百三十一話
同時刻、ヒヨクシティではブレインが送ったカイロス、チャーレム、ガルーラとその他のポケモン達で町は9割まで占領した。
残りの1割はここのジムリーダーでは無く、その補佐を務めている者が持ちこたえていた。
「はぁはぁ・・・なんて数のポケモン達だ。倒しても切りが無いぞ」
『流石にキツいですね・・・ジムリーダーが来るまで持ちこたえましょう!』
そう言ったのはジムリーダーの補佐であるジファと言う白髪のおじさんと、その相棒のハッサムである。
『おいおい。お前本当に人間か?これだけの大群を相手にしてるのに何故倒れない?』
「希望があるからだ!ハッサム!シザークロス!」
『はい!』
『希望ね・・・メガトンキック!』
ハッサムのシザークロスをチャーレムがメガトンキックで押し返した!
「ハッサム!影分身だ!」
『はっ!』
ハッサムは直ぐさま影分身を使おうとしたが、
『封印!』
※封印※
自分が持っている技を使えなくさせる。
いつの間にかいたユキメノコが封印を使い技を封じた!
「面倒な事を!ハッサム!メタルクローに切り替えて押し返せ!」
『はい!』
ハッサムは直ぐにシザークロスからメタルクローに切り替え、押し返そうとしたが、
『俺の仲間を忘れちゃ困るぜ?』
チャーレムが首を横に向けた瞬間、光線がハッサム目掛けて放たれた!
ハッサムは避ける事が出来ずに攻撃が当たり爆発し煙を上げながら地面に倒れた。
「ハッサム!?」
『申し訳・・・あり・・・ません・・・』
ハッサムは戦闘不能になり起き上がらない。
「ハッサム、ボールに戻れ」
ジファはハッサムをモンスターボールに戻そうとしたがそれはかなわなかった・・・
腰にあるはずのモンスターボールが無くなっていたのだ!
「な!?モンスターボールが無い!?」
『残念だったな。お前のボールはここだ!』
ガルーラは足下にあるモンスターボールを踏みつけ粉々に粉砕した。
「何て事を!」
『ポケモン完全自由計画の邪魔な物は全て排除する!』
ガルーラはジファに突貫した!
『お前はここで消えろ!爆裂パンチ!』
ジファは咄嗟にしゃがみ紙一重でガルーラの攻撃を躱した!
「はぁはぁ・・・」
速くハッサムを回復させなければここで終わってしまう。
『まだまだぁぁああ!』
ガルーラの二度目の攻撃が来た!
ジファは攻撃の軌道を読み取ろうと集中した時だった!背中に激痛が走った!?
「ぐはっ!」
その激痛と共にジファはガルーラの方に飛ばされガルーラの攻撃を腹に受けた。
「がはっ!?」
ジファはその場で倒れた。
『ガルーラ、お前だけ良いところは渡さないって言ったろ?』
『む~俺だけで決めたかった』
カイロスはそう言い、自慢のハサミをで倒れているジファを持ち上げ、
『こいつもあの計画に使う材料だろ?消す前に力だけでも奪っておこうぜ?』
『それもそうだな。よし、連れて行こう。お前達、ここは頼んだぞ』
『『『はい!』』』
ガルーラとカイロスはある施設にジファを連れて行った。
その施設はカロス発電所・・・
『さあ、この首輪を付けろ。ああ、勿論抵抗すれば灼熱の釜に入って貰うがな』
灼熱の釜・・・この施設に新たなに造られた拷問用の釜だ。肌が焼け焦がれて最終的には溶ける。
「こんな老いぼれに出来ることはもう無いじゃろう?解放してやれカイロス」
突如上の高台の方から聞き覚えのある声がした。ジファは直ぐに上を向くとそこには、希望があった。
「フクジ様!」
「ジファよ。今までご苦労だった。町を守ってくれてありがとう。だがな・・・」
フクジの優しい顔は厳しい顔に変わった。
「ポケモン完全自由計画の邪魔はしないでくれたまえ」
フクジは高台から飛び降りジファの前に降り立った。
「私は!私は貴方が帰って来る場所を守っていただけなのです!信じてください!」
「守るね・・・儂はな、もうヒヨクシティには戻らんよ」
フクジは悲しげな顔をした後・・・
「儂は、この新のカロスの王の仲間だ。故に、邪魔者は排除するように命じられている。もし、儂の邪魔をするなら、ジファ・・・お前も例外では無いぞ?」
「そんな・・・では!私もフクジ様の元で働かせてください!」
「ならば・・・持っているモンスターボールを全て壊せ」
「・・・・・・・・・はい」
ジファは鞄に隠していたモンスターボールを取り出したその時!
ジファの頭の中に直接声が聞こえた。
『本当に破壊するのですか?貴方の大切なポケモンでしょう?私が力を貸します』
その声が聞こえた時、ジファの後ろに白銀のポケモンが舞い降りた!
『我がなはスフィア。貴方達の事は見ていましたが、我慢の限界です。ジファ、貴方の大事な物は壊さないで』
※スフィア※【上級神・騎士】
妖精の騎士。
白と青が特徴的な綺麗な翼に剣と盾。
騎士なのだが、見た目は青い妖精。
素早さなら誰にも負けることはない。
「スフィア様。申し訳ありません。大切な物を・・・自分の手で無くす所でした。私は何を何て事を・・・」
『あまり自分を責めないで。追い込まれていたのだから。さて・・・』
スフィアはジファの前に立ち、剣を構えると・・・
『覚悟は出来てますよね?行きます!!』
スフィアはまずカイロスに狙いを定め、斬り裂きそのまま連撃した後直ぐにガルーラに狙いを定め、剣先から光線を放ちガルーラの体を貫通した。その光線を横に薙ぎ払い灼熱の釜を壊し、足場も崩した。発電所の壁もこの光線により破壊された。
僅か一秒でスフィアはここまでの事をし、更に周りを取り囲もうとしていたポケモン達を全て峰打ちで倒した。
スフィアはカロス発電所のポケモンの粗方を倒したのだ。
残りの少数は裏口から逃げ出していた。
『あ~裏口から逃げられちゃった。少し待っててね』
そう言ったと同時にスフィアの姿はいなくなり、頬に風が流れた。風が止んだときにスフィアは戻ってきた。
『外のポケモン達も一応峰打ちで倒したからもう大丈夫!ジファ?体に怪我はない?』
「大丈夫です。助かりましたスフィア様」
ジファは片膝を着きスフィアに頭を下げた。
「ジファめ・・・妖精を召喚したのか」
『いいえ。召喚されたのでなく、自らジファを助けに来ました。それと、ジファを虐めた貴方を許しません』
スフィアは右手をフクジに向けた。
『ジファ、少し目を瞑っていてください』
「はい」
ジファは直ぐに目を瞑ると眩しい光がカロス発電所を包み込んだ!
目を瞑っているのにまだ眩しいので腕で更に目を隠し目を守った。
「目がぁぁぁああああ!!!」
フクジの叫び声が聞こえてきたが、私は動けない。
「ブレイン様・・・」
フクジの最後の言葉は誰かの名前だったが私には分からない。
眩しい光は漸く収まり目を開けられる様になった。
『大丈夫でしたか?お体に支障はありませんか?』
「大丈夫です。フクジ様は倒されたのですね」
『そうです。悪は消さねばなりません。ジファ、ヒヨクシティにはまだチャーレムとポケモン達で占領されています。倒しに行きましょう』
「はい」
スフィアはジファの手を掴み、テレポートした。
今回は少し長くなりました。
スフィアは見た目は妖精ですが、力で言えばシンテイと一緒位の強さを持ってます。