九十一話
俺達はレックウザにクノエシティまで運んで貰い、ポケモンセンターで道具系統を補充するため向かった。
とりあえずは傷薬とモンスターボールを補充しないといけないな。
セレナも一緒のを買っていたし。
「んじゃ買い物終わったしジムに挑戦しようぜ!」
「うん!」
俺達はジムに挑戦しに行った。
今日は良い天気だな。日差しが強いや。
ジムに着くとマーシュさんが日向ぼっこしていた・・・
「マーシュさん。ジムに挑戦しに来ました!」
「同じくジムに挑戦しに来ました!」
マーシュさんはゆっくり目を開けると、
「あら~ジムに挑戦?私はまだ眠たいの~また後でね~」
そう言うとまた目を瞑ってしまった・・・
「って!寝ないでください!ジムに挑戦しに来たんです!受けてください!」
「そうですよ!起きてください!」
マーシュさんはぴくりとも動かない。
すると俺達の後ろから男性の声が聞こえた。
「私、クノエジムの審判をやってますフランといいます。マーシュ様は夜にしかジムバトルはしないので、昼間は良く眠られておりますので起こさないであげてください。勝負の方は私の方で予約を入れますので、夜にまたいらっしゃってください」
そうだったのか。それなら仕方ないか。
セレナと観光して暇つぶしをしようかな?
「ありがとうございます。では、また夜に来ますのでよろしくお願いします」
俺は頭を下げて立ち去ろうとした時、
「ねえねえ!ジム場は貸してくれる?私、バロンとバトルしたい!」
「おやおや・・・そちらの方もそれでよろしいのですか?」
凄くニコニコしながら俺を見てるが、バトルなら大歓迎だ!
「勿論いいぜ!バトルしようぜ!」
「やった~!皆で修行した成果、見せてあげる!」
「望むところだ!」
フランは俺達をバトル場へ案内してくれて、審判も受けてくれた。
正直ありがたい。使うポケモンは1体でどちらかが戦闘不能になれば終わりのシンプルなルールだ。
「それではこれより!バロン様VSセレナ様のバトルを始めます!使用ポケモンは1体!どちらかのポケモンが戦闘不能になれば終わりの1本勝負です。それでは・・・始め!!」
模擬戦
☆セレナVSバロン☆
「行ってきて、マフォクシー!」
「お前の力を見せてやれ!行け、ミュウツー!」
さあ、模擬戦の開始だ!
「先手必勝!ミュウツー、シャドーボールだ!」
「相殺しちゃいなさい!マフォクシー、シャドーボール!」
2体のシャドーボールはそれぞれ放つモーションは違うが技は一緒。だが・・・
「私のマフォクシーの特性を忘れちゃ困るよ?」
「くっ!忘れてたぜ・・・」
そう・・・
マフォクシーの特性はマジシャン。
魔法(放つ技)系統の威力を上げる事が出来るのだ!
シャドーボールはミュウツーのシャドーボールを押し返した!
「避けろミュウツー!」
ミュウツーはテレポートを使い、その場から瞬時に離脱。シャドーボールは誰もいないところを通過した。
次に現れるところは決まっている!
「ミュウツー!0距離からシャドーボールだ!」
「うそ!?」
テレポートから現れたミュウツーはマフォクシーの後ろに現れて、シャドーボールを放った!
マフォクシーは0距離からの攻撃は流石に防ぎきれず、吹き飛ばされた!
「追撃しろミュウツー!サイコブレイク!」
「体勢を立て直して!守る発動よ!」
ミュウツーはサイコブレイクの技を溜めるために両手を前に出し、エネルギーを溜めた。
その時にマフォクシーは体勢を立て直し守るを発動してからサイコブレイクが放たれた。
勿論、守るを発動しているのでサイコブレイクは不発に終わった。
サイコブレイクは技を溜めてから放つまで5秒ほどかかる。
シャドーボールでも2秒はかかるのだ。
守るは1秒もあれば発動出来る。だが、体勢が悪かったから間に合うと思っていた。
考えが甘かったんだな・・・反省しなければ。
「マフォクシー!杖を地面に刺して!」
マフォクシーは持っていた杖を地面に突き刺した!
「何をする気だ?ミュウツー、あの杖をとりあえず外しておく。サイコキネシス」
「やっぱりね・・・」
セレナがクスッと笑ったが・・・罠だったのか?
ミュウツーがサイコキネシスで杖を抜いた瞬間、そこからマグマが噴き出した!
更に、抜いた杖はマグマに変わり地面に流れた。
マフォクシーを見ると杖はマフォクシーの手に戻っていた。
どうゆう事だ?
