時雨転生史   作:航空戦艦山城

9 / 13
更新遅くてごめんなさい。
いや内容は考えたんですけど全くそれを文章に出来なくて・・・
今回は多分今までで一番アレな出来かと思われますので批評酷評待ってます


第8話 鎮守府の明石さんは化け物か

 俺復活!やあみんな。というわけで俺は遂に退院したぞ。あの薄味の病院食ともお別れかと思うと少し寂しい気もするがそんなもの退院後の食事でカレーを食べた瞬間吹っ飛んだ。もちろん俺の退院をみんな喜んでくれたぞ。退院した日は提督から休みをもらえ、読書したりしながら過ごした。え?鍛えないのかって?せめて明日からにしろと明石さんからドクターストップかかりました。今はそれから三日ほど経った頃で、執務室で書類仕事に励んでいると執務室の扉がノックされた。

 

「入っていいぞ」

 

「失礼します」

 

「明石か?何か用か?」

 

「提督というよりは時雨さんに用がありまして」

 

 まあタイミング的に俺の装備についてだろうな。流石に三日で出来るわけないから相談があるのか問題が起きたのかのどれかかな?

 

「やあ明石さん。タイミング的に僕の装備についてかな?」

 

「その通りです!完成しました!」

 

「そうか。もう完成したのか・・・ってえ?」

 

 完成?今完成と言ったのかこの工作艦は。

 

「とにかく工廠に来てください!提督、時雨さん借りますね!」

 

「あ、ああ」

 

「ちょっ、ちょっと!?引っ張ったら危ないよ!?て、提督!扶桑!すぐ戻るから!」

 

 バタン

 

「・・・明石さんはどうして時雨を引っ張っていったんでしょうか。装備とか話してましたけど・・・」

 

「普段なかなか作れない物作れてテンション上がってんだろ」

 

 

 明石さんに連れられてというよりも引き摺られながら工廠にやって来た俺はそのまま奥に案内されたが道行く艦娘に変な目で見られたじゃないかちくしょう。

 

「さあ時雨さん!こちらがつい先ほど完成した装備です!」

 

 指された場所を見ると机の上に複数の金属の塊が目に映った。

 

「これかい?意外に早かったね」

 

「まあ複雑な機構がある訳じゃないのですぐに出来ましたよ。じゃあ説明しますね。まずこちらが基本装備になる手甲と脚甲です。脚甲は依頼内容には入ってなかったんですけど足技も使うと思って勝手ながら作らせてもらいました。また、それに合わせて靴にも多少の装甲を用意しましたよ」

 

 そう言って明石さんは机から装備を四つ持ってきた。こういう気遣いは本当に助かる。てかこの装備のデザインにすごい見覚えがあるんだけど。イメージとしてはモンハンのリオレウスの腕装備の肘から先しか無く、さらに手の甲にナックルダスターが付いているバージョンと脚装備の膝と脛のみのバージョンだ。色も俺の制服をイメージしてるのか黒に近い色になってる。

 

「ん?どうかしたんですか?」

 

「・・・あ、なんでもないよ。そういえば僕も足の装備は頼んでなかったね。ありがとう。早速着けてもいいかな?」

 

 ちなみに、肩から肘にかけてを二の腕と言うがあれは昔は肘から手首の事を言っていたらしい。そして今の二の腕を昔は一の腕と呼んでいたそうな。それが誤用されて今の形になったらしい。一の腕も最早死語らしいな。

 

「もちろんですよ。ていうかその為に呼んだんですし。着け方わかります?」

 

「さすがにわからないかな。教えてくれないかな?」

 

「構いませんよ。じゃあまず・・・」

 

 

「・・・と、こんな感じです。少し動き回ってみてください」

 

 おお・・・なんだろう。リオレウス狩りたくなってきた。まあ冗談は置いといて、適当に動いてみるか。周りに資材や機材があるから控えめにパンチやキックを打ってみる。

 

「どうです?」

 

「スゴイよこれ。僕にピッタリだ」

 

 これフィットし過ぎて違和感が全くない。戦艦の装甲を使ってるから重量もあるはずなんだがな。

 

「工作艦としてこれ位出来るのは当然ですよ」

 

 と言って胸を張る明石さん。まあまあサイズあるよね。どことは言わんが。

 

