時雨転生史   作:航空戦艦山城

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お気に入りしてくれた方ありがとうございます。
これ書いてる時にE-3行ってたら大淀さんが小破すらしてないフラルを昼戦で撃沈しちゃってビックリした


第2話 攻撃出来ないとかハードモードなんてレベルじゃねえぞ

 やあみんな。あれから色々試してみたが推進力を得る為の主機と爆雷以外の艤装・・・電探やタービンなども含めて使えないことがわかった。え?なんで爆雷だけ使えるかだって?爆雷投射機から手掴みで取り出すことが出来たから辛うじてなにもできないという訳ではないということだ。とは言ってもなんだ?俺は爆雷を敵に投げつければいいのか?グレネードだ!ってか。んで、流石に黙っておく訳にもいかない案件なので今俺は明石さんと執務室に来ている。解体の恐怖で身体が震えてるよ。

 

「大丈夫よ。提督は解体は絶対しないから」

 

「とは言っても爆雷投げる以外の攻撃手段のない艦娘とか普通は戦力外で解体だと思うんだけど」

 

 こんな会話をしつつ執務室の扉をノックする明石さん。いや、会話しながらノックってめっちゃ失礼じゃね?

 

「開いてるよ」

 

「失礼します提督。至急お伝えしないといけないことが発生しましたのでご報告に上がりました」

 

「そんなに急を要する内容なのか?その様子だと時雨が関係しているようだが」

 

「はい・・・実はカクカクシカジカ」

 

「マルマルウマウマという訳か。それは本当なのか時雨?」

 

「う、うん。全部本当なんだ。僕はこれからどうなるの?もしかして解体されるのかな?」

 

「解体なんてしないよ。うちはみんなに出来ることがあるなら率先してやってもらうことにしてるからなにか仕事をしてもらうよ」

 

 助けてもらう側が言うのもなんだがかなり甘いな。まあそのお陰で生きていられるなら俺としてはなにも文句はないんだが。

 

「あの・・・提督」

 

 と、ここで今まで黙ってた扶桑が手を上げた。なにか案でもあるのだろうか?

 

「はい扶桑。なにか案があるのかい?」

 

「案・・・という程でもないんですけど・・・時雨を秘書艦の私の補佐をしてもらうとかはどうでしょうか?」

 

 つまり秘書艦の秘書艦という訳か。少しややこしいが、それなら多少戦闘に出なくてもおかしな目で見られることはないのか?

 

「ふむ。それはなかなかいい案ではあるが、理由も考えておかないといけないな。

 

「あ、それなら私に考えがありますよ!」

 

 お、明石さんなにか考えたらしい。結構自信がある様子。

 

「扶桑さんはうちの艦隊でも主力なんですから大規模作戦時での扶桑さんの代わりの秘書艦を務めてもらうというのはどうでしょう!」

 

「ふむ。それが一番自然かな?確かに大規模作戦が展開されている時は基本的には執務室では一人だしな。それは俺も助かる」

 

「じゃあこれで決まりですね!」

 

「そうだな。みんなに説明する時にはその理由を使わせてもらおう」

 

「みんなありがとう。僕の為に色々考えてくれて・・・」

 

「大丈夫よ時雨。これから一緒に頑張りましょうね」

 

 本当にいい鎮守府に拾われたな・・・白露たちもこれで安心させることができるな。

 

 

 あの後明石さんと一緒に白露たちに会いにいって結果を報告したらみんな揃って泣きついて来た。俺としては役得だからなんの問題もない。村雨デカかったな。ドコとは言わんが。んで、部屋で姉妹たちと話していると夕食の時間になったようだ。結局まだ案内してもらっていない場所があるので後で案内してもらうことにしてもらい、食堂に移動した。

 

「あ、提督から入るように促されるからその時に入ってきてね」

 

 そう言ってみんな先に食堂に入っていった。いわゆる新人紹介というやつだろう。んで、ついでにそこで俺の仕事のことも話すと思うが、俺も挨拶をしないといけないのか。呼ばれるまで考えておこうか。

 

 

『さて、我が艦隊にこの度新たな仲間が加わることになった。入ってこい』

 

 お、呼ばれたようだ。さあて入りますか。

 

 ガチャ

 

 おお、かなりの人数がいるらしいな。大和型は・・・いないらしい。まあ大和型はしょうがないわな。

 

「紹介しよう。白露型駆逐艦の時雨だ。みんな仲良くしてやってくれ」

 

「やあみんな。僕は白露型駆逐艦二番艦の時雨。これからよろしくね」

 

 結局こんな当たり障りのない普通の挨拶になってしまった。自分の国語力のなさにはウンザリするね。

 

