時雨転生史   作:航空戦艦山城

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投稿遅くなってしまって申し訳ありません。
内容自体は考えてたんですけど忙しかったりして書ける時間が無かったんです(言い訳)
まあそれはさておき先日高校を卒業して車の免許を取得しました。
着々と社会人に近づいていってます。
スーツ買わないと・・・


第7話 入院の経験者ならわかると思うけど暇すぎる

「知らない天井だ」

 

 やあみんな。気が付いたらベッドで寝てた。記憶に残ってるのはル級を倒した後イ級に沈められかけたところをうちの所属のメンバーに助けられたというところまでだ。多分安心して気絶したんだろう。となるとここは医務室かな?ベッドから体を起こして周りを見渡していると医務室の扉が開き五月雨が暗い表情で入ってきた。

 

「姉さん・・・もうこれで三日も目を覚まさない・・・」

 

「え!?僕って三日も寝てたの!?」

 

「ピィ!?」

 

 なんか小鳥みたいな叫び声だな。

 

「・・・」

 

 あれ?五月雨の様子がおかしい。

 

「さ、五月雨?」

 

「姉さぁぁん!!」

 

 飛びついてきた!?慌てて五月雨を受け止める。

 

「うえぇん姉さぁん!」

 

 どうやらかなり心配をかけたみたいだ。しょうがない。暫くこうしておいてやろうか。

 

「よしよし。心配かけたね」

 

「うえぇん・・・くんかくんかスーハースーハー・・・いい匂いです」

 

 なんか胸の辺りがムズムズするが多分気のせいだろう。暫く撫で続けていると落ち着いたのか離れてくれた。心なしかテカテカしてるのは気のせいかもしれない。

 

「あ!そうだ!この事をみんなに伝えてこないと!姉さん!ちょっと行ってきます!」

 

 そう言い残して五月雨は風のように走り去っていき、その数分後には俺を救助してくれた艦娘が集まって来た。姉妹たちはみんな涙目だ。

 

「時雨〜!」

 

「お姉ちゃ〜ん!」

 

「姉さ〜ん!」

 

「おっと。五月雨もそうだけどみんな泣きすぎだよ」

 

「「「だっでぇ!!」」」

 

「ふふふ。ほら、村雨も涼風もそんなとこで泣いてないでこっちに来な」

 

「べ、別に泣いてなんかいないわよ!」

 

「そうだそうだ!大体一人で海に出る時雨が悪いんじゃないか!」

 

「いいから・・・おいで」

 

「「っ!!時雨ぇぇ!!」」

 

「おっと。よしよし」

 

 撫でていると俺たちを見ていた金剛姉妹たちも涙を流していた。

 

「いい話デース」

 

「素晴らしい姉妹愛です」

 

「榛名・・・今すごく感動しています!」

 

「お姉様!私たちも姉妹愛は負けてませんよね!?」

 

「もちろんデース!愛してマースよ!マイシスター!」

 

「あ、金剛さん。休日以来だね。比叡さんに榛名さんに霧島さんも、あの時駆けつけてくれてたよね。ありがとう」

 

「大事にならなくてよかったデスよ。せっかくお茶に誘ったのに沈んじゃったら大変デスからね」

 

「あはは。それもそうだね」

 

 姉妹を撫でながら金剛と話してると最上や満潮といった西村艦隊の面々がやってきた。

 

「あらなによ。意外と元気じゃない」

 

「やあ満潮。君もお見舞いに来てくれたのかい?」

 

「別に。ただ一人で海に出て勝手に沈みかけたバカの顔を見に来たのよ」

 

「手厳しいね。まあ、実際その通りだけどね」

 

「またつんけんしちゃって〜。部屋でわんわん泣いてたのはどこの誰かしら〜?」

 

「ああ、満面の笑顔で走っていく満潮を見たけどそれだけ心配してたからその反動だったからなのかな?」

 

「ちょっ!?」

 

「やあ山雲に最上。満潮もなんだかんだ言って心配してくれてたんだね。嬉しいな」

 

「ば、バカ言わないで!もう!」

 

