のヤケに強力なクレーンを巧みに操って潜水棲姫を引き揚げて捕縛するなど【武装を取り扱う事】に秀でているのがよく分かる。

 

あと、レ級を助けてくれた恩人である事などから、前述の艦娘達とは違い、深海棲艦が純然たる敵なのか否なのか作戦中に見極めていた様子。

 

ただ、聞く限りと見た限りでは一度も上総と下総の説教の対象になっておらず、逆に二人が三郎と小さなイ級の事とかで過剰反応して暴走した時に、制圧、鎮静化を担当している為、鎮守府の中では三日月と同率で一番の常識人だと思われる。

 

 

 

 

 

 

モンタナは他の艦の濃さで印象が薄れがちだが、艦娘の中では恐らく他に類のない愛煙家だったり(飲酒に関しても、量に視点が傾くこれまでの艦娘と違い、上質な酒を味わうように飲んでいる姿が確認されている)対超兵器を想定した戦艦であるなど、騎龍とは別で、鋼鉄の咆哮世界出身の通常艦艦娘であることなど、出身世界の艦として見ても、艦娘個人として見てもかなり独特な特徴を有する艦娘である事がわかる。(鋼鉄の咆哮=超兵器のイメージなので、彼女のような存在は非常に貴重である)

 

駆逐艦娘達の前では吸わなかったり、分煙の流れに沿って喫煙してたりとマナーの良さも伺え、見学した【チート提督VS艦娘達】の演習においても、チート提督の理不尽な攻撃網を前に冷静に対処し、上総、下総が撃沈判定を受けた後も主要指揮をしっかりと引き継いで、時間一杯まで攻撃を凌ぎきり、自身の撃沈判定と引き換えに指揮下の艦娘を全艦生存がさせるなど、主要指揮を取る上総、下総とは別の形で高い部隊指揮能力を有していることが判明している。

 

彼女も深海棲艦に関してはまだ明確な敵対をすべきか見極めている様子だが、超兵器に関してはかなり強い敵意を持っているらしく、【超兵器らしさ】の薄い騎龍は例外として扱って交流を深めている模様。(本人談)

 

そんな二人だが、私が最も気になるのは【彼女達の出身世界とたどったルート】である。

 

騎龍は建造経緯を聞く限り無印3の南極独立国家所属っぽいのだが確信は得られず、おまけに武装に紺碧の艦隊が混じった挙げ句、持ち合わせの艦載機はアヒル航空機に対抗して生まれたと説明されていて2のPSP版との関わりが匂うなど、どの世界出身なのか完全な断定がしづらく、仮に無印3だとしても独立なのか連合なのか枢軸なのかわからないので気になってしまう。

 

モンタナは建造経緯とその後の関係上ほぼ間違いなく鋼鉄2PSPのアメリカ出身なのだが、となるとウィルキアの某海軍小将達がどのルートを辿ったのかが気になるわけで・・・(特に作中で銀婚式を迎えた例の日本人教官と、アレな疑惑の強く、他ルートでは殆ど出番のない副官に関しては気になる所である)

 

と言ったところなので、その辺も聞き出したい所である。

 

最近の騎龍はウチのタ級及び戦艦棲姫、北方棲姫、夕張、明石、第六駆逐隊メンバーらと共に鎮守府の提督の一人が常駐する開発工厰によくおり、モンタナは中間棲姫と別の提督、及びその配下と思われる長門らと共に鎮守府にやって来る輸送艦の来港、出港管理を手伝ってるのが確認されている。

 

 

 

 

【ヴァツーチン】【虚】

 

 

此方の戦術、戦略を崩した繋がりでのラインナップである。

 

【魔女の眼】と呼ばれる砲撃管制システムや枢軸国の亡命技術陣が総集結した建造経緯、レ級達をフルボッコにした実績などで有名な共産ロシアの超大型戦艦で此方のトラック奇襲を完全に瓦解させたヴァツーチン。

 

人類側の作戦を偽装することで、此方のカウンター作戦の想定を見事に空振りさせることで私達を捕らえるきっかけを産み出した虚。

 

正直、他の艦娘相手もそうだが、この二人に対しての現状での航空戦術は非常に悪手であると考察される程の二隻だが、原因不明ながらヴァツーチンは前述した覇天と言う男にかなり過剰に警戒されており、それと関係したかのように、虚はアウドムラと言う名の少女をやけに警戒してる様子が伺える。

 

ヴァツーチンは創作提督と共に空母艦娘の艦搭載機妖精を鍛える役目を担っており、中間棲姫の所のレ級達がヴァツーチンにトラウマを持つようになったのと同じくらい艦搭載妖精たちにとってはヴァツーチンの理不尽な対空火力がトラウマとなった模様。

 

虚はウチのレ級を轢いた件を私と本人に謝ってくれており、その関係でウチのレ級と仲良くなり、何故かレ級と良く絡む陸軍の憲兵と思われる桃色髪の女性と共に大体一緒にいるようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えずは記録をここまでとし、引き続き、ラバウル鎮守府での捕虜生活を送りつつ、時勢の見極めとラバウルの提督、及びその関係者達の様子を調べる事とする。

 

~偽装航空戦艦姫、南丞絢香~

 

 

 

 

 

 

 

~続く~







次回より、ラバウルにやって来た偽航戦姫達と、ラバウル鎮守府との交流が始まります。

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