ハイスクールD×D 俺と愉快な神話生物達と偶に神様 作:心太マグナム
今回区切を示す◆多めとなっていますがご容赦ください。
ビヤーキーに乗ってゼノヴィアたちから逃走し終えた後定治たちは待ち合わせ付近のビルの屋上に着地し、待ち合わせの場所へ向かう。数分経ち、一誠との待ち合わせの場所についた定治とショゴス。待ち合わせの場所には既に一誠がおり、そして一誠の他に見知らぬ男が一人いる。一誠と一緒にいる男、匙元士郎は定治を見て明らかに嫌そうな顔をみせる。
「ゲ、阿見!」
匙が定治を見て嫌そうな顔をしている一方で定治は匙を見てキョトンとした表情を見せる。
「んー?何処かで会ったっけ?」
匙の顔を見てもいまいちピンと来ていない定治を見て、匙は焦りの表情を浮かべる。
「え、俺だよ!生徒会の!」
「いや誰だよ……」
未だに匙を見てもピンと来てない定治は困惑の表情を見せ、それを見て匙はより焦りの表情を浮かべる。
「なんでナチュラルにわかんない顔してんだよ!俺はお前が良く説教されに行く生徒会の役員!会長の部下の匙元士郎だよ!」
「へぇー、そっか匙くんかー。俺阿見定治、好きなのは熟女。よろしく!」
「知ってるわボケェ!」
ヘラヘラと笑いながら手を差し出す定治を見て匙は声を荒げながら捲したてる。一連のやりとりを見てからショゴスは一誠の方へ目を向ける。
「匙くんだっけ?なんか一誠くんと似てるよねー。ね?」
「えー、そんなに俺とアイツ似てるかなー?……誰ッ!?」
目の前の少年がショゴスだと知らない一誠はフレンドリーに話しかけられたショゴスを見て思わず驚いてしまう。一方でショゴスは驚く一誠に向けて小首を傾げながらキョトンとした表情を見せる。
「え?ショゴスだよ?何回か合ってるでしょ?」
「え……?……は?さ、定治……?」
ショゴスという名前を聞き一誠の脳内に何回か見ている神話生物時のショゴスの姿を思い浮かべ、驚き戸惑い定治の方へ視線を向ける。視線を向けられた定治は一誠が思っている疑問を理解して首を縦に振る。
「おう、この子はお前が知るショゴスくんだぞ」
「……ホ、ホゲェェェェ!?」
「そのリアクションさっき俺がやったからもういいよ」
◆
一誠がショゴスが人間の姿になったのを見て驚いてから暫くして、一誠は定治に今回呼び出した事情を話す。一誠のゼノヴィアたちと会いたいとの事情を聞いた定治は額を手で押さえ、溜息をつく。
「マジかよ……さっき会ったわ……」
「え!?マジで!?何処にいた!?」
定治たちが先ほどゼノヴィアたちに会ったのを聞いた一誠は定治にゼノヴィアたちが何処らへんにいたのか聞くと、定治は口をヒクつかせながら一誠の後ろあたりを指差す。
「……アレ」
「「お恵みを〜、お恵みを〜!」」
「で、出たぁぁぁ!?ホーミングお恵みシスターだぁぁぁ!!ヒィィィィ!?」
「ホーミングお恵みシスター!?何だソレ!?って怖っ!?なにあの目!?超怖ェ!?兵藤、お前コイツらに会いたかったのか!?」
定治が口をヒクつかせながら指差した先にはショゴスが定治の後ろに隠れてしまう程怖い表情を浮かべたゼノヴィア達がおり、ゼノヴィア達の表情を見た匙は驚愕の表情を見せる。直ぐに探し人を見つけ喜ぶべきはずの一誠だがゼノヴィア達の表情を見てドン引きしてしまう。一誠がドン引きしているとゼノヴィア達の腹からグゥ〜ッと腹の虫が大きな音が聞こえてくる。その音を聞き何となく察しがついた一誠は口をヒクつかせながら近くのファミレスを親指で指差す。
「……飯食うか?少しなら奢るぜ?」
「「食う!!」」
「腹減ってたっていうだけであんな表情を浮かべてたのかよ……」
「ご飯の執念って怖いね定治……」
一誠の誘いにゼノヴィア達は直ぐに反応する。その光景を見て先ほどまで追われていた定治とショゴスはただただ口をヒクつかせていた。
◆
ファミレスに入った一行は話の内容の事を考え、店の一番奥の席にさせてもらう。席についた一同はそれぞれ頼むものを注文し終え、頼んだものが来るまで話をしていた。現在席には奥から一誠、匙、ショゴス、定治。反対側にはイリナ、ゼノヴィアといった形に席に着いている。定治は疲労困憊しているゼノヴィアたちに視線を向け、疑問に思った事を口にする。
「お前らさ、なんでそんなになるまで何も食わなかったの?」
定治の問いを聞いてイリナは気まずそうに視線を逸らす一方でゼノヴィアは自嘲気味に笑いながら口を開く。
