百十八話
上級神の体作りは過酷だった・・・
まずは自身に伝説ポケモンが持つ【神】タイプを自身に身に付ける事から始まった。
エルドラド様の特殊結界で神タイプ付与の効果は受けていたが、それ無しで神タイプになろうとすると、物凄い吐き気や痙攣、気絶したりと様々な事が起こった。
だが、ここで挫けると先に行けない。まだ神タイプの段階なのだとエルドラド様は言っていた。
伝説ポケモン達は上級神になるための特訓で凄く鍛えているがなかなか到達出来ないみたいだ。
エルドラド様はどのようにして上級神になったか聞いてみると・・・
『我はこの世界の本当の神【アルセウス】に会い、直に特訓を受けた。長い長い特訓の末に我は上級神に辿り着き、この体を手に入れた』
『上級神になったときに進化したんですか?』
『そうだ。正確には神化だがな』
エルドラドはそう言い、エルドラド自身も特訓し始めた。
『エルドラド様はまだ特訓するのですか?』
『我はまだ強くなれる。まだ上級神だからな。更に上を目指す』
上級神の上。それは・・・
『本当の神になるのですか?』
『ああ。我はマスターを確実に守れる神になる』
『ですが、そうすればもう二度とマスターに会えなくなるのでは?』
『なに!?』
エルドラドは固まり、ミュウツーを見た。
『神になるとアルセウス様のように異次元で世界を見守り、管理していく立場ですよね?我ら伝説である者達もそこは理解しております』
『忘れていた・・・そう、だよな・・・上級神の上は・・・』
エルドラドはどうしようか考え、直ぐに答えを出した。
『ミュウツーよ。我はやはり神になる。強すぎる力は人間達に恐れられる。神になりこの世界を、この宇宙を、見守り、時には助けになろう』
『エルドラド様・・・』
エルドラドはそう言い、皆の特訓を再開した。
ミュウツーはマスターを確実に守れる強さを手に入れるため、今以上に強くなることを決めた。
エルドラドの上級神への特訓は半月を過ぎる時には皆、神タイプを手に入れた。
だが、神タイプを手に入れると1つ自分のサブタイプを消すことになる。なので・・・
エルドラド【神】
ミュウツー【エスパー・神】
レックウザ【龍・神】
ゾロアーク【悪・神】
メタグロス【鋼・神】
マフォクシー【炎・神】
ルカリオ【格闘・神】
サーナイト【エスパー・神】
アブソル【悪・神】
ギャラドス【水・神】
クレベース【氷・神】
レジアイス【氷・神】
ユキノオー【氷・神】
トレーナーの手持ちにいたポケモン達は特訓出来ていないのでこのメンバーが神タイプを手に入れた。
この中で上級神に一番近づいた者は・・・
ミュウツー
レックウザ
メタグロス
マフォクシー
ルカリオ
レジアイス
ユキノオー
このメンバーだ。上級神一歩手前までの成績を出したが、上級神には後少し届かなかった。
何かが足りないのだ・・・
『エルドラド様。俺達はもう半月も特訓し、神タイプを手に入れました!もうイベルタルと暗黒城に勝てますよね?』
『暗黒城には勝てると思うが、イベルタルは無理だろう。あいつ自身上級神の力を持っているからな』
そう・・・イベルタルはカロス地方の上級神で破壊神だ。
最初こそは普通だったが、あの半擬人化のイベルタルは上級神の力を持っている。擬人化が解ければそれは無くなるが・・・倒すしか方法は無いだろう。
『お前達に1つアドバイスをやる』
『『『お願いします!』』』
皆はエルドラドの前に整列し顔を見た。
『上級神になるにはお前達の体では無理だ。もっと強い肉体、すなわち・・・神化しろ!』
『進化?』
『神化?』
レックウザは進化と答え、ミュウツーは神化と答えたが、正解は神化だ。
『神化は神と読んで神化だレックウザ』
『ありがとうミュウツー。その神化を成功すれば上級神になれる器を手に入れる事が出来るだろう』
皆は一斉に喜びやり方を教わろうとしたが、
『やり方は各自で考えろ。アドバイスはするが答えを出すことは出来ない』
『分かりました。答えを探し当てるまで特訓し、力を付けながら考えます』
ミュウツーはそう言い、特訓に戻っていった。他の者もそれ続き特訓を再開した。
『皆、頑張ってくれ・・・』
エルドラドは小さくそう言い、上級神になれるように願った。
ちなみに、上級神になるには神化しなくてはならないのだが、その神化が困難だ。
普通のレベルアップでの進化ではなく一度死ななければ神化は出来ない。
エルドラドはアルマトーレの猛特訓中、アルセウスに一度殺された。その時、命の灯火が消え失せる時、
『マスターを守るために俺は強くならなくてはならない!ここで終わってたまるか~!』
その時に命の灯火は業火と生まれ変わり命を取り留めた。
命を取り留めたエルドラドはアルセウスに攻撃を仕掛けた。
だが、アルセウスは簡単に攻撃を押し返した後、裁きのつぶてを放った。それは間違い無く当たればもう永遠の眠りにつく攻撃だった。それらはエルドラドに迷い無く降り落ちてきた。
本当の死を2度体験しそうになったとき、アルセウスからこう言われた。
『上級神になりたければ神化しなさい!このままでは本当に死にますよ!』
『神化したくても出来ないんだよ!畜生~!!!』
エルドラドは叫び裁きのつぶての攻撃を受けた!
8連撃の超高威力技を受けたエルドラドは特殊な結界に包まれていた。
『ほう?やっと出て来ましたか。ここまで来たらもう一息です。自分の神化のイメージをして強く思いなさい!大切な者を守れる強さ!諦めなさい思い!強靱な肉体を!』
アルセウスの言葉通りにすると体が光り出した!
『さあ!神化の時です!』
アルセウスは凄く嬉しそうにそう言い、神化を見届けた。
白龍だった頃の白い龍の体は黄金色に・・・
白龍だった頃の2m位だった体は5mの巨体となり4足歩行型に・・・
黄金の体には鉄よりも遙かに堅い、ダイヤモンドの強度を誇る鱗が体全体を覆う・・・
翼は左右3mもある黄金の翼・・・
顔を兜を付けており角が2本、後ろに左右に分かれて伸びている・・・
この姿が、エルドラドが考えた上級神の力に耐えられると想像したからだ。
ちなみに通常のアルセウスの大きさは3mほどだが、アルマトーレの最強アルセウスの大きさはその5倍、15mだ!凄く大きいアルセウスは神の領域と言う本当の神しか入れない部屋でいつもいる。
今回はエルドラドの特訓の付き添いでその部屋から出て特訓に付き合っていたのだ。
『この姿が上級神・・・我の新たな姿』
『そうだ。良くやったな白龍。いや、もうこの名は前の名前だな』
アルセウスは少しだけ考え、こう言った。
『上級神になったお前に名を授けよう。今日からは『エルドラド』と名乗るが良い!』
『エルドラド・・・ありがとうございます!師匠!』
エルドラドは笑顔でお礼を言い、もう少しだけ特訓に付き合ってとお願いをした。
アルセウスは少しだけ呆れていたがいい暇つぶしになるので技の練習をすると言う事で特訓を開始するのであった。
エルドラドは上級神になるために必要な事をこの身で分かったが、皆に死ねと言うのは心が痛む。
だから神までは特訓したが正直、上級神になってほしくない。死んでほしく無いからだ。
エルドラドは皆の特訓を静かに見守ることにした・・・
特殊結界の時間と外の時間が少し間違っていたので訂正させて頂きました。