ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結 作:WryofuW
村長の家に入った幻想郷側やルイズに魔理沙であるが、すでに学院長室へのスキマは用意してあった。
家の中にはすでに紫の姿は無かった為、先に行ったと思いどんどん進んでいく。・・がしかし紫は先にいってなどいなかった。 ではどこに・・・?というと・・。
・・・
魔理沙たちがすでに去った後のタルブ村・・・。この出来事で部隊の一部はもちろん、村民でさえ理解ができず混乱している様子。が騒ぐこともなくこの状況を見つめているようだった。
「・・姫・・・姫殿下!」
「・・・っ!・・何かしら?」
「呆けている場合ではありませんぞ。先ほどのもの達や先ほどの光を放った者たちの捜索などやることが多いでしょう」
「・・ふぅ、その通りだわ。トリスタニアへ帰還後学院へと使いを出すわ、必ず何かしら知っているはず。それともうひとつ・・」
アンリエッタの見る先にあるのは・・・変哲もないただの村長の家である。がしかし紫たちが入っていった家だ。もしかしたら、どこかへ繋がる地下空間が存在するのかもしれない。あの者は言っていたが、関わらなければ何もおきない。逆に関われば何かが起きると言っていた。
この国も問題がたくさんあり、早急に対応しなくてはならずこれ以上問題を増やすわけにはいかない。
とは言ってもまたこれも放置していい問題ではないのは確か。親友が連れ去られ、その使い魔も行ってしまった。ルイズが放ったであろうあの光の玉についても、調べる必要があるだろう。
やるしかないのだ、と自分に言い聞かせ、馬から降りドアの前まで進んでいく。マザリーニも分かっているだろうが、まさか自分でドアを開けるなど思っておらず止めるよう進言するが頑なに否定していた。この国の問題は自分が解決する、という即位を込めた思いも含まれているのだろう。
とドアノブへ手がけようとした時、アンリエッタの上から先ほどの婦人の声が聞こえてきた。
何事かと上を見ると屋根から見下ろすようにこちらを見ていた。
周りからは いつそこに登ったのだ やら 姫殿下を見下ろすなど万死に値する。降りろ! など言っている気がしたが私には聞こえていない。
すべてが見透かされるような気がして息が苦しくなる。 他のものには分からないだろうが、紫は妖気をわざと漏らしながら威圧感を放っている。まるで空気がまずくなった・・というより重くなった、というべきか・・危険の信号が頭から発しているが思うように動けない・・・すると八雲紫という者が口を開く。
「ふうん、その行動は私たちに関わるって事でいいのよね?あなたの命やこの国、いやこの世界にどんな影響があるかも分からないのに?」
「・・・っ・・・私はやらねばなりません。私の国で勝手なことをされて平気な顔をすることができるわけがありません!私はこの国が好きなのです。平和であってほしい、その為には私が率先して解決していかなくてはいけないのです。あなたが敵か味方か今はわかりません・・・。ですが味方であれば・・手を取り合うことはできないのでしょうか?」
その言葉を聞いた紫は呆れた様子だったが、まぁ幻想郷に不利益にならなければいいか と思いつつも少しの期待を込めて言葉をアンリエッタに投げる。
「ふうん、あそ。それじゃあ勝手にしたらいいわ」
その言葉に悲しそうな顔をするが、すぐに真剣な表情をしドアを開けるためにドアノブに手をかける。ドアを開けるだけなのに如何してこんなに緊張するのだろうか、と内心クスリと笑うアンリエッタであった。
そして、思いっきりドアを開けた先には・・・。ただ平凡な平民の内装であった。さらに人影はなく地下室への入り口もなさそうである。これはどういう事なのだろうか、と護衛共々思っていると前からまたしても急に八雲紫があらわれた。
護衛は剣を抜き、紫へ向けていつでも振るえるよう構えている。
「・・そ、まあそれでこそ人間ってものね。まぁ取引相手にくらいは信用してあげてもいいわよ」
「は・・はぁ「まあこっちも暇じゃないし・・そうねぇまぁ私に考えがあるから話し合いはその後。いいわね?」・・・これだけは聞きたいのですがルイズや魔理沙さんの安全は確保してもらえるのでしょうね?」
「心配しなくてもいいわ。魔理沙は元々こっちの住人だし、ルイズに関しては今回の重要参考人だし命は保障するわよ」
「そうですか・・トリスタニアに戻ればルイズたちを気にしている余裕は無くなってしまうでしょう・・・ほぼ負け戦をルイズが勝ちに引っ張ってくれたというのに・・・それでも・・・よろしくおねがいするわ」
