百六十一話
ポケモンリーグ1回戦
☆サナVSルーマ☆
「行って来て、メタグロス!」
「行くぞ、ドンカラス!」
先に仕掛けたのはルーマだった。
「ドンカラス、悪の波動!」
「メタグロス、リフレクターを張り直ぐに光りの壁!」
ドンカラスの技が迫って来る中、メタグロスは高速で技を2重がけして技を防いだ!
しかもリフレクターと光りの壁の効果で暫くの間はダメージの軽減も出来る。相手にとっては嫌なコンボ技だ。
「ドンカラス、翼を効果させて疑似・瓦割り!」
「な!?メタグロス!多重バリア展開!」
メタグロスはバリアを3重に重ねがけしてドンカラスの技を再度防いだ。
更にバリアには、自身の防御力を格段に上げる効果も有るので、防御は万全だ。
「面倒くさいな!ドンカラス、黒い霧!」
「メタグロス!ラスターカノンで霧ごと吹き飛ばせ!」
ドンカラスは黒い霧を発生させメタグロスのステータス強化を無効化しようとしたが、メタグロスが放ったラスターカノンにより霧が吹き飛ばされそのままドンカラスに当たった!
ドンカラスはこの一撃で戦闘不能になってしまった。
「ドンカラス!?」
『お~と!メタグロスのラスターカノンが直撃だ!ドンカラスが一撃でやられたぞ~!』
ルーマはドンカラスを手持ちに戻した後、2体を出した。
「出て来てムウマージ!」
「やっぱりゴーストタイプ。メタグロス!サイコキネシスでムウマージを捕縛!その後、ラスターカノンでトドメよ!」
「させないわよ!ムウマージ、守る発動!その間に封印よ!」
ムウマージは直ぐに守るを発動して、メタグロスのサイコキネシスを防いだ。
メタグロスは捕縛出来なかったので、ラスターカノンを撃つのを躊躇っている間にムウマージは封印を開始した。
ムウマージの覚えている技は・・・
【サイコキネシス】
【シャドーボール】
【影分身】
【封印】
この4つだ。この中にメタグロスが使ってくる技、サイコキネシスを封じる事が出来たが・・・
メタグロスが使ってきた技が多い。
【リフレクター】
【光りの壁】
【バリア】
【サイコキネシス】
【ラスターカノン】
通常は4つしか使えない筈なのに、5つも技を使えるなんて・・・
「バトル中に悪いけど1つだけ教えてくれないかしら?」
「どうかしたの?」
「貴女のメタグロス、技を5つも使えるなんて反則じゃないかしら?」
ルーマはサナを睨みながらそう言ったが、サナは・・・
「受付の時に説明したら『大丈夫です。試合頑張ってくださいね』って言われたわよ?」
「そ、そうなんだ・・・ありがとう」
「いえいえ。では、バトルの続き行きますよ?」
「はい」
サナとルーマのポケモンは再び構え直し戦闘態勢に入った。
「ムウマージ、影分身!」
「メタグロス、ストーンエッジでムウマージ達を乱れ打ち!」
ムウマージが物凄い速さで影分身を出した瞬間、メタグロスがストーンエッジを周りに出現させ、ムウマージ(影分身含む)目掛け一斉に発射した。それらは全てのムウマージに当たり、影分身のムウマージは当たった瞬間に消えて、本体のムウマージは当たった瞬間爆発した!
「ヒット!メタグロス!ラスターカノンでトドメ!」
「くっ!?ムウマージ!渾身のシャドーボール!」
ムウマージは残っている全ての力をシャドーボールに注ぎ込み特大級のシャドーボールを形成し発射した。
メタグロスのラスターカノンもそれとほぼ同時に発射され、バトル中央でぶつかり合った。
「メタグロス!追撃の破壊光線!」
「ムウマージにノーマルタイプの技は効かないわ!」
メタグロスは瞬間的にラスターカノンを止め破壊光線に打ち替えた!それと同じタイミングで、ぶつかり合っていたラスターカノンとシャドーボールが爆発した。その爆煙の中から破壊光線がムウマージ目掛けて飛んできた!
だが・・・ムウマージにノーマルタイプは効かない。何故破壊光線を命じたのだろうか?
「メタグロス、高速移動を重ねがけしてムウマージの背後に回って。そこでコメットパンチを叩き込んで。破壊光線はムウマージを盾にすればダメージは受けないわ」
『了解した』
サナはメタグロスにだけ聞こえる位の小さな会話で命じた。その瞬間、高速移動を重ねがけしたメタグロスは神速の速さでムウマージの背後に回り、コメットパンチを叩き込んだ!
