この物語の深海棲艦が可哀想に思えてました。
消息不明の矢矧3佐から電話が掛かってきた。舞風艦長は通話ボタンを押すと、通話形式をスピーカーにした。
「矢矧3佐!!!今何処にいるの!?」
舞風艦長はスマホに向かって言った。
『今、元の世界の自衛隊の横須賀基地にいます。』
「え?元の世界に戻れたの!?」
『はい!!!その為、時空間の捜索活動が始まりました。日本全国から護衛艦が派遣されて「あおば」がこちらの世界消失した海域周辺、私達がこちらの世界に現れた海域周辺を捜索しています。』
「そう・・・。どうにかそちらの世界に戻れないかな・・・。」
『分かりません。でも、そのうち戻れると思いますよ。あ、舞風艦長、朗報です。』
「?何が?」
『今、舞風艦長達がいる世界で戦艦水鬼を轟沈させたことを伝えたら舞風艦長の階級が1等海佐から海将補に昇格したんですよ。あと、六田提督の鎮守府内階級が少将から中将、海自内階級が2等海佐から1等海佐に昇格しました。』
「「「「「おー!!!」」」」」(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ★
「おいやめろ。」
舞風艦長が直ぐに言ったため、自衛官達は静かにした。
「階級が上がったのは分かった。こちらも早く向こうの世界に戻れるように努力する。」
『分かりました。』
そして舞風艦長は矢矧3佐との通話を終了した。
ー同刻ー
ー護衛艦「あおば」搭載
SH‐60Kが現れた海域周辺では色々な基地所属の護衛艦が捜索活動をしていた。しかし、その海域は「あおば」を異世界に連れて行ったような大きなどす黒い雲に覆われ、大雨が降り始めた。
「凄い雨だ・・・。うおっ!」
艦が大きく揺れ、艦長である
2等海佐が変な声を出す。
「艦長、この暴風雨でのこれ以上の捜索は困難です。横須賀に帰投しましょう!!!」
「そうだな・・・。しかし、周りの護衛艦はまだ捜索活動を続けている。その艦達を置いて帰れと言うのか!?」
町島艦長の一言で自衛官は黙り込んでしまった。
「このまま捜索活動を続ける。」
町島艦長は言った。
その時であった。艦の目の前に護衛艦1隻を呑み込まんばかりの大波が現れた。
「避けろ!!!面舵一杯!!!」
「航海長!!!舵が効きません!!!」
「何だと!?」
航海長が操舵輪を左右に動かそうとするが、操舵輪はロックされた様にびくともしなかった。
「艦長!!!舵が効きません!!!あの大波に突っ込むしかありません!!!」
航海長は町島艦長に叫んだ。
「くっ・・・!!!どうにか持ちこたえてくれ・・・!!!」
そして1隻の護衛艦は大波に乗り上げた。
「ぐわぁ!」
護衛艦の中に大波の衝撃が伝わる。
「よし!越えた!!!応急指揮所!艦内各部の損傷を報告せよ!」
『電気系統、機能正常、艦内各部、異常なし!!!』
「よし!このまま捜索を続ける!!!」
ピカッ・・・ドッシャァァァァァァァァン!!!
その時、艦橋が光で覆われ、物凄い音がした。
「雷が落ちたぞ!!!」
『艦橋、CIC、水上レーダー、僚艦を捉えられません、僚艦をロスト!』
「レーダーが効かないって事があるか!通信は!」
『1番艦たかなみとの交信不能、あけぼの、はるさめ、いかづち、あさぎり、共に返信ありません!全交信周波数、完全に沈黙!』
「5分前まで4000先のはるさめを確認している!衛星はどうなんだ!」
「JSAT、捕捉できません。」
「衛星追尾アンテナ、チェックせよ。」
「故障ではありません、全艦から応答ありません!」
「なっ!?どうなってる!?」
艦内がざわつき始めた。そしてその5分後
『各種計器、通信機器回復しました!』
各種計器や通信機器が回復したため町島艦長は一安心した。
その時だった
『艦橋、CIC!!!水上レーダーが消息不明のあおばを捉えました!!!』
CICからの報告で護衛艦、
学校が始まり、宿題が終わらないので更新が遅くなる可能性が高いです。