「・・・あなたはもう少し大人になるべきね。洞察力やら警戒心やら餓鬼のままね。・・・じゃこれをずっと腕につけときなさい。私と連絡するための物だから、まぁ腕じゃなくてもいいけどなくされると困るわ。だから腕につけときなさい」
紫自身、どうして私が・・と愚痴を言いつつアンリエッタへひとつのリボンを渡す。それを腕に軽く縛らせるよう指示するとそれに従い、腕につけている。よく分からないまま腕につけたはいいがそれの意味が分からず、それを問おうとしたがすでに八雲紫はそこにはいなかった。
護衛はアンリエッタの腕・・その腕につけられた紫色のリボンを見つめていた。しかし一部の護衛、アニエスらは紫を見ていた。その為いきなり出てきたり、引っ込んだりの正体が判明した。判明したが説明の仕様がない為困惑していたのだった。
・・・・
そして学院側・・。
いつまでたってもこない紫にルイズは心配しているが他の幻想郷側、アリスや咲夜たちは何も心配しておらずソファーにくつろいでいる。オスマンも最初はひやひやしていたが、今はもう開き直っているのか咲夜に注いでもらった紅茶を飲んでいる。
オスマンはいつもの調子で咲夜を口説いているが、その都度ナイフで脅されていた。それをみて笑う美鈴、ねずみとじゃれ合う人形、この部屋のドアから覗きをしていたキュルケやタバサを説教する9代目とコルベール。魔理沙はざまー見ろと言わんばかりに笑いこけてルイズに叩かれている。
帰ってきた紫は なんだいつもの異変解決後の宴会じゃない と呆れていた。
とそこでふと、アリスは先ほど聞きたかった事を魔理沙へ伝える。
「ねぇ魔理沙、あなた剣士にでもなったわけ?背丈に合ってない剣なんて似合わないわよ。というよりどうしてそんなぐるぐる巻きなのよ」
「ん?あっ!ああああ!・・。あー・・・その・・・デ・・デルフ?ごめんな?・・」
魔理沙はすっかり忘れていたようで、背中に背負っていた紐でぐるぐる巻きにされたデルフを降ろし解いていく。
魔理沙の言うには戦闘中にうるさくされるのは簡便、と言うのと落としたら嫌だからと言う事らしい。
「ぶっはぁ!はーはー・・。このやろうこぉの娘っこ!てーめぇゆるさ・・・え?な・・なぁ相棒、この状況は一体・・?」
「へぇ剣が話してるのね。悪趣味ねえ魔理沙は」
「魔理沙、とうとう人間を辞めて魔法使いになるのね。その第一歩がこれね。パチュリーが喜ぶわよ」
「んだあああ!違うよ!これは武器屋さんで買ったんだぜ!紹介しよう!ガンダールヴの所持していた伝説の剣デ「デルフリンガー様だ!覚えておけ娘っこども!」・・・しゃべり方は許してやってくれ。まあ幻想郷への土産だよ」
「お、おい!相棒それはないだろ!俺様は武器だ!人を斬る物であって飾るためのもんじゃねえ!」
面白そうに紫は見ているがそれはとりあえずおいて置くとして本題に入る事に。
紫は手をたたき、全員の視線を集めると話し始める。
「余計なのがいるからあの広場にポイしてと・・・さてミスタ・オスマンとミスタ・コルベールも話に加わって頂戴ね。私たちはさっさと幻想郷へ帰らないといけないの。向こうを放置できるほど柔な立場じゃないからね」
先生2人は頷き、話を進めるよう視線を向ける。ついでだが余計なのとはキュルケにタバサである。スキマで落下させ広場に捨てた、という事だ。すまん2人とも・・お前たちのことは忘れないんだぜ・・。
「とりあえずルイズと魔理沙はつれて帰るわ。それとまた来るから魔法陣の保護よろしくね。ちょっとしたことでは壊れないと思うけど変にいじらないで頂戴ね。死んでも知らないわよ?。」
「う・・うむ分かった。コルベール君、今すぐに魔法陣とやらの保護を優先に行動しなさい。それと共に生徒たちに注意するよう伝えなさい」
コルベールは承知したと意思表示を込め、頷く。それを確認した紫はすぐに話し始める。
「さてそろそろ私たちもいくけどそちらから話すことはあるかしら?」
「・・・では2つほどよろしいかな?」
「いいわよ。答えられる範囲だけどね」
「ではまず1つ。この2人の安全じゃ、ここは学院じゃからのう。親から生徒を任され、学ばせると共に身の安全を確保せねばならないのじゃよ。ミス・ヴァリエール自身もその幻想郷へ向かうのじゃろう?・・・アルビオンにも無断で行ったのじゃ、もう今更と言うべきかの」
「この子次第じゃないかしら?素直に従ってくれれば問題は起きないと思うわ。なぜ断言できないのかというと幻想郷はそんなに安全じゃないから、ってとこね。けどまあ紅魔館辺りに住んでれば平気よ。咲夜もそのつもりで主人を説得しなさい」
「厄介ごとを引き受けたくないけど、まぁパチュリー様が留めるでしょうしそこは私がいなくとも問題ないかと」
そういうことになるわ と紫はオスマンの問いに答えるとオスマンは、まぁ止むを得なしか と自身の髭を撫でながら言う。
