男をナメるなよ?Re   作:ガイジ・ジーガ

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中国代表候補生だそうだ

翌朝、何やら耳寄りな情報が転がりこんできた。どうも二組のクラス代表が転校生によって入れ替わったらしい。まぁ、どうなるかは知ったこっちゃないが。

 

それにしても、クラス対抗戦で優勝すればスイーツ券を獲得できるたぁ知らなかった。私はそこを悔やむ。イッチーなんかにやらせるんじゃながっだ…!

 

「ぐぐぐごごごがががぎぎぎげげげどどどばばば…!!!」

「たっきーから凄まじい音が!?」

「イッチー!絶対ぇ優勝しろよテメェ!優勝しなかったら貴様を…貴様を処す!」

「うわあああ!責任重大!」

 

血涙を流す私を見て、イッチーは顔面を蒼白にした。おいマジで勝てよ?勝たなかったらマジで処すからな?

 

「落ち着け武田」

「そうですわよたっきーさん。こういう時は、深呼吸ですわ」

「コーホー…コーホー…!」

「どうして暗黒卿になるんですの?」

 

何でだろうな?

 

「イッチー、大和撫子とセッシーに感謝することだぁ……。しかぁし!マジで勝てよイッチー…!」

「イエスマム!」

 

ならばよし。

 

「しっかし中国か……。ニーハオしか分かんねぇな」

 

全くもって。中国語って発音の違いで全く意味が違うかんなー……。とまぁ、中国のお方の話題に盛り上がっていた所に

 

「その情報、古いよ!」

 

何ともまぁ活発そうな子の声が聞こえた。クラス全員がそちらに視線を向ければ、ツインテールの幼女がいるではありませんか。…失礼、同級生でした。

 

「このあたしが2組に入ったからには、1年生のクラス代表は全員専用機持ちになったわ。そう簡単に勝てると思わない事ね」

 

ニカッと八重歯を見せて笑みを見せる。噛まれたらかなり痛そうだ。

 

「何あの子?あんな子いたっけ?」

「もしかして、噂になってる転校生じゃない?」

「じゃあ、あれが中国代表候補生の……」

 

なーるへそ。あの子がねぇ。

 

(ファン) 鈴音(リンイン)。2組の代表として、ここに宣戦布告させてもらうわ」

 

どーん!とでも効果音が付きそうだ。

 

「鈴……なのか?」

「ふふん、久しぶりじゃない一夏」

 

イッチー、お前の人脈どうなっとんの?広すぎやしねぇか?

 

「久しぶりと言えば久しぶりだけど……何だそれ、全然似合ってないぞ」

「んなっ!?」

 

おいぃ?

 

「アンタねぇ、人が折角いい感じの登場で決められたっていうのに…!」

「……あー、中国代表候補生こと凰さんや」

「ん?誰よあんた。つか、デカっ…!」

「いや、それよりも後ろに注目しなされや」

「…後ろ?」

 

凰さんが振り返ると、そこには織斑千冬という名の覇王が立っていた。うわぁ、おっかない♪いわマジで怖ぇよアレ。己のスマホに死の着信メロディが掛かってくるより怖い。…いやこっちは確実に死ぬからこっちのほうが怖いか。

 

そして、憐れ至近距離で覇王を見てしまった凰さん。その場に水溜まりができちゃう程に汗流して、顔はもう真っ青どころか土気色。おまけに音が出そうな程震えてらっしゃいます。私はどうかだって?んなもんG-KEと比べれば問題ないよ。あっちのほうが私怖いもん。G-KEが覇王化したら人類滅亡の危機だな。

 

「SHRの時間だ。貴様もさっさと自分の教室に戻れ、そしてそこで突っ立っていると邪魔だ」

 

覇王様の偉大なる御言葉に、凰さん何も言わずにカクカクと頷いて退散。そういえば、何であんなに不機嫌なんだあの人。織斑先生はそれはもう満面の笑みで私の所に来ると、ぐわしと私の頭を鷲掴み。こ、これは!アイアンクロー!?

 

「武田、アレはどういうことだ?」

「アレとは何ですか織斑先生!?心当たりがありすぎて分かりません!」

「……貴様が描いている漫画や小説だ」

「ヘアァ!?」

 

ま、まさか…見付かったのか!?

 

「何か言い残すことはあるか?」

「…お金欲しさでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!!!!!!!?

 

 

 

***

 

 

 

昼食の時間となったが、とてもじゃないが私は皆の前に出られる姿じゃない。初めてだぜ…この私が死を感じるとは…!

 

では、今の私の姿を解説してみよう。右目以外、一切の隙間なく包帯で覆っていまふ。あったけぇぜ。つーか、ここまでダメージ受けたのはアレだな、初めてだわ。

 

痛かったぞぉーっ!と、言うべきか。しっかしまぁ、良く生きてたなぁ私。つか、私こんなんで生きてられんの?

 

お腹すいたよー。あったかいよー。寂しいよー。あったかいよー。…良し、何かメシを作ろう。滅多に失敗しないカレーを!

 

しかし材料がない。ならばどうするか?食堂のおば様達から恵んでもらおう。そうしよう。ついでにこんな格好だし、出会った生徒を驚かそう。そうしよう。

 

有言実行じゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

「オオオアアアァァァァァ!!!」

 

扉を開けながら叫ぶ。そして…

 

「ぎにゃああああああああああ!?」

 

凰さんが気絶した。何ともタイミングが悪い。とりあえず部屋に入れるとしますかね。私はむんずと後ろ襟を掴んで持ち上げ、部屋へと入れた。

 

軽いなこの子。ちゃんとメシ食ってる?


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