百九十話
翌朝、カルネさんが2日酔いで朝は休むので、俺はラティオスを呼び仲間達と一緒にアルマトーレに向かった。
「久しぶりのアルマトーレだな。みんな元気にしてるかな?」
『皆、バロンが帰って来るのを持っているぞ。勿論、全員が元気で、日々強くなるためにバトルをしている』
ラティオスはアルマトーレの事を説明しながら向かってくれて、色々と今の状況が分かった。
最低レベルが大幅に更新され、今のアルマトーレの最低レベルが400と言う事が分かり、どんなふうにすればそんな事が出来るか聞くと・・・
高レベルのポケモンにタマゴを産ませれば、高レベルポケモンが生まれると言う事だった。
しかも、その子どもは両親の力を引き継いで更にパワーアップして生まれるので、更に強くなっていく。
俺がいない期間で、子どもから成長したポケモン達も数多くいる事が分かり、そのポケモン達と鍛錬してもらいたいと言う事も聞いた。
アルマトーレの近海の海に近づくと、海に住んでいるポケモン達が出迎えてくれた。
『やっと来たか!待っていたぞ!!』(カイオーガ)
『久しぶりだな。ラティオスから話しは聞いているだろ?早くバトルしようぜ!』(ルギア)
「久しぶりだな!後でバトルするから待っていてくれ!」
『おう!』(ルギア)
ラティオスはそのままアルマトーレに飛んでいくと、今度はアルマトーレの上空に飛んでいたポケモン達から声を掛けられた。
『久しぶりだなマスター!』(ホウオウ)
『早くバトルしたいぜ!』(レックウザ)
「久しぶりだなお前達!後でバトルするから待っていてくれ!」
『おう!』(上空にいた殆どのポケモン・・・)
思っていた以上に返事が返ってきた・・・みんなとバトルか。頑張らないとな!
ちなみに、ラティオスが向かっている場所は、アルマトーレを管理している四天王がいる場所だ。
『遅くなってすまないな。やっと着いたぞ』
「送ってくれてありがとう。助かったよ」
バロンはラティオスに手を振ってから四天王がいる宮殿に足を踏み入れた。
この宮殿はアルマトーレの町の中で一番豪華で、一番広い施設だ。この中に四天王が卓上を囲んで座っている事が多く、日々アルマトーレの考え会議している。
今のアルマトーレの人工(ポケモン達)が多くなって来たので、島(町)を拡大しようと計画しているが、創世の力を使えるのは上級神・神のみなので、この町のポケモン達では無理だ。
丁度その時、バロンが宮殿に入ってきた。
「久しぶりだなみんな!ミアレの時はありがとうな」
『久しぶりですねバロン様。ミアレの時は当然のことをしたまでですわ』(ディアンシー)
『久しぶりだなバロン!今、会議中だから少しだけ待ってくれ』(ゲノセクト)
「わかった。内容が気になるから俺も参加させてもらうぞ」
『ええ。この島の王ですので、どうぞ玉座にて座って下さい』
「いやいや!ここの王はアルセウスでしょ!」
流石にそれは困るぞ!アルセウスがいなければダメだ!世界が崩壊するじゃないか!
