ISー王になれたかもしれない少年は何をみるか   作:nica

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誰か私にネタをおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!
文章力をおおおおおぉぉぉ!?!?
貧弱な想像力しかない私には相変わらず駄分しか書けないね(涙)。
どうにかしないとな~。
読んでくれている皆様が満足できるような文章書きたいけど、どうすればよくなるか……
他の作者様の小説読んで勉強するか。

さて、今回の話ですが、タイトルに試験とありながら試験に突入しておりません(汗)。
試験が始まる前で区切ってしまいました(汗)。
次回にて戦闘シーンを書いていきますが、あまり期待せず、生暖かい目で見守っていただけると幸いです。
描写不足な個所は、後日加筆修正していきます。
拙い、妄想だらけの小説ですが、今後もどうか読んでくださると幸いです。



それと、来月転勤が決まりまして、投稿がまた遅れてしまいます。
広島から熊本への引っ越しになりますので、下手したら7月中の投稿は厳しいかもしれません(汗)。
頑張って書いてはいきますが、無理だったらごめんなさい。


第十一話:試験(前篇)

 稟がIS学園へ来た翌日。

 女子からの視線は相変わらずだが、そんなものは関係ないと言わんばかりに時間は過ぎていく。

 女子達の視線に辟易しながら、簡単な授業を受けていく。まぁ、簡単とは言っても、それは稟にとってはの話で。とある一名は授業が終わる度に机に轟沈していたりするのだが。

 授業を受けつつ、一夏の轟沈っぷりをぼんやりと見続ける稟。

 初日と違って大勢の女子に囲まれる事はなくなったが、それでも質問攻めや視線がなくなる事はなかった。それを何とか捌き続け、時間は昼休みとなった。

 さて、今日の昼食はどうするかと稟が考えていると。

「あ~、ちょっといいか?」

「ん?」

 誰かが稟に声をかけてきた。

 誰だろうと振り返ると。

「昨日挨拶が出来なかったから今日改めて挨拶させてもらうが、同じクラスメイトで、同じ世界で唯一のISを扱える男の織斑一夏だ。同じ境遇だし、これからよろしくしてくれないか?」

 織斑一夏がいた。

 先程までは机に突っ伏していた筈なのに、いつの間に近付いていたのか。稟が彼から視線を外していたのは短時間だった筈だが。

 まぁ、そんな事はどうでもいいかと。いずれこっちから声をかけようと思っていたしと、深く考えず、一夏の言葉に稟は頷く。

「あぁ、こっちこそ宜しくお願いするよ。織斑」

「俺の事は一夏でいい。その代わり、俺も稟と呼ばさせてもらうから」

「分かった、一夏。これから宜しくな」

「おう!」

 微笑みあい、お互いに握手をする二人。

 その光景を、一部の淑女の方々が恍惚な表情を浮かべて見ている事に二人は気付かない。いや、寧ろ気付いてはいけない。新刊のネタはこれで決まり等という戯言も聞いてはいけない。

