ポケットモンスターXY バロンの旅   作:バロン

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ポケットモンスターXY バロンの旅 百六十八話 リーグ2回戦

百六十八話

 

ポケモンリーグ2回戦第1試合が終わりとうとう、俺達の番が来た。

バロンは既に入場口に行き待機していた。残りの選手2名はギリギリまで作戦を練っていて、係員に呼ばれてから入場口に行った。

 

『お待たせしました!これよりポケモンリーグ2回戦第2試合を始めます!今回バロン選手は、モモ選手とエーギル選手両方と同時バトルをしてもらいます。両選手ともに了承しています。それでは、選手入場です!』

 

第1試合同様に、入場口に白い煙が勢いよく噴き出しそこから選手が入場した。

右側からはバロンが、左側からはモモとエーギルが入場した。

今回のバロンの衣装は、紅皇龍が用意してくれた赤がメインの衣装だ。

 

『今回もバロン選手、気合いが入ってますね~それでは!ポケモンリーグ2回戦第2試合を始めます!』

 

 

ポケモンリーグ2回戦第2試合

☆バロンVSモモ&エーギル☆

 

「出てこい、紅皇龍!」

「出番だ、ドラピオン!」

「行って来て、ハガネール!」

 

エーギルがドラピオン。モモがハガネールを出した。バロンは事前に決めていた紅皇龍を出した。

 

「先に行くぜ!ドラピオン、どくどくだ!」

「ハガネールはロックカット!」

 

ドラピオンは口から猛毒の毒液を吐き出してきた!ハガネールは自身の素早さを格段に上げた。

 

「紅皇龍、毒諸共燃やし尽くせ」

『良いんだな?』

「勿論、死なない程度にね」

『了解した』

 

紅皇龍の周りにマグマが唐突に噴き出し猛毒が焼き尽くされた後、紅皇龍が咆哮した瞬間、マグマがハガネールとドラピオン目掛け襲いかかった!

 

「「守る!」」

 

2体は直ぐに守るを張り、マグマを防いだが周りにマグマがそのまま流れる。トレーナーの場所とは3m程の高台の場所で指示するので被害は無いが、ポケモンにとっては危険な場所になった。守るが維持出来なくなれば高確率で戦闘不能になる。

 

「ドラピオン、戻れ!」

「ハガネールも戻って!」

 

モモとエーギルは守るを発動させたままポケモンを手持ちに戻した。

 

「流石に戻したか。紅皇龍、手加減したな?」

『手加減無しだと殺してしまいます・・・』

「それもそうか。悪かった」

 

紅皇龍はビクッと体が震えた。その元凶はバロンの腰に吊してある紅皇龍以外のモンスターボール全てからだった。

 

『すみません!口答えして本当にすみません!』

 

紅皇龍は俺とその友達(ボールの中のポケモン達)にだけ聞こえるように、速攻で謝った。

ちなみにボールの中では・・・

『死なない程度に何故、攻撃しない!』(青竜王)

『マスターは死なない程度と言ったのに、手加減して守るの技で攻撃を防がれおって!』(エルドラド)

『私だったら、神速で物理攻撃でやっちゃうけどな~』(メイビス)

『マスターの命令は絶対』(メタグロス)

 

その後、殺意が籠もった感情を解放した。その時に紅皇龍が速攻で謝ったのだ。

紅皇龍は冷や汗が滝のように流れ、次から死なない程度に本気で攻撃をする事を決めた。

 

俺達の中だけでこのようなやりとりをしている間に相手方2人は次のポケモンを出した。

 

「出てこいトロピウス!」

「出て来てペリッパー!」

「やはり両方共に飛行タイプか」

 

その時には、リーグのバトル場全てにマグマが浸透した。その中に紅皇龍が立っている状態だ。

勿論、紅皇龍の体はマグマでも大丈夫な体をしているので、何の問題もない。

 

「速攻仕掛けろ!ソーラービーム!」

「ペリッパーはハイドロポンプ!」

「紅皇龍、一撃で仕留めろ」

『仰せのままに』

 

紅皇龍は自身の周りに赤黒い球体を10個出現させ、そこから真っ赤な光線を2体に向け放った。

勿論、斜線上には2体が放った技があり、その技を一瞬で消し飛ばしそのまま2体を攻撃して大爆発が起こりバトル場に落下しそうになった。

 

