「で、ここはどこなんだ?」
「?」
ルーミアは可愛らしく首を傾げるが、想真はそれを見て苛ついていた。
「……早く言え」
「ここは幻想郷なのだー」
「幻想郷?」
「そうなのだー。厳密に言えば魔法の森といって………」
それから想真はルーミアから幻想郷のこと、弾幕ごっこなどを教えてもらった。
想真は驚いた表情をするが、段々その段々ごっこに興味を持ち、話を聞いてる最中は目を輝かせていた。
「想真兄、もしかして弾幕ごっこしたいの?」
「あぁ、是非してみたいな」
「だったら神社の所に行くのだー、あそこなら霊夢が教えてくれるのだー」
それを聞いた想真は考えた。
(……スペルカードを作ってみるのもいいな。それに、もうあんな所には帰りたくない)
想真の考えはもう既に決まっていた。帰りたくない。それが彼の心を支配していた。
「想真兄……顔怖い…」
想真はいつの間にか表情をきつくしていた為か、ルーミアは怖がっていた。
「お前妖怪なんだから大丈夫だろ……まぁ、すまん」
「例え妖怪でも怖いものは怖いの!!」
そんなルーミアの抗議を無視して、歩いていこうとする。
「想真兄、どこに行くのかー?」
「まずさっき言ってた霊夢って言う巫女がいる神社に行こうと思う」
「それだったらついてきてなのだー」
ルーミアはそう言うと、ふわふわとゆっくり飛んでいった。想真はルーミアの後を歩いて行った。
しばらくすると、ルーミアはある1軒の家に着いた。
「ここなのだー」
「…………?」
想真は訳が分からず、頭の上に疑問符を浮かべた。
「ここは霊夢の友達が住んでる場所だから案内にはうってつけなのだー」
ルーミアは想真が疑問符を浮かべてるのを感じたのか、説明をして想真は納得した。
「なるほど……」
「魔理沙ー?いるのかー?」
ルーミアは巫女の友達の名前を呼んだ。すると、家の中からどたどたと音がする。ドアが開き、出てきたのはいかにも魔法使いっぽい白黒の服を来た金髪の少女が出てきた。
「ルーミアか……誰だ?」
「想真兄なのだー」
「……神凪想真だ」
「私は霧雨魔理沙だぜ。よろしくな!」
「……よろしく」
想真は無愛想に返す。そんな反応に魔理沙は少しイラッときた。
「お前なんだその反応は?もう少し別の反応でもしたらどうだ?」
「………」
「想真兄……どうしたのだ?」
ルーミアが反応しない想真を心配するが、想真は違うことで頭がいっぱいになっていた。
(なんだ?こいつ(魔理沙)から変な力を感じる。もしかしたらこれが霊力とか魔力とかの力なのか?けど、俺は何も力がないんだぞ?そんな俺にその力を感じれるのか…………)
「おい!!聞いてるのか!!」
想真は魔理沙の声に気付き、思考を止めた。
「あ、あぁ……どうした?」
「どうしたじゃねえよ!さっきからお前が何も反応しないから私とルーミアが心配したんだぞ!」
「想真兄………」
魔理沙は声を荒げ、ルーミアは心配そうに想真の名前を口にする。
「……すまん、少し考え事をしてた。だからそう心配するな」
そう言ってルーミアの頭を撫でる。そっと優しく、 安堵させるように。
「〜♪」
ルーミアはそれが気にいったのか、心配そうな声ではなく、気持ちよさそうに鼻歌をした。
「………ルーミアが人間に懐いている」
そんな魔理沙の言葉は想真の耳に入らず、ルーミアを撫で続けた。