ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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第三話 使い魔お披露目会と極秘任務

 ついに今日、使い魔お披露目会本番となり、生徒全員が集まり騒いでいる。キュルケも自慢の使い魔、フレイムで1位を取るためいつもより熱く、燃えているようだ。タバサは何時も通り・・と思いきや珍しく、そわそわしながらシルフィードに話しかけている。

 そしてルイズも緊張しているようで若干震えている。武者震いというものだろうか?。これでは本番どうなるかわかったものじゃないと思い、少しだけ緊張を和らげようとルイズを弄る事に。

 

 

 「最初は任せたぜルイズ?」

 

 「え・・えぇ、まままかせてちょうだい」

 

 「グリフォンにのってたひげの人にいいとこ見せるんだろ?」

 

 「グリフォンに乗ってたひげ・・・!?なんであんたそれをっ」

 

 「声かけてもずーっとそっち見てるんだからなーこーれだから」

 

 

 

 ルイズは下を向きながら顔を赤くし唸っている。すると顔をあげ恥ずかしさを隠すように、腕を振り上げ暴力を振ってくる。しかし魔理沙は、子どもと戯れるような感じで簡単に避け続けており、くだらない事をしつつ時間だけが過ぎていく・・。

 そしてタバサとシルフィードは、空中で飛んでいたが頃合いなのか降りてくる。コルベールは、タバサの演技が終わったと思いアナウンスする。

 今までで一番拍手が送られており、アンリエッタも満足そうな顔をしている。そして最後の番であるルイズの出番が回ってきた。事前に魔理沙は学院の敷地外から様子を見ており、ルイズの合図でここから出るようだ。

 

 

 「では続きましてミス、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールっ!」

 

 「はぅ・・もうきちゃったのね。うううがんばれ私!」

 

 

 深呼吸しながら自分に暗示しているのか、先ほどまでの緊張感は無くなった。がしかし、舞台の中央まで来ると、緊張で声が出なくなってしまう。緊張のあまり気が遠くなったような、周りの景色が遠くなるような・・・するとアンリエッタがルイズと目線が合い、軽く小さくばれない様に手を振っている。これにルイズは多少動揺するが、元気が出てきたのか一礼し大きく息を吸い・・吐き、 よし! と心の中で言う。

 

 

 「紹介いたします!私の使い魔の名前は、霧雨魔理沙と言い・・・種族は・・っ、人間であり平民です!」

 

 

 最後の一言を言うと、理解ができないと言わんばかりに静けさが漂い、ルイズにとって辛いものになっていた。その後、魔理沙を知らない人からどよめきと共に、笑い声が上がり護衛の人からも笑われてしまっていた。しかしその平民とやらが何処にいるんだ?、と声が上がるとルイズは杖を上に上げ適当な呪文を唱え・・・空中で爆破させる。

 魔理沙はこれを合図に、スペルカードを発動させる。

 

 

 「形は大事にしないとな!誰も聞いていなくともな。スペルカード!彗星、ブレイジングスターァッ」

 

・・・

 

 

 ルイズは、魔理沙に合図を送り心配そうに上空を見ている。あまり詳細を話してもらえずあることをしてくれれば良い、とだけ言われ今に至る。しんとする場の空気だが、数人が異音に気がつく。それが幻聴ではなく、実際に聞こえてくる音だと全員が判断したときには、山側から巨大な光の塊が星を撒き散らしつつ速い速度で学園へ向かってくる。

 生徒は、浮き足立ち騒いでおり、護衛はアンリエッタの周りに素早く移動し警戒する。

 

 

 「流星・・・?、いやあれは、魔理沙・・よね?・・・・あっそうだ、私の仕事をしないと!力を抑えて・・・抑えて・・いまっ!」

 

 

 魔理沙の通った軌道上に残された星にルイズは杖を向け、適当に呪文を唱え小爆破させる。すると星が3つから4つに分裂し一瞬だけ強く光ると粒子化し見えなくなる。これはまるで、花火のようだ・・・。見る人全てが、騒いでいたのが馬鹿らしく思い、空を見続けている。全員が口を開け唖然としており、ルイズは誇らしく思え嬉しそうに頬を緩める。が最後まで気を抜かず星一つ一つ破壊していく。