「食べなかったのでは無い、食べられなかったのだ。溶かされたイリナの服を発注したまでは大丈夫だったのだがな、イリナがよくわからない絵を買ってしまい金が無くなってしまったのだ……お陰でここ最近公園の水だけで生活するハメになってしまったてな……」
「……うわぁ」
定治の問いに対して自嘲気味に話すゼノヴィアを見て定治はドン引きの声を漏らしてしまう。定治の反応を見て、気まずそうに視線を逸らしていたイリナは焦りを浮かべながら持っていた絵を定治たちに見せる。
「よ、よくわからない絵じゃないよ!これはペトロ様が書かれた聖なる絵なの!どう!?すごいでしょ!?」
「……ドンマイ」
「……フ、同情なんていらないと思っていたが……フフ、何故だろうな……涙が止まらん……」
イリナの見せる絵を見て一同は思わず口をヒクつかせてしまう。ゼノヴィアに定治は同情の視線を向けると、ゼノヴィアは自分でもわからず目に涙を浮かべてしまう。事情を理解した定治はゼノヴィアに机越しに肩をポンと叩く。
「うん、事情はわかった。今日は金のことなんて気にせず好きなだけ食えよ。奢ってやるからな、一誠が」
「俺ェ!?」
定治が言った一言を聞き、この流れは定治が奢る流れだと思ってた一誠は驚愕の表情を浮かべてしまう。驚愕の表情を浮かべる一誠の一方でイリナとゼノヴィアはまるで救世主を見るような視線を一誠に送る。
「うぅ……すまない……この恩絶対に忘れん……礼を言うぞ赤龍帝!!」
「ありがとイッセーくん!!本っ当にありがとう!!」
「……ハイ」
二人の視線を受け、元々自分が奢るつもりだった事もあってか観念した様子で溜息をついてから頷くのだった。
やがて数分経つと店員がお盆の上に皆が頼んだものを乗せてやってくる。
「失礼しまーす、こちらご注文の品をお届けに参りました!」
「あ、すまない。コレとコレ、あとコレ、そしてコレも追加で頼む」
「私にも同じの一つずつお願いします!」
「コチラとコチラとコチラ、そしてコチラを二つずつですね!ハーイ!かしこまりましたーー!!」
「グッバイ俺の諭吉さん!!」
店員が頼んだ物を届け終えるとゼノヴィアとイリナは店員を呼び止め、メニューに載っている量が多く、その分値段も張るものをどんどん注文する。容赦なく頼む二人を見て一誠は財布の中の福沢諭吉と別れを告げる覚悟を決めたのであった。
◆
現在、定治たちのテーブルには所狭しと料理が並べられている。それらをゼノヴィアとイリナは凄い勢いで食べている。その様子を見て財布の都合上、水しか飲めなくなった一誠は苦笑を浮かべつつもゼノヴィアたちに奪われたエクスカリバーの件、という共通の目的の元、共闘を申し出る。ある程度食べ終えた後、ゼノヴィアたちは口を紙ナプキンで拭った後デザートを食べながら一誠の方を見る。
「フム、正直言わせてもらうと悪魔の手を借りるなど死んでも御免被る」
「な……!」
ゼノヴィア口から出た言葉に予想してはいたものの焦りを隠せない一誠。一誠が焦りを浮かべ何かを言おうとした時、その口をゼノヴィアが人差し指で押さえる。
「まぁ待て赤龍帝、人の話は最後まで聞くものだ。先ほども言ったが悪魔の手を借りるなど死んでも御免なのだが……今回の件、どうもきな臭い。勘なのだが今回の強奪事件、ただの盗人だけでは無く、他の者が関わっているだろう。その他の者が私たちの手に負えないものだった時、最悪の場合私たちのエクスカリバーが奪われる可能性がある。それは何としても避けなければならない。」
「……という事は」
一誠の口を押さえながらゼノヴィアが言った言葉を聞き、一誠は焦りの表情から嬉しそうな表情を浮かべると、ゼノヴィアは一誠の口から人差し指を話してから静かに頷く。
「ああ、この度の共闘の件、受けよう。可能性は高いほうが良い」
そう言ってゼノヴィアは席に着くと食後の紅茶を静かに飲み始める。この二人のやり取りを見終え、どうにか上手くいった事を理解した定治は頬杖をつきながら視線だけデザートを食べるイリナの方へ向ける。
「で、ゼノヴィアだっけか?アンタが共闘してくれる事はわかった。だけどそこの痴女、お前はいいのか?」
「誰が痴女よ!……ゴホン、まぁ私としても悪魔に貸しは作りたくないけど、ゼノヴィアの考えは概ね正しいと思うし、乗ってあげてもいいよ!」
定治の言葉を聞いて思わず顔を赤くして席を立つが店員の視線を感じ、咳払いをして着席してから自身も今回の共闘を良しとする返事をする。
「サンキューイリナ!安心してくれ!組んで損させる様なマネは決してさせない!」
「あ……う、うん」
「(痴女なのに生娘とは……よくわかんねぇなコイツ)あ、ショゴスくんほっぺにクリームついてるよ。拭ってあげるからこっち向いて」
