そして、どうしてもアニメや原作にある部分だとオリジナルを挟むのが難しい。
さらに戦闘がうまく書けない、こんなのでいいのかと思うが、気にしてたら埒が明かないので笑
今回もゆっくり見てって下さい。
ゴブリンの近くまで着いた俺たちは、マナトの言った通りそれぞれ相手が逃げられないように配置につく、俺は唯一近接ができないシホルにできるだけ近くにいる。
しかし、合図なんて一切決めてなかったな……一人で狩りを続けていた弊害だな。チームで行動するんだから色々考えてからやらないとだめだったか。
俺の視界からはシホルとマナト、そしてハルヒロが見える。そのハルヒロが右手をあげる仕草を見せるが……それは合図なのか?
俺はよくわからず、その場に待機し続ける。俺の役割は魔法使いだ。少し出遅れても問題はないだろう。
というよりも不意打ちが成功すれば遠距離である俺は必要ないだろう。
「うらあああああぁぁぁぁ!」
しかし、ランタがよくわからない奇声をあげながら立ち上がった。なぜ、不意打ちなのに声をあげるのか……バカなのか?
もちろん、それに合わせて全員動きだすが、ゴブリンもそれに気付き、すぐに数の差を把握したのかすぐに逃走しようとする。
「逃がすか!」
すぐに魔法詠唱の体勢に入ったがそれよりも先にユメが動いた。弓を引き矢を放つ、魔法の詠唱よりもスピードは圧倒的に早い、矢はコボルトに直撃しなかったがちょうどゴブリンが逃げようとしてた先に刺さり、ゴブリンは動きを止める。
「ナイス、ユメ!」
その援護に声をあげながらまずハルヒロがゴブリンの前に立つ、おかしい、ランタの方が先に飛び出したはずなのに……
俺は視線を一瞬、ランタの方へ向けるとなぜか何もないところで剣を振るっていた。本当に何がしたいんだあのバカ!
だが、今更悔やんでも遅い、モグゾーは防具を着こんでるため最初から距離がある所にいるし、バスターソードなんて持ってるから到着が遅れる。
必然的にハルヒロとゴブリンの一対一になってしまうのだ。
「うわぁ!」
先にゴブリンが仕掛けて、剣を振るうがハルヒロはそれを大きく回避する。
そしてすぐさま反撃するが、ゴブリンには当たらない。
次の攻撃は避けずに受け止める。
見たところ、リーチの違いで押し込まれている。盗賊は元々前衛職ではないので仕方ないと言えば仕方ないが……
しかし、ここでハルヒロが反撃を見せる。剣を受け止めた状態から流れるように相手の手首を斬り裂く、盗賊スキルの『
見事にナイフで相手の手首を切ったが、血があまり出ていない。浅すぎる!
技を決めたところにゴブリンの反撃が来て、ハルヒロは急いで飛び退くが回避がでかすぎる。地面に滑り込んだところで完全に動きが止まってしまう。
ゴブリンはその隙を見逃すことなく、攻撃しようとするが――
「止まったらダメだ!」
「煌めく焔、猛追!」
マナトの喝とともに俺は魔法を詠唱して、火の玉をゴブリンにぶつける。もちろん威力は低いのでそこまでのダメージは期待できないが動きを止めるぐらいの効果はある。
ゴブリンが少しよろめいて、ハルヒロはすぐにその場を離脱。ランタが代わりに入ってきて……
「
持っている剣をスキルとともに振るうが、なんて雑な振りなのだろうか。師匠が見たら基本がなっていないとボコられるのが確定のひどい振り方で見事に外れる。
そのままゴブリンの所を通り過ぎてしまったランタの背中にゴブリンのとび蹴りが炸裂、地面を滑るようにランタはぶっ飛ばされ、体勢が悪くなっつたところをゴブリンは攻撃しようとするが。
「っ!」
しかし、マナトが割って入り、スタックでゴブリンを吹き飛ばす。だが、スタックではあまりダメージを与えられてないようだ。
「マリク・エム・パルク!」
マナトに視線が向いてるところをシホルが魔法で攻撃しようとするが、途中で目を瞑ってしまい、放たれた光弾は見当違いな方に飛んで行ってしまう。
「シホル、魔法を使う時に目を閉じるな!そんなことしたら次は味方に当たるぞ!」
「は、はい……」
いつもならもう少し優しい言葉をかけるがこの状況下でそんなことは言えない。
そんな事をしていると、ようやくモグゾーが到着する。
「モグゾー、ゴブリンの正面に!みんなで囲むんだ!」
