百三十三話
黄金の光りは触手を近寄らせない。
『おい!速くあの光りを納めさせろ!眩しすぎて何も見えん!』
『今やってますが!触手の光りにより押し返されているのです!』
『何だと!?』
クレッフィーの黄金色の輝きは体を貫かれたクチートにも移り触手を押し返した!
クチートの体の穴は黄金色によって埋め尽くされ、穴を塞いぎクチートは静かに目を開いた。
『俺は死んだんじゃ?』
『貴方は一度死にました。ですが、私の力を使い生き返らせました』
クチートの頭の中に直接声が聞こえた。
『貴方はいったい誰なのですか?』
『私の名はマーフィア。貴方達を助けに参りました』
※マーフィア※【上級神・精霊】
紫色の小さな精霊。
物を融合させ更なる力を与える神。
『貴方達に更なる力を与えようと思ったのですが、2人の同意が必要でして』
『『同意?』』
マーフィアの説明は、クレッフィーとクチートを融合させ新の力を目覚めさせると言う事だった。
クチートの穴は塞がっているが、黄金の光りが消えると死んでしまうと。穴の場所は心臓の場所だったから・・・
マーフィアと融合すると体が持たなくなり、内側から破裂して死んでしまう。
『クチートとの』
『クレッフィーとの』
『『融合に同意します』』
『分かりました。それでは・・・』
マーフィアは2人の同意を受け力を使った。
黄金の光りが更に輝きだし、2体の体を包み込み小さくなっていく。
小さくなった光りの球体から鋭い爪が生えた手が2本出て来た。
その次は強靱な脚が2本出て来た。
その次は顔。ドラゴンみたいな細い顔をしていた。
次に出て来たのは胴体。綺麗な紫色の鱗をした胴体が出て来た。
最後に翼と尻尾も出て来た後、黄金色の光りは静かに消えていった。
『この姿が貴方の姿。名を【ディアスフィア】』
『ディアスフィア』
※ディアスフィア※【神・龍】
マーフィアの力によりクチートとクレッフィーが融合した姿。
2m程の小型の人型のドラゴンだが、神の力を手に入れた事により戦闘力は大幅に上がった。
『これが俺達の力・・・力が漲る!』
『ふふ。さあ、マーシュさんを助けてあげて』
『ありがとう!』
ディアスフィアは鋭い爪でマーシュが閉じ込められている機械を切り裂き壊した!
その時、硬質化した触手がディアスフィアを攻撃しようとしたが、
『邪魔だ』
ディアスフィアは尻尾を巧みに使い、触手を全て叩き落とした。だが触手は直ぐに起き上がり再度攻撃してきた!
ディアスフィアは爪で触手を切り裂き口から破壊光線を放ち襲って来ようとした触手共を殲滅した。
『まだ襲ってくるか触手共?』
触手はウネウネと動いているがディアスフィアを襲おうとはしなかった。
『マーシュ様助けに参りました!』
「貴方はいったい・・・誰なの?」
『ディアスフィアです。元はクレッフィーとクチートでしたが』
マーシュは首を傾げ、
「う~ん?って事は2人は合体してその姿になったの?」
『その通りです!流石はマーシュ様!』
その時後ろから鎌鼬が襲ってきた!
『障壁よ!』
ディアスフィアは直ぐに障壁を展開し、鎌鼬を防いだ。
障壁は、守るの技と違い何度使っても失敗はしない。
「ディアスフィア、貴方強くなりましたね。さあ、反撃開始と行きましょう!」
『はい!』
ディアスフィアの言い方はディアス・フィアみたいな感じになってます。