ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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第六話 錬金の授業とルイズ

 そして時は過ぎ次の日の早朝。

 まだ生徒のほとんどは寝ている時間でありルイズもその中の一人であるがその使い魔、霧雨魔理沙は欠伸をひとつし昨日言われていた服の洗濯をするため籠を持ちながらとりあえず外へ向かう。

 

 

 「洗濯する場所あるのかね?適当に探すのもありだが時間制限があるってのがなあ・・・こういうときに私と同じように洗濯する人が・・・いたわ」

 

 

 なんと都合のいいタイミング、ただ相手は昨日はいなかったメイドのようで気軽に話せるシエスタがよかったな、と思うが仕方ないので声をかける。

 

 

 「なぁそこのあんたちょっといいかー」

 

 「はい?はっき・・貴族様!なんでございましょう?」

 

 「あーまたこれか・・仕方ないんだけどな。私は貴族じゃないからそんな態度で接しても私が困るんだぜ?普通にはなしてくれよ」

 

 「そ、そうですか・・・それで何か御用で?」

 

 「この服を洗濯したいんだが場所教えてくれるか?」

 

 

 そういうことでしたら、と指差し道を教えてくれる。お礼を一言言うとメイドは一礼し自分の仕事は終わっていたようでそのまま反対方向へ進んでいく。

 

 

 「咲夜よりは柔らかい気がするがまだまだ未熟だなー、いや咲夜が完璧すぎるだけか?・・・みんな元気にしてるかなあ・・・」

 

 

 そんなことを思いながらとぼとぼと歩いていると示された方向で洗濯物を干している人影がありぱっと見ただけでも誰だかわかる姿である。

 幼さを残した顔立ちと出てるところは出ている、つかでかい。ちょびっとだけ分けてほしいと思った。思っただけだぜ・・・。

 

 

 「シエスター!」

 

 「あっ!魔理沙さん!こんな早朝にどうかなされました?」

 

 「ほらこれルイズの服だ、洗って来いなんていわれちまったからな。けっこういい生地使ってるからさ洗い方おしえてくれよ」

 

 「別に私がやってもいいのですよ・・・?」

 

 「まぁ一応使い魔だしな、頼まれたからにはやるさ」

 

 

 そうですかではとりあえず、と洗い方を丁寧に教えてくれ順調に洗い終わっていく。

 ここでシエスタから質問があるようで魔理沙へ聞いてくる。

 

 

 「あの昨日のお茶の件といいなにか関係あるのですね・・・そうだ私の得意料理のヨシェナヴェっていう料理しってますか?私の故郷、タブル村では有名なんですよ?」

 

 「んーヨシ・・・?ちょっと私には知らないな・・・こんど振舞ってくれよ!シエスタが作るんだからきっと美味しいんだろうな」

 

 「えへへ、そんな褒めないでくださいよー!」

 

 「はは・・・(純粋だな、シエスタの今後が心配だ・・・)」

 

 

 シエスタのお陰で洗濯が早く終わり干す作業はやっておくとのことで魔理沙は感謝を述べその場から離れる。

 まだ起こす時間ではなく適当なベンチで帽子の中からルイズが持っているものとは別で少々分厚い本を出す。

 その本にはこの世界での生物の種類が絵付きで載せられており昨日多少文字について勉強したとはいえまだ完璧ではないので図書館から分かりやすそうな物を借りてきたというわけだ。 いつ借りたって?夜中だが?

 

 

 「ふうん、なーんだか知らないのばかりだな、こんなのが実際いるなんてな・・・実際に会って触ってみたい気もするが・・・まずは身の回りの使い魔たちから調査してみっか」

 

 

 人影もなくそよ風が髪をなびかせちょっとうとうとしそうにもなるがそろそろ時間のため片手に本を抱えルイズの部屋へ。

 やはりまだ寝ており幸せそうな顔をしているが怒られたくはないので軽く肩を揺する、が起きない。

 はぁ、とため息を吐く魔理沙で両手を前に小さな魔力弾を片手に一つずつ用意しそれを衝突させるために軽く交わるように投げすぐに魔理沙は耳をふさぐ。

 