 

 魔理沙は旋回しつつ、地上の様子をみているが、なんとなくこちらを見ていると言うのしか分からない。後ろを見ると、途中途中爆破され星が拡散している。魔理沙は、にやけ顔をしつつ後でルイズに、空の旅でもプレゼントしようかな?、と密かに思うのだった。

 

 そしてスペルカードの時間切れとなり、箒に跨った魔理沙がルイズの隣へ降りてくる。ルイズと目線を合わせお互い頷いている。小声でよくがんばったな、と言い締めをルイズに譲ることに。

 

 

 「こちらが私の使い魔、霧雨魔理沙です!これで私の、使い魔お披露目は終わりです!ありがとうございました!」

 

 

 唖然としていて誰も拍手しなかったが、アンエリッタが一番先に拍手をするとそれに釣られ大きく拍手喝采となり口笛まで聞こえてくる。

 ルイズは、頬を赤くしつつ満更でもないようで魔理沙と共に去りながら拍手に対し、手を振ることで返す。

 

 

 「・・・以上を持ちまして使い魔お披露目会を終わりにしたいと思います」

 

 

 順位が発表されると1位はタバサとシルフィード、だけでなくそこにルイズと魔理沙もなんと入っていた。審査員を務めていた人も意見が別れており、タバサのシルフィードはただ飛ぶだけだったがそれが逆にシンプルで良い、なんとも力強そうでグリフォンにも劣らない見た目だ など、魔理沙の場合は、演出がすばらしく見たことない魔法で感動した、フライであんな速度出せるのは異常だが興味が沸いた などなど。

 質問攻めに会う前に、ルイズを箒に乗せそのまま緩いスピードで上昇してくと、見ていた来訪の人たちはざわついていた。

 ここである男は魔理沙を見ながら、睨み付ける様に警戒するように見るのであった。

 

 

 「あれがフーケの言っていた奴か・・・学生よりは強いらしいが私ほどではない・・か。しかしあれはガンダールヴなのだ。それだけでも危険な存在・・今回ので始末できれば上々、いや必ずやらねばならない。今後のために」

 

 

・・・・・

 

 

 「ルイズ今日はおつかれさん、ほんとコントロール上手くなったな 見違えたよ」

 

 「そりゃああれだけ特訓したんだもん、ただ威力がランダムみたいな感じなのよね」

 

 「ま、時間はあるしどんどん試していこうぜ?・・・・!、、ととちょっとお花摘みに・・」

 

 

 うふふ、と口元に手を当てながら外へ出る。ルイズは出て行く魔理沙に、さすがにその言動は似合わない、といわれてしまった。

 

 魔理沙は、長い通路を進んでいるとフードで顔を隠している者とぶつかりそうになったが、自慢の反射神経で華麗に避けた。がしかしフードの者は残念な事に、箒に引っかかってしまい綺麗に仰向けに転んでしまう。その衝撃によりフードで隠していたであろう後ろ髪付近を曝け出してしまう。

 魔理沙があっ・・、と声を出すと、焦っているのかフードの者がこちらに顔を向けず、魔理沙の来た道を素早く走り去ってしまう。

 

 

 「あれって・・・今日見た王女、だっけ?ま、いっか、私はそれ以上に大事なことがあるからな・・・いそげいそげ」

 

 

・・

 

 

 そしてもと来た道を戻り、ルイズの部屋に続く道に差し掛かった時誰かが覗きをしている。遠くからでもわかるあの金髪姿、ギーシュだろう。魔理沙が箒を片手にズンズンと歩いていくがギーシュは、こちらに気がつかずルイズの部屋に飛び込むように進入していく。

 

 

 「あっなにやってんだあいつ!まだ懲りてないのか・・!」

 

 

 急ぎルイズの部屋へ入ると、そこにはアンエリッタに跪くギーシュの姿が・・流石に状況が分からず困惑していた。とルイズとアンリエッタがこちらに気がつき、魔理沙はアンエリッタを見て次にルイズを見てどういう事だ、と目線を送る。とアンリエッタが、あっ!と声を上げ魔理沙に顔を向ける。

