「ただいま戻りました織斑先生。束さんに拉致られてたんで、許して下さい」
「はぁ……奴か」
「はい、兎さんです」
「…奴じゃあどうしようもないな。ならば仕方ないか」
やったぜ。
「早く教室に入れ。SHRの続きをするからな」
「分かりました。ところで織斑先生、凰さんが死にかけの虫のように痙攣してるんですが、これは何故でしょう」
「勝手にISを展開し、人の弟に攻撃をしてきたんでな。普通ならば殺人未遂で退学処分だが、私の制裁で不問にしてやった」
「なぁるほど。何の理由かは知りませんが、感情的になってIS展開はよろしくない。全く、もっと優しくしなきゃ鈍感イッチーと添い遂げるなんぞ夢のまた夢やでぇ」
「全くだ。ま、ストレートに言わん限りは無理だろうがな」
「でしょうな」
まぁ凰さん、今回は仕方ないねってことで。
教室に入った私は、そそくさと自分の席に座る。何だろう?ここに座るのが凄まじく久しぶりな気がする。
「さて、武田に言っておかなければならないことがある。デュノアは女だ」
「…!?」
なん…だと…!?デュノアさんが♀!?
「どぉぉぉゆぅくぉとどぅあイッチィィィィィ!!!」
「ぐえええええええ!ギブギブ!首絞まってる!」
「絞めてんのよ!(当ててんのよ風に)」
「落ち着け!」
スパァァァァァァァン!
「懐かしき出席簿!」
「まぁ、色々あったんだよたっきー」
「ふんむ。色々、か」
…………。色々ってどんな色々ですかぁねぇ?例えば一緒に風呂入ったり……風呂…?
「女の子と一緒に風呂入るたぁどぉゆう用件じゃぶるぁぁあああああ!ジェノサイドカッター!」
「うぐあああああ!?」
「落ち着けと言っただろう!」
スパァァァァァァァン!
ひでぶぅぅぅぅぅぅ…!
***
さて、色々あったが何とか落ち着いた私。休みのお時間でございます。
「武田正樹」
「ぬ?これはラウラ少佐、体調のほうは如何ですかな?」
「ああ、問題ない。それとだ、少佐と付けずにラウラでいい」
「んん?そうですか?」
「ついでに敬語もいらん」
「うす」
「まぁそんな事よりも……」
「……?」
頬を赤くしてもじもじするラウラ少佐改めラウリー。何これ可愛い。何かを言おうとしては口をつぐみ、何かを意気込んで再び言おうとして口をつぐむ。
しまいには顔真っ赤になって呼吸が荒くなり、一定のリズムを刻んで震える。何というか、心臓の鼓動に合わせて身体が震えているように見える。大丈夫?胸押さえ始めたよこの子。
「ぉ…ぉま、えを…!」
「私を?」
「わ、わたし、の…!」
「貴女の?」
「……ょ」
「よ?」
「…ょ」
「よよ?」
「ょ…!」
「よよいのよい」
「ょ…ょ…!」
おい本当に大丈夫か?緊張のしすぎで死んじゃわないかこの子?
「ふーっ、ふーっ、ふーっ…!」
「落ち着こう。まずは落ち着けラウリー。もはや身体が痙攣してるから」
深呼吸を何度も繰り返し、やっとこさ身体の震えが止まったラウリーは、あろうことかジャンプして両手で私の頭を掴み、自身の唇を私の唇に重ねた。どころか舌突っ込んできた。
…ファッ!?な、なぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんんどぅあああああああああとぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?ファーストキスがラウリーの深き接吻だとぉぉぉぉ!?
離れたラウリーは少し蕩けた顔で震えていたが、自分の頬をバチンと叩いて正気に戻した。
「お、お前を私の嫁にする!異論は絶対に認めんし認めないし認めたくない!!!」
「エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?」
「「「「「いやああああああ!!!(武田ファン絶望)」」」」」
拝啓、お母さん、お父さん兄弟……私の将来が約束されました。……八尺様にどう説明すっべ。
「…何か、凄いの見ちゃったな箒」
「あ、ああ……何というか、うむ…破廉恥ではあるのだが……」
「たっきーさんが嫁…新ジャンルですわね」
「セシリア、ジャンルで区別できちゃうの?」
外野は置いておいて、これから私は八尺様にどう言い訳すればいいか考えるのだった。
そこは一夏だろうって?
この二次創作の一夏はラウリーに何もしてない!
よって一緒にいた時間の長いたっきーがラウリーの嫁となる!
ラウリーが乙女すぎ?乙女っぽくしたかったんじゃい!