ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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何千文字消して何度書き直したか・・・完走までもう少し・・ではどうぞ


第九話 国の長同士の駆け引き

 まあそれはさておき と紫すぐ気を取り直しこの先の話をする。

 

 

 「9代目、あなたはどうやってこの世界にきたのかしら?」

 

 「どうと言われてもな・・。確か・・・魔法の森を経由してから博麗神社へ帰る途中でいつの間にかこの近くにある森にいたんだかな」

 

 「あそこの森ね・・なるほど。さて次に魔理沙、あなたはどうやってここにきたの?一から説明しなさい」

 

 「一から・・・確か・・私は霊夢とお茶飲もうと神社に行ったけど、忙しいって断られたんだ。そこらへんは藍が知ってるはずなんだぜ。んでしゃあないから紅魔館に遊びに行こうとしたときに魔法の森で光るものがあったんだよ」

 

 

 ルイズ以外は幻想郷住みでありどこに何があるかは知っている為、時々頷いている。・・・がルイズはまったく分からない為つまらないだろう、と思いきや真剣に話を聞いているようだった。

 それは魔理沙を呼び出してしまった責任なのかただ興味があるだけなのかは本人だけが知っているのである。紫はその様子も見つつ話を聞いていた。

 

 

 「?・・続けるぜ?・・それでその光るものが魔力を帯びた鏡だったわけさ。それに触れたら吸い込まれてルイズの目の前にいたってわけだ。それが召喚・・サモンサーヴァントってのだな・・・いやぁあんなに痛い思いはもう嫌なんだぜ・・・ほんと痛かったんだって」

 

 「悪かったわね・・・そんなに痛いものだとは思わなかったし…使い魔の契約って危険なものなのね…」

 

 「ふうん・・2人とも魔法の森絡みなのね・・・。魔法の森のどこらへんなの?」

 

 

 紫のその問いに2人とも 湖付近 と答える。湖とは妖精の住む霧の湖であり近くには紅魔館がある。

 ただの湖ではなく色々訳ありな場所であり、紫自身も少しお世話になった場所である。あまりいい記憶ではないが・・・。

 

紫の力は無理矢理空間をねじ曲げて繋げたりする為、その場所が不安定になるのは当たり前。…その湖で大きな事をしたとはいえ、それだけでは説明にならないのも紫でも分かっている事である。…謎が増えるだけの為とりあえず今わかることを報告する。

 

 

 「なるほどねえ・・・もしかしたらそのサモンサーヴァントってのを行うときに魔理沙が霊夢と遊んでたらきっと召喚されなかったわね。それに何故かあの時だけ結界が緩んでたのよね・・・だから霊夢を呼んだのよ。・・偶然というのか、あの吸血鬼に言わせれば運命というやつのでしょうね」

 

 「なんだかあやふやな答えだな」

 

 「情報が足りないわ。向こうで調べてもさっぱりだもの。本人たちから話を聞けたのはこれが初めてなわけだし」

 

 

 紫の言葉に それもそうか と魔理沙は納得していたが、ルイズがいつの間にか服を引っ張るように握っており、何をしているのか問うと恐る恐るルイズは口を開く。

 

 

 「い・・いま吸血鬼っていわなかった?」

 

 「うん、そうだけど?レミリアって名前の吸血鬼だよ」

 

 「ま・・ままま魔理沙はそのレミリアさんって方と友達なの!?ていうか聞き間違えでもなかったのね!?吸血鬼なのに?もう手遅れ?ゾンビ?」

 

 「意味が分からん。つか落ち着け。レミリアについて聞きたいんならそこのメイドか門番に聞けば分かるんだぜ」

 

 「あっ。えっと咲夜さんの仕えてるとこの同じ方なのね・・さっき言ってたー・・こうまかん?だっけか」

 

 「そうよ、まぁそれはまた後でね。それより魔理沙!」

 

 

 ルイズの言葉も聞きつつ、名前で紹介しなさいよ!なによメイドと門番って と魔理沙に対し二人から言われてしまったが、そんな強く言うほど気にする事じゃないだろうに。

 そんな会話の途中、ドアをノックする音が全員の耳に伝わる。

 巫女が返事をするとドアは開けず、あせった様子の村長の声が聞こえてくる。

 

 要約すると、トリステインの軍・・・しかもアンリエッタ率いる軍が尋ねてきている様子。ここにいるであろうピンクの髪をした貴族の子と金髪の白黒の女性を呼んでほしいとのこと。何故私たちがいるのをしっているのだろうか、もしかして虚無魔法がばれたとか言わないよな・・?居留守でもするか? 