「そうだ。これから一緒に飯を食わないか?」

「そうだな。折角だしそうしようか」

「よし。なら学食へ行こうぜ」

 そう言って二人は教室を後にし、学食へと移動する。

 稟を昼食へと誘おうとしていたセシリアと本音、そして存在をスルーされたアレンと箒は一瞬呆然とするが、すぐさま我に返ると慌てて二人の後を追っていくのだった。

 そこからは賑やかな昼食タイムだ。

 追いついた四人を交え六人で食事を摂った。食事をしながら自己紹介をし交流を深めていく。

 途中でアレンの稟の呼び方に対して一夏が突っ込むが、セシリアと同様にでっち上げた設定を伝えて納得してもらった。

 食事中、箒は憮然とした表情をしていたが、特に何か問題が起こるでもなく時間は流れていく。

 一夏もセシリアも本音も、稟の事を根掘り葉掘り訊くような事はせずに世間話で盛り上がり、稟とアレンはその気遣いに感謝していた。

 話の途中、何故か稟が一夏に勉強を教える事が決まったり、この面子で今度、何処かへ遊びに行こうと話したりした。

 そうして談笑する中、一夏がふと思い出したようにこう言った。

「そう言えば、俺とオルコットの決闘に合わせて稟はISの試験を受けるんだよな?」

「ん?あぁ、そうだな」

「何で入学試験の時に受けなかったんだ?その時に受けるべきものなんだろ?」

「あぁ、まぁ、本来はな。ただ俺の場合、一夏と同じように急な入学が決まったからスケジュールが調節出来なくてな。学力だけ確認して実技は後日となったんだ」

「ふ~ん。そうなのか」

 稟の言葉に納得したのか頷く一夏。

 セシリア達もそうなのかという顔をしている。

 ここでも深く詮索してこない彼女達に感謝しつつ、稟の学園生活二日目はゆっくりと過ぎていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 そうして時は流れて翌週。

 一夏とセシリアの決闘の日であり、稟の実技試験の日。

 第三アリーナのAピットに当事者である稟と一夏。そしてそれぞれの付添人であるアレンと箒、担任である千冬がいた。

「……なぁ、箒」

「……なんだ、一夏」

「気のせいかもしれないんだが」

「そうか。ならば気のせいなのだろうな」

「ISの事を教えてくれるって話はどうなったんだ?」

「………………」

「こら、眼を逸らしてんじゃねーよ!」

 稟とアレンの後ろで漫才が行われていた。

 稟は肩を竦め、アレンは呆れた表情をし、千冬は眉間を軽く揉んでいた。

 そんな三人に気付かず、二人は漫才を続けていく。

 まぁ、その漫才の内容を纏めると。

 ①一夏の専用機はまだ届いていない。

 ②この一週間、一夏はISに乗る事はなく箒と剣道三昧。

 となる。

 それを聞いていた稟とアレンは何をやっているんだかと内心で思うが表には出さない。

「流石にこれ以上オルコットを待たせる訳にもいかんか。仕方ない。土見。予定を繰り上げてお前の試験を先に行う」

 未だ届かない一夏の専用機。

 それをこれ以上待っていては時間の無駄になると判断した千冬は稟にそう言う。

 稟も同意見だったらしく、彼は頷きピットを出ようとする。それに気付いた一夏が箒との漫才を中断し、

「気張らずに頑張れよ、稟!」

 激励の言葉をかける。

 その言葉に稟は一瞬驚いた顔をするが、擽ったそうに微笑んだ後。

「一夏もな」

 そう返してピットを後にした。

 

 

 ピットを後にした稟は、今日の試験で使う事になっているラファール・リヴァイヴが置かれている控室に向かう。

「稟様」

 その稟の後を付いてきていたアレンが声をかける。

「学園生活は如何ですか?」

「……どう、なんだろうな。よく分からない」

 足の進みを止めずに返す稟。

 普段と変わらない声音だが、彼と共に過ごしてきたアレンにはその変化に気付いてる。嘗ての学園生活と違いすぎて戸惑いが強いが、彼は。

「分からないと仰るわりには、声が嬉しそうですが?」

「…………嬉しそう、か」

 嬉しそうという言葉に、稟は苦笑する。

 IS学園に来てまだ一週間程しか経っていないが、光陽学園時代よりも伸び伸びと暮らしている事は確かだ。それが嬉しいのかどうかは分からないが。

 光陽学園時代と比べて、確かにギャップが大きく戸惑いは強い。だが、あの過去の出来事(こと)がなければ光陽学園(あのばしょ)でもこうして過ごしていたのかもしれない。今となっては考えるだけ無意味だが。

 稟は脳裏に浮かべる。一夏、箒、セシリア、本音、IS学園の生徒の顔を。光陽学園の生徒、光陽町の住人達とは違い、敵意を向けてこない彼女達の顔を。彼を害する事をしない、彼女達の顔を。

 成程。確かに自分は嬉しいのかもしれない、と彼は思う。あの苦痛の日々から解放され、誰もが当たり前に過ごしていた日々と同じ日々を過ごし始めたのだから。

 だが。そう思う度、そう自覚する度に彼の胸は痛む。

 罪人である自分が、こんな温かい場所にいていい筈がないと思ってしまう。幸福な日々を享受してはいけないと思ってしまう。

 稟は自嘲混じりの表情を浮かべ、女々しく過去を思う思考を切り替える。今こんな事を考えても意味がないと。

 彼の心は、未だ囚われたまま……

 彼の心は、救われる日が来るのだろうか……

 

