百五十四話
ブレインのポケモンはそれぞれ相手したい奴の場所に行ったが、ミュウとシンテイの極大魔法に巻き込まれ、更にゼルネアスの時空振動の攻撃にも巻き込まれた結果、戦闘する事無くこの世を去った・・・
ブレインはと言うと、サーナイトの特殊な結界が続いており無傷で元プリズムタワーの下にいた。エルレイドもその結界の中におり、体がデカいアルセウスは自身で特殊な結界を張り攻撃を防いだ。
結果・・・ブレインのポケモンは残り3体になったのである。
一方、バロン達は全員が生き残っており軽い軽傷を負った者が数名いるくらいだ。
『ブレイン様、今のうちに最後の装置を設置してしまいましょう』
「ああ。これで漸く俺の計画が完成する!」
ブレインは持っていた装置を地面に置いた時、装置の面の部分が開きアンテナ状の物が出て来た。
「よし!」
ブレインは立ち上がり目の前にいるポケモン達を見た。
「装置を設置出来たおかげで俺の計画は完成した!伝説ポケモン達よ!俺に従え!」
伝説ポケモン達はブレインの方を見ると一斉に口を開き破壊光線を放った!
「え?」
『ブレイン様!!』
エルレイドが咄嗟にブレインの前に立ち腕をクロスし伝説ポケモン達の破壊光線を受け倒れた!
「エルレイド!?おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
『エルレイド!しっかりするのです!』
サーナイトとブレインは動かないエルレイドに声を掛ける。
機械はしっかりと働いているのに何故言う事を聞かない?何か問題でもあったのか?
『人間、お前はこの状況をみてまだ分かっていないようだな。この町は既に電気は使えなく、更にはこの町以外の場所も電気も通じなければ大地も一緒のようになっている。分かるか?お前の機械はただのガラクタに変わってしまったのだよ』
シンテイは腕を組みながら見下した。
伝説ポケモン達もシンテイの方に集まり、バロン達もシンテイの方に集まった。
『この地方の秩序を崩そうとした罪、ここで償って貰うぞ。アルセウス、お前は邪魔するなよ?』
『はい』
アルセウスはブレイン達からスッと離れシンテイ達の後ろに回った。
『何故アルセウス様があちら側にいたのですか?』
『隙を見てブレインを消そうと思ったからですよ。私以外の伝説達やポケモン達は違うと思いますけどね』
『そうだったのですね!』
ダークライはそう言うとシンテイの方に向き直った。
「お前らぁ~エルレイドを良くも!」
『許しませんよ!』
ブレインとサーナイトはゆっくり立ち上がり構えた。
『人間風情が我に挑むとはな・・・掛かってくるがいい!』
「サーナイト!剣とガントレットを出してくれ!」
『かしこまりました』
サーナイトは手を合わせてから離すと1本の紫色の剣が出てきてきた。その後もう一度一緒の事をすると銀のガントレットが出来てきた。それをブレインが装着した。
ブレインが剣を持つと刀身から禍々しいオーラが出て来た。
『邪刀・ムラサメか?』
※邪刀・ムラサメ※【呪・刀】
呪いの刀の1種。
自身の邪悪な心が多いほど体を蝕み、刀に力を与える。
ブレインの刀を持っている手からは血が流れ刀に吸収されていっている。
『ブレイン様・・・』
「サーナイト。エルレイドを連れてここから逃げてくれ。」
『ブレイン様・・・私も一緒に戦わせてください!』
サーナイトは懇願するように、胸の前で手を組みブレインを見つめたが、
「ダメだ。この刀の特性はお前も知っているだろ?だからこそだ」
『でも!』
「頼む・・・」
ブレインは悲しい顔をサーナイトに見せ頼んだ。
『分かりました・・・』
サーナイトはエルレイドに触れると、テレポートを使いエルレイドごとこの場を離脱した。
『話しは済んだようだな。始めるとしようか!』
「ああ!この勝負負けるわけにはいかないんだ!」
邪刀は更にブレインの血を吸い取りパワーアップした。
「おおおお!」
ブレインは走り出しシンテイに向かって行った。
シンテイは右手を前に突き出すと、その周りに無数の剣や槍が出現し発射された。
ブレインは放たれた剣や槍を躱し、躱しきれなかった物はムラサメで切り落とした。
『ほう?ならばこれならどうだ?』
シンテイはブレインの足下に剣先を無数に生やしブレインの足を串刺しにした!
その後、剣先全ては光りの粒子になり消えた後、真後ろから無数の槍がブレインの背中を串刺しにした!
更に槍は光りの粒子になり消えた後、全方位に剣や槍が出現。この時既にブレインの体中から血が流れている・・・
ムラサメが大好き名血が・・・
ドクン・・・
その場にいた者全員が聞こえるほどの心臓の音が聞こえた時、ブレインの持っていたムラサメが先ほどよりも禍々しいオーラが発せられ、ブレインを包み込んだ。ブレインの目は血の様に赤く染まり、筋肉が膨張し服が破けた!
「おまえを、殺す!」
そう言いブレインは突貫してきた!