 

 巫女はため息を吐くと 私が出る と言い出入り口のドアへ向かう。

 

 

 「9代目私もいくわ。ここの姫とやらに会っても損はないでしょう?」

 

 「・・そうだな。いきなりスキマで会うよりは数倍マシだからな」

 

 「なによそれ。まるで私が神出鬼没みたいじゃない」

 

 「さすがだな。自分のことだからよく分かっているじゃないか」

 

 

 ・・・そして時は少し戻りアンリエッタ率いるトリステイン軍。神聖アルビオン軍の追撃をしつつタルブ村へ。

 

 「はぁ、親友を売るようでいやな気分だわ・・」

 

 「こんなときでもため息はよしなされ。兵がみているのですぞ」

 

 

 馬上でため息を吐くアンリエッタに、マザリーニが注意をしつつ目前に迫るタルブ村を見る。

 アンリエッタ率いる軍は知らないことだが、村を覆っていた結界はすでに限界を超えており崩壊していた為、問題なく入ってこれたわけである。

 一旦兵の3分の2は待機させ、後は護衛を予ねて連れて行く事になった。全員信頼できる親衛隊である為多少の事ならばすぐに対応できるだろう。

 

 

 ・・・

 

 村へ入ると避難していた村人が驚いており、道の端っこへ移動しその様子を見ている。そこにいた村人へ村長に会いたい、と言うことを伝える。するとすぐに少し大きめの建物へ案内され、スムーズに見つけることができた。

 

 そこで村長が恐る恐る家から出てくるのを確認したため、今回の目的であるルイズと魔理沙に会いたいと言うと 私では判断しかねる為、聞いてくる と返答があった。村長より偉い人がいるのだろうか?とアンリエッタは思う。

 

 すると赤と白の派手で奇妙な服装を身にまとい、私より身長の高い女性と共に同じくらいの身長で金髪のこれまた奇妙な洋服を着ている女性である。少なくともトリステインでは見たこともない。

 

 かなり警戒心がある様子で睨む様に見てくる・・。この戦時中だから仕方ないだろうと思い特に咎める事はしなかった。

 そしてアンリエッタの代わりに護衛としていたアニエスが声を張る。

 

 

 「こちらにいるピンクの髪をした女性と金髪の白黒女性がいるはずなので面会を求めている。呼んでもらえないだろうか?」

 

 

 ドアの向こう側から 白黒女性とは失礼な!それじゃあただのキモチワルイ肌の色をした女性じゃないか! と抗議の声があるが全員無視である。

 とそこで赤と白の服を着た女性、9代目は返答するため一度だけ小さくため息を吐く。

 

 

 「・・面会してどうするのだ?」

 

 「あなた方には関係ない話だろう。先ほども声が聞こえたしいるんだろう?」

 

 「ええ居るわよ?だから何だって言うのかしら。後出しで勝手に連れて行かないでほしいわね」

 

 

 その言葉に思わずアニエスは は? と言葉が零れてしまった。この国のトップからの命令を突っぱねるなど、この平民は死にたいのだろうか? と思っていたがアンリエッタが見る手前でもあり、ここで諦める訳にはいかず言葉を強くしていう。

 

 

 「むむむ・・や・・やわらかく言っているのがいけないのか。こうは言っているが残念だが拒否なんてものはないのは分かっているのだろう?」

 

 「まぁこれくらい長く住んでいれば嫌でも分かるがな・・。けどだめだ。すまんな 出直してくれ」

 