『アルセウス様が決めた事ですわ。あの方は基本的には現界に降りて来られない御方。現界に降りる必要が無い限りは、アルマトーレの王はバロンに勤めさせよとの事でしたわ』
「そうか。アルセウスの言う事なら聞かないわけにはいかないな。わかった!では、玉座にて会議の話しを聞かせて貰うね」
『はい』
バロンが歩く瞬間、ボールの中にいたエルドラドが、マスターが王になったと聞いた瞬間、衣装替えの準備をしていた。
バロンが玉座の前に着き、円卓の方を向いた瞬間を狙って、エルドラドはマスターの服を金をメインした衣装に替えた。バロンもこれにはびっくりしたが、エルドラドだと直ぐに分かり、ゆっくりと玉座に腰を下ろした。
四天王達も瞬間的に衣装が替わった時は驚いたが、直ぐに元に戻った。
「では、会議の内容を聞かせてくれ」
『はい。このアルマトーレの人口が大幅に増えた事により島を拡大しようと思い、会議をしていたのですが、この町は特殊な結界のせいで、通常のポケモン達では拡大は出来ません。出来るのは神であるポケモンと、上級神だけなのです』
なるほど・・・
人工が増えた事により町の拡大が必要か。ならば、ここはエルドラド達に任せるか。
「了解した。その案件については俺の方で何とか出来る。出番だエルドラド、メイビス。お前達の力で町の拡大及び、この町の雰囲気を壊さず作り替えて欲しい。出来るか?」
『勿論ですマスター』
『任せて!』
エルドラドとメイビスは直ぐにその場を離れ、作業に取りかかった。
『私達も力を貸さなければ、四天王の名が汚れますわ!行きますよみんな!』
『ああ!』
ディアンシーがそう言い、みんな一斉にエルドラド達の方に向かって行った。
町のポケモン達もエルドラドが町を作り替えるのを見て、直ぐに何か協力できる事が無いか聞いて作業に取りかかった。
僅か数分でアルマトーレ全てのポケモン達が皆で協力し合い作業に取りかかっていた。
まずは地盤固めの為、エルドラドが黄金を使わず、水に強い材質の石を造りだし、地盤を固めた。
その後は、メイビスが石の上に土を空中で造りだし、エルドラドが作った場所の上にかぶせてた。
次にエルドラドが石畳に使うための石材を造りだし、メイビスがかぶせてくれた土の上に石畳を敷き詰めた。
次にエルドラドとメイビスが共同で、アルマトーレの煉瓦造りの家と一緒のタイプの家を造り、拡大した場所にも一緒の様に家が建ち並んだ。
この町のポケモン達には、家具造りなどを頼み、エルドラドとメイビスはアルマトーレでマスターが住む家も建て始めた。
ちゃんと外装は煉瓦造りの家だが、内装は言われていない。
結果・・・内装は白銀がメインで造られ、エルドラド達が遊べるように広めの部屋を造った。
2階にはマスターとみんなが寝られるように寝室にした。
特大級のベッドを作り、マスターに着て貰う為の衣装も既にクローゼットに収納した。
マスターは四天王の宮殿で座って待って貰っているが、そろそろ動き出すと思う。
エルドラドはマスターの方に向かい飛んでいった。
メイビスもエルドラドの行動を察知して直ぐに後を追いかけた。
その頃バロンは・・・玉座に座ってるのが退屈過ぎて動き出していた。
まずは宮殿は抜けて正門に行くと、そこにエルドラドとメイビスが既に立っていた。
「あれ?もう作業はすんだの?」
『担当している場所は全て終わらせました』
『マスターの為に頑張ったよ!』
「ありがとう」
バロンが礼を言ってから直ぐにメイビスがこちらに向かってきた。
『マスター!案内したい所があるからエルドラド様に乗って!』
「え?わ、わかった」
メイビスはエルドラドの背中にマスターを乗せると、マスターの為に造った屋敷へと飛んでいった。
エルドラドも笑顔を浮かべている。
案内された場所はエルドラドとメイビスが造ってくれたアルマトーレの新しい家だった。
「ありがとう2人とも。嬉しいよ」
『えへへへ~この後あのカルネって人とバトルでしょ?紅茶いれるからテーブルに座って!』
メイビスがバロンの背中を押しながらそう言い、バロンは椅子に座った。エルドラドもそれに続き、空いている椅子に座りメイビスが紅茶を出すまで待った。
少しだけ待つとメイビスがサイコキネシスを使い、紅茶の入ったコップを持ってきてくれた。
「ありがとうメイビス。では、頂きます」
『うん!頂きます』
『頂きます』
3人が同時に紅茶を飲んだ。
「美味しい。この紅茶凄く美味しいよ!」
『美味しいじゃないか。メイビス凄いぞ』
『ありがとう2人とも!』
バロン達はメイビスがいれてくれた紅茶を飲みながら、午前中を過ごした。
午後からはカルネさんとチャンピオン戦!
エルドラド、一緒に頑張ろうな!!