「よし、これで大丈夫だよたっきー!」
「あざーす」
何でか再び束さんに拉致られた私は、彼女の手によって治療されました。すげぇ、肩凝りも解消されてらぁ。
「いやー、たっきーが刺された時、流石の私でもヒヤっとしたね。それにしてもガラクタとはいえ、ちーちゃんの模倣を抑えるなんてねー」
「ふぅむ……。束さん、あのターミネーターは何だったんですかい?」
「あれはターミネーターなんてカッコいいものじゃなくて、VTシステムっていうぶっさいくなガラクタだよ」
「ぶいてぃー?」
「正式名称はヴァルキリートレースシステム。ぶっちゃけて言っちゃえば、強い人の動きを再現して簡単にパワーアップしちゃおうぜってヤツだよ」
「分かりやすい解説どうも」
そのVTシステムってガスコイン神父とかゲールマンとか時計塔のマリア様の動きとかできませんかねぇ?個人的にはガスコイン神父の動きを主人公で使いたい。あんなん絶対強いもん。
「それにしても、良く肺と心臓に当たらなかったね。というか、もはや避ける云々の話じゃないと思うんだけど?」
「そこはほら、私だからよ」
「…ん。たっきーだからってことで納得しとくよ」
「大変よろしい」
「あ、そうだたっきー、ちょっとIS貸してくれる?」
「うぇす」
束さんに待機状態のISを渡す。待機状態は狩人の証のネックレスだからすんげぇ嬉しかったずら。
狩人の証にコードを接続し、パソコンのキーボードを打ち込む束さん。すげぇ、超速業だ。
「…ん?」
じっと束さんの作業を見てたら、ズボンを少し引っ張られる。そちらに視線を移すとあら不思議。ラウラ少佐と瓜二つな女の子がいるではありませんか。
「作業には時間がかかるので、どうぞこちらへ」
「ほむ」
ちゃぶ台だ。うん、ちゃぶ台。…ちゃぶ台返ししてぇなぁ。ちゃぶ台にはお茶とお菓子が置いてあり、正にここでお待ち下さいと言っているようだ。
ちゃぶ台の前に座り込むと、対面にラウラ少佐似の少女が座る。
「申し遅れました。私はクロエ・クロニクル。訳あって束様と行動しています。気軽にくーちゃんとお呼び下さいたっきーさん」
「なるほどくーちゃんか。どうやら私のことは知っているようだから省くが、これからよろしくお願いしますなくーちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
<あれー?何でエラーが起きるんだー?
「…大丈夫か?」
「大丈夫です」
<ナズェキョズェツスルンディス!!
「…本当に大丈夫?」
「…大丈夫です」
<アイエエエエ!?エラー!?エラーナンデ!?
「…なぁ、束さんってPCのスペシャリストだよな?何であんなに苦戦してんだ?本当に大丈夫ですよねぇ?」
「……大丈夫です」
<どこもかしこも女尊男卑ばかりだ……。どうせお前もそうなるんだろう?
<キェェェェアアァァァァァァァ!?シャアアッベッタァァァァァァァァ!?
「おい、私のISにガスコイン神父が宿ったぞ」
「………大丈夫です」
<ゲールマンのエラーを知るがいい
<グワーッ!?
「何事!?」
「…………大丈夫です」
<コア漁りとは感心しないな
<ぎゃあああぁぁぁ!?束さんのパソコンデータが抜き取られたぁぁぁ!?
「…なぁ、これ以上は危険だと思うんだが?つか私のコアに何が起こった?」
「……手助けしましょう。流石にもう大丈夫とは言ってられません」
***
「うーん、たっきーのISのコアがもう訳ワカメだよ」
「ブラッドボーンのボス狩人がいたってことは分かりました。これからは毎日獣を狩って貢献します」
「たっきー様、ブラッドボーンのような獣は存在しませんよ?」
知ってる。
「まぁ、一応アップデートは何とかできたから問題ないかな。新作ISの紅椿のデータがすっ飛んだけど」
「大丈夫じゃないでしょそれは」
劇場版のプリキュアが思っくそ関節技を決めたあのシーン並みに大丈夫じゃない。あえて聞こう、どこでそげな技覚えた?おどれら私みたいなCQC使う家系じゃないでしょ。しかも初代と今じゃパワーインフレ起こしすぎだし。原点にして頂点というのはポケモンだけではないようだ。
「さて、たっきー……。君に頼みたいことがあるんだ」
「何ですか司令」
司令官のポーズの束さんに、私はついそう答えてしまった。
「新たなエロ本の発行を頼みたい。今度は私と箒ちゃんのヤツを」
「マカセロー!」
「ではたっきー様、私は様々なシチュエーションでボコボコにされる束様のCG集を」
「「!?」」
そろそろ番外編をぶちこみたいこの頃