ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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とうとう戦闘シーンです


第七話 霧雨魔理沙vsギーシュ・ド・グラモン

 なんなく授業も終わり昼食の時間の為、生徒は全員食堂へ集まっている。もちろんその中にはルイズや魔理沙、キュルケ、タバサもいる。

 シュヴルーズの土系統授業での錬金で、あのような結果で終わりキュルケはタバサに自慢するかのように話している。

 

 その話を近くにいるため聞こえてしまうルイズもいつもの大爆発ではなくあんな小爆発、机すら壊れないような爆破になったのか魔理沙に聞いてみることに。

 

 

 「ねぇ魔理沙、あの時小爆破だったけどどうしていつものような・・・大爆発じゃなかったのかしら」

 

 「だからあの時いっただろ?いつも力みすぎだって、あんな感じでちょろっと出してあげればいいんだよ。まぁその微調整が難しいんだけど、ルイズはセンスあるよ」

 

 「…なんというか魔理沙の洞察力すごいわね、今まで誰もわからなかったのよ、親でさえ…」

 

 「んーなんというか経験や視点が違うからじゃないか?といってもすぐ分かるような気がするんだけどな・・・なんでだろう」

 

 

 と席まで到着してしまったため、魔理沙はマルトーの居る調理場へ向かう。

 もう料理は運び終わったようで、メイドたちも魔理沙と挨拶しながらもどる。

 

 

 「おう魔理沙か、その服装分かりやすいもんだな すまねえが今日も皿洗い手伝ってもらっていいか?休みでちまったのよ」

 

 「ただ飯は嫌だからないつも手伝うよ、私に任せな!」

 

 「あと悪いんだがもうちょっとしたらデザート運ばないといけないんだ、それもやってもらっていいか?」

 

 「いいよ、その時声かけてくれよ」

 

 

 

 そしてルイズたちは程よく食べ終え次のデザートを待ちつつ会話している。

 話題はさっきの錬金である。

 ルイズの小爆発を他の生徒はただ調子が悪かっただけ、と解釈しているがキュルケはいつも失敗を見てきたわけであれは異常だ、と思っている。

 

 

 「ねぇルイズ、錬金のあれはどういうことなの?いつものじゃなかったわね」

 

 「あれね魔理沙が助言してくれたのよ。・・力みすぎ、ほんのちょこっと力を出すだけでいいって」

 

 「ふうん・・・魔理沙には驚かされてばかりだわ、ということはルイズって大きな力持ってたりしてね?」

 

 「分からないわ・・・誰も分からなかったもの、魔理沙には分かるようだけど」

 

 

 とそこに後ろからデザートを持ってきたメイドが 横から失礼するぜ? とデザートを置いていく。

 ルイズは ぜ? とデザートより先にそのメイドを見るとそこには魔理沙の姿が。キュルケも驚いており、その様子を見た魔理沙は大成功だといわんばかりに笑顔になっている。

 が一応これも仕事なので じゃあな と次の人へデザートを運んでいる。その都度驚かれているようであったが。

 

 と他の位置から騒ぎのようなざわつきの声が聞こえてくる。魔理沙もその方向をみると、何故かシエスタがギーシュとかいう男にひざまづき謝っている様子。

 何事かと魔理沙は、デザート運びを中断しその場へ向かいシエスタへ事情を聞く。

 

 

 「シエスタ、これはいったいどういうことなんだ?」

 

 「あっ魔理沙さん・・・これはですね・・・」

 

 「ふん、あのときの余計な言いがかりをつけてきた平民か。 寛大な僕が教えてあげよう、そこのメイドが言い掛かりをつけてきてね、2人の女性を傷つける結果となってしまいこのメイドに罰を与えるところだよ」

 

 

 顔がずぶ濡れで頬が赤くなっている、たたかれたのだろうか?