「紅皇龍、バトル場のマグマを消してやれ。あのままだと死んで俺が負けになる」

『直ぐに!』

 

紅皇龍は2体が落下する前にバトル場に浸透したマグマを1つの球体に速攻で纏め上げ、宙に浮かせた。その時に2体のポケモンはバトル場に落下して戦闘不能になった。

 

マグマの球体は太陽みたいに凄く明るく熱い。バロンは、紅皇龍の加護により大丈夫だが、観客や相手方2人が大分キツいだろう。

 

「紅皇龍。せっかくで悪いが、観客にも被害が及ぶからその球体も消してくれないか?」

『そうでしたか!すみません!』

 

紅皇龍は球体を収縮させていき、完全に消えさせた。

その間に相手はポケモンを手持ちに戻し、次のポケモンを出した。

 

「もう一回行ってこい、ドラピオン!」

「貴方もよろしく、ハガネール!」

 

場に出した時に2体のポケモンは威嚇するかのように咆哮した。

 

「速攻で決めろ紅皇龍」

 

バロンはそれだけ言うと紅皇龍に任せた。

紅皇龍は、周りに浮かばせていた球体からもう一度光線を放った。

 

「「守る!」」

 

相手は再び守るを発動したが・・・

 

『2度も同じ手は通用せぬ!』

 

紅皇龍は更に球体を20個出現させ、バトル場全方向から光線を放った!2体は必死に守るを発動したが、光線の威力が強くだんだんと守るが収縮していく!

 

『出力増加!』

 

球体からの光線が更に強くなり、守るの技は破壊された!そのまま2体を集中砲火し大爆発が起こった!

爆煙が晴れると2体は戦闘不能で地面に倒れていた。

紅皇龍は球体を待機モードに切り替えた。

 

「戻れドラピオン!」

「戻ってハガネール」

 

2人は直ぐに2体を手持ちに戻し、最後のポケモンを出した。

 

「行け俺の相棒、ライコウ!」

「行って来て相棒、クレセリア!」

「紅皇龍、戦闘続行だ」

 

紅皇龍は直ぐに球体をバトルモードに移行して再度、光線をバトル場全方向から発射した。

 

「ライコウ、放電!」

「クレセリア、瞑想」

 

ライコウが放電で迫って来る光線を相殺している間にクレセリアが瞑想で特攻と特防を上げた。

 

「紅皇龍。球体に攻撃を出し続けるように命令。自身はステータス強化。次の攻撃で決めるぞ」

『了解しました。マスター』

 

ライコウは必死に雷を操り光線を相殺している。クレセリアは瞑想が終わり攻撃準備に入った。

紅皇龍は命令通り、球体に攻撃を出し続けさせ、自身はステータスの強化に入った。大技で決めるので、ステータスを出来るだけ強化して放つつもりだ。

紅皇龍の体はだんだんと赤くなっていく・・・

 

「急ぐぞ!必ず大技が来る!ライコウ、100万ボルト!」

「クレセリア、ミストラルフィニッシュ!」

 

※100万ボルト※【雷】

10万ボルトと雷を合体させた技。

 

※ミストラルフィニッシュ※【妖精】

霧を発生させて自身の姿を消す。その後、奇襲攻撃を仕掛ける。

 

「ほう?そちらも大技か。霧が邪魔だな。球体よ。霧を消し飛ばせ!」

 

球体がバロンの命令を聞き、その場で高速回転を始めた。その時にライコウが100万ボルトを放った。

クレセリアが発生させた霧は、球体の回転により全て上空に飛んでいき霧が完全に晴れた。だが、そこには既にクレセリアの姿は無かった。

 

『障壁』

 

紅皇龍が自身の周りに障壁を張り、ライコウが放った100万ボルトを防いだ後、クレセリアが背後から強烈な一撃を仕掛けてきた!

 

「紅皇龍!後ろだ!」

『了解!オーバーレイ!』

 

紅皇龍は尻尾をオーバーレイにしてクレセリアの強烈な一撃を斬り返した!

 

「紅皇龍、この技で決めるぞ!極・ビッグバン!」

 

※極(きわみ)・ビッグバン※【炎】

ビッグバンの上位版。広範囲に大爆発を起こす。

 

紅皇龍が一気に空に飛び上がり、バトル場中央に極・ビッグバンを放った!