 「うごご・・・あまり調子にのるなっ!こちらが優しくしておればいい気になって!ひっと「アニエス、いつも言っているではありませんか、こういう時こそ冷静になりなさい と」・・はっ・・」

 

 

 興奮する猛獣・・いや興奮するアニエスを軽く注意するアンリエッタがこの様子を見かね、前に出て声をかける。

 その様子に巫女も紫もあきれた様子でため気を吐いている。

 

 

 「どうもこちらの者が失礼をしましたね。おふた方はこの国の人じゃなさそうですが・・・どちらの方かしら?」

 

 「・・ねえ9代目、この娘はどうしてこう警戒心がないのかしら?」

 

 「ん、むまあそうだな・・。いろいろあったからな・・まあ自覚がないといえばそのとおりだがな「姫様っ!」」

 

 「あら!やっぱりいたわね」

 

 

 アンリエッタの声が聞こえたのか素早く家から出てきたルイズであった。そこからぞろぞろと幻想郷側のもの達が出てくる。

 その様子にアンリエッタは驚き、ルイズへ質問をしている。

 ルイズも困りながらも答えているが、近くに控えるマザリーニによって引き離される。

 こっそりと注意をするマザリーニにアンリエッタはいやな顔をするが、先ほど紫にいわれた事が引っかかっており改め気を引き締めた様子だった。

 

 

 「失礼しました。早速なのですが、先ほどの光の玉についてそこの2人に容疑がかかっています。助けられたのは間違いありません・・・がそれで終わらしてはいけない問題でもありますので。なのでトリスタニアまでつれて帰りたいのですがいいですか?」

 

 「まあそうなるのよね。けどごめんなさいね。今すぐ渡すわけにはいかないわ」

 

 「?・・・えっと魔理沙さんと同じとこの人なのでしょうか?東方の地、ロバ・アル・カリイエの方々でしょうか?ルイズとなにかご関係が?」

 

 「そうねぇ・・いう必要はないんだけど、まあこの子の力が私の国に影響があるかもしれない、とだけ教えとくわ。それじゃあ私たちは行くわ。9代目、あなたもくる?」

 

 「・・・そうだな。幻想郷へ戻るのは私の悲願でもあった・・、が骨を埋める場所はここだろう・・ここに戻れるなら同行しよう」

 

 「義理堅いわね本当・・まあ9代目は9代目ね。あなたじゃなかったら許可しないけどいいわよ。けど少しくらいは顔見せなさい・・」

 

 「分かった。有難う、紫」

 

 

 巫女の言葉を聞いた紫は一笑み見せ、すぐに村長の家へと戻っていってしまった。いつも通りだな・・と幻想郷側は思いつつついて行くのだった。

 その様子を止めようとするも巫女や美鈴、咲夜が遮り、その隙にアリスや魔理沙、そしてルイズが進んでいく。口パクだが、ルイズはアンリエッタに伝言を残した。

 必ず戻ってきます。少し離れるだけです・・姫様もいつまでも子供気分じゃ駄目ですよ? と。

 

 それをハッキリと確認したアンリエッタは、少しだけ遠い存在のように見えてしまい寂しくなったが、こんな姿を見せられないと思いすぐに思考を切り替える。

 ルイズを止めようとするアニエスを下がらせる。最後に部屋に入る巫女は村長へ申し訳なさそうに声をかける。

 

 

 「すぐとは行かないかもしれないが必ず戻ります。博麗の巫女の名にかけて必ず・・」

 

 「・・・私には何がどうなっているのかさっぱりです・・・がそれはあなたの長年の夢でしたからの・・少しの間寂しくなりますな。もしシエスタに会えるなら一言声をかけてやってくだされ」

 

 「あぁ・・・では・・姫殿下も何も聞かないでください。今いえることは関わらなければ不利益になることはないです。東方にはこんな言葉があります、触らぬ神にたたりなし・・関わりさえしなければ何も起こらないでしょう。必要以上に関われば・・このく・・いえではこれで」

 

 「・・・あっ・・ル・・ルイズをよろしくお願いします・・」

 

 

 巫女は一つ頷くとそのまま家の中へ入っていくのだった・・・。

 

........

 


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