八尺様に言い訳しようと思い、電話したらエラいこっちゃなことになっていた。
八尺様、既に別の男と結婚。私の友人であるスレンダーマンと結婚しておりました。ほったらかしにしといた私が言うのはおこがましいが、せめて一言くらい言ってほしかったなぁ……。そうすりゃ結婚式行ったのに。
さて、そんなことは置いといてだ。これどーすんべかな。
「すー……すー……」
「すかぴー……すかぴー……」
ラウリーとのほほんさんが私の上で眠っている。なして?のほほんさんは時より私を枕にして眠るが、ラウリーは全く分からん。しかも何故まっぱ?吹っ切れた?吹っ切れたからなのか?確かにラウリーは告白したあとは別人みたいに振る舞ったが、いくらなんでもここまで行くか?嬉しい状況ではあるが。
頭を撫で撫でしてやると、とても心地好さそうな表情をするラウリー。癒されるわぁ……。のほほんさんも撫で撫で。こっちも癒されるわぁ……。
「…………」
つか、この絵面どう見ても事後なんだが?あり?もしや気付かぬうちに卒業した?
……い、いやー!?嘘だ!私は30歳まで貞操を守るつもりだったのにぃぃぃー!いや落ち着け私。まだそうとは決まった訳じゃあない。
「ぅ…ん…?」
ヘアァッ!?
「…嫁?」
「Good morning」
いやそこはドイツ語だろ私。
「うむ、おはよう。良く眠れたぞ嫁よ」
「あい良かった」
布団から這い出たラウリーは、そのまま身体を伸ばしてフオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!
***
さて、今日は休日な日曜日。いい天気で正にお出掛け日和。鼻から赤い滝が長れすぎたせいでフラフラするが、心地好い風でも浴びれば復活するだろう。
「とゆー訳で、楽しむぞー」
「おー!」
「おー!あと高いぞ!」
「ホー…ホー」
私がのほほんさんを肩車し、のほほんさんがラウリーを肩車し、ラウリーの頭の上に何故かフクロウが乗っている。正にトーテムポール状態!フクロウはラウリーを獲物と間違えたのだろうか?ほら、黒兎だし。
「さて、店に入る前にトーテムポールを解除しようか」
のほほんさんを降ろし、のほほんさんはラウリーを降ろし、ラウリーはフクロウを降ろし、フクロウは自分に付いていたであろうダニを降ろし、ダニはフケを降ろし、フケは風に飛ばされた。…うーん、訳分からんぞ。
無音で羽ばたき飛び去ってゆくフクロウに手を振り、別れの挨拶をした。さて、買い物のお時間だ。
「そういえば嫁よ、一体何を買いに来たのだ?」
「水着DA☆」
「水着?」
「うんむ。ほら、海行くんしょ?私の一家って山ん中だから、海とか行かないんだよ。だから水着とか持ってないんです」
「川には行かなかったの~?」
「行ったけども基本パンツ一丁で飛び込んでたからな。飛び込みで脛を尖った岩に思いっきりぶつけた時は死ねたな」
「「うわぁ……」」
ちなみに作者は飛び込みでマジで岩に脛をぶつけたことがある。尖ってはいなかたったものの、痛いなんて話しじゃない。それがトラウマとなり、作者は飛び込みができなくなっている。
「さてはて、水着コーナーはどこですかな~」
私が服屋に入ると、ラウリーとのほほんさんも自分の水着を探し始めた。ふーむ、中々愉快な柄があるじゃないか。
『ぶるああああああ!』という弾幕がプリントされた『若本水着』
テラ子安な御大将の名言がプリントされた『絶好調な水着』
某洗脳宗教の教祖がプリントされた『M.C.の道化水着』
アイエエエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?『ネオサイタマ水着』
履いたら炎上どころか海が蒸発しそうな世界一熱いテニスプレイヤーがプリントされた『太陽神水着』
履いたらキーボードを壊したくなりそうな『キークラ水着』
ガチムチパンツレスリングで勝てそうな『森の妖精水着』
履いたらホモになって眼光を開眼しそうな『野獣先輩水着』
履いたらベンチに座って道行く男に「やらないか」と言ってトイレに連れ込みたくなるような『くそみそテクニックな水着』
そんな水着で大丈夫か?大丈夫だ、問題ない『エルシャダイ水着』
WRYYYYYYYYY!!!石仮面が欲しくなる『DIO水着』
ダメージを受けたらイ''エエエアアアアア!と叫びたくたる『呪いの館水着』
『いちごパンツ』
「…………」
まともなのがねぇじゃねぇかぁぁぁ!しかも最後のヤツに限っては水着じゃねぇじゃんかよぉ!でもいちごパンツは可愛いから買う。
「まともなのはないのか?」
白い悪魔がプリントされた『RX-78-2水着』
ダークソウルの皆の味方『篝火水着』
「…………」
…まとも?なのだろうか。これは。にしてもダークソウルか。最近はダークソウルに浮気し始めたし、この水着でもいいかな?
『ゲールマンの狩りを知るがいい』
は!?今首を撥ねられる幻覚が!…や、やっぱりやめておこ
ドグシュッ!
