ゼロの使い魔~白黒の自称普通の魔法使い~ 完結   作:WryofuW

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第二章 浮遊大陸アルビオン王国
第一話 伝説の剣、インテリジェンスソード


 舞踏会も終わり数日が経過した。

 魔理沙にとっては明日もいつも通り、授業に参加して勉強するのだとおもっていた。が夜にルイズから、明日は虚無の休日だから買い物行くから早めに起こして と言った後すぐにルイズは寝てしまい事情がわからずその日は終わるのだった。

 

 

 そして虚無の休日の朝。

 いつも通り魔理沙は朝早く起き昨日の伝言を思い出しルイズを起こす。なお今の時間は5時ごろである。

 

 

 「ほらルイズ起きろってあーさーだぞー!」

 

 「・・・?んぁ?まだ5時じゃない・・・」

 

 「ルイズが早く起こせっていったんだろ?さぁ出かける支度しようぜ」

 

 「・・・はい?あんた馬鹿なの?こんな時間にお店が開いてるわけないでしょ・・・9時か10時くらいに起こしてー・・・」

 

 

 多分無意識だったのだろうこの会話は、魔理沙のため息だけが残るのであった。

 ・・・

 

 そして魔理沙は待ちきれないのか9時になった途端、ルイズを起こす為肩を揺らす。

 

 

 「9時だルイズ!あーたーらしいあーさがきた!希望のあさー!」

 

 「うぅん・・・へんな歌・・・すぅ・・・」

 

 「こうなったら・・・窓全開!空気の入れ替え良し!服の準備よし布団剥ぎ取り開始!」

 

 「ちょ・・ま、分かったから起きたから!・・・!もう起きたっつってんでしょ!」

 

 「おぉう!?、ふふっ、ルイズ面白いな」

 

 

 はぁ、とため息をしつつ着替えるルイズだが、魔理沙はそわそわ落ち着かない様子でそこらへんをグルグル歩き回っている。

 やっとこの学院以外の場所へいけるのだから楽しみで仕方ないだろう。

 軽く朝食も済ませ馬小屋まで来たは良いが、魔理沙は馬なんて乗ったことない。その為、移動は飛べばいいと結論付ける。ルイズもまあ良いかと思い、手馴れた動きで馬に乗り、魔理沙をチラリと見るとすぐに出発する。

 魔理沙は、左右後ろから馬という生物を観察しては頷いている。

 

 ルイズの隣の部屋であるキュルケは、ルイズが出発するタイミングで外を眺めておりその様子を見ていた。これは何かあると思いすぐさまタバサに助けを請う為、無理やり部屋に突入する。

 タバサは、嫌そうな表情をするがすぐに本に視線を戻す。

 

 

 「あのルイズが魔理沙とどっか出かけたのよ!タバサも気になるでしょー!?」

 

 「別に」

 

 「あーんもう、お願い!タバサの力が今必要なの!手を貸して追いかけてほしいの!」

 

 

 本を閉じると仕方ない、と思わせるような頷きをするとキュルケは、タバサの両手をつかみブンブン振って喜んでいる。

 シルフィードを呼ぶ為、口笛を吹くとすぐにシルフィードが到着する。すぐさまその背に乗り、急いで2人を追う2人と使い魔であった・・。

 

 そしてルイズたちだが、片道3時間の道のりは思った以上に遠い。しかも直接行くわけでなく途中途中道草食ってルイズをイライラさせていた。

 

 

 「ねぇもう11時になるんだけど」

 

 「おっとまじか、じゃあキノコ取りはこの辺でやめとくか!」

 

 

 ため息を吐くルイズだが、これもいつものことなので許容範囲内である。慣れとは恐ろしいモノだとルイズは思う。

 とここで城下町方面から見覚えのある顔ぶれが。追いかけていたはずのキュルケとタバサである。事情を聞くと、追いかけていたらしい。がいつの間にか追い越していたらしく結果2度手間になった訳である。

 

 

 「ったくキュルケ?タバサをそういう風に扱うのは関心しないわよ?」

 

 「うっ・・・ルイズがそんな鋭い言葉使うなんて。や・・やるわね」

 

 「ほれさっさと行かないと到着が遅れるぜ?」

 

 

 魔理沙以外は、一斉にため息を吐いて 誰のせいだ と思わせてしまうのであった。

 そして到着したはいいが誰かのせいで、1時間遅れとなった。昼食もこの際どうでもいいといわんばかりに適当な店に入っていく。

 

 

 「適当に入ったは良いけど美味しそうなのは無いわね」

 

