時雨転生史   作:航空戦艦山城

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また遅くなりました。
すいません。
遅い上に今回は短いです。
執筆って難しいです


第12話 作戦終了。帰投する

 やあみんな。俺は今完成したばかりの前線基地にいる。なぜかって?前回の戦闘の後、第三作戦でここに連れてこられてそのまま第四作戦に参加せよとか言われたからだよクソが。

 

「ど、どうしたデース?なんかやさぐれてマスよ?」

 

「・・・ん、やあ金剛。そうかなあ。そんな風に見える?」

 

「かなり」

 

 マジか。あんま出ないように気をつけてたんだがな。

 

「強いて言うならすごく働いてるって事かな。救出作戦は志願したものだから良いんだけどその後ぶっ続けでここに来てるからね。一応秘書でもあるから編成表とか見れるんだけど普通にみんな休みがあるんだよね」

 

「ま、まあそれだけ頼りにされてるって事デスよきっと」

 

「今回主戦力の扶桑も出撃するんだよね。山城もいるし。本来扶桑が出撃する時の秘書艦という体でやってたんだけど」

 

 この戦いが終わったらしっかりと話し合いしないといけないな。もちろん暴力じゃあないぞ?そんな事したら死ぬから。

 

「それは・・・なんででしょう?」

 

「まあいいんだけどね。ごめんね。愚痴っちゃって」

 

「全然No problemデース!むしろ愚痴を言ってくれるくらい仲良くなれてて嬉しいデース!」

 

「あはは、ありがとう。じゃあそろそろ時間だし行こうか」

 

「OKデース!」

 

 

 

 

 

「出撃します!」

 

 第四作戦は連合艦隊で出撃する。編成は第一に旗艦扶桑、僚艦山城、金剛、妙高姉さん、羽黒、加賀さん。第二に旗艦夕張、僚艦那智、足柄、神通さん、雪風と俺というまあまあガチの水上打撃編成。

 

「そういえば加賀さんと赤城さんは一緒に出るものだと思ってたんだけど、ちょっと意外」

 

「赤城さんは今前線基地の防衛で残っていますから」

 

 前線基地の防衛とはそのまんまの意味だ。馬鹿みたいに出撃する度に基地が空になるとか破壊してくださいと言ってるようなものだ。赤城さんの他には金剛以外の姉妹と五十鈴さんと長良がいる。五十鈴さんと長良は潜水艦の警戒のために召集されている。

 

「そういえばあなた新しい装備をその日のうちに壊したらしいわね」

 

「あれはパイルを打ち込んだ時の威力にクローが負けちゃったんだよ明石さんが一日で直してくれたからもう大丈夫」

 

「あまり迷惑をかけちゃだめよ?」

 

「帰ってきて速攻引っ張られていったから迷惑も何もないんだけどね」

 

「そ、そう」

 

「加賀さん、そろそろ索敵をしましょうか」

 

「そうしましょうか」

 

 扶桑と山城と加賀さんがそれぞれ艦載機を放ってしばらくして・・・

 

「艦載機から入電!『我、敵艦隊を発見セリ』!」

 

 どうやら扶桑の瑞雲にヒットしたらしい。

 

「全艦戦闘準備!」

 

 

 

 

 

 敵はヌ級を旗艦にした艦隊らしいとりあえず駆逐艦に突撃し、トマホークで斬り付ける。

 

「戦艦の装甲製だからバターみたいに斬れるね」

 

 なんて言ってるとヌ級の艦載機が攻撃を仕掛けてきた。ちょうど加賀さんが艦載機の補給のために着艦させているところを狙ったらしい。

 

「ちょっと失礼!」

 

 攻撃に当たらないように残っているハ級に近づき、顎を蹴り上げる。そしてがら空きの腹にクローで挟み込んで自分の体を隠せるくらいまで持ち上げる。

 

「これ、一度はやってみたかったんだ」

 

 エヴァ二号機がやってた船ガードだ。目論見通り敵の攻撃は全てハ級が受け止めてくれた。そして放り捨てるとすぐにハ級は爆発四散!ナムアミダブツ!

