ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結 作:WryofuW
プリントを受け取った後ルイズは、自室で休憩するとのことをキュルケ、タバサへ伝えそのまま魔理沙を連れ去っていってしまった。
よほど疲れていたのだろう、平民らしき人を召喚しさらには貴族かもしれないなど頭を抱えるような問題がこの短時間で起きたのだ。それを考慮し気を使いなにも言わずそのまま手を振り見送る二人であった。
「まさか貴族を召喚するなんてねーキリサメ?なんて貴族聞いたことないけども」
「シルフィードより速い…しかも魔力量が私の数倍数十倍以上…要注意人物…」
「へぇ…タバサがそこまで言うなんて余程の人なのね~」
タバサは頷くだけで返事を返しとりあえず本を読みたい衝動に駆られキュルケに本を読む、と一言だけ伝えそのままこの場は解散となった。
「なぁ怒ってるのか?悪かったって」
「別にそう言うことじゃないわ…ただ色々ありすぎて疲れただけ…自室いくからとりあえずそこで魔理沙のこと話して」
「良いけどルイズのことやここが何処なのか話してくれよな?」
はいはい、と適当な返事を返し、無言になるルイズと物珍しそうに周りを見る魔理沙であり他から見ればただの友人と見られるだろう。実際は主人と使い魔なのだが。
「やっぱ幻想郷の外なんだなぁ…初めて出たがこんな風景が広がってるんだなぁ外の世界は」
詳しくは違うのだが、離隔されている幻想郷では外の風景はおろか情報すらほとんど入ってこない所であるため分からないのは仕方ない。
がここで魔理沙は少し疑問に思う。
「(でもおかしいな…早苗のやつは外では技術が発展しすぎて魔法や妖怪は幻想…信じられていない忘れられた存在とかいってなかったか?でもここは魔法もあるし変な生物ばっかりだったな…どういうことだ?)」
考えれば考えるほど疑問が湧いてくるためそこで思考を止めるとルイズが停止し ここよ と魔理沙に伝え鍵を開けそのまま入っていく。
「ほえー随分綺麗な部屋だな…なんつうかあの吸血鬼姉妹のような部屋だな…」
「なにぶつぶつ言ってるのよ?さっさと入りなさい」
ルイズに言われ部屋にはいると同時にドアを閉める。
ルイズはベッドに座り魔理沙は適当に近くにあった椅子に腰掛ける部分を前にして座る…と言うか跨がる。
「勝手に…まぁいいわ…て言うか女の子がそんな座り方しないの!」
「別にいいじゃないか減るものでもないんだしな、そんな細かいことまで気にしてたら疲れちまうぜ」
「調子狂うなあ・・・まあいいわ、で魔理沙のこと話しなさい!あんた何者よ!」
「私から言うのか?まあいいけどさ 私のいたところは幻想郷って所でもともと日本って国だったらしいんだけど神様や妖怪、妖精とかの存在を信じない世界に変わってしまった結果ある妖怪がその国と離隔した所が幻想郷ってわけだ」
「神様?妖怪?妖精?・・・よく分からないわ 妖精は確かにこっちでもいるかもって言われてるけど・・・神様とかあれは架空の人物じゃないの?」
「実際にいるんだぜ?普通に話したことあるし気前のいいやつだぜ?」
到底信用できないなんて顔をしてため息を吐いている。
魔理沙自身信用してもらおうとも思ってないため特に気にしてない様子。
「あぁそ・・・それは良いわ、それよりあんた空飛んでたってことは魔法つかえるのよね?・・・ということは魔理沙は貴族・・・なの?」
「貴族?なんじゃそりゃ、私はいたって普通の魔法使いだぜ?そんな変なものじゃない」
「へ・・へんな?あんたねぇ・・・貴族を馬鹿にすると痛い目見るわよ?現に今切れそうだもの私・・・」
「あーあ!悪かったよ なんだか良く分からないけどルイズにとって大切なものなんだな?でその貴族ってのはなんなんだ?」
「貴族ってのは高貴な存在でこのトリステイン王国・・・まあほかのも国あるんだけど国を守る騎士のような存在なの、それ以外に魔法が使えるのは貴族しかいないの、逆に言えば平民には使えないわけ」
ふんふんと魔理沙は頷き、そのまま続けるようにと催促する。
ルイズも魔理沙から質問が今のところないためそのまま話を続ける。
「で、正直嫌気が差してるのだけど貴族のほとんどは平民を蔑む人が多いのよ 現にこの魔法学院でもそういう行動をしている人が多いし、もちろん私はそんなことしないわ!貴族のプライドはないのかしら」
「ふうんなるほどねえ まあこっちの住んでたところとはまったく違うようだな・・・そうだ使い魔ってのが良く分からん、こっちにも使い魔だしてる奴がいるけどそれとは違うのか?」