「じゃあ早速トマホークも持ってみますか?」

 

「そうしようかな」

 

「了解です。ハイこれ。少し重いかもしれないので気をつけてくださいね」

 

 と言われて持ってみると確かに少し重い。が、これくらいなら取り回しに問題はないだろう。

 

「ん・・・これくらいなら多少問題はないかな。ありがとう」

 

「いえいえ。んで、投げたら返ってくる機能なんですが、そのまんまブーメランのように少し湾曲させました」

 

「まあそうするしかないよね。僕の体質を考えると」

 

「そうなんですよねー。一応トマホークをしまう鞘も作っときましたよ。ナイフとかを仕舞うレッグシースをモデルに作りました。あ、それと例のアレなんですが、結構素材が余ったので予定通り作業に入りますね」

 

「あ、よかった。余らなかったらどうしようかと思ってたよ」

 

「まあ問題は素材よりも中の方なんですよね〜。時雨さんの体質に干渉しないようにするにはどうしたらいいのか・・・」

 

「んー、それなんだけど少し提案があるんだ」

 

「提案・・・ですか?」

 

 そう俺はここ最近ずっと訓練以外にも自分の体質について調べていたわけだ。もちろん前例があるはずもないので意味はないのだろうが、一つだけ思い至ったものがある。それは、俺はもしかすると火薬を扱う事が出来ないのではないかというものだ。もちろんこれだけでは武器が使えない理由としてはわかるかもしれないが電探などが使えない理由と何一つ関係ないので仮説にもならないお粗末なものだ。だが、何も提案しないよりはいいと思い、仮説ですらないという前置きを入れて提案してみる事にした。

 

「なるほど。火薬を使えないですか」

 

「さっきも言ったけどこんなの穴だらけで仮説になんないけどね」

 

「まあそれはそうですけど足掛かりにはなるかもしれませんね。となるとアレは火薬を一切使わない機構にしてみましょうか」

 

「ホントは火薬を使った方がロマンがあるんだけどね」

 

「それは諦めるしかないですよ。使う事が出来ない物を持って行くなんてロマンじゃなくてバカなんですから」

 

「それもそうだね、じゃあアレに関してはそういう方針で」

 

「了解しました!」

 

「あ、それとこれ試し斬りとかしてきていいかな?」

 

 やっぱり新しい武器は試したくなるのが道理な訳でして。明石さんは苦笑しながら・・・

 

「もちろんいいですよ。まあその前に提督に報告しないといけませんけどね」

 

 快くOKをくれた。まあくれないと困っちゃうんだがな。

 

「それもそうだね。行ってくるよ。標的の用意をしてくれてたら自分で運ぶから」

 

「はーい。いってらっしゃい」

 

「あ、そうそう明石さん」

 

「はい?」

 

「改めて、ありがとう」

 

 感謝は大事である。古事記にも・・・書かれてるかは知らんがとにかく大事だ。もちろん笑顔も忘れずに。さあ提督に許可を貰いに行こうか。

 

「・・・ふふ、どういたしまして」

 

 バタン

 

「・・・五月雨ちゃんが堕ちたのもちょっとわかるかもなぁ」

 

 

「提督。戻ったよ」

 

「おう、明石が作ったのはそれか」

 

「時雨・・・あなたそれ・・・」

 

「思ってたよりも早く完成したよ」

 

「んで、それの試運転する許可を貰おうって訳か?」

 

「あれ?なんでわかるの?」

 

「そりゃあお前そんな目をキラキラさせてたらわかるだろ」

 

「ああ・・・みっともないとこ見せちゃったね」

 

「気にすんな。んで、もちろん許可は出すぞ。誰か同伴でだが」

 

「ありがとう。じゃあ僕も仕事に戻るね」

 

「あら?いいの時雨?別にこれからでも構わないわよ?」

 

「仕事を放り出す訳にはいかないよ」

 

「まあ勝手に行くよりはマシだわな。じゃあ昼までは働け。それ以降なら行ってもいいぞ」

 

「了解」

 

 まあ見せたくて着けて来たんだけど仕事の邪魔にはなるから外して仕事をするがな。

 

 

「昼か。飯行くか」

 

「もうお昼か。時間が進むのは早いね」

 

「確かに何かに夢中になると時間を忘れちゃうわね」

 

