人工授精とかそういうやましい事は無いと思います。
ー大甕鎮守府ー
ー司令室ー
~BGM?『母港』〜
「高畑明人、以下6名。只今、帰還しました。」
「ああ、お疲れ様。明人以外は戻って良し。」
暫くして、司令室は六田提督と青葉(明人)だけになった。
「提督、私を残したのはあの件ですよね。」
「ああ、衣笠の件についてだ。」
「妊娠したって本当なんですか?」
「ああ。3人目だ。しかも、今回は三つ子らしい。」
「はぁ?衣笠って何歳なんですか?」
「今年で31になる。」
「足利と同じですね。子どもが増えるって今の世の中、良い事じゃないですか。」
「ああ、子どもが増えることは良い事だ。しかし、明人、なにか忘れてないか?衣笠の所属の艦隊は?」
「それって、第7艦た・・・、あ!」
青葉(明人)は思い出した様に言った。
「うちの艦隊、欠員が2人になっちゃいますね。」
「ああ。だから欠員が多い艦隊から2人持って来る。」
「そしたらその艦隊の残りの子が可哀想じゃないですか?」
「いや、その心配はない。その艦隊の欠員は4人だからだ。」
「それって、その艦隊の人を全員連れて来る事ですか?」
「そうだ。」
「そうですか。その艦隊から来る人は誰ですか?」
青葉(明人)の言葉を聞いた六田提督は写真が貼ってある紙を出した。
「この2人だ。」
「潮と木曾ですか。」
「ああ。暫くこのメンバーでやってもらう。秋月の花粉症が落ち着いたら潮は第9艦隊に移動してもらう。」
「そうですか。そう言えば、提督。」
六田提督は資料を見ていた。
「なんだ?」
「貴方って、艦これやってますか?」
六田提督は焦っている様だった。
「な、何で分かった・・・。」
「ずっと母港が流れてるじゃないですか。」
「分かったって事はお前もユーザーか?」
「はい。」
「サーバーは何処だ?」
「柱島泊地です。」
「俺と一緒じゃないか!」
「柱島って事は同時期に始めた様な気が・・・。」
六田提督はどんどん質問してくる。
「ケッコンカッコカリはやったか?」
「やりました。青葉と。」
「そうか・・・。」
青葉(明人)が六田提督に聞き返した。
「提督は誰とケッコンカッコカリをしたんですか?」
「やってないよ。」
「え?」
「だから、やってな」ドンドンドン!!!
ドアを思いっきり叩く音が聞こえ、ドアが開いた。
「このクソ旦那!家に資料置いて行くってバカじゃないの?」
入って来たのは曙だった。第7艦隊に所属する曙とは身長が違うので(第7艦隊の曙の方が小さい)、直ぐに見分けが付いた。
「何?あんた。」
曙(大きい方)が青葉(明人)を見ていた。
「コイツに編成を教えただけだ。」
「そう。」
曙(大きい方)は資料を置いて出ていった。
「これはケッコンカッコカリじゃなくてケッコンカッコガチですね。」
「そうだな。お前も青葉に成れて良かったじゃないか。」
六田提督は青葉(明人)を見た。
「そうですね。」
「今日はもう疲れただろう。戻って良し。」
「はい!」
青葉(明人)が司令室から出ていった時、六田提督は呟いた。
「あっ、木曾も花粉症だって言うこと忘れてた。まあ、軽度だからいっか。」
昨日、担任の先生が、
「この靴置いて行ったの誰?サイズからすると女子だな。誰も名乗り出ないなら『現役女子高生の靴』って言ってマニアに売っちゃうぞ!」
って言ってました。