 パン と大きな音をたてて破裂する。もちろん被害はルイズだけ、物は大切にするものだぜ。

 ルイズは音の大きさで夢から一気に現実へと引き戻され目を見開き左右を何度も確認している。

 とここで魔理沙と目が合う。

 

 

 「よっルイズ朝がきたぜ?頭も覚醒しただろ、もう少ししたら授業だと思うからな準備しようぜ」

 

 「んーあ?白黒メイド?だれよあんた・・・」

 

 「ちょ…ルイズそりゃないぜ・・・魔理沙だよ、霧雨魔理沙!思い出したか?」

 

 

 ルイズは少し考え込むこと数十秒、そういえば召喚したわね と寝ぼけていながらも思い出す。

 

 

 「ほれちゃちゃっと準備しようぜ?」

 

 「んー 服着せて」

 

 「え・・・?自分で服着れないのか?まじかよ」

 

 「ちがうわよ!それも使い魔の仕事なの!さぁそこに掛かってる服よ!」

 

 

 ふーん、と言いながら服を準備しここでちょっとした悪知恵が働く。

 

 

 「ほーらルイズちゃん、お着替えしましょうねー・・っぷ」

 

 「な・・なな、魔理沙!!アホな事言ってないでさっさとしなさい!」

 

 「ささルイズちゃんまずは服を脱ぐために手を大きく腕に上げてさぁバンザーイ」

 

 

 うぐぐ、と唸るルイズにもう一押しと魔理沙はさらに煽る。

 

 「おぉ?手を上げることもできないのか、仕方ないなぁどれ私も手伝ってやるぜ」

 

 

 ルイズの手を触れようと手を伸ばしたが拒絶されてしまった。

 自分でやる、と言い素直に服を着替え始めささっと準備を終わらせそのまま部屋を出て行ってしまう。

 

 

 「ルイズもまだまだ子どもだな!っと置いてかれちまうぜ」

 

 

 すぐにルイズの後を追いかける魔理沙であった。 鍵のかけ忘れに注意。

 

 

 魔理沙にとってまともに行う初めての授業、赤土という2つ名を持つシュヴルーズと言う女性が担当するようだ。

 やはりここでも平民を召喚したルイズと召喚された本人、魔理沙が中傷の的になっている。

 見た目が特に特徴のない男子生徒ややや太った男子生徒と我慢できなかったのか言い合いをしているルイズに魔理沙はため息を吐き止めようとするがその前にシュヴルーズが杖を一振りすると罵倒してきた生徒の口に赤土の粘土を銜えさせられ注意されている。

 

 いったん授業がリセットされたので改めて再開する。

 

 

 「さて改めまして私、赤土のシュヴルーズが授業を始めさせていただきます。

 私の授業では土系統を主軸に進めて行きたいと思いますのでよろしくお願いしますね」

 

 

 軽い自己紹介のあと魔法の系統についての話を一通り話し終え先生は、実演をするようで杖を出すと同時に3つの石を全員が見やすい位置である教卓の上へ置く。

 

 

 「ではまず基本である錬金の呪文から覚えていきましょう。レル・イン・ヤーム」

 

 

 石へ杖を向け呪文を口ずさむと瞬く間に石が黄金に輝き生徒から驚きの声が広がる、魔理沙も驚いておりくい気味に見ている。

 光が収まりその物体を見てキュルケからゴールドですか?、という質問に先生から真鍮です、という言葉にがっかりしている様子。

 とここで生徒から実演をしてもらうために適当に先生が指を刺し指名する。

 

 

 「ん?えっ?私?」

 

 「おールイズ指名されたぜ?がんばれよ!」

 

 

 魔理沙は純粋に応援しているが周りの生徒からは不満の声が広がると共に不安の声も上がる。

 先生もなぜこんな反応なのか疑問に思うが意思は変えないようでそのままルイズは教卓の正面へ。

 このタイミングでいち早くタバサは抜け出しそのまま部屋から出て外へ向かっていく。

 ほかの生徒は机を盾にするかのように潜り込み目だけを覗かせるように見ている。

 