「さて、みんなにはさっき説明したが、彼女には大規模作戦の時に秘書艦の代理を務めてもらうために扶桑の補佐をしてもらう事にした。なにかあったら俺たちに直接報告するか、時雨に報告してくれ」

 

「みんなに迷惑かけちゃうかもしれないけど、精一杯頑張るよ」

 

「さて、みんなもお腹空いてるだろ。改めて、新しい仲間の着任を祝して乾杯!」

 

「「「「「「「乾杯!」」」」」」」

 

 

 どうやら新人紹介というよりは歓迎会だったらしい。ちなみに俺と提督は飯食う前に他の艦娘に挨拶回りに行ってきた。やはりというか、史実で関係のあった娘たちからは久しぶりなどの挨拶を交わした。特に西村艦隊のみんなは凄かった。山雲が泣きついて来たのには驚いた、満潮もツンケンした態度をとってはいたが言葉の節々から気を使ってくれている感じが伝わってきた。え?朝雲?どうやら未着任のようだった。最上には頭を撫でられた。見た目がそうだからしょうがないかもしれないが、子供扱いは凄くむず痒かった。山城?扶桑どうよう抱きしめられました。姉妹揃って大きかったです。なにとは言わないが。んで、今はせっかくだからということで提督と食べている。

 

「どうだ?上手くやっていけそうか?」

 

「うん。みんな僕によくしてくれて嬉しかったよ。それにしてもこの料理美味しいね」

 

「そうだろ?ウチの鳳翔さんと間宮さんと伊良湖が頑張ってくれてな」

 

 なんと!ここの厨房にはお艦こと鳳翔さんと給糧艦の二人がいるのか!これは嬉しいな。

 

「厨房は基本給糧艦の二人が管理してるんだが今回は歓迎会の為に鳳翔さんも手伝ってくれてな。ついでに言うと間宮さんと伊良湖は甘味屋、鳳翔は居酒屋も経営してるからな。時間がとれたら行ってみるといい」

 

 ここら辺はまあ厨房立ってるところから予想はできてたが是非とも利用させてもらおう。甘い物はそれなりには好きだし、鳳翔さんの居酒屋とかとても行ってみたいものだ。

 

「そうさせてもらうよ。これだけ美味しい料理が食べられるんだからお店に寄らせてもらう時が楽しみだよ」

 

 

 さて、提督と話したり他の艦娘と話してたらもうお開きの時間になったらしい。二次会をやるとか隼鷹が言ってたけどさすがに疲れたから姉さんたち捕まえて部屋に帰ってきた。どうやら俺たちの部屋は二部屋使うらしい。三人で一部屋との事だがあれ?俺どこで寝るんだこれみたいな事を聞いたら・・・

 

「村雨たちの部屋が少し広いから詰めれば入る筈よ」

 

 というお言葉を頂いたので村雨の部屋に案内された。この部屋を使うのは俺と村雨の他に夕立と五月雨らしい。さて、部屋でみんなとお喋りしてたら唐突に五月雨が・・・

 

「あ、もうこんな時間・・・そろそろお風呂に行きましょう!」

 

 なんて言い出した。そっかお風呂かお風呂・・・お風呂!?ヤベェよ!流石に見た目は女の子でも中身が野郎だから風呂とか入ろうもんなら色々見ちゃマズイもの見ることになるじゃねえか!でも風呂に入らないという訳にもいかない・・・てかその前に俺寝巻きどころか下着すらねえぞ。その事を村雨に相談すると

 

「パジャマは私の服貸してあげるわよ。下着に関してだけど、他の空き部屋に新人が来た時用に真新しい下着を用意してくれてるからそれ使って」

 

 との事。なかなか考えてるね。下着を用意してくれているとは・・・でも今更なんだが俺が今着けてる下着も女の子用なんだよな。それに今まで気にしないようにしてたけどスカートだからスースーするんだよな。さらに言うとトイレもヤバイんだよなぁ・・・男としてのなにかが終わりそうだな。

 

「さあそうと決まれば直ぐにお風呂に行くっぽい!」

 

「姉さんの髪洗いたいです!」

 

 ぬお!?やめろ夕立!まだ心の準備が出来てないのに部屋から引っ張り出さないでくれ!それと五月雨!頭くらいは自分で洗えるから勘弁してください!

 

「じゃあ新しい下着と時雨のパジャマ持って行くから先に行っててちょうだいね」

 

 てか風呂に行ったら他の娘の裸も見ちまうじゃねぇかよ!やめてくれ!俺はまだ捕まりたくないんだよ!離してぇ〜!


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