るろうに剣心 ー空と海と大地と呪われし姫君ー   作:トルネコ

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どうも、お久しぶりです!本当に更新遅れてしまいました…。どうやって主人公に飛天御剣流を身に付けさせようか考えていたら更新が出来ませんでした…!
私的にはるろ剣のキャラと技を全部出したいんですよね!笑


Lv.3 仏の村と謎の廃村

メクア一行がトラペッタに向かう途中、一人の中年盗賊ヤンガスを仲間にした。架け橋で落ちそうになったところをメクアが助けたのである。

 

「にしてもアニキ、なんでこんなオッサンなんかについて行くんでガスか?」

 

「誰がオッサンじゃ!」

 

「んじゃバケモンだな」

 

「ば、バケモンじゃと?!」

 

「まあまあ、二人とも。落ち着いて」

 

突然、ヤンガスとトロデのくだらない言い合いが始まりメクアがそれを止めにかかる。ヤンガスと出会ってから数日、これがメクア一行の昼間の日常風景になりつつある。一度、この言い合いをメクアが止めなかった事があるが低レベルな言い合いが延々と続いた事がある。なんというか、この2人の思考回路は単純なのだろう。

 

「メクアよ、この阿呆に言ってやれ!ワシの方が位が高い事を!」

 

「はぁ…」

 

メクアが眉間に手を当てて溜息を吐くとミーティアが哀れみの目で見てきたのがよくわかる。一日一回ならまだしも、これが一時間に一度の頻度で来るから流石に疲れる。しかも内容がくだらないときたもんだ。

 

「アニキ、こんなオッサンの言う事なんで聞かなけりゃいいんでゲスよ」

 

「あ、あはは…はぁ…」

 

今日は一刻も早く宿屋に行って休みたい気分だ。

 

「メク、大丈夫か?」

 

「うん?あ、トーポ」

 

メクアの胸ポケットから話し掛けてきたトーポを自分の肩に乗せながら言った。

 

「大丈夫だよ、もう慣れてきたし」

 

「そうか、でも無理はするなよ?いざとなればアイツらの耳を引きちぎってきてやる」

 

「口が悪いね〜?」

 

トーポの声は他の人間には聞こえないから暇な時の話し相手に持ってこいだ。まぁ、メクアがただ動物と話せるだけなのだが…。

 

「メクアよ、そろそろ日も暮れる、今日はあそこの村で一泊しよう」

 

日が暮れればB級モンスター、俗に言う強モンスターが活動を始める為、今は手も足も出ないメクア一行は宿屋や村で一泊するのである。

 

「イム…きょう…村???」

 

「メクア、それは(ぶつ)と読む漢字じゃよ…」

 

「…これカタカナじゃなかったの…?」

 

「小間使いの時に姫としっかり勉強していないから読めないのだぞ?」

 

「…すみません」

 

「まぁ、漢字以外は頭脳明晰の秀才だったからな、漢字くらいは大目に見ておくわい」

 

「ありがとうございます」

 

漢字、それは遥か昔に栄えた今は無き大陸の国が作り出したとされる独特の文字である。画数が多いが文章を短く簡潔にまとめることが出来る。まぁ、メクアにとっては暗号も同然だが。

 

「兄貴、ここの宿は馬小屋もあるそうでげす。ここに泊まりましょう」

 

「だめだ、宿賃が高過ぎる。第一、姫を馬小屋に預けるなど言語道断!」

 

「んだとジジィ!姫ったって馬じゃねぇか!」

 

「何を言うか!こんなに美しい姫を馬小屋に預けるなんて出来ぬわ!」

 

「ま〜た始まったよ…」

 

ミーティアとメクアは睨み合っている2人を見ながら苦笑いをした。今日で何度目だったろうか、もう止める気にもならない。

 

「メクア、私は大丈夫ってお父様に伝えてもらえる?」

 