 

「深海棲艦死すべし慈悲はない」

 

 さあ後はヌ級だけと思っていたら砲撃でこちらも爆発四散。これで終わったかな?

 

「大丈夫?ごめんなさいね。援護が遅れちゃって」

 

「心優しい駆逐艦が守ってくれたから大丈夫だよ」

 

「どちらかとい言うと無理やり盾にした感じだけど」

 

 

 

 

 

 その後は特に特筆するような戦闘は無かったぜ。今はゲームでいうボスマスに向かっている。なんでわかるかって?だって明らかにボスがいますよって感じにどす黒い雰囲気漂ってきてるんだもの。

 

「敵艦隊発見。編成は空母一、戦艦二、重巡一、駆逐二。姫、鬼級はいないようね」

 

 加賀さんの艦載機が発見したようだ。それにしても最終海域で姫、鬼クラスがいない?そんなバカな事もあるもんなのか。

 

「会敵まで後少しだけど、なにか言っておく事はある?」

 

「そうね。どんな編成だとしても油断はしないでね」

 

 

 

 

 

 〜その頃の敵艦隊〜

 

(ナンデ私ガ・・・)

 

 旗艦のヲ級は大きなため息を吐く。どうしてこんなにテンションが低いのかというと・・・

 

 〜二日前〜

 

「『MASS BLADE(マスブレード)』ネー・・・」

 

「ヲ?ドウカシタンデスカ?」

 

「ンー?ナンデモナイワ。ア、ソウソウ、チョットイイカシラ?」

 

「ナンデショウカ?」

 

「貴女モウ入渠カラ上ガル?」

 

「ハイ。コノ前駆逐艦ニ殴ラレタ傷モ治リマシタカラ」

 

「ナラ丁度イイワ。貴女私ノ代ワリニ出撃シテクレナイ?」

 

「エ?姫様ソレドウイウ・・・」

 

「ホントハ私ガ出ナイトイケナインダケドツイ他ノ海域デ遊ビ過ギテネ。艤装モ私モボロボロナノ」

 

「姫様ガボロボロニナル様ナノガ相手ナンデスカラ即死スルンデスガ」

 

「大丈夫ヨ。ソイツノ艤装?壊レテタシ。修復ニハ時間掛カルデショ(フラグ)」

 

「・・・ワカリマシタ死ナナイ様ニ頑張リマスネ。デハ」

 

「イッテラッシャーイ」

 

 

 

 

 

(ナンデ安請ケ合イシチャッタンダロウ)

 

 と思っていると敵の航空機の編隊がこっちに向かってきているのに気付いた。

 

「全機発艦!!撃チ落トセ!」

 

 どうやら制空権を手に入れることは出来なかったようだ。敵機の爆弾が降ってくる。それを避けきると敵艦隊を視認出来る距離になっていたようだ。ヲ級は敵の戦力を確認した、いや、してしまった。

 

「敵ノ編成ハ・・・!?」

 

 そこにいたのはいつかの自分をフルボッコにしてトラウマを植え付けた駆逐艦がいた。しかもあの時よりも装備がゴツくなっている。

 

「アババババ・・・・」

 

「オ、オイドウシタ?」

 

 隣にいたル級が声を掛けてきたがもはやヲ級の耳に届いてはいなかった。そんな状態の彼女のとった選択は・・・

 

「キュウ・・・」

 

 気絶である。

 

 

 

 

 

 開幕航空戦をして会敵したのだがボスのヲ級が俺を見た途端気絶しやがった。失礼なやっちゃ。

 

「ファッ!?」

 

「クッ!旗艦ガ倒レタ!!退クゾ!!」

 

 そしてなし崩し的に戦闘が終わってしまった。わけわかめだわ。

 

「ええっと・・・?」

 

「勝ち・・・でいいのかしら」

 

「ええ・・・」

 

 なんだこの不完全燃焼。

 

「そういえばあのヲ級、時雨さんを見て気絶してましたよね。なにかしたんですか?」

 