「そんな年寄り臭い事言ってないでとっととこいよ」

 

「あら提督女性に年寄りだなんて失礼ですよ?」

 

「悪い悪い。ほれ、行くぞ」

 

 

 食堂に着くとそこそこ席が埋まってた。提督に席確保の任務を受け、空席を探していると・・・

 

「あ、時雨じゃないか!こっちこっちー!」

 

「最上?」

 

 呼ばれた方を向くと最上が手を振っていて周りには最上型の姉妹が揃っていた。

 

「やあ最上。それに三隈に鈴谷に熊野」

 

「代理秘書じゃんチョリーッス!」

 

「そんな下品な挨拶しては失礼よ鈴谷。御機嫌よう時雨さん」

 

「御機嫌よう。お仕事お疲れ様ですわ」

 

「時雨お疲れ様。お昼これからでしょ?一緒に食べようよ」

 

「構わないよ。でも提督と扶桑も来るけどいいかな?」

 

「お?提督来んの?ラッキー!」

 

「なにも問題ないよ。座って座って」

 

「ありがとう」

 

 もがみんが呼んでくれたお陰で席の確保が出来たぜラッキー。その後駄弁っていると提督たちが料理を持って来た。

 

「よお。最上姉妹じゃねえか」

 

「やあ提督に扶桑。お疲れ様」

 

「お疲れ様最上。お昼一緒してもいいかしら?」

 

「もちろんだよ。寧ろ時雨を呼んだのは僕だし」

 

「じゃあ失礼してっと。時雨。これお前のカレーうどん」

 

「ああ、ありがとう」

 

「カレーうどんって代理秘書結構服汚れそうなもん食べるね」

 

「麺類好きだからね」

 

「ところで、お前らはこの後暇か?」

 

「ええ、暇ですわよ」

 

「ならこれは強制って訳じゃあないから断ってくれてもいいんだが、こいつの訓練で海に出るのに付き合ってやってくれないか?」

 

「あー、代理秘書確か一人で海に出て入院したんだっけ?」

 

「まさかル級が出るとは思ってなかったけどね」

 

「僕はもちろん構わないよ」

 

「もがみんが行くのなら私も構いませんわ」

 

「せっかくですし私も」

 

「もちろん鈴谷も付いてくよ!一人でル級倒せるような艦娘の訓練とか気になるし〜」

 

「OK。手続きはしといてやるからこの後すぐでもいいぞ」

 

「了解。四人ともありがとう」

 

「気にしないでいいよ。時雨が頑張ってるんだから手伝いたいからね」

 

 

 先に食事をとっていた最上たちは工廠の艤装置き場に向かったので、待たせては悪いと少しペースを上げて食べました。もちろんカレーが跳ねないようにしながらだが。そして執務室に置きっぱの装備を取ってきてから艤装置き場に向かう四人とももう海に出てるようなので急いで準備をして海に出る。

 

「お、出て来た出て来た」

 

「ゴメンね。遅くなっちゃった」

 

「構いませんわ。標的も先に出しておきましたので後は訓練用の海域に持っていくだけですわ・・・で、その物騒な装備はなんですの?」

 

 正直砲とか魚雷の方が物騒な気がするんですがそれは・・・

 

「これかい?これはこの前僕が倒したル級の装甲を明石さんに加工してもらったんだよ」

 

「ちょいストップ。どうやって倒したのか疑問だったんだけどまさか・・・」

 

「多分想像してる通りだよ」

 

「ぱねぇ・・・」

 

「と、とにかく標的を運びましょうか」

 

 

 はい、訓練用の海域に着きました。最初のなんとも言えない空気は移動を開始するとすぐに無くなりました。

 

「配置はどうしますの」

 

「とりあえず標的を六つくらいで円を描く感じに設置してみようか」

 

「りょ〜か〜い」

 

 

「設置完了っと」

 

「じゃあ興味無いかもしれないけど見学してってよ」

 

「当然僕は見るよ?」

 

「私もせっかくですし」

 

「元々興味はあるから鈴谷も見るよ。熊野はどうすんの?」

 

「まあ私も見ますけど、一応電探で警戒はしておきますわね」

 

 まあほとんどやる事ないし見るわな。まあガッカリさせないように頑張りましょうかね。円の中心に移動してっと・・・

 