「あら〜?満潮どこ行くの〜?」

 

「部屋よ部屋!もう知らないんだから!」

 

「行っちゃったね」

 

「そうね〜、!でも〜、やっぱり満潮姉弄るの楽しいわ〜」

 

 なんて話してると五月雨が提督と扶桑と山城と一緒に帰ってきた。

 

「ああ!姉さんたちズルい!私も撫でてもらいたいです!」

 

「五月雨はさっき撫でてあげたじゃないか。譲ってあげてくれないかな?」

 

「むー・・・わかりました。独り占めはよくないですよね」

 

「時雨。もういいのか?」

 

「うん。今目覚めたとこだけどそこまで痛みはないかな」

 

「よかった・・・救助された時雨が轟沈寸前でドックに担ぎ込まれたのを見た時は心臓が止まるかと思ったわ」

 

「あんた血塗れでホントに死ぬんじゃないかと思ったわよ。やめてよね。肝が冷えたわ」

 

「あはは。ごめんね。逃げようとは思ったんだけど主機にダメージがいってね。回り込まれちゃったんだよ」

 

「まったく・・・」

 

「ま、時雨は目覚めたばっかりだ。俺としてもいろいろ聞きたい事はあるがあんまり無理させるのもよくない。今日はもう終わりだ。白露たちとゆっくり休め」

 

 白露たちが妙に静かだと思ったらみんな眠っているようだ。それに気づいた金剛たちが医務室のベッドを寄せて繋げてベッドを広げてくれた。そのまま泣き疲れて眠っている姉妹を抱き上げて横に寝かせてくれた。ちなみに俺の寝ているベッドが中心に来るように並べてくれている。せっかくだ。提督のお言葉に甘える事にしよう。ただ、その前に。

 

「じゃあ今日はゆっくりしてるね。五月雨もおいで」

 

「!わかりました!」

 

「しー。起きちゃうよ」

 

「あ、すいません・・・」

 

「じゃーな」

 

 提督を皮切りに他の艦娘も次々とお大事にと言いながら出て行った。

 

 

「じゃあ改めておいで。五月雨」

 

「はい」

 

 周りを起こさないようにゆっくりとベッドに上がってきて俺の隣に寝転がる五月雨。

 

「ここ狭いよ?」

 

「ここがいいんです。・・・あの・・・姉さん」

 

「ん?」

 

 なんだろうか。五月雨が真剣そうな顔をしている。

 

「私、姉さんが血塗れで意識を失った時、すごく怖かったです。このまま姉さんが沈んじゃったらどうしようって」

 

「・・・」

 

「それで私決めました。もう抑える事はしません。・・・私、姉さんの事が好きです」

 

「・・・うん。僕も好きだよ」

 

「!じゃあ・・・!」

 

「もちろん白露たちも好きだよ。姉妹だからね。それに扶桑や山城・・・西村艦隊のみんなだって好きさ」

 

「ん?」

 

「まあ簡単に言えば、この艦隊のみんな僕は大好きだよ」

 

 というのを言い終わる前に五月雨が顔を背けてしまった。

 

「あれ?五月雨?」

 

「ええ、わかってましたよ!どうせこうなるって事は!」

 

「さ、五月雨?」

 

(わかってましたよ・・・姉さんが私の事を家族として好きだなんて事くらい)

 

「もう、寝ます!おやすみなさい!」

 

「お、おやすみ?」

 

(でも、それなら恋愛対象として好きだと言わせてしまえるくらいに意識させればいいんです!覚悟してくださいよ!)