「人聞きの悪い子言わないでよ雪風ちゃん。あのヲ級になにかした記憶なんかないよ。第一段階の作戦でヲ級を勢いでボコボコにしたくらいだよ」

 

(あのヲ級がそのボコボコにされたやつなんじゃあ・・・)

 

「と、とにかく帰りましょうか」

 

 

 

 

 

「ええ・・・では今作戦の完遂を祝って、乾杯!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 待ちに待った打ち上げが始まった。ちなみにさっきの事を提督に報告すると俺に何をしたんだという目を向けてきた。解せぬ。

 

「時雨さん!隣良いですか?」

 

「ん?雪風ちゃんじゃないか。別に構わないよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 珍しいな。雪風が来るなんて。

 

「で、どうしたの?」

 

「お話ししましょう!!」

 

 お、おう。せやな。

 

 

 

 

 

 雪風と話をしている時に酔っ払いどもがちょっと暴れるというトラブルがあったのだが流石は幸運艦。俺一人なら飛んでくるが当たらないなのに彼女が近くにいると何も飛んでこなかった。ちなみに扶桑たち不幸組は普通に当たっていて切れた姉妹もしくは本人の手によって取り押さえられていた。

 

「さあ、もういい時間だから駆逐艦は部屋に戻って寝るんだ」

 

 提督の鶴の一声で俺たち駆逐艦は部屋に戻っていく。俺も部屋に戻って寝る支度をする。

 

「久しぶりに部屋に帰ってきた気がする」

 

 働きっぱなしだったからなー。向こうで何度も寝る羽目になったもの。

 

「あ、時雨姉さん」

 

「ん?どうしたの五月雨」

 

「ちょっとお願いが・・・」

 

 

 

 

 

「お願いって添い寝でいいの?」

 

「はい。これでいいんです」

 

 五月雨ってたまにすごい甘えてくるんだよね。可愛いからなんでもいいけど・・・って・・・

 

「なんで抱きついて来るの?」

 

「ちょっとこうしていたいなって・・・ダメですか?」

 

 むしろウェルカムですが何か?それにしても潤んだ目で更に上目遣いか。

 

「・・・五月雨は可愛いなあ」

 

「え?」

 

「あ」

 

 声に出てた・・・やべえ。

 

「えっと・・・///」

 

「ハイハイ、そろそろ電気消すわよー(口ん中が甘ったるくてしょうがないわ)」

 

「おやすみなさいっぽいー(コーヒー豆ごと食べたいっぽい)」

 

「お、おやすみなさい」

 

「おやすみなさい・・・///」

 

 

 

 

 

 電気を消してから三十分。私以外の三人の寝息が聞こえてきます。

 

「時雨姉さん、起きてますか?」

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「寝てますね」

 

 私は時雨姉さんが寝ているのを確認すると私は顔を近づけて・・・

 

 チュッ

 

「私、時雨姉さんが助けに来てくれた時、すっごく嬉しかったんです。そして改めて感じました。あぁ、私はこの人が本当に好きなんだなって」

 

 今私はこんな事を言ってますけど顔が赤いのが自分でもわかります。ちょっとカッコ悪いですね。

 

「口にするのは他の人に悪いので今回は頬にしましたけど、次キスする時は堂々と口に出来るような関係になってみせますからね」

 

 さあそろそろ寝ないと明日に響いちゃいます。

 

「おやすみなさい」

 

 

 

 

 

「ヤット傷ガ治ッタワ」

 

「ア、姫様!オ疲レ様デス!」

 

「オ疲レ。ッテ貴女達出撃シテタンジャナイノ?」

 

「ソレガ、旗艦ガ敵ノ駆逐艦ヲ見タ途端泡ヲ吹イテ気絶シマシテ・・・」

 

「・・・モシカシテ厳ツイ装備シテナカッタ?」

 

「シテマシタ」

 

(貴女モ被害者ダッタノネ・・・)




後書きなんですが、実は私先日ペンタブを買いました。
もしかしたら挿絵をふっと入れるかもしれません。
その時はサブタイトルに「※」を付けて表示すると思います。

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