 あれはギーシュが悪いだろ と後ろから声がかかり魔理沙は らしいけど? と言葉を続ける。

 

 

 「君は見てないからそう言えるんだよ これだから平民は視野が狭くて困るね」

 

 「はぁ・・・ったくこんなんが貴族とは・・・世も末ってやつだな ルイズみたいなしっかりした子はいないのか?」

 

 「へえ、貴族を侮辱するか・・・平民風情が貴族に楯突くとどうなるか知らないようだね・・・いいだろう平民の使い魔、教えてあげるよ、どうなるかをね 決闘だ諸君!」

 

 

 決闘という言葉に一瞬静かになるが、すぐに騒ぎ始める。

 広場で待つ、という言葉と共に背を向け去っていきその決闘を生徒も見るためかついて行っている。しかし魔理沙は意味が分からないようでシエスタに聞くと、震えながら魔理沙に謝っている。

 

 

 「ま・・魔理沙さんごめんなさい・・・ど・・どうしよう」

 

 「はぁ?意味が分からないんだけどどういうことだ?」

 

 「まったく魔理沙は変なことに首突っ込んで・・・あんたどうするのよ!ギーシュに決闘申し込まれたし・・・平民だから大丈夫だと思ったんでしょうね・・・」

 

 「んー?とりあえず広場に向かうか」

 

 「あんた決闘よ!?ギーシュと戦うってことよ?あなたの実力知らないけどなんでそんなに余裕そうなのよ・・・」

 

 「大丈夫だろ、まあ慢心はしないさ それといくつかスペルカードみせてやるよ」

 

 

 いってくるわ とお出かけにいくような軽いステップを踏むように進んでいく。

 ルイズは今までを魔理沙を見てきただけでも実力はあるのだろうと踏んでそこまで心配せずとりあえずシエスタを宥めながら起こしその広場まで向かうことに。

 

 

 召喚の儀式に使ったかなり広めの広場で、そこには人がたむろしており今か今かと待ちわびている様子。

 とここで魔理沙が現れると、騒ぎが大きくなりそれに答えるかのように魔理沙は手を振っている。

 道も開かれギーシュと魔理沙は対峙する。

 ギーシュは余裕なのか自身の杖を横にし口にくわえ髪を弄っている、魔理沙は顔を歪ませている。しわが増えそうだ。

 

 

 「逃げるんじゃないかと思ってたが平民でもちょっとは勇気があるようだね」

 

 「いやいやいや・・・あんた程度に逃げてどうするのさ・・・神様相手でも戦ったってのに・・・」

 

 「意味が分からない戯言は良い 剣も杖もなくそのただの箒で僕のワルキューレと戦うのかい?・・・っぷ、あっはっはっは傑作だね」

 

 「ん?これで戦ってほしいのか?・・・まあいいけどそれやると多分気絶じゃあすまなくなりそうだけどいいのか?」

 

 「なんの心配をしているんだ?寧ろ折って暖炉の燃料にしてあげるよ」

 

 

 まぁ人間相手に使うのは無理だろうしやめとくがね と言った後のタイミングで遅れてきたルイズとシエスタ、キュルケ、タバサを魔理沙が発見し手を振っている。

 なにか叫んでいるようだが周りがうるさく魔理沙まで声が届かない模様。

 

 

 「まぁ御託はいいから早くやろうぜ いやぁ久しぶりに運動する気分だ!」

 

 「ふん威勢がいいな、それを評して剣を貸してやろう それで僕を楽しませてくれよ平民」

 

 

 ギーシュから剣を投げられ使えと言われるがそれを拒否し逆に投げ返す。

 まさかここまでアホなのかとギーシュがみて笑っている。

 

 

 「そんなもので戦うと? 意味分からない平民だな、いいだろう出て来い僕のワルキューレ!」

 

 

 そう言うとギーシュは花びらを数枚出しそこから青銅のゴーレムを出現させる。

 魔理沙は おぉ! と驚き凝視している。

 

 

 「改めて、僕は青銅のギーシュ・ド・グラモン、このワルキューレが相手になるよ」

 

 「へへっそれカッコいいな、今度私も試してみようかなー、おっと自己紹介だったな」

 

 

 と箒を横にし中心あたりに座りながら軽く空中に浮かぶ。

 それをルイズ、キュルケ、タバサを除く全員が驚きを隠せないで声を上げている。

 

 

 「私は霧雨魔理沙、ルイズに召喚された平民で普通の魔法使いだぜ!」

 

 

 堂々と言うと周りの生徒から 浮かんでいるぞ! 平民じゃなくて貴族だったのか!? これってやばいんじゃ・・・? とさまざまな驚きと不安が飛び交う。

 

 

 「き・・・っ君は貴族だったのかい!?魔法使えてるっていうことは」

 

 「そんな訳ないだろ?ルイズたちにも言ったが私は貴族じゃない、断言できる もしかしてそんな理由で逃げるなんて言わないよな?」

 

 「・・っそんな訳ないだろ? ではいかせてもらおう」

 

