六十九話
メイビスは元に戻ることは無く、モンスターボールも反応しない。
意識も無く、ずっとぐったりとしている。
俺はメイビスをおんぶして、シャラシティに向かうことにした。
「待ってろよメイビス。必ず助けてやるからな」
俺はメイビスをおんぶしたままシャラシティへと足を踏み入れた。
現し身の洞窟内の破壊された岩の下では、謎の黒い影がポケモン達と一緒にいた。
「バロンのポケモン・・・色々と研究が必要だな」
『その前に、あの野生のポケモン、僕達の邪魔をしてくれちゃって、許せない!』
そう言ったのは、出口付近で待機していたエルレイドだった。
エルレイドは隠れている穴に拳を叩き付け怒りを露わにしていた。
「あの野生のポケモン、次会ったときに懲らしめればいいさ。今は、ここから出ることが先だよ・・・」
岩が思っていた以上に降り積もり、抜け出せなくなっていたのだ・・・
『ブレイン様。ダグトリオを起こして出口を作ってもらったら?』
そう言ったのは、サーナイトだった。
だが、普通の色とは違い、色違いのサーナイトだ。
ダグトリオが寝ている理由が・・・
バロンとの戦闘で穴を掘ったのは良かったが、俺が急いで穴に入ったときにダグトリオを思いっきり踏みつけてしまったのだ・・・
「そろそろ起きてくれないかダグトリオ?」
『う~ん。頭が痛い』
『夢喰い!』
※夢喰い※【エスパー】
眠っている相手の夢を食う。
HPが回復する。
威力は100。
サーナイトがまだ寝ようとしているダグトリオの夢を食い、ダグトリオを強制的に現実に戻した。
『さっさとやれダグトリオ』
エルレイドは自慢の刀の腕で、ダグトリオの首元に当てた。
『直ぐにしますので!刀を納めてください~!』
ダグトリオは涙目になりながらエルレイドに頼み、刀を引っ込めた瞬間、猛ダッシュで穴を掘っていった。
凄い速さで穴を掘り進み、あっという間に出口を開けた。
「流石だなダグトリオ。エルレイドとサーナイト、手助けありがとう。ようやく出られるよ」
『『ブレイン様の為なら』』
エルレイドとサーナイトは片膝をついて、頭を下げた。
紹介が遅れた・・・
俺の名はブレイン。
この世界の元・王だ。
今はポケモンリーグと言うのが出て、王だった私は負け、私の地位は地に落ちた。
私はこの世界が嫌いになり、この世界を破壊するため、強いポケモンを探し求めた。
今より更に強いポケモンを手に入れて!
俺のポケモンにサーナイトとエルレイドがいるが、こいつらは俺が旅をしてからずっと一緒にポケモンだ。
レベルも400と高く、基本的に負ける事はないが・・・
今日、野生のジュペッタ共に不意打ちを受け、負けたのだ。
ダグトリオはたまたま見つけたので穴を掘る要員としてGETしたが、こいつは手放そう。
強くないからな。
とりあえずここから出るか・・・
俺達はダグトリオが掘った穴を進み、現し身の洞窟を出ることにした。
ダグトリオは出口で俺達を待っていたが、もう用は済んだので手放した。
ダグトリオは直ぐに洞窟に戻って行った。
皆も思っていると思うが、俺がバロンの邪魔をしている理由。それは、バロンの持っている幻のポケモン【白龍】を手に入れるためだ。
あいつの力いい!
ゲイボルグの効果もとんでもないからな。
今ならまだLV200!
俺の手持ちはLV400!
捕まえるなら今だな!
「行くぞお前達!」
『『はい!』』
ブレインはエルレイドとサーナイトを連れ、出口に向かった。
メイビス LV220【エスパー・神】
レックウザ LV215【ドラゴン・神】
ブリガロン LV215【草・格闘】
メタグロス LV210【鋼・エスパー】【メタグロスナイト】
ゾロアーク LV190【悪】
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謎の人物の正体は【ブレイン】と言う男性でした。
全身黒で統一した姿をしており、髪は銀髪の長身です。
名探偵コナンで出て来るジンみたいな姿と思ってください。