九十七話
朝早くに起き、俺はフウジョウタウンを出た。目指すはヒャッコクシティだ!
俺が17番道路に向かおうとしたとき、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「バロン君!良かった~会えたよ~」
サナ達が走って追いかけて来ていた。
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん!」
「それより!この街の上の方にあるフロストケイブにユキノオーが居るんだけどよ」
「そのユキノオーがフレア団に襲われているって住人から報告が来たんだ!」
「私達の力じゃ無理そうで・・・」
「「「お願いします!ユキノオーを助けてやってください!」」」
※フロストケイブ※
地下4階層に分かれている洞窟。
最奥は開けている場所があり、神聖な場となっている。
3人一斉に頭を下げられた。
フレア団・・・最近噂を聞かないと思ったがやはり悪さをしていたか・・・
「任せろ。俺がフレア団と戦ってやる」
「ありがとう!」
俺は早速フロストケイブに向かった。
「サナ達は危ないからここにいてくれ」
「俺達も微力ながら手伝わせてくれ!」
「ダメだ。もし住人にフレア団に襲われたらどうする?助けられるのは思え達だけだ」
「そうか。分かった!ここは俺達に任せろ!」
万が一って事もあるからな。
後はただ足手まといと考えていたが、今はフレア団を潰す事だけを考えるか。
俺はフロストケイブに着き、メタグロスを出した。
「よろしくなメタグロス。この先に大勢の人の気配がある。多分だがフレア団の連中だろう」
『間違い無いでしょう。ここでフレア団を潰せば良いんですよね?』
「ああ」
メタグロスもやる気を出し、俺は最初からやる気だ。
俺はメタグロスの背中に乗り、高速でフレア団に向かっていった。
フロストケイブの中腹辺りまで着くとオレンジ色の服の連中が群れて焚き火の中心で集まっていた。
「メタグロス!ラスターカノンでぶっ飛ばせ!」
『了解!』
俺はメタグロスから落ちないようにしがみつき、ラスターカノンを放った!
フレア団は突然の攻撃に為す術無く吹き飛ばされ、洞窟の中腹から崖下に落ちていった。
俺達はスピードを緩めずにそのまま中腹を通り、最奥へと目指した。
そこに強いエネルギーを感じるから。
その後もフレア団に気付かれないうちに攻撃をして全て倒して行った。
そして・・・
「フレア団!そこまでだ!」
辺りが氷で覆われている開けた場所に出た。
オレンジ色の服の連中がユキノオーを取り囲む様に陣取っており、炎タイプを中心とした構成でユキノオーを攻撃していた。
だが、普通の大きさのユキノオーでは無く、大型のユキノオーだった。
最初はメガ進化したユキノオーだと思ったが、普通のユキノオーだったのだ。
フレア団はこの珍しい大型のユキノオーを捕らえに来たんだろう。
だが!
ポケモンで悪さを使用者なら許すわけにはいかない!
「あの時の餓鬼か!」
「アケビが見た小僧ってこいつ?」
ん?こいつら俺の事を知っているのか?
「俺はお前達の事知らないが俺の事は知っているのか?」
「素直に聞く坊やだね。君が知らないには仕方ないのよ」
ん?意味が分からんぞ?
「カロス発電所の件でアケビがビオラに負けたのよ。その帰る途中にレックウザに乗ってくる貴方を見ただけよ」
「あの時のフレア団は貴女でしたか」
「私達はレアなポケモンを手に入れたくてね・・・」
「そのポケモン達は強い力を持つ」
「「そいつらでこの世界を手に入れるのよ!」」
その時、後ろの大型ユキノオーが動いた!
『そんな者の下に付く気は無い!立ち去れぃ!アームハンマー!』
大型のユキノオーの攻撃範囲は相当開く俺の所まで届いた!
「メタグロス、守るだ!」
「ヘルガー!火炎放射!」
「ウィンディ!火炎放射!」
俺はメタグロスに守るで攻撃を耐え、アケビともう一人の女性はポケモンに技を出したが、あの巨体の攻撃は並の攻撃では押し返すことは不可能だ。
案の定、火炎放射はアームハンマーによって、そのまま振り下ろされ、ヘルガーとウィンディは攻撃を受けた。
2体は周りの氷の壁に激突し、戦闘不能になった。
「ちっ!お前達!何をもたもたしてるんだ!あいつを倒しな!」
「「はっ!はい!」」
フレア団の下っ端達が俺の方に来たが、この俺に下っ端だけで勝てるとでも?
「下っ端共に負ける訳ないだろう?メタグロス、ラスターカノンで一掃しな!」
『了解だ』
「生意気な餓鬼が!野郎共!大文字だ!!」
「「おう!」」
マグカルゴやコータス、バクーダ、ヒヒダルマ、カエンジシが一斉に大文字を放ってきた!
流石に鋼タイプは炎に弱く、ラスターカノンは押し返された。
「メタグロス!守る!」
「所詮は餓鬼だぜ!お前達、そのまま燃やせ~!」
「「おう!」」
面倒くさいぜ・・・
「出てこいゾロアーク!」
『やっと俺の出番か!』
ゾロアークは先にイリュージョンを使い、メタグロスに化けて貰っている。
相手はメタグロスを出したと勘違いし、余裕の笑みを浮かべた。
「せっかくゾロアークだと言ってあげたのにね。ゾロアーク!悪の波動!メタグロス!ステルスロックをアーム化しろ」
『『了解!』』
ゾロアークは最大パワーで悪の波動を放った!
通常の悪の波動は拳大だが、最大パワーの悪の波動はその倍の大きさはある!
フレア団のポケモン達の大文字はゾロアークの悪の波動に押し返され、全弾ポケモン達に当たった!
メタグロスはステルスロックをアーム化させ、腕に装備させた。
「メタグロス、トドメをさせ!アームハンマー!」
ステルスロックを纏った岩付のアームハンマーを勢いよくフレア団のポケモン達に振り払うように攻撃する。
バキバキと後を立てながらポケモン達が巻き込まれていく。最後には氷の壁に打ち付けられ戦闘不能に・・・
勿論、永久の戦闘不能では無いので安心してほしい。怪我は免れないが・・・
「俺達のポケモンが・・・貴様ぁ!」
フレア団の下っ端の指揮していた奴が俺を殴りに来たので、メタグロスがサイコキネシスを使い、氷の壁に打ち付けた。下っ端の指揮官は骨が折れたのだろう。変な形に腕やら何やらが曲がっている・・・
正直見ない方がいい。見たくない・・・
この状態を見たフレア団の下っ端は一目散に逃げていくが、最初に言ったとおり潰すのでメタグロスが指揮官と一緒のように始末した。
アケビともう一人の女性は大型ユキノオーの戦闘に夢中でこちらに気付いていない。
ユキノオーは勿論俺の事に気付いているが、襲ってこないと感じフレア団と戦っている。
勿論俺もただ見るだけじゃない。
「メタグロス!再度アームハンマー!」
メタグロスは先ほどと同じように薙ぎ払うように2体のポケモンとついでにフレア団2名を攻撃し、氷の壁に叩き付けた。先ほどと同じように骨は大変な事になっているだろう。