八十二話
ジムの前の扉にセレナがこっちを向いて待っていた。
「セレナ!?」
「やっと来た!遅いよ!」
セレナは俺よりも速くジムの前で待っていたみたいだ。
それにしても速くないか?
「速かったね。待たせてごめん」
「うん。待たされたお礼と言う事で私が先にジムに挑戦するね」
「え?ああ。了解・・・」
先に挑戦したかった!
俺達は一緒にジムの扉を開いた。
「「すみませ~ん!ジムに挑戦しに来ました!」」
「ようこそ雷轟ジムへ!俺様がここのジムリーダー、ライ・ゴウジンだ!」
ライと名乗った人物は、全身派手な衣装を着ており、髪は金髪の長身の筋肉質な男だった。
ライはそう言い、ポケモンを出してきた!
「出てこい!レントラー!こいつが俺の最初のポケモンだ!使用ポケモンは5体!どっちから始める?」
「私よ!出て来て!アブソル!」
俺は階段を上り、観客席に向かった。
「それじゃ始めようか!」
「はい!」
ここのジムリーダーは熱血系なんだな・・・
雷轟ジム戦
☆ライVSセレナ☆
「先手必勝だ!レントラー、エレキフィールドからの電磁波追加だ!」
※エレキフィールド※【電気】
電気タイプの威力を上げる。眠り状態にならなくなる。
※電磁波※【電気】
相手を麻痺状態にさせる。
レントラーはエレキフィールドを使う時に電磁波も一緒に出し、エレキフィールドの中は電磁波付きのフィールドになった!
アブソルは電磁波の効果により麻痺状態になった。
「そんな!?アブソル大丈夫じゃないよね・・・悪の波動!」
「はっ!そんな雑魚技で俺のレントラーを攻撃出来るとでも?レントラー!ワイルドボルトに電光石火追加だ!」
※ワイルドボルト※【電気】
電気を纏い相手を攻撃する。
自分にも少しダメージを受ける。
アブソルが悪の波動を放つ前にワイルドボルトを使って更に必ず先行出来る電光石火を使い、アブソルを攻撃した!アブソルはその攻撃を受け戦闘不能になった。
「そんな!?一撃だなんて。戻ってアブソル」
「はっ!もっと強いポケモンを出せよ!俺を楽しませろ!」
ライは舌を出しながらゲラゲラ笑い出した!
あいつ・・・俺の番になったらぜってぇつぶす!!
「出て来て!マフォクシー!あいつのポケモンを燃やすよ!」
『うん!セレナを侮辱した罪思い知らせてやる!』
ライは前屈みになり、
「さあ!楽しもうか!レントラー!10万ボルトに雷追加だ!」
「マフォクシー!火炎放射に大文字追加よ!」
レントラーの10万ボルトは雷が追加され極太の100万ボルトがマフォクシーに迫る!
マフォクシーの火炎放射は大文字が追加され極太の火炎放射がレントラーに迫る!
2体の技はバトル場中央でぶつかり合ったが、セレナの図鑑効果が発揮し、本来の力を出したマフォクシーの攻撃力が大幅に上昇され100万ボルトを押し返した!
「なに~!?」
「いっけ~!」
火炎放射は更に熱量を増し、獄炎放射となりレントラーに迫った!
「こうなったら!レントラー!進化の先を見せてやれ!擬人化!」
獄炎放射がレントラーに当たる直前!レントラーの身体が白く輝き、獄炎放射を消した!
そのままレントラーは人間の姿に変わっていく・・・
「これが進化の先にあるポケモンの完全体!擬人化だ!行くぜレントラー!」
『おう!』
レントラー擬人化
見た目はヤンキーに似た派手な男。
服装も黄色が殆どで、派手!
特性は【闘争心・蓄電】
※闘争心※
攻撃する度にステータスが上がる。
※蓄電※
電気を身体に溜め込む。
溜め込んだ分攻撃力が上がっていく。
更に電気の攻撃を受けると体力が回復する。
「レントラー!自分に雷を当ててやれ!」
「させない!マフォクシー、鬼火よ!」
※鬼火※【炎】
相手をやけど状態にさせる。
レントラーが雷を放つ前にマフォクシーの鬼火で状態異常を狙おうとしたとき!