 「とと!ちょっとまて、先に生徒を空中にでも避難させたいんだが良いか?全員巻き込まれると思うぜ?」

 

 

 魔理沙は動揺していない三人に指示を出しせっせと空中へ避難させる。

 

 

 「さ、お待たせ。威力はかなり抑えるからがんばれよ?」

 

 「・・・っ舐めるな!いけワルキューレ!容赦はするな!」

 

 

 少し離れてから勝負を始めワルキューレが魔理沙を襲うが軽く後方へ飛びつつ避け、黄色い弾幕を仕掛けるが威力が低すぎるのか怯んだだけでそのまま進んでくる。

 弱すぎたか と思いそれじゃあとスペルカードを発動する。

 

 

 「さっそくいくぜ!魔符 スターダストレヴァリエ!」

 

 

 幻想郷でも言ったようにカードを上に掲げ声を出しスペルカードを使う。

 その行動にギーシュはもちろん 上から見ている生徒も何をしているのかよく分かっていない様子。

 

 スペカを使ったあと、7つほどの魔方陣を周囲に出現させ、そこから多種類の色の星型弾幕を停止させる。そのまま魔方陣から弾幕を出現させつつ、魔理沙の周囲を回りながら軌道を逸れていく。

 ギーシュやワルキューレの前後にも軌道上のため星型弾幕が置かれる。ギーシュは、ワルキューレに指示を出し弾幕を切りつけると簡単に綺麗な粒子になる。

 

 他の弾幕も切りつけようとするが、いきなり弾幕が魔理沙へ吸われるかのように集まっていく。

 必死にギーシュは避けているが、いくつか弾幕に当たっており若干涙目である。すぐに無理だと判断し、避けることに集中した結果、ワルキューレの動きは乏しくなり弾幕に何度も何度も衝突している。しかし威力が弱いためか傷はついているがダメージが入ってない様子、しかし転んだり剣を手放してしまったりしている。

 

 そのまま一部の弾幕が魔理沙に当たると思いきや、弾幕はすり抜け適当な方向へ拡散していく。ほかの弾幕は、吸われていたかと思いきやUの字にカーブするかのようにさらに後方へ向かっていく。

 先ほどの魔方陣は、一定の距離まで進みそのままその位置から魔理沙との距離を変えず高速で周りを回っている。その状態から、多数の弾幕を外側へ放っている。見た目重視なのだろう。

 

 上空から見るとまるで花びら1枚1枚違う色で花が咲いているかのように見え、上から見ていた生徒から綺麗… と言葉を言うしか表現できないでいた。

 シルフィールドに乗った3人も、同じような感想で口をあけたままだ。

 

 魔方陣が、あるタイミングで最初と同じような動きで魔理沙のところまで戻りつつ、停止した弾幕を生成していく。

 魔理沙に重なると、魔方陣が素早くもとの位置へ戻る。魔理沙が手を左右に動かすと、その動きに合わせ魔方陣が動き、右へ手を振ると高速で周りを動きつつ弾幕を放っている。

 

・・・

 スペルカードブレイクした、といっていいのか微妙なところだが、時間切れで消滅していく。

 ギーシュはぼろぼろになっており、膝をついて息を吸っては吐いていて集中力がなくなったのか、ワルキューレは倒れている。

 よし絞めだな と呟くとギーシュへにやける。

 さらにギーシュが険しくなるが、お構いなしで次のスペルカードを使う。

 

 

 「次だぜ!星符 ドラゴンメテオ!」

 

 

 八卦炉を取り出すと手の甲が光り輝くが見えていないのか、そのままワルキューレへ走っていく。

 ワルキューレは立ち上がろうとしているが、ありえない速度で走る魔理沙に肩を踏まれ上へジャンプされてしまう。

 

 

 「っ・・は?な・・なんだこの走るスピードやこのジャンプ力・・・私の体に何が起こってるんだ?・・まあいや、締めだぜ!」

 

 

 ジャンプし自由落下が始まる前に魔理沙は、ワルキューレに向け八卦炉を向け極太の激しいビームを放ちその反動で空中に留まっている。

 威力を弱めたはずなのに地面を削り、ワルキューレを粉々にしつつ他のワルキューレも巻き込んでいく。

 

 

 「お、よっ!ルイズ元気か?」

 

 「なななな何が元気よ!圧倒的じゃないの・・・」

 

 「ほんとうにすごいわね・・・というかなんというか綺麗で幻想的な魔法だったわ」

 

 

