八十七話
朝起きるとポケモン達が俺達の周りにいた…
テントから出されていたみたいだ。遠くの方にテントがあったから…
「皆おはよう〜」
『さっさと起きろ!水鉄砲!』
ビーダルに攻撃された!こいつ!
「ブリガロン!爆裂パンチ!」
ブリガロンの反応が無い…
『今更気付くのか?お前のポケモン達は皆ダークホールのおかげで眠っているぞ』
ダークホールだって!?
ダークライしか覚えない技だぞ?
『疑問に思ってると思うから先に説明してやる。ドーブルに技をコピーさせたんだよ』
「そうゆう事か。俺にどうしろと?」
俺だけじゃ何も出来ないから何していいか分からん!後、寝起きだ!
『俺達と体術で語ろうと思ってな』
はい?
ポケモンと体術って普通に考えて無理じゃね?
「俺は人間。お前達はポケモン。俺が戦うと間違いなく俺、死ぬよ・・・」
『大丈夫だ!さあ、やろう!』
「ちょっと待て~!」
その後は問答無用で攻撃されたから避けることに必死だった・・・
俺のポケモン達は昼までずっと眠っていた。
ポケモン達が起きた時、俺が森のポケモン達に攻撃されているのを見て、直ぐに駆けつけてくれた。
『マスターに何しやがる!破壊光線!』
『レックウザか?いきなり攻撃とはな。守る』
レックウザの攻撃を容易く守り抜いた。
だけど、俺の他のポケモン達が攻撃する。
『ラスターカノン!』
『悪の波動!』
『ソーラービーム!』
『破壊光線!』
俺のポケモン達の一斉攻撃がビーダルを狙う。
その時、ビーダルの後ろの森から光線が飛んで来て、俺のポケモン達の一斉攻撃を相殺した!
森から出て来たのは攻撃部隊のバンギラスにボスゴドラだった。
『朝から騒がしいぞ!』
『静かにせんか~!ボスが来たらどうするんだ』
え?ボスって事はピカチュウの事だったよな?
もしかして・・・
俺の予想は当たったみたいだ。
森からすご~く機嫌が悪いピカチュウが電気を纏って来ていた・・・
「おいおい。逃げるぞ?」
『『当たり前だ!逃げろ~!』』
『『お、おう!』』
俺達は一目散に逃げたけど・・・
『俺から逃げられるとでも?』
ピカチュウは一瞬電気を地面に流し、俺の足を痺れさせた。俺は足が痺れて転んだ。
ビーダルとゾロアークも同じく痺れ、転んでいた。
バンギラスとボスゴドラ、メタグロスの最終進化系達は根性でそのまま走った。
空を飛ぶレックウザはそのまま飛んで行こうとしていたが・・・
『まずはレックウザからだ。地面にひれ伏せ!落雷!!』
ピカチュウから電気が放たれた。その電気はレックウザの頭上から急降下し、落雷と化した・・・
レックウザは全身に雷がまわり、地面に落下し痙攣状態で地面に倒れた。
『次は・・・』
ピカチュウは根性で走っている3体を見た。まずは・・・
ピカチュウは磁力を使い高速移動し、バンギラスの懐に移動した。その時、残像が見えた。
バンギラスは急に目の前に現れたピカチュウに驚き少し止まった瞬間、ピカチュウはアイアンテールを勢いよく薙ぎ払った!バンギラスは大きく後ろに飛ばされ、地面に倒れた。
それを見たボスゴドラはピカチュウにラスターカノンを放った。メタグロスも追撃と言わんばかりにラスターカノンを発射した。2方向からのラスターカノンをピカチュウは地面に電気を流し込み、電気柱を発生させ相殺させた。
その後直ぐに磁力を使い高速移動し、メタグロスの真下に潜り込み雷パンチでアッパー攻撃した。メタグロスは1回転して地面に倒れた。
残ったボスゴドラは破壊光線をピカチュウに放ったが、簡単に躱し雷を放った。その雷はボスゴドラに当たり地面に倒れ痙攣した。
「ピカチュウ・・・強すぎ・・・」
俺はそのまま倒れた。
私はピカチュウの機嫌を損ねるような事はしないでおこうと思った。
今の戦闘力を見る限りでは、私達はピカチュウに勝てない。
ピカチュウは機嫌が悪くても自身を制御出来ている。
今の戦闘でレベルも上がったみたいだ。
ピカチュウは私の方を見たけど、何もしなかったので私は対象外?
もしかして、寝てたのを邪魔したから起こっていたのかな?
ピカチュウはその後、森に帰っていき寝たみたいだ。
私は朝ご飯の準備をするためにポケモン達を連れて静かに魚釣りをする事にした。
なかなかヒットしないから忍耐力がいるな。根気強く頑張るか~
俺達が目を覚ますと皆体力が回復していた。
妙に清々しい目覚めだ。
周りを見るとポケモン達がいて、回復していてくれたみたいだ。
「皆ありがとう。おかげで随分と楽になったよ」
『いえいえ。私共は回復要員みたいな者ですから』
俺に手を差し伸べてきたハピナスにお礼を言い、立ち上がった。
倒れていたポケモン達も手を差し伸べて立ち上がったみたいだ。
「ピカチュウはまだ寝てる?」
『はい。なので静かにお願いします。ボスはいつも8時に起きます』
今の時間は、まだ7時だった・・・
一時間も時間があるのか。
「何か手伝うことは無いか?助けて貰ったお礼をしたくて」
『ありがとうございます。では、木の実を取って来て貰えれば助かります。私共は調理の準備をしますので』
そう言いハピナスは簡易キッチンを作っているポケモンの群れへと行った。
他のポケモン達にキッチンの事を聞くと、ボスが指示したらしく、俺とセレナの為だとか・・・
ピカチュウはやっぱり良いやつだ!
その時、上空からエアムードが降りてきた。
『大変だ!この森に侵入者が入ってきた!特徴は全身黒!背が高い大男だ!』
『何だって!?速くボス達に知らせろ!バロン様、すみませんが朝食は遅くなります』
俺に気を使わなくて大丈夫なのに。皆良いポケモンなんだから。
「俺も侵入者を迎撃しよう。手伝わせてくれ」
『ありがとうございます!ウィンディ、バロン様を乗せてあげて。セレナ様を守る役目は防御の堅いボスゴドラに任せましょう』
「ありがとう!頼むウィンディ!」
『任せろ!』
俺はウィンディとその部下達を引き連れて侵入者が入ってきたと言われた場所へ向かった。