有栖とアリス   作:水代

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こんなの思いついたからやってみたいなあって思っただけの話。

本編? あーうん…………最近ネトゲのメガテンでイベントとやっててそれが忙しいので、まだ書き途中。新学期始まったしね。

この小説はまあ…………繋ぎってことで。


滅びの国のアリス

 

 

 

 

 荒廃していた。

 この都市は、この国は、この世界は…………もう滅んでいる。

 シェルターに隠れ住む人間。

 草木一本生えない瓦礫の山のコンクリートジャングルと化した地上の街には生物の姿は無い。

 そう…………生きた物の姿は無い。

 

 そこにいるのは生物のような姿をした、けれど生物ではない存在。

 

 悪魔と呼ばれる化け物と。

 

 そして死体となった元生物たちだけである。

 

 

 オレはそこにいた。

 オレはそこで屍を晒していた。

 討ち果てていた、朽ち果てていた。

 

 けれど、生きていた。

 

 否、否、否。

 

 生きてはいない。

 死んでいる。

 けれど、意識があった。

 

「……………………………………不思議な気分だ」

 

 確かに死んでいるのに意識がある。

 自身が死んでいることを確かに認識しているのに、自身の死を一片たりとも疑ってはいないというのに。

 けれど体は動く、心臓は止まっているのに。

 けれど声は出る、声帯は震えていないというのに。

 けれど思考が回る、もう生きていないというのに。

 

 ゾンビ…………そんな言葉が脳裏に閃きすぐに否定する。

 

 先ほど死んだばかりの体は健康的な人間のそれのままであり、弾丸に撃ち抜かれた心臓のことさえなければ、まだ生きているのだと錯覚してしまいそうなほど生きていた時そのままだ。

 ()()に言によればマグネタイトと呼ばれるエネルギーがあれば自身の体は腐ること無く過ごせるらしい。

 そしてそのマグネタイトと呼ばれるエネルギーを手に入れる方法は。

 

「悪魔を殺す…………か」

 

 生憎、人間を殺す趣味は無い。

 否……………………オレが殺す人間はたった一人に定められている。

 殺意の全てを凝縮し、悪意の全てを濃縮し、敵意の全てを圧縮して。

 

 その全てをたった一人に向けている。

 

 その命を殺すために、その尊厳を侵すために、その意思が砕くために。

 だからそれ以外に余計な人間を殺したくない。

 道徳とか、倫理もあるが、何よりも。

 

 もし殺してしまえば、僅かなりとも満足してしまうかもしれない。

 

 理不尽に殺された自身のように、不条理に殺されたあいつらのように、誰かを自身の勝手な都合でやつあたりのように殺せば、心の中で僅かでも満足が得られてしまうかもしれない。

 その結果、殺意が薄まるのが嫌だった。悪意が弱まるのが嫌だった。敵意が静まるのが嫌だった。

 

 だから、ヒトは殺さない。

 

 だから、悪魔を殺す。

 

 それが。

 

「それが、契約だ」

 

 呟いたオレの声に、彼女が答える。

 

「ええ、それが契約よ」

 

 彼女が嗤う。

 純真無垢な悪意の滲み出た嘲笑。

 正しく、悪魔のような笑み。

 それはそうだろう。

 だって彼女は。

 

「じゃあ行きましょうか? 奴隷(なぐも)

 

 正真正銘の…………悪魔なのだから。

 

「ああ、了解したよ、ご主人(アリス)

 

 それは、契約だ。

 

 復讐の契約。

 

 こうして始まるのは。

 

 滅びの国のアリスの物語。

 

 結末は、まだ誰も知らない。

 

 




メガテンって基本的に人間が悪魔を使役する話だから。
悪魔が人間を使役する話をふと作ってみた。



屍鬼 “悪鬼”ナグモ

LV 75 HP2890/2890 MP530/530

力86 魔55 体37 速69 運43

弱点:火炎、破魔
耐性:物理、氷結、電撃、衝撃
吸収:呪殺

アカシャアーツ、デスタッチ、、八相発破、タルカジャオン
スカクジャ、ランダマイザ、貫通、物理ハイブースター


備考:リビングデッド 動く屍。マグネタイトを摂取することにより、生前の肉体を維持しており、そのために悪魔を狩って日々を生活している。通常の手段でHPを回復することができない。相手から生気を奪うスキルを使うか、マグネタイトの供給のみでHPを回復することができる。

奴隷 主人(アリス)に付き従う奴隷。契約による絶対のものではあるが、上も下も非常に曖昧な契約であり、強制力は低い。と言ってもあまり逆らうことも無いが。

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