男をナメるなよ?Re   作:ガイジ・ジーガ

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サブタイトル通りでございます


最終日:後編(最終回)

「婆さんの本気の拳を真似た爺さんの孫の娘の回し蹴りぃ!」

「拳じゃねぇのかよ!」

 

先程から良く分からん技名を叫びながら攻撃をしてくる武田の弟二人に、私は防戦一方だった。影竜と杏怒龍の攻撃は、兄の正樹の動きをベースにしたものだが、そこに独自の動きを組み込んだものだった。時に単純に、時に複雑に。

 

「フタエノキワミ!アッー!」

「ガトツ!ゼロスタイル!」

「チィィッ!」

 

二人の技をさばききれん!このままでは何もできずにやられる…!

 

「よーし、このまま押し切っちゃるぞー」

「ワカリマシター(^p^)」

「分かってねぇだろお前」

「ハイ!(^p^)」

「………………」

 

グキリッ

 

「ワー!(^p^)」

 

バタッ

 

「さぁ続きしましょうか」

 

何か仲間割れして一人潰れた。まぁ、これで一対一。先程よりもかなり楽になるだろう。

 

「よっ」

 

しかし、直ぐにそれは覆された。呼吸が止まる。内臓が飛び出しそうな感覚。「く」の字に曲がる自分の身体。そして浮遊感。

 

「かっ…!?」

 

自分が殴られた事に気が付かず、受け身を取れぬまま身体が地に叩き付けられる。そのせいで咳が出そうになるのに、呼吸が出きないせいでとてつもない苦しみとなる。

 

見えなかった。奴の動きが。瞬きしたその瞬間、殴り飛ばされていた。

 

「っ……はっ………かひゅっ……っ…!」

「あり?避けられるかと思ったのに当たったぞ」

 

私は無理矢理息を吸い、咳き込んだ。何とか呼吸しなければ気を失ってしまうから。震える身体を動かし、何とか片膝を付くまではいったが、そこから動けない。

 

「…もしかして、兄弟ファーストと本気で戦った事ない?それなら納得かな。本気出すとか言いながら、なんやかんやで手加減してるし」

「っ……くっ…!」

 

そうか、長男の武田は手加減をしていたのか。初めて戦ったあの日も、時々戦った日々も全て。

 

「………………」

「…どしましたー?」

「…私、は…弱い」

「おん?」

「ISの操縦者であれ、ば…っ、ぐぅ…!世界最強であろう…とも……生身での戦いは…まだまだ……未熟だ……。っ、がふっ!」

 

どうやら内臓をかなり傷めたらしく、血ヘドを吐いてしまった。それも塊のように大量の。

 

「…貴様は…次男、だったか…?」

「ええ。影竜ですん」

「そう、か……。感謝するぞ、影竜」

「What?」

 

ほとんど力の入らない身体で立ち上がり、私は影竜を睨んだ。影竜は私を見てポカンとした顔をしていたが、やれやれと首を振った。

 

「何で笑ってんですかねぇい?おっかないわ。ちょいと頭おかしくなりました?」

「ふふふっ……確かに今の私はおかしい。戦いにおいて圧倒的に私よりも上の存在がいる……。それが嬉しくて堪らないんだ私は」

「何で?」

「いつか越えてみせる。必ずだ。必ず越えるという目標ができたからな。これでしばらく退屈せずにすむ」

「ほーん。まぁ今回は久々に敗北の味を噛みしめなされや。そんで、昔を思い出しんしゃい」

 

影竜の拳が目の前に迫る。今の私では避ける事はできない。ああ、久し振りだ。こんなにも悔しいと思ったのは。

 

痛みはなかった。凄まじい衝撃を僅かに感じただけで、一瞬で意識を刈り取られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ……本当に、悔しい……。

 

 

 

***

 

 

 

「何かバトル漫画みてぇな展開だな。ふん!」

 

ズドスッ!

 

「破廉恥、なぁ…!」

 

大和撫子を撃破した私は、次なる獲物を狙う。まだ私のターンは終わっちゃいねぇぜ!

 

「グランドウォーカーだ!」

 

ズドスッ!

 

「止まるんじゃねぇぞ…! 」

 

おい、何でオルガいるんだ。誰だここに呼んだの。まぁいいや、次にいこう。

 

「突撃ぃぃぃっーーー!」

 

ズドスッ!

 

「熟知している!」

 

おい、今度は不老不死のドMがいたぞ。何だか嫌な予感がしてきたぞ。

 

「そぉゐ!」

 

ズドスッ!

 

「っあ…ぁぁっ……んっ…!」

 

何だその反応は。ビクンビクンするんじゃねぇよエロいな。って…

 

「山田先生じゃねぇかぁ!」

 

エロい訳だ(確信)。

 

ブスリ♂

 

!?

 

「アッー!」

 

わ、私のケツがぁぁぁ!?たまらず外に飛び出して確認すると、あの銛が刺さっていた。そう、砂風呂してた時に背中に刺さったあの銛だ。何でまた私に刺さるんじゃい。呪われてんのかこの銛は。しかしながら良い収穫だ。

 

銛を引っこ抜き、再び砂に潜る。この銛で乙女の純潔を散らしてやるぜ。

 

「アカン、(スタミナが)もたへん!」

「諦めんなよ!諦めんなお前ぇ!」

「まだだ、まだ終わらんよ!」

「私達には見えている筈だ。あの死兆星が」

「見えちゃダメでしょうが!」

 

ふはははは!待て待てー!あー、ケツ痛ぇ。

 

「こうなったら奥の手!行けいゴーレムサンドブラウン!束さんが逃げる時間を稼げい!」

『お兄ちゃんは私だけ見てればいいの』

 

何だあのヤンデレ妹ゴーレム。つか潜って私に一直線だとぉ!?しっかぁぁぁし!

 

「この私に勝てるとでも思うたかぁ!よかろう!真正面から相手したらぁ!」

『お兄ちゃんは私のお尻だけ掘ってればいいの!それが最高の幸せなんだから…!』

「すんごい発言なんすけど」

 

つか、嬉しくねぇよ。仕方ない、最後はこの三人でフィニッシュだ。

 

ブブブスリ

 

「未知との遭遇!」

「ふあぁぁ…!」

「ぐがあああぁぁぁぁ!!!?」

 

上から束さん、クーちゃん、織斑先生の順番だ。何か織斑先生倒れてたから色々な怨みとか何やらを詰めた一撃でオーバーキルってやったった。

 

「ゴ、ゴーレム無視だとぉう…!?」

 

顔を真っ青にして口の端から泡が溢れて痙攣する束さん。意識が飛んでないのは流石というべきか。地獄の苦しみを味わっている。

 

「さぁ、相手してやるぜヤンデレ!」

『お兄ちゃぁぁぁぁぁん!!!』

 

砂から飛び出した私とヤンデレ妹ゴーレム。さぁ、最終決戦だ!

 

ゴシャアッ!

 

しかし、第三者の手によって阻止された。それは先程の一撃で強制的に覚醒した織斑先生だ。顔は真っ青で足はカクカクしてるが、間違いなく今の織斑先生はどんな織斑先生よりも強いだろう。

 

「いい度胸だな武田ぁぁぁ…!今の私は機嫌がいいから全殺しで勘弁してやる…!」

「生きる道は?」

「こんな屈辱的な事をされて、そんなモノがある訳なかろうがぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!!!

 

 

 

 




はい、メチャメチャですが本編最終回です

これからは番外編ネタ中心でやっていきます

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