修学旅行に出会った不良と再び遭遇した雨竜達。その中のリーダー的の不良は雨竜に目をつけた。
?「前も思ったが、やっぱりお前強いだろう?」
雨竜「・・・・・・」
周りは戸惑うがカルマが突っかかてきた。
カルマ「何々?俺達と遊びたいわけ?」
?「てめーも強いみたいだが今は興味はねぇ。また今度相手してやるよ。」
カルマ「待てよ、舐めてるわけ?」
カルマが肩を掴もうとしたが、掴めなかった。
雨竜「!」
渚「え?」
?「今度相手してやるって言ってるだろう?それよりもお前だ。やろうぜ?剣でよ?」
雨竜「嫌だよ。理由がない。」
?「理由は関係ないだろう?お前も俺と同じだからな。」
雨竜「!」
杉野「おい!あんたいい加減にしろよ!」
茅野「そうよそうよ!厄介な不良が多いわね本当に!」
?「ああ?あーお前らか?高校生に拉致られた奴らは?」
渚「!?あの時の高校生の事を知ってるの!?」
?「前にうぜーから、遊んでやっただけだよ。まぁ、無理にとは言わねーよ。だが近いと思うぜ。」
雨竜「・・・・・」
凶矢「俺は倉敷凶矢だ。またな。」
不良達はその場から去っていった。その後帰り道での事。
茅野「何だったのあの不良は!?」
矢田「威圧が半端なかったね。」
渚「律、彼の事何か分かる?」
律「はい、調べてわかった事はあの制服は凶星学園の物です。あまりいい話を聞く学校ではないですね。そのリーダー的な人はそこの3年、倉橋凶矢。私達と同い年ですね。喧嘩は基本的に不良だけみたいですね。不良間では狂犬と呼ばれていますね。」
杉野「狂犬ってすごい呼び名だな。」
律「それともう一つの話を聞きます。何でもいろんな武術道場に挑んでるみたいですね。中でも剣術道場なんかを多く狙っています。そんな道場破りを敗北なしにすべで勝ち進んでいます。」
渚「弱い奴とは戦わず不良と武道家とだけ戦ってる?」
カルマ「俺達に絡んできたのは、周りの暴走みたいだねー。ほんと舐めてくれるよねー。」
雨竜「ご機嫌斜めだな。」
渚「あんな風に扱われたのは初めてだからね。他にわかった事ってある?」
律「めぼしい情報はこれだけですが・・・あ!でも最近町外れにある道場を乗っ取ったって聞いてます。」
杉野「乗っ取ったって、本当に中学生のする事か?」
信乃「でも・・・怖いですけど・・・どこか・・・兄さんと同じ目をしてます。」
茅野「いやいやいや、どう見ても別のタイプだよ!」
倉橋「野犬みたいな感じだよね。野犬だったら手懐けるのは大変だし。」
渚「話が変わってるよ。」
雨竜「・・・・・」
矢田「どうしたの黒鉄君?」
雨竜「ん?何でもないよ。」
カルマ「ふーん。」
その日はその後それぞれ帰宅した。次の日の放課後。
倉橋「桃花ちゃん、今日はどんな作戦で行こうか?」
矢田「そうだね・・・ん?」
ふと誰かに服を掴まれ後ろを見ると信乃がいた。
矢田「あれ?信乃ちゃん?どうしたの?黒鉄君は?」
信乃「今日は・・・矢田さんといてくれって・・・後で迎えに行くからって。」
倉橋「珍しいね。黒鉄ちゃんが信乃ちゃんを置いて行くなんて?」
信乃「やることがあると・・・だから、矢田さんと一緒にいます・・・迷惑ですか?」
矢田「ううん、大丈夫だよ。でもどうしたんだろう?そうだ、ねぇ律、今黒鉄君がどこにいるかわかる?」
律「はい、わかります。昨日調べて欲しいと頼まれた道場に向かいました。」
矢田「あの道場に?どうしてそんな所に・・・・よし!行ってみよう。」
信乃「はい・・・」
倉橋「え?いいのかな?」
一方町外れの道場では中で倉敷凶矢が一人座っていた。
凶矢「(つまんねぇ、どいつもこいつも退屈だ。あいつらも一緒にいるのは俺をただ番犬みたいに見てやがるしよ。ここも潮時かな。)」
その時、道場の扉が開いた。そこにいたのは雨竜だった。
凶矢「ああ?お前か?何の用だ?」
雨竜「改めて調べたけど、お前この道場を乗っ取った時、権利も手に入れたみたいだな?」
凶矢「ああ、そういえばそんなことあったな。それがどうしたんだ?」
雨竜「つまりはここで戦うのは喧嘩ではなく、一種の試合みたいなものだろう?」
凶矢「はぁ!そういう事かよ、昨日戦わなかったのはそれが理由か?学校に迷惑はかけれないってか?」
雨竜「学校というよりも裏切っちゃいけない仲間がいるんだ。だから、仲間にあんな態度されて穏やかじゃない。」
凶矢「理由なんてどうでもいい!おらよ!」
凶矢は手元にあった竹刀を投げ渡し立ち上がった。お互い前に進んでいき構えた。一瞬時が止まったようになったが、次の瞬間つばぜり合いになり、しばらく対峙し再び離れた。そこに。
矢田「いた!」
矢田と倉橋、それに信乃がやってきた。しかしそれでも戦いを止めることはなく何度も竹刀をを交えていた。
矢田「黒鉄君!」
殺せんせ「ちょっと待ってください。」