そういえば忘れてたわね、あんたが使い魔ってこと・・・と良いながらのどが渇いたようで紅茶を2人分用意し魔理沙にも提供し2人で一息つく。
「ふーん・・・咲夜の紅茶のほうがうまいがこれもイケるな まぁ私は断然お茶だけどな、こっちにはお茶ないのか?」
「咲夜って誰よ、誰が入れても変わらないと思うんだけど・・・お茶ってのは聞いたことないわね、この学院にメイドや料理係とかいるから暇なときでも聞いてみたら?」
「ありがとなルイズうまかったぜ まあ時間があるときで良いぜ、んで早速教えてくれよ」
「はいはい、で使い魔っていうのはサモン・サーヴァンで召喚したあとコントラクト・サーヴァントで口付けで契約するの、この流れをちゃんと行えば契約完了ね、で使い魔の仕事はまあ使い魔との視野を共有したり薬の材料を確保してきてもらったりなんだけど一番大事なのは使い魔は主人を守る事よ、魔理沙はまあ・・・分からないけど見た目弱そうね・・・」
「なにおう!私だって弾幕ごっこでは神様相手でも勝てるレベルだぞ?これでも多数の異変を解決してきたんだからな、霊夢とだけど」
「はいはい、弾幕ごっこって何よ?」
「説明するのは簡単のようで難しいんだが・・・弾幕を打ち合って相手に弾幕を当てれば勝ちってのと見た目の綺麗な弾幕を競う勝負でもあるな、まあ百聞は一見にしかずって言うじゃないか 機会があれば見せてやるよ、それより使い魔ってのは私は許可なんてしてないぜ?」
「そのとき楽しみにしてるわ、・・・といっても許可なんて普通取らないし仕方ないじゃない、まず人間を召喚するなんて事例自体ないし」
「うーん・・・平行線になりそうだからとりあえず逸れとくな、私はここに長く留まる気がないし幻想郷に帰りたいんだがどうしたらいいんだ?」
「帰る?・・・帰っちゃうの?唯一私が成功した魔法で初めてで一生に一度の使い魔なのに・・・」
「?・・・今まで魔法が成功したことない?爆発おこしてたのに?」
「・・・魔理沙には話しておくわ、私小さいころから今までずっと魔法を使おうとすると大きさは大小あるけど全て爆発しちゃうの、どんな魔法でもね?コモンマジック・・・魔理沙に使おうとしたディテクトマジックとかもああいう風になるのよ」
無言で魔理沙は聞いていて時たま頷いたりとしておりルイズはそのまま話を続ける。
「勉強はどうにでもなるわ、覚えればいいもの。 だけど魔法に関してはどんなに努力しても駄目でどれも爆発して失敗してみんなからは蔑む言葉ばかり、でも今回の儀式は予想外のことが置きたけど成功はしてるわ。その証拠に魔理沙の手にある紋章が証拠」
魔理沙は自分の手を見て なるほどそういうことか と言葉を漏らす。
「まあこんな感じよ・・・何か質問あるかしら?」
「んーそうだな魔法に関してはなんというか多分だけどルイズの魔力操作が下手というか扱いきれてないように思えるぜ?大きな魔力は感じれるし、そのコモンマジックだったか?それが耐え切れなくて結局全部が全部同じ結果になってるっていう予想を私は立てるぜ」
人差し指と立てて片目を閉じて笑顔で言う魔理沙の言葉と行動に何故だか胸が熱くなるような感じでうまく声が出ない。
まさか召喚して初めて会ったその日の後に一度しか見ていない失敗魔法でまさかここまで予測を立てるなんて並みの洞察力ではないとルイズは思う。
「あ・・え?えっとそれってどういう・・・こと?私の思っていたような失敗じゃない?」
「あぁそういうことだ、そのくらいなら私にも手伝えるぜ?あのキュルケとタバサだっているんだし頼れよな」
「う・・うんそうね、なんだかやる気出てきたわ、ありがとう魔理沙」
「ふふ、素直が一番だぜ?、まあここまで言っていまさら帰るなんて言わんさ、なんかあればどうせスキマ妖怪がくるだろうしそれまではここを堪能してやるぜ!どんなキノコがあるか見てみたいしな」
「キ・・キノコ?どうして今それがでるのかしら」
「そりゃあ大好きだからな、こんどキノコ料理振舞ってやるぜ楽しみにしてな」
「あーうんそう、まあ楽しみにしててあげるわ(あまり好きじゃないけど)、それよりもうお昼ね、食堂があるからいくわよ 魔理沙だって普通に肉とか食べるんでしょ?」
「ちゃんとした魔法使いになればご飯を食べる必要もなくなるけどまあ私はまだ手を出さないけどな」
そっちの魔法使いっていうのは便利な存在ね、とルイズは軽口で答えるがここで深く考えていたら叫んでいただろう。 普通食事を必要としないなんてことありえないことなのだから。
魔理沙はどんなキノコ・・・食事が出るのか楽しみにしながら食堂へとルイズと共に向かうのであった。
.......
修正
食べなくても大丈夫 の部分を少々修正。