百二十三話
エルドラドは自分が造った特殊結界を解除し雄叫びをあげた!
『マスター!助けに行くぞ~!!』
その咆哮で漆黒の霧は少し遠のいたが直ぐに迫ってきた。
『お前達、もう分かっていると思うが神タイプには干渉されない霧だ。今ならマスター達を助けられる。急げ!』
『『はい!!』』
ポケモン達は直ぐに行動に移りそれぞれのマスターを探しに行った。
漆黒の霧で視界は最悪だが、人の気配は感じるのでそれを目指し進んでいく。
エルドラドはマスターの位置を探るため目を閉じ、周囲に気配を巡らせた。
青竜王は波紋を広げることで感知も出来るので波紋を拡張させ気配を探る。
アテナは光輪の炎で辺りを照らしながら探すことにした。
紅皇龍も体から赤い光りを放ち探すことにした。
それぞれの探し方でマスターの位置をやっと分かると皆、一気に動きそれぞれのマスター(トレーナー)の場所に向かった!
『マスター!やっと見付けた!』
『エルドラド!やった。会えて良かった』
『セレナ!やっと見付けたよ!』
『マフォクシーだよね?』
『うん!元マフォクシーで今は『アテナ』だよ』
『ウルップだな?いつもながらニコニコしてやがる』
『ガッハッハッハ!あれだ。1人だと寂しいものだな!』
『あ・・・暗黒城じゃん!久しぶりだな~』
『だれ?』
エルドラドはバロンを見付ける事ができ、アテナはセレナを見付ける事ができ、青竜王はウルップを見付ける事が出来た。紅皇龍はまさかの暗黒城を見付けた・・・
『マスター。俺の背中に乗ってくれ。この霧の上に行く』
「わかった!」
バロンは直ぐにエルドラドの上によじ登り跨がった。
そして一気に上空に飛んだ。
『セレナ!迎えに来たよ』
「アテナ。可愛くなったね」
『ありがとう!じゃなくて!今はここを出るよ!私の手に掴まって!』
「うん!」
セレナはアテナの手を掴みテレポートし、上空に転移した。
『ウルップ。この霧の上に行くから俺の手に掴まれ』
「助かる」
ウルップは青竜王の手を掴み、青竜王から波紋が広がった。その時にはもう青竜王とウルップはその場には居なかった。次に現れる場所は勿論、上空だ。
『なあ暗黒城。お前をここで潰すわ』
『急に物騒な事言うなよ!』
暗黒城から更に濃い霧が発せられたが、紅皇龍には全く効かない。
『んじゃさくっと殺っちゃいますか』
『ちょっ!ちょっと待ってくれ!!!!』
紅皇龍は暗黒城に触れると消滅させた。
『これで霧は自然に消えるな。皆は空に行ったか』
紅皇龍は皆の所に向かった。
その他のポケモン達はマスターが上空に居ることが分かるはずもなく、闇雲に探していた。
暗黒城が消滅してから漆黒の霧はなくなり元の風景に・・・
『これは・・・仕方がないのか?』
空から見た地上は草木一本も無くただ平地が続いていた。
あの漆黒の霧は30分という時間でそこまで行動していたのか・・・速く消しておいて良かった。
紅皇龍は空にいるエルドラドの所へ向かった。
他の者たちもエルドラドの場所に各自向かって行った。
エルドラドはイベルタルが向かったであろう場所を確認し、皆が来る前に作戦を立てることにした。