 ルイズが教卓の正面まで行くとその隣には魔理沙も立っている。

 

 

 「ん?あなたは呼んでいませんけど・・・?」

 

 「私は霧雨魔理沙、ルイズに召喚された平民ってやつだ、使い魔なんだから主人の横にいるのは当たり前だろ?」

 

 「なるほどあなたが・・・ええそうですね では錬金したい金属を強くイメージしつつ始めなさい」

 

 「はいっ・・・!」

 

 

 杖を懐から取り出し石へ向ける、とここで魔理沙から助言が飛んでくる。

 

 

 「ルイズ、力が入りすぎだぜ、かなり弱めでもいいからちょびっとずつ出すようにしてみな」

 

 「・・・っ、やってみる・・・」

 

 「蛇口から水がぽたぽた落ちるくらいのレベルでもルイズの場合十分だと思うからな」

 

 

 生徒から息を呑むような緊張感のある雰囲気がかもし出され先生まで息を呑んでいる。

 魔理沙はルイズの二の腕あたりに手を置くとルイズは少しだけ魔理沙を見るが考えていることを察したのか今やるべき事に集中する。

 ルイズはいったん深呼吸し変えたい物をイメージしつつ先生の言った呪文を口ずさむ。

 ルイズの中にある魔力の流れを読んでいるのか もっと少なくゆっくり、そう、上手いじゃないかそれを持続してみな と助言をする。

 石が光り輝いていきさらに強く発光する。

 そのまま光が収まっていきその姿が見える前に小さな爆発が起きる。

 

 ビクッと生徒全員がしたがこの結果に首を傾げるほど疑問が広がる。

 行ったルイズもあれっ?、と声に出してしまうほどである。 先生はなぜ爆発したのか、のほうが疑問のようだが。

 

 

 「ふむ、なぜ爆発したのかわかりません、石が粉々になっていますし土系統と相性が悪いのかもしれませんね、とりあえず実演ありがとうございますね」

 

 「えっ?・・・あっはい」

 

 「力の制御がなかなか上手くいったな、だけど結局爆発か、ちょっと個人的にも調べてみるか」

 

 「あ・・うん、魔理沙無理しなくてもいいのよ」

 

 「無理でも何でも気になったらすぐに行動しないとな」

 

 

 行動力があるわね、期待しないで待ってるわ、と呟きそのままもといた席に戻るがみんなからの視線が強まり授業どころではなかった。

 さきほどの先生からの制裁もあり授業はそのまま何事もなく終わりルイズはそそくさと戻ってしまい、魔理沙は小走りで追いかける。

 

 次の授業が午前の部最後だが座学で文字がまだ不慣れな魔理沙には難しくなにより世界情勢について今は興味がなく帽子から早朝読んでいた本を再度読み始める。

 ルイズが小声で魔理沙の持つ本について聞いてくる。

 

 

 「ちょっと魔理沙、なによそれそれって図書室のやつじゃないの?」

 

 「おぉさすがルイズ、よくわかったな。その通りだぜ それがどうかしたのか?」

 

 「どうしたもなにもいつ借りにいったのよ そんな時間なかったと思うけど・・・?」

 

 「ルイズが寝た後だけど?ちょっと借りてきただけだぜ?」

 

 「は?夜中?図書室開いてないはずだけど?どういうこと・・・?まさか盗んで・・・」

 

 「大丈夫だルイズ、心配するな死ぬまで借りるだけだからな」

 

 

 驚いた様子で声に出してしまい先生から注意を受けてしまう。頭を抱えるルイズに対し魔理沙は罪の意識はないようでそのまま続きを読み始める。

 そして授業が終わったあとで問い詰められたが魔理沙に昼飯を催促され話をうやむやにされてしまう。

 食堂へ到着し魔理沙は、昼飯はメイドたちと食べるということをルイズに伝えると納得しじゃあまたあとで、と一言いい席へ座る。

 それを確認次第魔理沙は手を振りながら去っていく。 このまま何もなければいいが・・・

...................

 

 




修正
錬金のところの描写を少し増やしました

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