俺は念のために頬を抓ったが変化は無い・・・
ミュウツーも一緒の事をしたが変化が無かったみたいだ。
「さ~て・・・真のマジシャンの力、見せてあげるわ!マフォクシー!マジカルフレイム!」
「ミュウツー!このままでは負ける!Wメガ進化だ!」
俺は腕に付けているキーストーンに触れ、ミュウツーの両腕に付けているメガストーンと共鳴!2人を虹色の光りが包み込む!
マジカルフレイムはその時に当たったが、メガ進化中は攻撃を受けない!よって、無効化した!
ミュウツーはYの姿、余分な部分を全て取り除いた形になり・・・
Xの姿、両腕、両足の筋肉部分が出来た。
見た目は残念な感じになってしまったが・・・性能は良い!見た目の改良は頑張るが・・・
【Wメガミュウツー】にメガ進化した!
「行くぞミュウツー!爆裂パンチ!」
「マフォクシー!守る!」
マフォクシーの守るは発動に1秒掛かるが・・・
「え?どこにいった・・・の?」
マフォクシーが仰け反った・・・いや、正確にはぶっ飛ばしただ。
WメガミュウツーはYの姿のスピードに加え、Xの力を最大限生かすことが出来る!
そのおかげで今先ほどまで場所から移動までは1秒も掛からない!
更に、技の発動時間も短縮しているので、爆裂パンチはマフォクシーをアッパーで攻撃し上にぶっ飛ばしたのだ。
勿論、手加減はしないので追撃する!
「ミュウツー!追撃しろ!インファイト!」
ミュウツーは先ほどの素早さでまだ体勢を整えていないマフォクシーに接近しインファイトを放ったその瞬間!
「マフォクシー!奥の手を使って!」
マフォクシーの体から物凄い光量が発せられ、ミュウツーは0距離でその光量を食らった!
ミュウツーはテレポートを使い俺の前まで移動し、目の回復を優先させた。
それにしてもあの光り・・・マフォクシーの体を見るとアレしか思い浮かばないな・・・
光りが収まるとマフォクシーはポケモンの姿では無く、人間の姿。擬人化したのだ。
金色の長い髪にマフォクシーに似た耳。
赤いズボンに手首から腕までを覆う赤い布。手には杖を持っている。
服はマフォクシーの毛並みと一緒の黄色に近い色の服を着ている。
金色の尻尾も生えていた。
擬人化マフォクシーだ!
俺は直ぐにポケモン図鑑で擬人化マフォクシーの特性を調べた。
マフォクシー
擬人化時【大魔術師】
マジシャンの上級職版。
全体的に能力を大幅に上げる。
擬人化時【神装】
神様の力を纏うことで、その神の力を使うことが出来る。
「えへへへ~凄いでしょ!私達も出来る様に練習したんだよ。主にピカチュウに助けて貰ったけどね」
「この姿で神装するまで大変だったんですよ?」
俺は審判の方をチラッと見ると驚くこともなく自然としていた。
もしかしなくてもマーシュさんは擬人化出来るポケモンを手に入れているな。
ならば俺も擬人化で相手するか。いや、もう少しこのまま攻撃してみて必要と判断してからでいいか。
「凄いじゃないかセレナにマフォクシー!だけど、俺のミュウツーに勝てるかな?」
「ちょっとだけ待って!神装をしたいから!」
おいおい・・・直接お願いされちゃったよ・・・まあ良いか。
「いいよ。どんな神装かも気になるし」
「ありがとう!それじゃ・・・マフォクシー!神装・勝利の女神アテナ!」
勝利の女神・アテナか・・・
これは厄介になるけど、擬人化時の大魔術師の特性を生かし切れていないぞ?
やるなら、魔法の女神であるイシスあたりが妥当だと思うのだが?
セレナが決めた事だからいいか。
マフォクシーの周りに魔法陣が展開され、マフォクシーの体に金色の鎧兜が装着された。
更に手に持っていた木の杖が赤く染まり赤い金属に変わった。
金色の長い髪には、可愛い金色に白色のラインが少し入った髪留めで止めた。
最後に魔法陣が消えたとき、マフォクシーの周りに炎が吹き荒れ、周りを守るように展開した。近づくと焼けてしまいそうな位熱い。
セレナの方を見ると、周りに薄い結界が張られている。
これはマフォクシーが気を利かせているのだろう。結界が無ければ熱すぎるからな。
「正直驚いたよ。俺が想像していたアテナは接近だったからさ」
「やっぱり!最初の顔はあきれ顔だったからそうだと思ってたよ」
ポケモン図鑑でマフォクシーの特性を調べてみた結果・・・
特性【勝利の女神】
アテナの加護を全面的に受けれる特性。
魔法威力絶大アップ・体力自動回復大
これはヤバいかも知れないな・・・
ミュウツーを神装させた方が良かったか?