そしてもう一つ、とオスマンは息を吸いなおし答える。
「ミス・ヴァリエールとミス・魔理沙の関係の問題じゃ。そちらでやることをやってミス・ヴァリエールをこちらに戻すとき、主人と使い魔ということを考えミス・魔理沙も戻すのじゃろうか?それとも引き離す・・・のかの?」
「んーそうね・・・。魔理沙、どうしたいの?」
「もちろんルイズとは離れたくないんだぜ!そりゃあ霊夢とも離れたくないけど・・そのなんというか・・せ・・せめて卒業くらいまでは一緒に居たいんだぜ・・・!」
「ふうん、それだけ?」
「えっ?あっと・・まだあるんだぜ!そ・・それによ、この世界のことと幻想郷の関係を調べなきゃなんないだろ?だからさ幻想郷のみんなの中でハルケギニアを一番知ってるのは私だと思うんだ。だからもし調べ物をするときとかは私に任せたほうが効率がいいと思うんだぜ」
「・・・まぁ利にかなってるわね。けど「紫、あまり魔理沙をいじめてやるな。紫だって分かってるんだろ?」・・・いたい・・あーもう分かってるわよ。もう少し弄ってもいいじゃないの」
紫を止めるのは9代目博麗の巫女である。あきれた表情をしつつ、後ろからチョップをかましていた。
頭を撫でながら魔理沙のほうへ向き、ため息を一つ吐く。
「今言った魔理沙の提案は私も考えてたことよ。つまり・・そういうことよ。その時はがんばりなさい」
その言葉をきいた瞬間、魔理沙はルイズへ振り返り双方とも嬉しそうに抱き合っていた。
とここで紫がそういえば と思い出したかのようにいう。
「いわゆるあれよね。んー異世界だから・・在ハルケギニア、トリステイン王国幻想郷大使 霧雨魔理沙 ってなるわね うふふ」
「なんだそれ、よく分からんけど名誉なのか?」
「そうね。向こうでも外の国ではよく使われてるくらいだれでも想像くらいはできるでしょうね」
「ふーん・・まぁなんでもいいや。腹に溜まるもんじゃないし魔法とは関係ないっぽいしな!」
「ったく魔理沙はいっつもそうよね。ふふ・・けどまあそれでこそ魔理沙ってとこかしら?」
ルイズのちょっかいに魔理沙は気にした様子も無く、笑いながら話を聞いていた。
と魔理沙はルイズへ振り返り、魔理沙はワンテンポ空け言葉を発する。
「・・ルイズ。この先なにがあるか誰も知らないけどな、これからもよろしくなんだぜ!幻想郷の案内は私に任せろ!」
「ふふ、勿論!こちらこそよろしくね?ちょっと怖いけど・・一方で楽しみでもあるのよ?魔理沙に影響されたかしら?言葉まで変わりそうね」
その様子を見た紫は一つ頷き、オスマンへ一言 じゃあね と言うと全員を引き連れ出て行ってしまった。
魔理沙も一言 じゃあまた会おうな と言い続いて出て行った。そしてルイズ・・・。
「先生方、私は絶対帰ってきます!それまで他の人には内密で・・キュルケとタバサくらいには話してもいいですけども・・・あ、そうだあとこれ、簡易に書いたものですがもしも・・・お父様やお母様が問い詰めてきたらこの手紙を渡してください。こんなもので止まればいいですけど・・じゃ私はこれで・・」
「生徒を危険な目に合わせてなにが先生だと言いたいじゃろうが・・気をつけていくんじゃぞ・・・」
「ミス・ヴァリエールが帰ってくるのを楽しみにしています。それまで在籍などの事は気にしないでください。それと幻想郷にいくのも重大な任務ですぞ・・。あのものたちと敵対しないようにするのはミス・魔理沙とミス・ヴァリエール次第なのです。・・・お気をつけて」
ルイズは手紙を渡し、ひとつ一礼するとそのまま退出していった・・・。
そしてルイズは全員がいる魔方陣付近へ到着したがそこにはキュルケとタバサがいた。
「ルイズ、話は聞いたわ。災難ねえ・・・まあ頑張りなさい、ちゃんと生きて帰ってきなさい。私がつまらなくなるもの」
「・・・お願いがある。内容はそれに書いてあるから向こうで読んで。あと帰ってきたら話聞かせて、興味あるから」
「・・・まぁ色々いいたい事はあるけど・・次会うのは何時になるか分からないけど元気にしてなさい。帰ってきたときにはもしかしたら彼方達より強くなってるかもしれないし精進することね!・・「ルイズ!いくぞ!」あっ、はーい!じゃあねキュルケにタバサ」
すぐに振り返り、小走りで魔方陣へと入っていく。魔理沙の隣に立つと一言ずつ言葉を交わす。
「ルイズ心配すんな私がついてるからさ。まぁ・・その改めて、これからもよろしくな?」
「ええ、こちらこそ足引っ張らないようにするわね!よろしくね、魔理沙!」
.......
.....
...
.
読者様方、ここまでお疲れ様でした。
とりあえず簡易で次のページであとがきとさせていただきます。長々と書くのはあまり好きではないので。