「ぶげぁ!?」
今度はバックスタブとられた幻覚がぁ!?何てこった!水着を買うだけなのに何故か命を懸けてるかのような気分だぜ!
「……ん?」
『迷彩柄水着』
「あ、これにしよ」
ズギュウウゥーン!
「ぐばぇぇ!?」
が、ガンダムにも撃たれたぁ!?こ、ここは地獄か!?早くこれ買って離脱せにゃならぬ!
私はレジに向かい、さっさと会計をすませた。店員さんが私見てビックリしてたけど、多分身長のことなんだろうなぁ。
「おーい、お二方は決まったかー?」
「私はおーけーなのだー!」
「…着ぐるみ?」
「防水加工が施された水着用着ぐるみ!すなわち水着でーす!」
とりあえずのほほんさんは置いといて。
「ラウリーはどすか?」
「むぅ…決まらん。軍用水着があればいいのだが……」
「そりはまずくね?」
ラウリー、せめて学校の時くれぇオシャレしなはれや。
「のほほんさん、やるぞ」
「あいやいさー!」
「む?何だ嫁よ。私を持ち上げて」
「試着室へ!」
「キャスト・オフ!!!」
「ひにゃああぁぁぁ!?」
試着室にラウリーを私が投げ、投げられているラウリーの服を一瞬にして脱がすのほほんさん。その業は正にストリップ!
「いきなり何をする!?」
試着室のカーテンの隙間から顔だけ出して怒鳴るラウリー。恥ずかしいのか、顔が赤い。
「いや、これから色んな水着を渡すから、それを試着してみて一番似合うのを買おうと思う」
「そーそー」
のほほんさん、ラウリーの服を綺麗に折り畳んで手に持つ。ところで皆様はお気付きになられただろうか?のほほんさんがラウリーを脱がす時の顔を。一言で言うとのほほんさんじゃなくてスタイリッシュさんな顔であった。
「さぁさぁ、まずぁコイツを着てみようか」
スクール水着(白)
「ねぇねぇたっきー、そんな物どこで見付けたの?」
「あそこ」
『マニアコーナー』
「何でだろう?ここの店が危険な感じがする」
「のほほんさんがのほほんしてない声に!?」
「…嫁よ、流石にこれは恥ずかしいのだが……」
「ん?そう?ならばこれだ」
フリル付きの黒ビキニ
「おー、たっきーにしてはまともだー!」
「それどーゆーこったのほほんさん」
「ふむ、こんな感じか」
カーテンが開けられる。そこには……あ、こりゃ言う必要ねぇな。
「「決定」」
「え?他にもあるではないか」
「「ラウリーの水着はそれで決定だ」」
「「「異論は認めん」」」
「…ん?何か増えた?」
「増えたとも~!」
いつの間にか篠ノ之束さんがいらっしゃった。いや、何でここに?
「何してん」
「暇だから束さんも水着を買いに来たのだ~!」
「のほほんさ~ん、束さんに紫の紐を。ついでにラウリーに服返して水着買ってやって」
「了解~」
「うん、待とうじゃないかたっきー。いくら束さんでも紐は恥ずかしいよ?」
「え…?」
何言ってんのこの人。
「ISなんて恥ずかしいもの作っといて良く言えますね」
「恥ずかしい!?今束さんの夢を恥ずかしいと申したか!?」
「おう申したとも!考えてみりゃ私のニート生活台無しにしてくれやがったの束さんじゃねぇか!どうしてくれる!私のニート生活返せや!つか宇宙用なら独自に宇宙用の作れやファッキュー!実験付き合ってやっからよぉ!」
「何が言いたいのぉ!?」
「自分でも分かりませんねぇ……」
「分かんない!?」
それにしても、この人こんな所で油売ってて大丈夫なのだろうか?政府に捕まらない?捕まらないからこんな所にいるんだろーけど。
「ところで束さん」
「ん?」
「束さんも私達と一緒に海に行くんで?」
「一緒じゃないけど、たっきー達と同じ海には行くよ」
「ほーん」
「ついでに、そこで箒ちゃんに専用機を渡すつもりなんだ♪」
「ああ…紅椿事件」
「嫌な事件だったね……」
渡すってことはデータは何とかなったのだろう。いやはやえがったえがった。
「更には、ちょっとしたビックイベントもあるからね~。あ、でもたっきーは参加できないし、参加しちゃダメだよ?」
「ナズェダ!!!」
「だってたっきーだとすぐに終わっちゃうから。それに、今回このイベントの主役は箒ちゃんといっくんになるんだ。いくらたっきーとは言え」
一端句切ると、束さんは先程とはまるで違う表情をして、私の顔を覗き込む。無表情で、何も映していない目でこう言った。
「邪魔したら…やだよ?」
酷く冷たい声でそう言った。
「ご安心を。私とてわきまえてる」
「…………。ならいいんだー♪」
いつものようにふざけた調子に戻った束さん。…にしても、随分とおっかないねぇ兎さんは。今の間違いなく殺気だったで?しかも結構ガチな。
「…やれやれ、ただのスポーツならいいんだがな」
多分、そうにはならんだろうな。…死んでくれるなよ?イッチーに大和撫子。
「たっきー、持ってきたよー」
「良し、じゃあ行ってみようか束さん」
「え!?本当に紫の紐なの!?」