 「んだよルイズは文句ばっかだなー、ルイズの分まで食べてやるぜ!いただきます!」

 

 「勝手なことしないで!私の肉がっ!」

 

 「なんかルイズの性格が変わりつつあるような・・?」

 

 「・・・気のせいじゃないと、思う」

 

 

 とりあえずはお腹も膨れ次に向かうのは、何故か武器屋だ。なぜ武器屋かというと移動中の会話にそれはあった。

 

 

 「なぁ買い物行くのは良いけどどこいくんだ?もしかして魔法書でも買ってくれるのか?」

 

 「まぁ魔理沙にはそれもいいけど、あんまりお金ないのよねえ」

 

 「おいおい・・・買い物行くのにお金ないってどういうことなんだ・・・」

 

 

 うるさいわね! と反発してくるが正論のため言葉に詰まっている。一度咳払いをし話を続ける。

 

 

 「・・んでどうして買い物行くかっていうと前にフーケの事件あったじゃない?接近戦になって思ったの」

 

 「もしかして剣とかそういうの持たせる気か?私は普通の魔法使いだぜ、魔法使いが剣なんて持たないだろー」

 

 「もし魔理沙の魔力がなくなっちゃったり魔法だけじゃ対処できないとき困るでしょ!?あ、あと使い魔なんだから主人守る手段は多いほうが良いでしょ!?」

 

 「えーでもよ・・・、いやまあそれもありか(確かに思考を変えて物事を考えるのもいいかもな、常識に囚われてはいけない・・・だな)」

 

 

 分かったよ、でも私が選ぶからな と言うとルイズは、笑顔になり頷いている。これが武器屋に行く理由である。

 そしてルイズが知っている店に行くというので付いていってる。まっすぐ進んでいたが途中で、路地裏に入りすぐのところに武器屋がありルイズを先頭に進む。

 

 

 「ん?客・・きっ貴族様!このようなところに何か御用でしょうか?」

 

 「武器を買いに来たのよ、良いのを紹介しなさい」

 

 「へ・・へぇ・・・で、ですがねお嬢様方に剣は難しいのではないでしょうか・・・?」

 

 「私じゃないわ こっちよ」

 

 

 指差されたほうを見ると、年も同じくらいの白黒服の女の子がいる。武器店員は どちらにしろ変わらんやんけ と内心思う。ばれない様にため息を吐くと店の奥に入っていく。すぐに出てきて一本の細い剣、レイピアを手渡して来る。

 

 

 「どう魔理沙?振りやすそうじゃない」

 

 「えぇ・・・かっこ悪くないか?てかこれ突くだけじゃないか、これでルイズを守れってほうが無理だぜ」

 

 「むむむ、確かに。次出しなさい!これはいらないわ!」

 

 

 舌打ちしたそうな店員だが相手は客、しかも貴族のため丁重に扱わなければいけない為笑顔のまま店裏へ。

 

 

 「っくそ、素人の貴族め・・・そうだこれを高値で売ってやるか・・・」

 

 

 すぐさま裏から出て笑顔で次の剣を渡す。煌びやかで所々に宝石のようなものが埋まっている。ブロードソードのような形をしている。

 

 

 「おまたせしやした!この店一番の業物でさ!いかがでしょう?」

 

 「へぇなかなかいいじゃない、どう魔理沙?」

 

 「剣には詳しくないんだけどこれ眩し過ぎじゃね?」

 

 「文句ばっかね・・・キュルケとかタバサはどう?」

 

 「わたしはすごくいいと思うけどねぇ」

 

 「・・・切れ味悪そう」

 

 

 ルイズはこの半分に分かれた意見に頭を抱える。が結局は魔理沙が決めることだ。ルイズはどうする?と聞くと別の声が聞こえてきて周りを見渡す。しかしその声の主は見つからない。

 

 

 「どーこ見てんだい!ここだよがガキんちょども!」

 

 

 その声の主はまさかの剣。はばきの金具をカチカチ鳴らして喋っている様だ。店員は頭を抱え剣に怒鳴っている。

 

 

 「お客さんの邪魔すんじゃねえ!もう怒った、溶かして別の剣にしてもらおうか!」

 

 「おーおーやってみやがれ!もうここにゃ飽き飽きしてたんだよ!」

 

 「え?これってまさか。インテリジェンスソード!?」

 

 「へ、へぇそうでさぁ。売れないままずっとここにいるんですよ、今黙らせますから」

 

 

