八十三話
暫く部屋で待っているとライが入ってきた。
「待たせたな。セレナ君とポケモン達の回復が終わったぞ。ジム戦するか?」
「はい!」
「そう言うと思っていたからセレナ君は先にジムの観客席で待たせてるぞ」
「ありがとうございます!」
ライはそう言い俺と一緒にジムの方へと行った。
ジム場に着くと既に準備は整っていて直ぐにバトルが始められるようになっていた。
俺達はそれぞれの立ち位置に立ち、向かい合った。
セレナは手を振り頑張ってねと言ってくれたので手を振り替えし微笑み返した。既にバッジは手渡っていると聞かせれているので後は俺だけだな。
「これより、雷轟ジムのバトルを始めます。使用ポケモンは5体!ポケモンの交代はチャレンジャーのみとなります!それでは・・・バトル開始!!」
雷轟シティ戦
☆ライVSバロン☆
「バトルでは加減しないぜ!出てこい、レントラー!」
「勿論です。俺も本気で行きます!出てこい!ブリガロン!」
「「進化の真骨頂を見せてやれ!擬人化!!」」
俺とライはポケモンを擬人化させバトルを開始した。
「先手必勝だ!電磁エレキフィールド展開!」
「させない!神速乱れ斬り!」
※神速乱れ斬り※【ノーマル】
神速の速さで相手を斬る。
ブリガロンは瞬時に動き、レントラーが技を放つ前に攻撃を当てた!
レントラーは攻撃を中断され大きく仰け反った!
「なに!?」
「まだだ!ブリガロン!そのまま爆裂斬!」
ブリガロンが持っていた剣はに爆裂パンチと一緒の性能の技を付与させて切り裂いた!
レントラーはその攻撃を受け、爆発し大きく飛ばされ戦闘不能になり地面に倒れ擬人化が解除されポケモンの姿に戻った。
「俺のレントラーが足下に及ばないか・・・レントラー戻れ。流石だなバロン」
「ありがとうございます。俺はこのままブリガロンで戦います」
俺は交代するのかしないのかも聞きたいと思ったので先に言った。
「そうか。それじゃ俺の次のポケモンだ。行け!サンダース!」
※サンダース※【電気】
イーブイの進化形。
空気中のマイナスイオンを吸い込んで約1万ボルトの電気を吐き出すことがある。
「擬人化はしないのですか?待ちますよ?」
「うっ!それは奥の手だ!さあバトルだ!」
「良いのかな?それじゃブリガロン、素早さアップの魔法を掛けてから、剣戟乱舞!」
※剣戟乱舞※【格闘】
剣で相手を連続で攻撃する。
「ちょ!モーションすら無いのかよ!サンダース!躱すんだ!」
思ったのだが、ライのポケモンはレントラー以外は擬人化出来ないな?
そんな状態じゃ俺のブリガロンに勝つ事は無理だろう。次はメタグロスで行くかな。
ブリガロンはモーション無しで素早さを上げサンダースが避ける前に剣戟乱舞で攻撃した!
しかも素早さを上げている為、通常の攻撃量と違い倍以上の攻撃をしたのでサンダースを戦闘不能にさせた。
「マジかよ・・・戻れサンダース」
「ブリガロンも戻れ」
ライは凄く驚いたが直ぐに気を取り直した。
「出てこい、ライボルト!」
「出番だメタグロス」
ん?ライの顔が引きつったぞ?
「なあ。聞いていいか?そのメタグロスメガ進化出来るよな?」
「はい。出来ますよ。ライさんのライボルトも出来ますよね?」
ライはもう呆れたような顔をしたぞ・・・
「なあバロン。こう言うのもあれだが・・・俺の負けだ」
・・・え?
まだ残り3体は残っているぞ?
セレナの方も何が起きてるか分からない感じだし。
審判の方も判定に困っている。
「その、だな・・・俺のポケモンはこれ以上強いのいないんだ・・・」
ライは両手を挙げ降参を示した。
俺的にはもっと戦いたいけど・・・まあ良いか」
「わかりました」
俺とライは審判の方に顔を向けた。
「はっ!こ、この勝負!チャレンジャーバロンの勝ち!」
「すまないな。これは勝利の証【雷獣バッジ】だ。レベル400までのポケモンをGETしやすくなるのと・・・」
ライは更に・・・
「途中でバトルを放棄したんだ。これは謝礼金だ。受け取ってくれ」
そう言うと俺のポケモン図鑑にお金が加算された。しかも桁が凄い!
「こ、こんな貰って大丈夫ですか?」
「勿論だ。後、何か困った事があれば相談になるから図鑑に俺のアドレスを登録しておく」
「ありがとうございます」
ジムリーダーのライさんはいい人なんだな。
セレナもいつの間にか俺の隣に来ていた。
「おめでとうバロン君。ジムバッジ5個目GETだね」
「ああ。ライさんありがとうございました」
「こちらこそ。次はどこにむかうんだ?」
次か・・・
元々向かおうとしていたクノエシティだな。
「クノエシティですね。ここから一番近いですし」
「そうだな。言い忘れていたんだが、この頃正体不明の黒い影が彷徨いているらしいから気をつけろよ」
「ありがとうございます」
ちなみにここ、雷轟シティはミアレシティとクノエシティの真ん中辺りにあり、クノエシティよりだ。
後、正体不明の黒い影か・・・
今はセレナもいるから注意して旅をしないといけないな。
「では僕達はポケモンを回復させてから出発します。ライさんもジム頑張ってくださいね」
「おう。気を付けてな」
俺達はポケモンを回復させ、雨が未だに降り続ける雷轟シティに俺のポケモンを出した。
「出てこいレックウザ。特性のエアロックで天気の影響を無効化しろ。そして、クノエシティに行く前に少し鍛錬がしたい。久しぶりにピカチュウ達に会いに行くよ」
『了解ですマスター』
レックウザは咆哮し、雨雲を消し去った。
そして俺はレックウザに乗りセレナを乗せ、飛び立った。
雷轟ジムからはライがあきれ顔でこちらを見ていた・・・
久しぶりにピカチュウに会いに行くか。
元気にしてるかな?