気がつくと三人の後ろに殺せんせーがいた。下手くそな変装をして。
倉橋「殺せんせー、何でも止めるの?」
殺せんせ「それは二人を見ればわかりますよ。ヌルフフフ」
三人はおとなしく戦いを見守ることに。何度かのつばぜり合いで雨竜が力で竹刀を弾いた。その隙をつこうとしたが、
凶矢「あめー!」
その攻撃をブリッジして攻撃を避けた。さらにそこから攻撃にてんじた。直撃したと思われたが、竹刀を短く持ってかろうじて直撃は避けたが。
矢田「今、あり得ない避け方しなかった!?」
殺せんせ「なるほど。」
今度は凶矢が攻撃を仕掛けてきた。防御しようとしたが、寸前で攻撃方向を変えた。辛うじて後ろに避けたが多少の攻撃を受けてしまった。
雨竜「そういう事か、お前の根本的な強さの根源それは反射速度。」
倉橋「反射速度?どういう事?」
殺せんせ「知覚し理解し対応する、この行動工程を反射速度です。平均でも0・3秒どれだけ鍛えても0・1秒が限界。しかし今の攻防で彼の反射速度は0・05秒。」
矢田「それって!?」
雨竜「俺が一つの行動を起こす時に、お前は二つ三つの行動を起こすことができる。それが今までの道場破りの実力だ」
凶矢「は、はははは!俺の秘密に気がついたのはお前が初めてだ。それでどうする?俺の生まれ持った才能にどう立ち向かう?」
雨竜「確かにな。生まれ持った才能には埋めることが難しいかな。でもよ、それで俺が勝ったらどうだろうな?」
凶矢「おもしれ!ならこれならどうだ!!」
今度は一度に二連続攻撃を仕掛けてきた。一度は驚くも、二度目の攻撃の際は竹刀を短く持ちそれを防いで行く。
矢田「ダメ、止めないと!」
しかし信乃がそれを止めた。
矢田「信乃ちゃん?」
信乃「兄さんが・・・傷つくのは嫌です・・・でも、楽しんでいる兄さんを止めたくないです。」
矢田「楽しんでいる?」
雨竜の顔は笑っていた。対決している凶矢も笑っていた。
矢田「笑ってる?」
倉橋「あの人も笑ってる・・・」
殺せんせ「二人はある意味で似ています。黒鉄君は才能はないもののそれを努力で補う事にしたものの、手に入れた力を扱う場所に戸惑いを感じていた。かたや倉敷君は才能に溢れてあらゆる武術で強者に勝ち続けた、しかしその為か心が退屈に満たされてしまった。そんな二人が求めたのはそんな感情を吹き飛ばしてくれる相手。そういう相手を好敵手(ライバル)というのです。」
矢田「ライバル・・・」
倉橋「見て!」
凶矢はまるで全力疾走したように息が荒くなった。
殺せんせ「これが彼の弱点のようですね。多くの攻防で体力の消費が激しい。」
凶矢は体力が切れかかっている。しかし雨竜の方も攻撃を多く受けてしまい、こちらも限界が近い。しかし。
雨竜「へへ。」
凶矢「何笑ってやがる?」
雨竜「何、こんな楽しいことを終わらすのが惜しいと思ってな。」
凶矢「楽しいか、お前も大概イかれてるな!」
雨竜「お前はどうなんだよ?」
凶矢「はぁ!こんな戦いして暑くならないわけないだろう!」
お互い構えをとった。お互い最後の一撃を打とうとしていた。
雨竜「はぁあああああ!」
凶矢「おらあああああ!」
すれ違いざまの一刀が放たれた。しばらくの沈黙があった。結果、両者とも膝がついた。
雨竜「引き分け、か。」
凶矢「てめ名前は?」
雨竜「黒鉄、雨竜。」
凶矢「黒鉄・・・か。覚えておいてやる。この続きはいずれ蹴りをつける。」
凶矢はフラフラと道場を後にしようとした。
雨竜「ここはどうするつもりだ?」
凶矢「どうでもいい。」
凶矢はフラフラと道場を後にした。それを見た雨竜はゆっくりと倒れ込んだ。すかさず矢田達が近づいてきた。
矢田「黒鉄君!?大丈夫!?」
雨竜「さすがに、疲れた。」
殺せんせ「ヌルフフフ。しかし黒鉄君、すっきりした顔をしていますね。まぁ、報告はしませんよ。烏丸先生に絞られたくありませんしね。」
そう言い残し殺せんせーは姿を消した。
矢田「無茶しすぎだよ。見てて心配だったよ。ねぇ信乃ちゃん。」
信乃「コク」
倉橋「・・・・あ!私ちょっと用事思い出したから!」
倉橋は何かを察しその場を去っていった。いきなりの行動にア然の矢田だったが。すぐに雨竜の方に顔を向けると眠ていた。
矢田「寝ちゃってる。」
信乃「疲れたみたいです・・・私も・・・気が抜けて」
信乃も気絶するみたいに倒れ込んだ。
矢田「やっぱり無理してたんだ。ごめんね、無理に連れてきちゃって。でもかっこよかったよ、信乃ちゃんのお兄さん。」
しばらく起きるまで矢田はそばにいる事にした。
その頃先に帰った倉橋は
倉橋「桃花ちゃんまだ無意識だけど、意識してるよね。ここは友達として応援しないとね。あれ?」
倉橋は橋の下の道に誰かが座り込んでいるのを見た。
倉橋「あ!あなたは!?」
それは壁にもたれ混んでいる倉敷凶矢だった。