 

 暫く無言で歩き続けていた稟達は、漸く控室に辿り着く。

 別にそんなに時間はかかっていないのだが、何故かアレンには時間がかかったように感じてしまった。

 まだあの言葉は早かったのだろうかと、アレンは自問自答する。セシリア達と話す時の稟の笑顔を見て、少しは改善されたかと思って言ったがどうやらまだ早すぎたようだ。まぁ、心の傷がそう簡単に癒えればアレン達も苦労はしていないのだが。

(私も少し、焦りすぎなのでしょうね……)

 アレンは自嘲しながら稟の方へ視線を向ける。

 視線を向けた先には、瞳を閉じた稟がラファール・リヴァイヴに額を当てていた。恐らく、彼女と会話しているのだろう。

 稟の専用機であるアレンだが、彼の護衛の為人としてIS学園に入学した以上、彼女がISとばれるのは得策ではない。いずればれる時は訪れるだろうが、それはこの時であってはならない。少なくとも、織斑一夏が自身の身を護る力を身に付けるまでは。

(しかし、他のIS(おんな)が稟様を搭乗()せるのはイラッとしますね。あの方の専用機は私だというのに。いえ、稟様の安全の為にはこればかりは仕方ない事。だからこそ私が人型でこうしているのだし。だがしかし……)

 稟を見つめながらむむむと唸るアレン。この場に束とクロエがいいたら呆れて肩を竦めていた事だろう。唯一ツッコミの立場の稟は彼女を見ていない。

 そうしてアレンが無駄に唸っている間に、稟とラファール・リヴァイヴの準備は終わったらしい。

 控室が控え目に輝いたかと思うと、ラファール・リヴァイヴを身に纏った稟がその場に立っていた。

 アレンは慌てて思考を中断する。

「準備は終わったようですね」

「あぁ、いつでもいけるさ」

「そうですか。では、ご武運を」

 引き締めた表情を作ったアレンに苦笑しつつ、稟は軽く手を振って控室を出ていく。

 すると、アリーナからわっと歓声が聞こえた。

 どうやら多くの生徒達が集まっているようだ。

「さて、この結果がどう転ぶ事になるか」

 アレンの瞳がスッと細まり、彼女は今後の事を考え始める。

 願わくば、稟が平穏な学園生活を送れる事を。

 

 

 

 

 ラファール・リヴァイヴを身に纏いアリーナへと舞い降りた稟。

 其処には既に先客がいた。美しき青色の機体、イギリスで出逢ったIS―『蒼き雫』を身に纏ったセシリアが。

 稟が到着するのと同時、今まで瞳を閉じていたセシリアが眼を開ける。

「……待たせたかな?」

「……そうですわね。この時を随分待ちましたわ」

 

――私もこの時を待ち続けていましたよ、稟様。

 

 セシリアと『蒼き雫』からの言葉。稟とセシリアが過去に出逢っている事を知らない者にとっては、単純に試験までの待ち時間に対しての問答と考える。しかし、セシリアと『蒼き雫』からすれば、二年越しの再会。

 二人の言葉はあっさりとしているが、その言葉に込められた想いは。

「…………そうか」

「えぇ。ですが、ここからは言葉では語りませんわ」

 

――そう、今この時において言葉は不要です。

 

「さぁ、踊りましょう。わたくしセシリア・オルコットと『蒼き雫』が奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 交互に綴られるセシリアと『蒼き雫』の言葉。当然であるが、セシリアには『蒼き雫』の言葉は届いていない。その声なき声を聞き取れるのは稟だけだ。

 稟はその言葉に乗る想いを受け取り。

「その誘い、謹んでお受けしようセシリア。いくよ、疾風(はやて)

 

――了解だよ。王様!

 

 最後の言葉はセシリアに聞こえないように呟き、稟は今の相棒であるラファール・リヴァイヴに声をかける。

 稟の言葉にラファール・リヴァイヴは元気よく言葉を返し、機体が唸る。

 稟の試験は、遂に幕を開けた。

 


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