「んー」
イリナの言葉を聞き、一誠が嬉しそうにイリナの手を握りブンブンと振る。いきなり一誠に手を握られ、イリナは顔を紅くして俯いてしまうが手だけはしっかりと握って離そうとしない。その光景を見て定治はイリナを不思議そうに見つめてから、自身の身長ほどのあるパフェを食べるショゴスの頬についたクリームに気づいて紙ナプキンでクリームを拭き取る。
少し時が経ち、イリナは一誠と手を離しはしたものの顔は未だに紅くして俯いている。一方で食後の紅茶を飲み終えたゼノヴィアはティーカップを置いて再び一誠たちの方へと視線を向ける。
「さて、目的のためとは言え組むことになった訳だ。改めてよろしく頼む。ああ、勿論貴様にも働いてもらうからそのつもりでな。」
ゼノヴィアが視線を定治の方へ向けて言った言葉を聞いて、定治はほうほうと頷いて何故か匙の方へ視線を向ける。
「だってさ頑張れよ匙くん」
「俺ェ!?」
「貴様の事だァ!!」
「ワオッ!!ここファミレスゥ!!エクスカリバー抜くなこのドアホォ!!」
「お客様ァ!店内で剣を振るのはお止め下さいィ!!」
流れでファミレスに入り、話を適当に聞いていた匙は定治にいきなり背中を叩かれ驚いてしまう。そして定治の反応を見てゼノヴィアは思わず腰に携えたエクスカリバーを定治目掛けて横に一閃振るってしまう。定治は驚きながらも横から振られたエクスカリバーをどうにか白刃取りして防ぎ、ゼノヴィアにまくし立てる。定治の言葉を聞き、思わずエクスカリバーを振ってしまったゼノヴィアはハッとして謝りながらエクスカリバーをしまい、席につく。
「す、すまない……ついやってしまった……」
「ああ、すみません。コイツ劇の話をしてたら熱が入っちゃって、大丈夫なんで、ハイ、スミマセン、よく言っておきますんで……ハイ、本当にスミマセン。……全く……俺が白刃取りできたから良いものの……普通だったら大事だからな気をつけろよ?なぁショゴスくん……あ」
定治は驚いてやって来たファミレスの店員に適当に考えた話を話し、どうにか店員を納得させてからゼノヴィアに軽く説教をし、ショゴスにも同意を求めて視線を向けた時、固まってしまう。
定治の視界にはエクスカリバーによって容器ごと真っ二つにされたパフェとそれを無表情で見つめるショゴスの姿があった。ショゴスは真っ二つされたパフェを暫く見て、首をゆっくりとゼノヴィアの方へ向ける。ショゴスは身体から恐ろしいオーラを醸し出し、顔は目の付近の形が崩れ、頬には人間の姿の時についている口とは別に不気味な口が現れ、"テケリ・リ"と口ずさんでいた。ショゴスは崩れつつある顔を気にせず、恐ろしい表情を浮かべながら静かに口を開く。
「……喰うよ?」
「「「「「す、すみませんでしたぁぁぁぁぁ!!」」」」」
ショゴスが両方の口で、静かにドスのある声で呟いた一言を聞き、ゼノヴィアはおろか一誠、匙、イリナ、定治全員が思わず土下座する。
この後、定治たちはショゴスの機嫌を直すために財布が空になるまでパフェをご馳走し続ける事になった。
◆
ファミレスから解散し、定治とすっかり機嫌を直したショゴスは定治の家へと帰宅する。
「ただいまー」
「ただいまー!定治、今日はボクがスズキさんから貰って持ってきたお魚があるからご飯は豪華な筈だよ!早く行こ!」
「おう、スズキさんセレクションの魚は美味いから楽しみだ……な……」
家に入り、食欲のそそる香りに誘われるように家のリビングへと向かう。夕飯に出てくるであろう魚を思い浮かべ上機嫌にリビングの扉を開く定治だが、そこにいる人物を見て思わず固まってしまう。リビングには頭のテッペンから出ている長いアホ毛のある銀色の長髪を持つ少女がお椀と箸を持って定治たちの夕飯を食べていた。
「あ、おかえりなさい定治さん!ご飯お先に頂いてます★」
「帰れ」
10人が10人カワイイという銀髪の美少女が笑顔でご飯を食べながら出迎えるが、定治は冷め切った表情で少女を見ていた。
中々話が進みませんね、次回にフリードくんまで持っていけるのだろうか……?
まぁなるようになるでしょう(適当
適当な作者でゴメンなさい。
さて、次回定治の家に現れた謎の美少女とのお話回。文字数的に短くなりそうな予感がしますが頑張ります。
美少女の正体ですか?
(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!
もうわかりましたね(ニッコリ
まぁ、次回になったらわかりますのでお楽しみに!