 

 

 急に五月雨が怒って眠ってしまった・・・なぜだ?女の子はよくわからん・・・まあいいや、俺も寝よう。おやすみ。

 

 

 寝て起きると五月雨は何事もなかったかのように笑顔で話しかけてきた。俺の夢だったのかもしれない。でも何故かボディタッチが増えたような気がする。ちなみに今は目覚めてから二日経ったくらいだ。え?この二日間入院中の風呂代わりにやる汗拭き?あんなのやられる前にやってるよ。大体姉妹や西村艦隊のみんな(特に五月雨。鼻血出しながらハアハアしてたのにはさすがに恐怖を覚えた)が嬉々として拭きに来るので非常に残念そうな顔をされる。満潮がしょんぼりしてたのは少しキュンとしました。意外にも他の艦娘も見舞いに来てくれたりする。どうやら俺の頑張りはみんな認めてくれているようで、今まであまり交流のなかった艦娘も見舞いに来て話をしてくれるのは素直に嬉しかった。んで、俺が部屋で一人で本を読んでいるとドアがノックされた。

 

「時雨、俺だ。入ってもいいか?」

 

「提督かい?開いてるよ」

 

「失礼する」

 

「やあ提督。どうしたんだい?」

 

「ああ、実はお前が殺られかけた時の事を改めて聞こうと思ってな」

 

「ああ、そうだったのか。いいよ。なんでも聞いてよ」

 

 まあ特に記憶が無いわけではないから大抵の事は答えられるはずだ。

 

「そうだな。じゃあまずは通信が切れた後何があったのかを教えてくれ」

 

「そうだね。あの後・・・」

 

 

「爆雷噛み砕かせて撃沈ってお前・・・」

 

「脳内麻薬ドバドバだったんじゃないかな。ハ級の目のど真ん中に入ったりするし」

 

「あ、そうだ。金剛に報告で聞いたんだがル級の艤装を持ってたらしいな。持って帰ろうとしてたのか?」

 

「ああ実はそうなんだよ。もしかして救助した時に捨てちゃった?」

 

「いや、なにか考えがあるのかもしれないからと持ち帰って今は工廠で保管している。なにをするつもりだったんだ?」

 

「実はね、あれを加工してもらって手甲を作ってもらおうかなって思ってね」

 

「は?手甲?甲冑とかの腕に着けてる?」

 

「そうそうそれ。まあああいうのよりは殴りやすそうな物にしてもらうけどね。さすがに素手で戦艦を殴ったら痛かったからね」

 

「ああそういう事か。しかしなんで敵艦の装甲なんだ?鋼材でもいいだろう?それにあれを変に触って事故が起こるかもしれんし」

 

「まあ早い話戦艦の装甲は硬いからだね。殴ってもダメージは少なそうだったからね。ついでに言うと資材も消費しないしいいかなって」

 

「安直すぎる気がするが・・・まあいい。だが手甲だけだと絶対余るぞあの大きさだと。俺も生で見たのは初めてだが大の大人を軽く超える程度にはデカいぞ」

 

「まあそこも考えてるよ。トマホークでも作ってもらうよ」

 

「と、トマホーク?」

 

 実はゲッターロボを昔見てその時に斧系統の武器の可能性に目覚めたりした。ただ、殴るのが主体なので真ゲや新ゲのような両手持ちではなく無印ゲッターやゲッタードラゴンのような片手持ちだがな。まあ片刃と両刃で迷うんだがそこはまた考えよう。それらを作ってもル級の装甲が余裕で余りそうならもう一つ欲しい物がある。技術的に実現できるかわからないしなにより俺の体質的に使えるかもわからんがな。

 

「そうトマホーク。主機に取り付けるの。出来ればブーメランみたいに投げたら戻ってくるみたいに出来たらいいなって思うんだけどね」

 

「刀とかでよくないか?」

 

「刀でもいいんだけどね。でも刀だと帯刀した時にすごい動きが制限されそうで・・・」

 

「ああ・・・まあ確かに肉弾戦には向いてないな」

 

「でしょう?まあベッドから出られるようになったら作れるか聞いてみるつもりだけどね」

 

「ふむ。まあ無理だったら遠慮なく資材を使え。どちらにせよ、報告はしてもらうがな」

 

「さすがに無断ではしないよ」

 

「それならいいんだ。さてと、仕事に戻るか。ゆっくり休めよ」

 

「そうさせてもらうよ。お仕事頑張ってね」

 

 

