第117話 目覚めた場所
「ここは・・・、何処・・・?」
明人が目を覚ましたのは真っ白い空間だった。明人は身体に違和感を感じ、身体を見ると、完全では無いが、5割くらい元の姿に戻っていた事を感じた。声はそのままで身体や顔はどちらかと言えば女性寄りだったが、下のアレも元の姿の男性のヤツに戻っていた。胸は小さくなっていたが、RJよりは多少大きな胸だった。顔は最上の様な男性に近い女性の顔だった。簡単に言うと、下のアレ以外女性寄りと言う事だ。
「久しぶりね・・・。明人・・・。」
しばらく身体を観察していると、後ろからワンピース姿の女性が歩いてきたので、明人はその女性のいる方向を向いた。
「あ、お前は・・・、ウザ神!!!」
「まあ、そうね。私はウザ神。」
「私をどうする気!!!」
「安心して。元の世界に戻すだけだから。」
「元の世界って・・・、」
「貴方がいた深海棲艦のいない世界よ。」
「え?じゃああの世界の私を殺すんでしょ!!!という事はこれまで積み上げてきた絆は無くなるの!?」
「そうじゃないの。」
ウザ神はフーッと一息ついてからまた言い始めた。
「貴方の目的は達成された。しかし、普通はそのままその世界で一生を終える事になっている。しかし、明人、貴方の場合は元の本体が死亡していない為、元の世界に戻す様なの。元の世界で死ねば戻って来れる。でもね・・・、意識がこっちに来るとね・・・、
「え?でも貴女私の身体を男性から女性に変えたよねぇ・・・。」
明人がウザ神に問い詰めると、ウザ神は黙り込んでしまった。
「実は・・・、私・・・、
身体を男性から女性にする事が出来ても・・・、女性を男性にする事は苦手なの・・・。」
「工エェ工エェ(゜Д゜)ェエ工ェエ工」
「うっさいわね!!!仕方ないじゃない!!!私の得意な能力は違う世界に行かせるのと、身体を男性から女性に変える事なんだから!!!女性から男性に身体を変えるのは苦手なの!!!」
「そうだったら違う神様に頼めばよかったのに・・・。」
「しょうがないでしょ!!!知り合いの神様全員ロリコンで幼女や駆逐艦を1人捧げないとやらないって言うんだもん!!!」
「あー、はいはい。わかりました。早く元の世界に戻してください。(棒)」
「何その棒読み感!!!
・・・。わかりました。今から元の世界に戻します。」
ウザ神が一息つくと、ハアッ!!!っと荒ぶる鷹のポーズをした。その瞬間、辺りが光に包まれていった・・・。
「あ、特典かなんかで下のアレ生やしたり戻したりできるから!!!後、」
「それ今言うことぉ!?」
そしてそのまま辺りが完全に光に包まれ、ウザ神の姿が見えなくなった。
「と・・・。」
誰かが明人の事を呼んでいる・・・。
「きと・・・!!!」
聞いたことのある声だ・・・。
「明人!!!」
明人が目を覚ますと、そこは真っ白な部屋で、窓からは田園風景が広がっていた。寝ていたベッドの横の椅子から母が心配そうにこちらを見ていた。
「こ、ここは・・・?」
「西山堂病院よ。列車の衝突事故で負傷してここに運ばれてきたのよ。」
「今は何年?何日?」
明人は少し焦り気味に母に問いかけた。
「変な事聞くわねー。今日は
「そう・・・。」
明人はそう言いながら手を動かした。手にはあの感覚がまだ残っていた・・・。そう、装甲貫通弾を撃ったあの感覚が・・・。