男をナメるなよ?Re   作:ガイジ・ジーガ

41 / 43
武田家訪問その5(ゲーム編)

「まさかありとあらゆる操作をやらされるとは思わなかった…!」

「カウンター返しなんつー技までやらされたしな」

「ラウラちゃん大丈夫?音ゲーみたいに指つってない?」

「正直つりそうだった…!」

 

敵の拘束攻撃を振りほどく訓練は本当に指が危なかった!スティックを回し、ボタンを連打し、もう私の指は限界だ!失敗したら間違いなく指が死んでいた!

 

「でもこっから本番みてぇだぞ」

「頑張ってラウラちゃん」

「う、うむ……」

 

場面は変わって教官ことマギア視点のイベントシーンに切り替わる。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「ふーん。面白そうだとは思ったが、本当に面白いのが来たじゃねぇの」

 

訓練結果の書かれた資料を見て、マギアはニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ。訓練の成績は最高のオールS。とんだ逸材が来たもんだなぁ。サイボーグだけの部隊に入れんのは勿体ねぇし、混同部隊に入れっか。チームは……そうだな、あいつがいるとこなら問題ねぇな。ちと連絡すっか」

 

マギアは電話の機能しかない携帯電話を手に取り、番号を入れて電話をかける。数回のコール音のあと、相手側が電話に出る。

 

『どうしたんだマギア。また面倒事かい?』

「僕ちゃんイコール面倒事はいくら何でもひでぇぞ。まぁ面倒事押し付け気味なんは確かだが……」

『ふん、まぁいいさ。で、一体何の用だい』

「いや何、一人お前さんに面倒見てほしくてな。ちょいと電話した」

『アタシが?』

「おう。名前はラウラ・ボーデヴィッヒ。中々に面白い小娘でな。まず新人にはやらせねぇ訓練やらせたんだよ。内容はテメェもご存知のあれだ」

『ちょっ、新人にそれやらせたのか?平気なのかいその子?』

「ぴんぴんしてる。むしろオールSとかいうとんでも記録叩き出しやがったよ」

『はぁ!?』

「僕ちゃんでも流石にビビったよ。僕ちゃんの部隊に欲しいくらいだったぜ」

『…………。暴走するような奴じゃないだろうね?』

「むしろ暴走する奴を抑える側だろうよ。テメェさんの苦労が減るぜ?ドーラちゃん」

『ちゃん付けすんな。ぶっ飛ばすよ?』

「おー怖ぇ怖ぇ。…で、チームの加入は許可してくれんのか?」

『ああ、もちろんいいさ。あんたの保証付きなら大歓迎だよ』

「嬉しい事言うじゃねぇか。じゃあお前の部隊にラウラを組み込むから、あとは色々頼んだ」

『はいはい』

 

通話が終わり、マギアは携帯電話をしまうと、報告書をまとめる。

 

「ま、成績良くても死ぬ時は死ぬし、適度に期待させてもらうか」

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

イベントシーンが終わると、自分のキャラクターが映し出された。訓練所から出た所から始まったのだが、直ぐにイベントが流れる。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

『あー、あー、聞こえっかー?マギたんだよー』

「マギア教官?」

 

耳に装着しているインカムに手を当て、マギアと通信するラウラ。

 

『今さっきテメェの配属先が決まった。混同部隊だ』

「混同ですか?」

『おう。嫌でも決まっちまったもんは決まっちまったんだ。拒否権ねぇぞ』

「いえ、拒否などしません!」

『ならばよし。つー訳で、お前さんが次行くのは混同部隊のβチームの寮だ。出入口にイケメン姉貴が待ってるから、そいつに声かけな。道迷ったらタブレットに記載されてるマップ開け。んじゃな』

 

無線が切られ、混同部隊のβチームの寮と言われたラウラは、先程支給された小型タブレットを起動させ、マップを開く。

 

「…ここか」

 

寮の場所を確認し、ラウラは小型タブレットをしまった。

 

「しかしイケメン姉貴とは誰だ?」

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「…混同部隊?」

「人間、サイボーグ、機械の区別がない部隊でしょうね」

 

混同だからそうなのだろうな。しかしこれから色々と大変そうだ。

 

「まずは寮目指して、そんでドーラっていう奴のとこ行こうぜ」

「了解」

 

訓練所と寮は然程離れてはおらず、すぐに到着した。βチームの寮の前には確かにイケメン姉貴らしき人物が立っている。多分あの女性がドーラという人物なのだろう。

 

「よし、では早速話しかけて「待ってラウラちゃん」…ん?」

「多分あの人に話しかけた時点でイベントが発生するわ。だからその前に色々と探索しましょう」

「やけに詳しいなスコール」

「エムに教えてもらったわ」

「あいつにか?てか、あいつ今何してんだ?長男知ってるか?」

「兄弟サードとバイオハザード:コードベロニカやってる」

「ああ、バイオの中でも難易度高めでストーリー長いヤツか」

「うす。Sランク目指して奮闘中なんですけども、さてはてどうなるか」

『あああぁぁぁ!!!』

『おのれハンタァァァ!』

「…失敗したみたいですね」

「死んだっぽいな」

 

バイオハザードは苦手だ。それよりも私はスコールさんに言われた通り、イベントを進める前に周りを探索する事にした。のだが…

 

「あ、イベント始まっちゃったわね」

「一定の距離近付くと自動的にイベントに進むヤツだったか」

「何と……」

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「ん?あんたか、ラウラってのは」

「あ、はい。ラウラ・ボーデヴィッヒです」

 

女性としては高めの身長。ボブカットの黒髪に、やや切れ目をしている。

 

「アタシはドーラ・ブットゲライト。マギアからあんたの事を頼まれたんだ」

「マギア教官が?」

「ああ、面倒見てやってくれってね。付いてきな」

 

ラウラはドーラの後ろをぴたりと付いて行く。ドーラはそれを見て「何だか子兎みたいだね」と思ってしまったのは内緒である。

 

「あの、βチームは主に何をしているのですか?」

「βチームは主に敵の殲滅を担当してる。だから必然的に腕っぷしが強くないと入れない。その分、頭が残念なのが多いんだけどね……」

 

重い溜め息をつくドーラを見て、ラウラは「苦労しているんだな。足を引っ張らないよう頑張っていこう」と心の中で誓った。

 

βチームの寮に到着すると、中では大騒ぎでもしているのか、外にも声が聞こえている。早速ドーラが眉間を手で押さえて重~い溜め息をつく。

 

「あのバカ共、酒飲みやがったな」

「…えーっと」

「ラウラ、悪いけどちょっと待っててくれるかい」

「あっ、はい」

 

ドーラはドアを開けて中に入った。そして、βチームの隊員達のものであろう断末魔の叫びが聞こえる。ついでにドーラの怒鳴り声もだ。

 

「…この先大丈夫だろうか」

 

ラウラは心底不安になった。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「姉御キャラか」

「姉御キャラは頼りになるけど、必ずどっかに弱点があるのよねぇ」

「多分ゴキブリ苦手だぜ」

 

その後、ゴキブリやムカデ、ゲジゲジを平然と鷲掴みしてトイレに流すドーラを見て、戦慄した3人であった。




gesyoさん
キャラクターありがとうございます!早速使わせていただきました!そして申し訳ないです。姉御口調がどうしてもラピュタのドーラさんと若干似た感じになってしまいました。(あれ?名前が同じ。これなんて偶然?)

キャラクターはまだまだ募集中です!詳しくは活動報告より!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。