 

 

 「あなたはあの時の箒のようなものに乗っていた方ですね!演技すばらしかったですよ」

 

 「はは、そんなに喜んでもらえて作った甲斐があるってもんだな」

 

 「ちょっと魔理沙!!何姫さまにため口きいてんのよ!」

 

 「そんなこといってもな、私にはそんな王女以前に貴族とか無縁なんでね」

 

 

 握りこぶしを作るルイズだがアンリエッタが魔理沙の言葉に疑問を感じ、ルイズへそのことを聞く。

 ルイズは一応魔理沙のことを思い、幻想郷や神様などの事は言わず、住んでいる所をロバ・アル・カリイエと言う。そしてその場所とここの環境はまったく違う、と説明する。

 魔理沙もこのルイズに対応には、頭が上がらない思いをしつつ心の中で感謝するのだった。

 

 

 「そうですか、そんな遠くから・・ルイズ・フランソワーズ、あなたの使い魔なのですから連れて行くのでしょう?」

 

 「はい、そのつもりです」

 

 「何の話なんだ?私何も知らないんだけど、どっか遊びでも行くのか?」

 

 「はぁ、あんたって人はね・・」

 

 

 ルイズが必死に説明をしているが、いまいちなのか魔理沙は微妙な反応だ。

 簡単に説明すると、アンリエッタはゲルマニアという国へ政治婚約するらしい。しかし現在、ゴタゴタで危険な状態のアルビオンと言う国にいる、ウェールズ皇太子に送った手紙が世間にばれると、この話が破談になる可能性がある。

 その為に、一番信頼できるルイズに、ばれる前に回収してもらいたい。と言うことだ。

 

 

 「んでルイズは承諾したと、こいつも連れて行くのか?」

 

 「姫さまが認めたからね仕方ないわ・・」

 

 「君たち本人が目の前にいるのにいいたい放題だな、僕にだって誇りや名誉を大事にするからね。こんなチャンス一生に一度あるかないかのモノだ。やってやるさ」

 

 

 アンエリッタはその様子を羨ましそうに見つめ、表情を改め魔理沙に話しかける。

 

 

 「私の親友をよろしくお願いしますね、使い魔さん」

 

 「ったく私のいないところで話が進んでたけど・・まぁこの霧雨魔理沙さまに任せろよっ・・。んで私たちだけか?いくのは」

 

 「こちらから一人だけ腕のたつ人を護衛に差し向けますので心配しないでください・・とと、もうこんな時間・・・皆さん今回のこの件、よろしくお願いします」

 

 「あんた敬語くらい使いなさいよ・・」

 

 

 アンエリッタは、微笑みながら部屋から出て行きルイズたちは、その姿を最後まで見送っていくのだった・・。

 明日のことを少しだけ話した後、ギーシュとも別れルイズはベットへ座るとため息を吐く。魔理沙は、近くに寄り何か心配事があるのか、ルイズに聞くことに。

 

 

 「ねぇ魔理沙、私心配なのよ。魔法もまともに扱えないのに重大な任務を与えられちゃんと遂行できるか・・。」

 

 「んー、なんというかあの謎魔法を使えるルイズは、この学院でも上位に入るレベルだぞ?遠距離で任意に好きなところを爆破できるとか、相手からしたら恐ろしいものだぞ?」

 

 「そうだけど・・・」

 

 「大丈夫だって!私だっているんだからさ、といっても元々いつも使う弾幕やスペルカードに殺傷能力はない。だからと言って戦えないわけじゃないからな、そこは工夫だよ。ルイズも工夫次第でどうにでもなるんだからさ諦めんなよ」

 

 

 そう言うと魔理沙は、ごく自然に隣に座り頭をなでる。今は感傷的なのか魔理沙を一度見ると、そのまま下を向き抵抗せずそのまま流れに身を任せるように撫でられる。そのままルイズは寝てしまい魔理沙は、まだまだ子どもだな・・と呟くと静かに横に寝かせそのまま魔理沙も同じところで寝るのであった・・・。

.......


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