 提督が出て行ってからも何人か見舞いがきて夕食を食べてたら少し仮眠をとる・・・つもりだったのだが、誰かに起こされて目覚めるとタオルを持っている満潮と山雲とムスッとした顔の霞がいるのを見て俺の思考は止まる。

 

(やってしまった。仮眠のつもりが本気で寝てた)

 

「あ、やっと起きたわね。なかなか起きないからちょっと心配しちゃったじゃない」

 

「み、満潮?それに山雲に霞まで。タオルなんか持ってどうしたの?」

 

「決まってるじゃない。あんたの体拭くのよ」

 

「い、いやもう体は拭いちゃったんだ」

 

 そう言うと霞に・・・

 

「何言ってんのよ。あんた一日中ベッドにいるから汗かいて今ちょっと汗臭いわよ?」

 

  なんて言われてしまった逃げ道塞がないでください。

 

「とにかく!そのままだと気持ち悪いだろうしさっさと脱ぎなさい!」

 

「早く脱いだ方が身のためよ〜?あんまりモタモタしてたら脱がしちゃうから〜。満潮が」

 

「なんで私!?」

 

「とにかく背中くらいは拭かせなさい。あんた普段から自分で拭いてるらしいけど背中はやりにくいでしょ?」

 

「う、うん。じゃあお願いするよ」

 

 逃げ場なんてないんやで。しょうがないので服を脱ぐと何故か霞から感嘆の声が聞こえた。

 

「へえ?鍛えてるって聞いたからどんなもんかって興味はあったけどなかなか鍛えてるじゃない」

 

「そうかな?そうだったら嬉しいな」

 

「余計な筋肉が付いてなくて引き締まってる感じね。あんた背もあるからもう少し鍛えれば理想的な体になると思うわよ。さて、満潮拭いたげなさい」

 

「まあ元から拭きに来たからそうさせてもらうけど、これ三人も要らないわよね」

 

「私は満潮をからかう為に来たの〜」

 

「私はお目付役よ。迷惑かけないか監視」

 

「霞はともかく山雲あんたねえ・・・まあいいわ。取り敢えず汗拭くからベッドに上がるわよ」

 

 満潮が俺の体を拭き始めるとすぐに「うわっ・・・」とか「スゴッ・・・」とか俺の肉体に驚いてるようだ。そりゃそうだよ。だってムキムキにならないように調整しながら鍛えるのって大変なんだから。レスラーみたいな体になったらいろいろと悲しい事になる。

 

「時雨の体って鍛えてて硬いかと思ったらちゃんと女の子としての柔らかささも残ってる。それにもともとスタイルも抜群だからスゴい綺麗・・・」

 

「ちょっと!山雲!勝手に私の声真似して私のセリフみたいにしないでよ!」

 

「あら〜?なんのことかしら〜?山雲よくわかんな〜い」

 

「ハア・・・」

 

 満潮と山雲の相部屋って誰かと思ったけど確実に霞だよね。いろいろ大変そう。

 

(まあ実際山雲の言う通りかなりスゴい体よねこれ。ここまで鍛えて維持するって大変じゃないかしら)

 

 

「よし!こんなところかしら。どうかしら?」

 

「ありがとう。すっきりしたよ」

 

「じゃあ後は前ね。こっち向きなさい」

 

「さ、流石に前は自分で拭けるから遠慮したいんだけど」

 

「いいから怪我人は黙って拭かれてなさい!山雲!捕獲!」

 

「りょ〜か〜い。あらホントにいい体」

 

「ちょっ!?山雲!?」

 

「こらあんたたち!迷惑かけるなって言ったでしょ!」

 

「霞ぃ!」

 

 今俺は霞が天使に見える。ありがとう霞ママ。

 

「今なんか失礼なこと言われた気がしたけどまあいいわ。とりあえす自分で拭きなさい。あんたらは部屋で説教よ」

 

 

 霞ママが満潮と山雲を引っ張って行く時にさりげなく・・・

 

「あの娘たちも悪気は無いと思うから・・・許してあげてちょうだい」

 