その瞬間、爆煙の中から飛んできた破壊光線がムウマージに当たり大爆発した!
「ムウマージ!?」
「メタグロス、その邪魔な爆煙を消し飛ばしなさい」
メタグロスは高速でその場で回転して煙を消し飛ばした。
煙が晴れた時には、ムウマージは地面に倒れておりメタグロスはその場で見下ろしていた。
『メタグロスの一撃が決まったぁああ!何があったかは分かりませんが、メタグロスの破壊光線でしょうか!?それが爆発して戦闘不能だぁああ!!サナ選手も2連勝中!ルーマ選手、追い込まれたぁああ!』
実況者の方は、メタグロスの速さを見切れない。いや、この会場であの速度を見極めるのは一緒の技を重ねがけしたポケモンかそれ以上のポケモン位だろう。
今のメタグロスは、普通でも早い素早さを極限まで上げている状態。言わば神速だ。
ルーマさんの最後の1体がなんであれ、この状態のメタグロスを倒せるとは思えない。
「戻ってムウマージ。お疲れ様です。私の相棒、出番が来たわ。暴れておいで、ギラティナ!!」
ルーマの最後のポケモンはシンオウ地方の伝説ポケモン『ギラティナ』だった。
と言う事は・・・ルーマ選手はシンオウ地方の出身かもしれない。
とりあえず私はこのままで戦おう。今のメタグロスを止められるはずは無い!
「私はこのままで戦います」
「分かりました。では、行きます!ギラティナ、シャドーダイブ!」
「メタグロス、周りにステルスロック」
ギラティナがシャドーダイブを発動させバトル場から姿を消した時に、メタグロスがステルスロックを使いバトル場に尖った岩をばらまいた。
その後、ギラティナがメタグロスの背後から出現して攻撃しようとした時、メタグロスがばらまいたステルスロックがギラティナを攻撃した!
「な!?なぜステルスロックが攻撃を!?」
「ちょっと特殊な事をしてね。半自動ステルスロックにしたんだ。それじゃ今度はこっちから行くよ~メタグロス!コメットパンチ!」
「くっ!ギラティナ、シャドークロー!」
ギラティナは直ぐに巨大な手からシャドークローを発動させ襲いかかったが、メタグロスの今の素早さでは勝てない。メタグロスは直ぐに正面から背後に回り遠心力を活かしたコメットパンチでギラティナの横腹を勢いよく殴り飛ばした!
ギラティナは数メートル飛ばされたが体制を立て直し、
「ギラティナ、破壊光線!」
「メタグロス、バレットパンチ!」
バレットパンチは先行技。その為、ギラティナが技を出す前に攻撃が届く。更には神速の速さになっているメタグロスには最早関係無いが・・・
メタグロスは超高速でギラティナの懐に潜り込み、バレットパンチを腹に思い切り叩き込んだ!
「追撃!コメットパンチ!更に爆裂パンチ!」
「ギラティナ!シャドーダイブで一度逃げて!」
メタグロスはコメットパンチを更に腹に打ち込み、ギラティナがよろめいた瞬間、更に爆裂パンチを顔面に向けアッパーで攻撃した!その瞬間、爆裂パンチの追加効果により爆発し混乱した。シャドーダイブは怒濤の攻撃によって技が打てない。更には混乱し技が上手く発動しなくなった。
「トドメよ!コメットパンチ!」
「ギラティナ!守るを使って!」
ギラティナは守るを発動しようとしているのに、混乱のせいで上手く技が発動しなく、メタグロスがギラティナの頭上に現れたその時、ギラティナの顔がデカい音と共に地面に沈んだ。
メタグロスが勢いよく振り落としたからだ。
この攻撃が決め手となり、ギラティナは戦闘不能になった。
「ギラティナ・・・」
「良くやったわメタグロス!」
『決まったぁぁあああ!今大会の初3連勝利!メタグロスの怒濤の攻撃ラッシュに為す術無くギラティナが沈んだぁあ!1回戦の勝者は!!サナ選手だ~!!!』
「「ありがとうございました」」
両選手共に頭を下げバトル場から出た。
次のバトル場が出現するまでは休憩だ。
サナはメタグロスを控え室で回復し、ルーマはポケモンセンターに行きポケモン達を回復させた。