百七十二話
百七十二話
カルネの3体目はホウエン地方の伝説ポケモン、グラードンだった。
場に出た事により日照りが発生し蒸し暑い。カルネの方を見ると、上に羽織っていたコートを脱いで薄着になっていた。
バロンの衣装は、エルドラドが作ってくれているおかげで暑さ対策も寒さ対策も万全だ!
「さあグラードン、貴方の本当の姿をさらしなさい!ゲンシカイキ!」
グラードンの周りに虹色の球体が発生しグラードンの姿が変わった!
グラードンが更に大きくなり、黒い模様が黄色く光りだした。
特性が変わり、終わりの大地に変わった。その効果で日差しが更に熱くなり陽炎が見えるようにまでなった。
※特性・終わりの大地※
天候がとても熱い日差し状態になる。
天候変化技が効かなくなり。原子グラードンが倒されるまでこの効果は続く。
天候が更に熱くなったせいで、観客達も服を脱ぎ薄着になったが、この天候で薄着だと観客達にも悪影響が出るかもしれない。
「カルネさん、少しだけバトル待って貰っていいですか?」
「何でかしら?」
「このバトルを見る観客達にはグラードンの特性は悪影響ですので、こちらで対処したいのです」
カルネは観客達の事が頭に入っていなかったみたいだ。
「ごめん。その仕事頼めるかしら?」
「勿論です。出てこい青竜王!紅皇龍!観客達の身の安全と、この熱さの対策をしてくれ!急いで取りかかってくれ!」
『『了解!』』
青竜王と紅皇龍は2手に別れ直ぐに耐久性がある特殊結界を張った。この結界の中にいる間は天候系統の温度変化の影響を一切受けないようになっている。
観客達から口々にお礼の言葉を貰い、バトルを再開することにした。
「お待たせしました。それでは、バトルの続きしましょうか」
「ええ、バロン君。貴方の手持ちポケモンである2体を結界の方に回して大丈夫なの?」
カルネは心配してくれているが、正直な事を言うと・・・
「カルネさん、正直に言いますと・・・俺のエルドラドは貴女には倒せない。俺の信用ある2体に結界を任せ、エルドラドだけで貴女を倒そうと思ってます」
この言葉にカルネの表情が変わった。
「この私にたった1体で勝てるとでも?いいわ、私の本気の力見せてあげる!!」
カルネの表情は、今までの優しい雰囲気はとは全く逆の怖いと言える表情に変わった。
バロンはニッと口に笑みを浮かべバトルを再開した。
「先に行くわ!グラードン!エルドラドを串刺しにしなさい!断崖の剣!!」
「技に移行するまでが長いですよ、カルネさん。エルドラド、黄金世界の力を見せてやれ!」
グラードンが地面の黄金に勢いよく殴り、断崖の剣を出そうとしたが、その拳は黄金により弾かれた!
「なに!?」
「並大抵の攻撃じゃ俺のエルドラドの黄金は、傷1つ付かない!」
エルドラドは誇らしげに咆哮すると、
「さあ、攻撃開始だ!エルドラド、グラードンの周辺に黄金壁!更にゴールデンストリーム!」
エルドラドはグラードンの周りに黄金壁を瞬時に造りだし竜巻を同時に発生させた。
「グラードン!ソーラービーム!」
「竜巻の餌食になれ!風雷派!」
※風雷派※【風・電気】
風を凝縮し、更に雷を纏わせ相手に投げつける。
当たった場所から竜巻が発生する。
エルドラドの周辺に風雷派を5つ発生させ間隔を開けて発射した。勿論、ゴールデンストリームを避けて発射しているので、まだ竜巻は発生したままだ。
グラードンが発射したソーラービームは風雷派の一撃により簡単に掻き消され、そのままグラードンに5つ全てが飛んでいった。
「グラードン!岩石封じで前方を塞いで!」
「無駄だ」
グラードンは岩石封じを使い前方に岩を出現させ塞いだが、エルドラドが発射した風雷派は、当たれば竜巻を発生させる事が出来る技。
その風雷派の1つが岩石封じに当たり勢いよく竜巻が発生し、岩石封じを飛ばした!
残りの4つがそのまま風雷派の竜巻を突き破り、グラードンを攻撃した!
この攻撃が決めてで、グラードンは戦闘不能になった。
ゴールデンストリームの竜巻は、保険みたいな物で発生させたので、エルドラドに消して貰った。
「戻ってグラードン。こうなったら・・・出て来てルカリオ!」
カルネは一度目を瞑り意を決したかのように目を再び開いた。
「バロン君。貴方は本当に強いね。だから、私のポケモンの進化の先にある進化を見せてあげる!ルカリオ!進化を超越しなさい!擬人化!!」
ルカリオの体から虹色の光りが発生し、擬人化した!
鎧姿の男性に変わった。腰には2本の剣が吊されている。
「その姿がカルネさんのルカリオの擬人化なんですね。では、エルドラドよ。俺達も見せてあげよう!超越した神化を!擬人化!!」
エルドラドの体からも虹色の光りが発生し、大きかった体は2m程の人間サイズになり、上半身裸の男性に変わった。下は金色の派手はズボンをはいており、背中からは光輪が輝いている。手には黄金の剣が握られている。
擬人化(神化)が終わったエルドラドはゆっくりと地上に降り立った。
「なんて神々しいの・・・あの姿がエルドラドの擬人化なのね」
「そうですよ。では、行きますよ!エルドラド、ゴールデンインパクト!」
「ルカリオ!双剣乱舞!」
※ゴールデンインパクト※【神】
金色の光りを物や体に纏わせて突貫する技。
当たった後は対象物を大爆発させる。
※双剣乱舞※【格闘】
2本の剣で舞うように剣を振るう。
ルカリオは腰の剣を取り出し、エルドラドに向かって行った!
エルドラドは剣に黄金を纏わせ構え、一気に突貫した!
2体はバトル中央で剣と剣でぶつかり合い、エルドラドの技の追加効果でルカリオの剣を爆発させた!
「な!?ルカリオ!居合斬りで剣を形成!」
「エルドラド!追撃だ!」
エルドラドは更に剣を横に振り払い、黄金の斬撃波を放った!それはルカリオの方に飛んで行ったが、ルカリオは居合斬りで斬り飛ばした!だが、技の効果でまた爆発しルカリオの居合斬りを持っていた手が損傷した。
「ルカリオ!?」
「トドメだ!断崖の剣(エルドラドバージョン)!!」
エルドラドは持っていた剣を地面に突き刺し、黄金色の断崖の剣をルカリオの足下から生やし、攻撃した!ルカリオは大きく宙に飛ばされ後、エルドラドが更に追撃を掛けた!
『これで終わりだ』
エルドラドは拳を勢いよく振り下ろし、ルカリオを攻撃した!
ルカリオは急降下し地面に激突!黄金の堅い地面が陥没し、ルカリオは戦闘不能になった。
「そんな・・・擬人化でも全く効かないなんて、戻ってルカリオ」
「だから言ったでしょ?」
エルドラドは静かにバロンの前に舞い降りて、カルネを見た。
『まだやるんだろ?早くポケモンを出せ』
エルドラドは腕を組みながらそう言い、睨み付けた。
「分かってるわ!出て来て、エルレイド!直ぐに擬人化よ!」
バトル場は先ほどと一緒のままにしてあるので、黄金壁を上手く使おうか。
さあ、楽しもうか!