 なんて言ってきた。さりげないフォローをするとは流石はお姉ちゃんだ。あれ?妹だっけ?しっかりしてるから間違えるな。

 

 体を拭いて服を着るとすぐに眠りにつく事にしよう。そろそろ明日明石さんにル級の装甲を加工した装備を作ってくれるか聞いてみよう。

 

 

「いやダメに決まってるでしょ深海棲艦の装甲を装備に加工するなんて」

 

 翌日傷のチェックの為に医務室に現れた明石さんに早速聞いてみたら即答で拒否された。まあ何が起こるかわからないからしようとしないのはしょうがない。俺も明石さんの立場なら同じ反応する自信あるもん。まあ今回はいろいろとやりたい事もあるので俺も出来れば譲りたくはない。

 

「そこをどうにか出来ないかな・・・ね?お願い」

 

「ダメなものはダメです!大体提督が許可しませんよ?」

 

「ああ、提督の許可はもう貰ったんだよ」

 

「!?」

 

「提督からもうOK貰ってるからいいよね」ニッコリ

 

 おや?明石さんの様子が・・・うわ!?

 

「許可貰ってるんですね!?嘘じゃないですね!?」

 

「う、うん。提督に確認してもらってもいいけど・・・てか近いよ」

 

「あ、これは失礼。いやー実は工廠で保管してる間ずっと触りたくてうずうずしてたんですよ。でも何があるかわからないから持って帰ってきたとしても触らずに置いておくしかなかったんですよ。でも免罪符を手に入れた今となっては私の探究心を止められるものはいませんよ!さて、何を作ればいいんですか?なんでも仰ってみてください!」

 

 すごい活き活きし始めた・・・てか免罪符てお前・・・まあいい乗り気なら話は早い。早速手甲とトマホークについて話してみた。

 

「なるほど。手甲にトマホークですか。確かに体を鍛えてらっしゃるので白兵戦に特化した装備があると時雨さんの特徴は活かせそうですね。でもなんでまたトマホークなんです?」

 

「だってかっこいいじゃない。攻め入る敵を片っ端からぶった斬るなんて。戦艦では出来ない機動力を生かした高速戦闘とか」

 

「理由がかっこいいって・・・もしかしてロマン兵器とかって好きなタイプですか?」

 

「そうだね。結構好きだよ。敵を殲滅出来るほどの高火力だとしてもデメリットが大きい武器とかいいよね」

 

 ああ、こんな事言ってるけどもちろん非人道的な武器は大嫌いだよ?長門を沈めたあれとか北上が改の時に触れてたあれとか・・・

 

「いいですね。時雨さんは話のわかる方と見ました。わかりました!この明石!全力で作りますよ!」

 

「まあロマン武器が好きとはと言ってもいきなりロマン武器だと全く戦えないから一応普通の武装にしてね?」

 

「流石にそこら辺はわかってますよ」

 

「それならいいんだけどね。で、ある意味ではこっちが本命になるかもしれないんだけどさ」

 

「?なんですか?」

 

「ル級の装甲が余ったらでいいんだけど、作って欲しいものがあるんだ。で、その作って欲しいものっていうのが・・・」

 

 

「・・・を作って欲しいんだ。勿論余裕があるならでいいよ。無理強いはしない」

 

 まあこの様子なら意地でも完成させそうだから困る。

 

「いいじゃないですか!そんな面白そうなもの、寧ろこっちからお願いしたいくらいです!」

 

 このハイテンション。これは期待出来る。

 

「じゃあ完成したらすぐにお知らせしますよ」

 

「お願いね。僕は基本執務室か武道場にいると思うから」

 

「了解です!あ、そうそう。怪我なんですが明日にはもう退院してもいいくらいには治りましたよ」

 

「うん。わかった。いろいろ頼んじゃったけど、お願いね」

 

「問題無しです!じゃあ私は失礼して今すぐ作業に取り掛からせてもらいますね!」

 

 明石さんはそう言い残して猛烈な勢いで走り去っていった。明日には退院か。体が鈍ってしょうがない。が、しょうがないので今日はもうゴロゴロして過ごす事にしよう。


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