メクアが疲れ切っている事を察したミーティアは馬小屋で寝る事を決意したようだ。案外馬小屋も暖かくて寝心地が良いとミーティアが言っていたが、少し可哀想ではある。よく考えると一国の姫が馬小屋で眠を取るのはどうかとも思うが、仕方ない。

 

「はぁ…トロデさん、ミーティアが馬小屋でもいいって」

 

「いや、しかしだなメクアよ──」

 

トロデがそう言った瞬間、ミーティアがトロデを睨んで何かを伝えようとしたようだ。案の定、何かを察したトロデは渋々と宿屋に入っていった。

 

「オヤジ、大人3人と馬一匹」

 

「ではこちらへどうぞ」

 

村に入った時から思っていたのだがこの村の人々はなにやら奇妙な服をまとっている。男はみんな頭を丸めてツルツルだし、昔の集落かなにかの名残だろうか。

 

「こちらです。観音の間ですのでお間違いなく」

 

そう言って宿屋の亭主は受付に戻っていった。それより観音の間とはまた奇妙な名前の部屋に案内されたものだ。どこの村も数字で部屋の名前が付いているというのに。

 

「ア、アニキ…この部屋…変な臭いが…」

 

ドアを開けた瞬間、ヤンガスは渋い顔をして鼻を摘んで手で顔の前を扇いだ。

 

「あぁ、これは線香の残り香じゃな」

 

部屋から漏れた匂いを嗅いだトロデが続けて言った。

 

「まぁ、寝るときは心地よいじゃろうて」

 

その日の夜、確かに線香と畳の香りはとても心地よく、今までの疲れが一気に取れそうな気分だ。

 

「うるさい…」

 

トロデやヤンガスは既に寝た。そのイビキがうるさく全く眠りにつけない。

 

「ミーティアは…寝たかな?」

 

確か馬小屋は宿の外に一回出てから隣接してる馬小屋に行けたはずだ。少し遠いが散歩がてら、寄ってみようか。

 

「流石に冬は寒いなぁ…」

 

毛布を一枚羽織ってくれば良かっただろうか。そう思いながらふと空を見上げると一面に大小無数の星が広がっていた。

 

「あれ、こんなに夜空綺麗だったっけ…?」

 

小間使い時代に天体学は一通り教わった。星座も大抵は覚えた。その星座を探しながら夜空を見上げるのは幼少期からの趣味の一つだ。

 

「そういえばここに来る途中の分れ道…どこに続いてたんだろ」

 

この村に来る途中、不気味な森に続いている細道につながる分れ道があった。すぐそこだし、行ってみようか。

 

「はぁ…はぁ…流石に1人での夜はキツいかな…」

 

軽くモンスターと戦っただけなのにHPのほとんどを削り取られた。その上、やくそうを全て使い切った状況である。

 

「まぁ…帰っても進んでも同じかな…」

 

不気味な森の奥に進んで一時間弱、そろそろ森を抜けてもいい頃だが、進んでも進んでもモンスターと森が続いているだけだ。

 

「そろそろ…戻んないとかな…ん?」

 

来た道を戻ろうとした瞬間、森の奥の方に光が見えた。自然の光ではなく火のような人工的な火である。

 

「村…かな?」

 

村でも集落でもどっちでもいい。一晩休めれば体力も回復し朝になればモンスターも弱くなり簡単に帰れるはずだ。

 

「ここは…?!」

 

森の奥にあったもの、それは壁は剥がれ落ち、屋根は穴だらけの廃家の建ち並ぶ廃村だった。

 

「こんなところじゃ寝るのはは無理か──」

 

後ろを振り向いた瞬間、メクアの意識が遠のいてその場に倒れ込んだ。

 

「やれやれ、これくらいで気を失うとは…情ねぇなぁ?馬鹿弟子が…」

 

体格の良いその大男はそう言ってメクアを引きずって廃村の奥に連れていかれた。

 




どうだったでしょうか?ちょっと短いですが次回に続きます!

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