「いくよ」

 

 まずは体勢を低くしながら勢いよく前へ出て目の前の標的の人体の急所の鳩尾・・・古武術的に言うと水月と思われる場所へ鋭いパンチを放つ。

 

「ッシ!」

 

 ル級の装甲に俺のパンチ力が加わって一撃で標的を粉砕。そのまま右隣の標的に回し蹴りを当てる。もちろんこちらも一撃だ。

 

「次!」

 

 レッグシースからトマホークを取り出して隣の標的に向かう。トマホークを横薙ぎに一閃して真ん中から両断すると即座に隣の標的に×印を描くようにトマホークを振り、振り向きざまに残り二つの標的に向かってトマホークを投げる。

 

  「これで終わり!」

 

 飛んで行ったトマホークは見事に二つの標的を切り裂いて俺の手元に戻って来たのでそれをキャッチして訓練終了だ。

 

「ふう・・・」

 

「お疲れ様時雨」

 

「代理秘書スッゴいじゃん!」

 

「体を鍛えてるという話はよく聞いてましたがスゴイですわね」

 

「こういうものには疎いのですが、すごい事をしていたのはわかりましたわ」

 

「あはは、ありがとう。楽しんでくれたのなら僕も嬉しいよ」

 

 

 その後も訓練を続けたが、鈴谷にカポエラを要求された時は海上で

 出来るのか不安だったが意外にも出来てしまったので少しホッとした。標的も尽きたのでみんなで帰って夕飯を一緒に食べる事になり、まだ時間もあるので提督と明石さんに報告してから行くと伝えてから別れた。

 

「明石さんいるかい?」

 

「あ、時雨さん。お帰りなさい。どうでした?」

 

「問題ないよ。十分に戦えるよ」

 

「なら良かった。一応白兵装備ですしメンテしておきますね」

 

「お願いするよ。それじゃあ邪魔になるから僕はもう行くね」

 

「はい。お疲れ様でした」

 

 

「提督、扶桑。戻ったよ」

 

「そうか。どうだった?」

 

「問題無し。流石は明石さんだよ」

 

「そうか。なら今度からお前も海に出て戦ってみるか?」

 

「え?いいの?」

 

「ああ。元々今のお前の立ち位置は戦闘が出来ないのを隠す為のカモフラージュだったしな。とは言っても一応は代理として働いてもらわないといけないがな」

 

「私としては白兵戦しか出来ないから不安なんですけどね」

 

「まあ僕もどんな形であれ、こうやって戦えるからいいんだけどね」

 

「そうか。そうそう。秘書艦のお前には先に言っておく。近々大規模な作戦が発令されると大本営からの通達があった」

 

 おお、初の大規模作戦。つまり俺の初仕事か。

 

「そうなのかい?じゃあ僕の代理秘書としての初仕事かな」

 

「まあそうなんだが、水雷戦隊主体みたいな戦艦が入らない時にはその限りじゃあないがな。伝える事は以上だ。久し振りの海上で疲れただろ?今日はもう上がっていいぞ」

 

「そうかい?ならお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

 

 食堂に行くと最上たちが待っていてくれたので礼を告げてご飯を注文した。ちなみに俺は冷麺だ。

 

「そういや代理秘書ってまだお風呂入ってないよね?」

 

「え?そうだね。まだだよ」

 

「ええ!?そんなんじゃダメだよ?代理秘書!この後すぐお風呂に行くよ!」

 

 

 食事が終わってすぐに風呂に連れて行かれてしまい、ついでと言わんばかりに鈴谷が俺の体を触りまくるので全く休めませんでした。それにしても大規模作戦か。この艦隊に朝雲いないし、出来れば着任してほしいな。

 

「代理秘書なにお風呂で黄昏てんのさ。隙あり!」

 

「え?ちょ!?アーー!」




例のアレの登場は次々話を予定しています。
ちなみに時雨のあの考察ですが実は火薬が使えないのではなくただ艦これで使用出来る装備が使えないというだけだったりします。
そんなもんわかる訳ないのでこれからも時雨がその事に気付く事は無いかと思われます。
そして、下手すると次も遅くなるかと思われます。
どうか皆様養豚場の豚を見る目でらんらんを蔑んでください(´・ω・`)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。