「これを待ってたんだ~!レントラー!電光石火に雷とワイルドボルト使え!」
レントラーは雷を放つ瞬間に電光石火を使い更に雷とワイルドボルトを使い電気を纏った!
この状態では鬼火はレントラーに届かない!
「マフォクシー!裏効果使おう!マジシャン発揮!それから聖なるブラストバーン!」
※聖なるブラストバーン※【炎】
白い炎で相手を襲う。
当たった場所から炎が燃え移る。
マフォクシーは杖に聖なるブラストバーンを溜め、マジシャンを発揮し放った!
その時にレントラーがマフォクシーが放っていた鬼火を消した時だった。
「レントラー!そのまま突っ込め〜!」
「いっけ〜!!」
レントラーはスピードを緩めないでマフォクシーが放ったブラストバーンに突っ込んだ!
レントラーは電気を纏っていて特性蓄電の効果を使いつつブラストバーンを押し返して行ってる!
「そんな…私たちの必殺技が…」
『まだ…諦めない!フルパワー!!』
マフォクシーは更に炎の質量を増やしレントラーを攻撃した!
「やれ!レントラー!」
『ウオオオ~!』
レントラーは更に雷の量を増やし回復量を増し、マフォクシーの炎を物ともせず押し返して行った!
「負けるな~マフォクシー!!」
『負けるわけには行かない!!』
その時!
セレナとマフォクシーの心がシンクロした!!
マフォクシーの体から爆炎の炎が噴き出した!
マフォクシーの髪はオレンジ色の長髪に・・・
額にはV型のマークらしき物が額から後ろに伸びている。
背中には杖の形をした炎が装備されている。
「行くよマフォクシー!」
『うん!』
セレナはマフォクシー視点からバトルを見ている感覚になっていたが、不思議と違和感が無かった・・・
「極・ブラストバーン!!」
レントラーはもう目の前まで迫っている!
マフォクシーは背中の杖を使い、前方に向け、技を放とうとしたら魔法陣が展開された!
今は迷っている暇は無い!私とマフォクシーはそのまま極・ブラストバーンを放った!
魔法陣は技を放ったと同時に炎の出力を大幅に上げ、更に威力を極大アップさせた!
レントラーも負けじと雷の出力を大幅に上げたが・・・
マフォクシーの放った炎の威力はレントラーの回復量よりも勝り、レントラーに襲った!
レントラーは獄炎の中で苦しみ地面に倒れ、擬人化が解除され戦闘不能になった。
レントラーを倒した後、セレナが急に倒れた!
マフォクシーも同時に倒れバトルは一時中断となった。
俺は直ぐに観客席から飛び出しセレナの側に行った。
「大丈夫かセレナ!?」
「大丈夫じゃないかも・・・体中が痛いや」
『私もだよ・・・何が起きたんだろう?」
今のは俺と白龍が使っていたシンクロだな・・・
体に負担が掛かるから使い慣れなければならない。
「今のはポケモンの心とトレーナーの心が1つになった時の現象【シンクロ】だな」
「おいおい!今のは何だ!?擬人化よりも強いのか?」
ここでライも話しに加わった。
今回は単に威力とかの問題だと思うが・・・
俺は擬人化が進化の先にある進化だと思っている。だからシンクロよりも強いと思ったが、考え直さなければいけないかな?
「それは分かりませんが、今はセレナとマフォクシーの回復を優先させてください」
「確かにそうだな。おい!救急班を直ちに来させろ!俺のレントラーも重傷なんだ。急げ!」
「「はい!」」
審判の方と女医さんが直ぐに来て、ポケモンとセレナを治療室に連れて行った。
「その済まなかったな。お前の大事な人を傷つけてよ」
「え!?いや!それは!!」
「何照れてやがんだw今回のバトルは楽しめた。セレナ君が回復したらジムバッジを渡そう。俺のポケモンが回復したら次はお前だな」
ライはそう言い、俺の肩を軽く叩いて事務所の方へと歩いて行った。
あの人はバトル以外だと意外といい人なんだなと俺は思った。
俺は待合室に向かった。
雷轟ジムのジムリーダーはオリジナルです。
ライはバトル以外はいい人ですw
バトル中は人格が変わります・・・