ライコウもクレセリアも相手方2人も動けない。強大な力に言葉も出なく、体を動かすことすら出来なかったのだ。

 

ビッグバンが大爆発した瞬間、その衝撃波が2体のポケモンを襲いバトル場の壁に叩き付けられた。

相手方2人は、係員が直ぐにバリアを張り選手を守った。

バロンは既に紅皇龍の加護が付いているので、問題は無い。

衝撃波はこの会場全てを遅い、係員が動かなければ死人や怪我人が出たであろう程の威力を誇っていた。

 

ビッグバンが晴れた時には、バトル場は崩壊しており、2体のポケモンは壁に埋もれており、そこで戦闘不能になっていた。怪我は勿論しているが、死ななければ退場にはならないので、大丈夫だ。

観客席の方にも被害が及んでおり、係員のポケモン達が2列になり観客席を『守る』で防いでくれた。

チャンピオンとプラターヌの方は、それぞれのポケモンが守り出場ポケモンだけが怪我をして、それ以外は怪我はしていないが、会場が半壊状態になった。

 

相手方2人の方を見ると、腰が抜けて立ち上がれなくなっていた。2体のポケモンは直ぐに女医さんが来て、治療室に運んでいった。

 

「やり過ぎたかな?」

『マスターは優しすぎます。これぐらいした方が良いでしょう』

 

その時、ボールからエルドラドが出て来て紅皇龍を叱った。

 

『お前な!人間共に恐怖を与えたら、マスターが居づらくなるのだぞ!力はセーブしろ!』

『すみませんでした!』

「別にいいよ。みんな上級神。相手を死なせないだけでも難しいでしょ?」

 

エルドラドの顔が明らかに驚いていた。

 

『マスター。何故それを知っていたのですか?』

「薄々感づいていたよ。まあ、チャンピオンのカルネさんやプラターヌは、伝説ポケモンぐらいは使ってくると思うから、次のバトルでとりあえず勝って、チャンピオン戦に行こう。その時は思いっきり暴れて良いから」

 

その時、青竜王、メイビス、メタグロスがボールから出て来て・・・

 

『『『暴れても良いのか!?』』』

 

とみんなが一斉に聞いてきた。

流石に驚いたが、やはりみんな力をセーブしていたんだろう。

 

「うん。だって、相手はチャンピオン。本気で挑まないと逆に失礼でしょ?」

『流石はマスター!その通りです!』

 

みんなもその通りと言い、話しは纏まった。

後、アナウンスが流れると思ってここで待ってたが、全然流れてこない・・・

 

「あ・・・ビッグバンで施設自体が崩壊したからアナウンスが流れないか」

『あ・・・すみませんでした・・・』

 

紅皇龍が地面に頭を付けて謝った。

丁度その時、会場にカルネとプラターヌが入ってきた。

 

「紅皇龍。直ぐに頭を上げてくれ」

『はい!』

 

紅皇龍は直ぐに頭を上げ、こちらに向かって来る2人を見た。

 

「お待たせしてすみません。ポケモンリーグ2回戦第2試合はバロンさんの勝ちです」

「勝ちなのだが、この会場は暫く使えなく、別の場所で決勝戦をする事になったんだ」

「やっぱりそうですよね・・・」

 

紅皇龍は球体で『ゴメン』と形作った。

 

「え?あ、うん。紅皇龍さんはバトルで手加減して怒られたんでしょ?」

「なんで知ってるんですか?」

「勿論、私もポケモンと会話出来るからよ」

「そうでしたか」

 

カルネは反応が面白くなかったそうで、頬を膨らせた。

 

「そうだ。言い忘れる所だったわ。次の3回戦。トロバ選手は辞退するそうよ」

「ビッグバンが大分効いたみたいだよ」

 

プラターヌが内容を教えてくれたおかげで、内容は分かったがまさか辞退するとは・・・

 

「と言う事は・・・次はチャンピオン戦が出来るんですね?」

 

この問いにカルネが微笑んだ。

 

「勿論です。チャンピオン・カルネ。全力でお相手させて頂きます!」

「ありがとうございます。こちらも全力を持ってお相手させて頂きます」

 

バロンとカルネは握手をして、詳細は追って連絡しますと言われてから別れた。

 

しばらくは自由行動なので、我が城に帰るか。

 

「あ!ユウキは大丈夫なのか!?」

 

バロンは直ぐに観客席に走り出した。

 

 


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