「う、うん」
マナトの素早い指示で俺たちはゴブリンを囲い込む。一応刀は抜いてるが使うつもりは毛頭ない。それよりも……
「シホル、俺の後ろで魔法を当てる事だけを考えろ。当てれると思ったら迷いなく使うんだ!」
「は、はい!」
俺はシホルを守るように包囲網に入る。これで心おきなく魔法が使えるだろう。
「うもーっ!」
正面にいるモグゾーがゴブリンと一対一で勝負となるが。バスターソードのリーチが長いのでゴブリンはそれを避け続けている。
「モグゾー、ガンガンプレッシャーかけろ!」
「ぬもーっ!」
ランタの声に、答えるようにモグゾーの攻めは勢いを増すが、いかんせんスピードがなさすぎるあれでは当たらないだろう。
だが、ゴブリンが一度大きな回避をすると、着地先はランタの正面だった。ゴブリンは無防備な背中をランタに晒す状態となる。
「ランタ!」
「わかってるよ!くらえぇ!」
しかし、無防備な背中なのに刺さったのは右肩の部分であってあれでは致命傷にならない。そのまま包囲網を抜けようとするが。マナトがうまくゴブリンの逃げ道を塞ぎ、たまらずゴブリンはバックステップで元の場所に戻る。
「ランタ!狙うならちゃんと急所を狙え!敵は防具をつけてないんだぞ!」
俺がすぐにランタに対して激を飛ばすが、本人は自分の手元を見て震えているだけだった。おそらく、刺した感触が手に残っているせいだろう。
「アアアアアアアァァァァァ!」
窮地に追いやられたことにより、ゴブリンは叫ぶ。なぜかその姿が俺には初日で仲間を殺されたゴブリンと重なって見えた。
「こ、怖っ……」
そして、俺以外のやつは全員怖気づいてしまう。確かにこれを初めて見たらビビるのもわからないでもない。
ゴブリンも死にたくないのだろう、それはよくわかる。でも――
「煌めく焔、猛追!」
俺は何の迷いもなく、火の玉をゴブリンにぶつけた。それに伴いゴブリンは大きく怯む。
「お前ら、これは命のやり取りなんだぞ!こんなんでビビってどうする!」
「ビビって何かねぇよ!こいつを殺して俺は初
俺に挑発されてランタはすぐに動く、動いてくれるのはありがたいのだが、腰が完全に引けており全くと言っていいほどダメージを与えられずむしろ押されていた。
「めっちゃ腰引けてるやんか!」
「うっせぇ!」
強がっているが抑え込まれているランタに対して、ハルヒロが後ろから攻撃を仕掛けるがハルヒロも完全にビビってしまい攻撃に最初程のキレがない。空振りに終わってしまう。
そして、二人が攻めたことにより抜けた穴からゴブリンは逃げようとするが、まだそこにはユメがいる。しかし、構わず剣を振るい逃げようとするが、ユメも何とか反応して剣鉈でゴブリンの攻撃を受け止めた。
すぐにゴブリンは後ろに後ずさり、また逃げ出すチャンスをうかがう。
「ゴブちん、結構タフガイなんやなぁ……」
異常なまでの生の執着にユメの声も震えていた。このままじゃまずいか……
「マリク・エム・パルク!」
しかし、俺の後ろの方で魔法の詠唱し、発射されたシホルの魔法が見事にゴブリンの頭を捉えた。その魔法は俺よりも威力があり、今まで以上にゴブリンが怯む。
「今だ!」
その隙を逃さず、ハルヒロが攻撃しようとするが、ゴブリンはすぐにハルヒロの方を見る。そのまま攻撃すればよかったのだが、ゴブリンに睨まれ、ハルヒロの動きが鈍る。
「ヴゥアアア!」
「うわっ!?」
ゴブリンは必死に剣を振るい、ハルヒロはそれを後ろに下がり回避する。しかし、地面が水場でぬかるんでることもあり、動きが大きく止まった。
「ウッ!」
その隙にゴブリンは自分の剣をハルヒロ目がけて投げた。あまりにも予想外の行動に俺も驚いてしまう。剣はハルヒロの右肩に深くはないが刺さった。
「痛った……」
これにより、ハルヒロは完全にフリーズ、すぐにゴブリンに飛びかかられて首を絞めつけられる。しかもこの角度、魔法だとハルヒロに当たる可能性がある……
「ハルヒロ、反撃しろ!」
「う、うわあああぁぁぁ!」
俺に言われるがままなのか、それとも本能なのか。ハルヒロは右手にあるナイフでゴブリンの首を確実に捉えた。
「うおおおおぉぉぉ!」