 とここで魔理沙は、インテリジェンスソードに近づき間近で見ている。ふむふむと言いながら手に持つと左手の紋章が光りインテリジェンスソードは驚く。

 

 

 「おでれぇた!嬢ちゃん使い手か!この中じゃあ俺が一番業物だぜ!さぁ買うしかないだろ!」

 

 「喋る剣なんて見たことないな。おもしろいなあ、ルイズこれほしい!使わなくても喋り相手にはなるな!」

 

 「ぼろぼろで錆びっ錆びじゃない・・・まぁいいわ、魔理沙がいいならいいけどさ・・・これ買うわ、いくらよ」

 

 「へ、へぇ、これを処分していただけるならありがたいでさぁ。100でいかがでしょう?」

 

 

 それを承諾し、剣と鞘を貰い背中に携え運ぶ。その後は適当に見回るだけで買うことはせず帰ることになった。

 帰路でも魔理沙とインテリジェンスソードは仲良く話していた。そのときに自己紹介もあり、デルフリンガーと言う名前らしい。

 

 

 「ほんと面白いな!つか6千年とかさすがに私の知り合いでもいないき・・・いやそれ以上の知り合いいるわ」

 

 「はっ冗談がうめぇな!」

 

 「あーでも自己申告だったからなあ、1億年くらいは生きてるとかいってたな永琳のやつー」

 

 「まじかよ人間じゃねえなそいつ」

 

 「不老不死の薬飲んだらしいからな。さすがに私はそこまでほしいとは思わないな、不老長寿とかそんなものでいいぜ」

 

 「そんな薬あるのかよ、この国は進んだもんだな」

 

 

 魔理沙とデルフが夢中で話す為、ルイズは寂しそうにそちらを見ていた。がキュルケが突っ掛かっている為、結局は暇でもなく寂しくもなくなっていた。そして夕食もおわりデルフがまた話しかけてくる。

 

 

 「おう相棒!ききてぇことあるんだがいいか?」

 

 「あぁ何でもは無理だけど答えられるものならいいぜ」

 

 「一応おれにゃ相棒の剣士としての腕前や今まで使った武器が多少わかるんだよ。んで一つだけ気になる武器があってな」

 

 「もしかしてミニ八卦炉のことか?」

 

 

 そう言うと帽子から六角形のマジックアイテム、ミニ八卦炉を取り出す。ルイズも気になるようで、近くの椅子に座り話に参加する。

 そうそれだ!とデルフが声を上げ話を続ける。

 

 

 「こりゃあすごいもんだぞ!?これほどのものは見たことねぇ」

 

 「へぇ、でもデルフ胡散臭いから信じられないわ」

 

 「いやいやルイズ、デルフの言うとおりだぜ?これは世界に2つとないレベルのマジックアイテムだよ」

 

 「この六角形の白黒が?この小さいので、なにができるのよ?あの巨大な光線みたいなの以外でね」

 

 「んーそうだな。これだけでも最大火力の時は、山を吹き飛ばせるらしい。逆に言えば調節次第で料理の時の火を出す事だってできるぜ?」

 

 

 凄いのか凄くないのか分からないわ。と呆れた顔をするルイズに肩を落とす魔理沙、そしてそれを見て笑うデルフリンガー。

 あ、そうだ! とルイズは声を上げあわてた様子で教科書などの準備をしている。魔理沙は急いでいるルイズに頭を傾げて急いでいる理由を聞く。

 

 

 「明日の授業、ギトーっていう先生なのよ。悪いうわさが絶えない人で評判悪いのよ。」

 

 「ふぅん・・・どんな授業するんだ?」

 

 「聞いただけだから実際は分からないわ。ただ風が一番上っていう持論を持っていてそれ以外を見下してるのよ」

 

 「なるほどな、それじゃあ良い印象持てないな・・それで何かあるといけないから前もって準備していると」

 

 「そういうことよ。いちいちゴタゴタに巻き込まれたくないし」

 

 「あぁそれがいいぜ。私の住んでた所で頭突きばっかりする先生いたなー。私はやられたことないけど」

 

 

 それはそれで嫌だわ。とボソッと呟くルイズだがそろそろ時間の為就寝することに。

 デルフにも一言伝え魔理沙も寝ることに。デルフがぼそりと 俺使ってくれるんだろうか と独り言を言っていたが無視してやった。

 

 

 「(私にはミニ八卦炉あるしデルフは幻想郷への土産だな・・・)」

...........




デルフってフーケ戦より前に手に入れるものでしたね・・

誤字修正ありがとうございます!

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