 タバサもびっくりしている様子で魔理沙を見ている。その間にも高出力ビームが放たれている。

 

 

 「はは、ありがとな やっぱ安全地帯からこうやって狙うのは楽しくて仕方がないな!圧倒的だよほんと」

 

 「それまさかギーシュに当てないわよね・・・?」

 

 「やらないよ これに懲りて反省してくれればいいがまだ何か言うようであればもう一手間かけるけどな」

 

 

 よしこんなもんだろ じゃあまた後でな、と言い出力を止め箒に跨りながら地上へ下降していく。

 

 

 「ねぇルイズ・・・魔理沙って何者なのよ・・・?」

 

 「幻想郷ってところで、神様とか相手にしながらすんでるとかなんとか・・・?」

 

 「意味分からないわ」

 

 

 全くだとでも言いそうになるルイズだがとりあえず高度を下げ魔理沙へ近づく。

 終盤に差し掛かっているのか魔理沙とギーシュが話をし始める。

 

 

 「まだやるかい?ギーシュ?」

 

 「・・・っ僕は・・・陸軍元帥の息子・・・ギーシュ・ド・グラモン・・・こんなところで・・・」

 

 「ん、そっか ならこれで最後だな 諦めな」

 

 

 止めを刺そうと攻撃しようとするが、斜め後ろから声が聞こえ誰かと思ったらギーシュと付き合っていた・・であろう相手のモンモランシーとケティだ。

 ギーシュが何も言わないと、魔理沙はため息を吐きそのまま無視するかのように攻撃を加える。

 後ろやまだ上空にいる生徒が悲鳴を上げる。 そこまでするか、と。

 

 

 「ギーシュ頭冷やせよ スペルカード!恋符 マスタースパーク・・・のような懐中電灯!」

 

 

 ペカーッ、とでも効果音がつきそうなほどあっさりとした光を当てる。

 ギーシュは えっ と言う言葉と共に、なぜだかやる気が一気に削がれバラ状の杖を落とす。

 

 

 「終わりでいいよな?」

 

 「あぁ・・・僕の・・・負けだよ」

 

 

 その言葉がすでに降下していた生徒に聞こえたのか 平民じゃないけど平民が勝ったぞ!と騒ぎになる。

 魔理沙とギーシュを囲みつつ騒ぎが大きくなる。

 

 

 「ギーシュ、調子戻ってきたろ?んじゃ迷惑かけた人たちに謝ってきな、後ろに居る2人はもちろん、シエスタにもな?タイミングは好きにしな」

 

 「あぁ・・・そうだね、先に霧雨魔理沙、ありがとう。目が覚めたよ、こんなにボコボコにされたのは久しぶりだよ・・・改めてありがとう」

 

 「なんだかスッキリしたような雰囲気でてるぜ?いいことだよこれからもがんばりな」

 

 

 霧雨魔理沙はクールに去るぜ と呟き自身の帽子を手で傾けそのままその場を離れるとルイズとキュルケ、タバサもついていく。

 

 

 

 そして間接的に見ていた2人の人物が 緊張の糸が途切れたように大きく息を吐き椅子に座り込む。

 片方はコルベールでもう片方はこの学院の学院長であるオスマンである。

 

 

 「あの子はいったいなんなんじゃ・・・あの子は貴族なのか?コルベール君」

 

 「違うらしいですけど本人に聞いたわけではないのでちょっと・・・ですが未知の魔法を使っています。私はあんな綺麗なものはみたことがありません。」

 

 「長いこと生きてるがワシも見たことは・・・いやあるようなないような・・・ま・・まあ、異質な力じゃ・・・もしあの者が貴族であったらあってはならぬこと・・・あのギーシュは何を思ってそのまま決闘を行ったのか・・・」

 

 「私が直接聞いてきましょうか?」

 

 「いやここに連れてきなさい、ワシが直接聞こう」

 

 「・・・分かりましたお任せします」

 

 

 コルベールがオスマンの指示により外へ出ると一人となり先ほどの戦闘とギーシュの相手である魔理沙のことを考え思いに耽っている。

 

 

 「違うが似ている・・・色や魔力の質は違うが似ている、まるであのときの女性のような・・・」

 

 

 結果的にはギーシュの敗北で終わりゴタゴタもなく無事?に今回の騒ぎは幕を閉じた。

............

 

 




ギーシュ、これが弾幕ごっこだ。がルールの無い世界に弾幕はナンセンスだ。

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