そこにすぐさまランタが入り込み、剣を突きさしながらゴブリンをハルヒロから遠ざける。そのままゴブリンと一緒にランタも倒れ込み、ゴブリンはすぐに立ち上がろうとしたが――
「ふんっ!」
モグゾーが後ろからゴブリンの頭にバスターソードを振り下ろした。頭の三分の一は潰れたであろう。これならさすがに死んだだろう。
「ナイスだ。モグゾー」
俺はそういいながら、さっきから目を瞑って見ないようにしているシホルの方に向かって、頭を撫でた。
「よく当てれた、いい判断だったぞ」
「……はぁ、あ、ありがとうございます」
ようやくシホルも戦闘が終わったことを理解して、大きく息を吐く。ユメはハルヒロの方に行き刺さった剣を抜こうとしてるようだった。
「ゆ、ゆっくりでいから……ぐっ」
抜いたところからは多少の血が出てきたがそこまでじゃない。これならマナトに治してもらえば問題ないだろう。
「光よ、ルミアリスの加護のもとに――
すぐにマナトの回復魔法で傷は塞がる。俺はみんなの心配をしながら辺りを見回すがそこまで問題はないようだ。ランタに至ってはすでに戦利品の回収を進めている。
「そして、暗黒騎士の手でとどめを刺し、肉体の一部を祭壇にささげるっと……」
暗黒騎士は
「止め刺したのモグゾーじゃん」
ハルヒロの言うとおり、止めというならば刺したのはモグゾーであろう。
「あー!モグゾーてめぇ!よくも俺の悪徳を!」
「えっ……ごめん」
ランタがいつも通りになり、これでひとまず終わりかとそう思った時だった。俺の視界の端でゴブリンが動き出したのだ。
「ランタ!」
俺の声よりも早くゴブリンは自分の剣を取り、ランタを転ばせ逃げ出そうと走り出す。しかしランタもゴブリンに掴みかかり剣を取り上げるが、そこでランタとゴブリンが離れてしまう。すぐにランタも追うが。まずい、すでに包囲網はないのでこのままだと逃げられる!
「う、うそやん」
魔法じゃ下手すればランタ当たるので、俺は腰に刺してある小太刀を抜き取り
「ふっ!」
鋭く息を吐きながら小太刀を投げた。小太刀はゴブリンの右足を捉え、走れなくなったゴブリンはその場に転がる。
「うおらぁぁぁ!」
ランタはゴブリンの上にまたがるようになったあと、持っている剣でゴブリンを刺した。
一度ではない、完全に息の根を止めるまで、何度も何度も刺し続けた。
「グギャ、グエゥ、ウゥゥ、アアア、エァア」
そのたびにゴブリンの苦しそうな声が響き渡り、シホルはその場に崩れ落ちかけユメがそれを支えていた。
俺もここまでタフで、生の執着があるゴブリンを見るのは初めてだった。……いや、ほとんどのゴブリンはそんな事を言うまでもなく、殺していたのだろう。俺にしてもその惨劇は中々にくるものがあった。
しかし、俺は止めることなく、刺し続けるランタを見つめ続けた。ランタがようやく力尽き剣を捨てた時には、ゴブリンは滅多刺しにされていた。
「うううぅぅぅ……」
ランタも無我夢中だったのだろう。その後自分のやった惨状をみて泣き出してしまう。
そんなランタを余所に、俺はゴブリンに近づき小太刀を回収する。そしてそれを腰に納め、マナトの方を見る。
マナトはちょうど何か祈るようなしぐさをしていた。神官特有のものなのだろうか?俺にはわからないが、ここにこのままというわけにもいかない。
「マナト、帰ろう。まだ昼下がりだけどこれ以上は無理だ」
「そう、だね」
動揺しているようだが、まだ黙らないだけマシだろう。マナトの先導で俺たちは荷物の置いた場所に戻り、そのままオルタナの町に帰るのであった。
帰り道、誰一人喋らなかった。これはしょうがない。俺も初めての日は帰り道ですら一切の油断をせず血走った眼で帰った記憶がある。安堵できたのはギルドに戻った時だ。誰もが通る道だろう。だが、これでこのパーティーが大きく成長してくれる事を俺は祈った。
こうして、マナト達との俺にとって初めてのパーティーでの活動が終わった。
フミヤがやれば一瞬で終わるでしょうが、今回はかなり自重してもらいました。
最近お気に入りの数が着々と増えているのが地味に楽しみだったりします。
しかし、評価は怖い、今はついてないけどどうなることやら……
感想などあったらよろしくおねがいしまーす。