時雨転生史   作:航空戦艦山城

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はい、なんとか書き上げました。
ホントは連休中に上げたかったんですけど地味に過ぎちゃいましたね。
来週から半年間は会社の研修で地元を離れないといけないので、投稿スピードが更に落ちるかもしれません。
でも、しっかり上げていきますので、応援してください。
それと、今回場面の切り替わりの時の改行を増やしてみました。多少は見やすくなったかと思います。
他にもなにかあればコメントしてください。(露骨なコメ稼ぎ)
最後に、今回色々酷いです。


第11話 白露型と戦艦棲姫と新装備と

 やあみんな。・・・って今はこんな挨拶してる場合じゃないんだよな。俺たちは戦艦棲姫に襲われているという偵察部隊の救援のために大人数で出撃している。複数の方向から救援に向かったり、退路の確保の為に後方で敵と撃破していたり様々だ。

 

「長門さん。偵察部隊とはどのくらい離れてるの?」

 

「ここから大体三十分くらいだ」

 

「遠いね」

 

『時雨さん、聞こえますか?』

 

 と、明石さんから通信か。装備でなにかあるのか?

 

「こちら時雨。明石さん?どうかした?」

 

『出来てなかった装備の説明をしようかと思いましてね』

 

 あ、そうだった。説明をしてもらおうと思ったら緊急通信が入ったんだったな。

 

「そうだったね。じゃあお願いするよ」

 

『はい。まず最初に、今時雨さんの艤装の背面に付いてますよね?』

 

「そうだね。これをどうやって装備するの?」

 

『そうですね。まあ念じたら動きますので』

 

「え?念じたらいいの?」

 

『そうですよ。時雨さん使えないから知らないかもしれないですけど基本艤装って念じるかトリガーを引いて撃ちますから』

 

「あ、そうだったんだ。じゃあ早速」

 

 念じてみたら確かに背後から機械音がして左腕に自動で装着されていく。

 

「おお、これは便利だね」

 

『まあそうですねー。で、肝心の武装の説明なんですが、先ずはパイルバンカーからですね』

 

「お願いね」

 

『はい。まあ使い方としては念じてもいいですし、グリップがあるのでそれを握ってトリガーを引けば発動します。ただし、注意点としてはこの装備は時雨さんの艤装の主機から出る熱をエネルギーにしてるんですけど、撃つ瞬間にさらに熱を使うのでその分燃料を使いますし、その後排熱の為にスピードが出ないかと思います。そして、その後も熱のチャージの為に暫くは撃つ事が出来ません。大体十分くらいですかね。その間は使えませんので』

 

「なるほどね。使い所を考えないといけないのか」

 

『次にヒートクローです。こっちは主機の熱を使って敵を焼き斬るんですが、あまりに高熱にしなければいけないので熱を倍増させる装置を開発して取り付けました』

 

「え?ナチュラルに言ってるけどそんな物作ったの?」

 

『これくらいしかまともなの無かったんですよ。んで、そのおかげで使用後のチャージ時間も短縮されて、こちらも大体十分くらいで再使用可能です』

 

「あれ?それをパイルバンカーに取り付けることは出来なかったの?」

 

『しようと思ったんですけどそれやると無駄に大きくなるんですよねー』

 

「ああ・・・」

 

『で、こちらの使い方は念じるだけです。焼き斬る時も念じればいいです。挟んで焼き斬るって念じればいいと思いますよ。・・・説明は以上です』

 

「了解。ありがとう。助かったよ」

 

『いえいえー。では、ご武運を』

 

 さて、聞くことも聞けたし先を急ごうか。敵が出て来てもこいつは温存だな。

 

「艦載機から入電!『我、敵艦隊ト交戦中ノ友軍部隊を確認セリ!』」

 

「了解飛龍さん!」

 

 

「あ、そういえば長門さん」

 

「なんだ?」

 

「そういえば偵察部隊って誰が出てるの?」

 

「なに?聞いてないのか?ていうか知っていてその落ち着きようなのかと思っていたぞ。偵察部隊は・・・」

 

「あ!戦艦棲姫の砲撃で誰か吹き飛ばされた!あの娘は・・・」

 

「白露型姉妹なんだ」

 

「五月雨ちゃんだわ!」

 

「は?」

 

 その時俺の中でなにかが弾けた気がした。

 

 

 

 

 

 ーー先ほどの会話の少し前ーー

 

 みなさんこんにちわ。五月雨です。時雨姉さんを除いた私たち姉妹は前線基地確保の為に敵の戦力を測る任務についていました。でもまさか、こんな敵がいるだなんて思っていませんでした・・・

 

「きゃあ!」

 

「春雨!」

 

「ま、まだいけます!」

 

「大破してるくせにバカ言わないの!退きなさい!」

 

「いやあ、村雨ぇ?やっこさんは逃がしてくれそうにないぜい?」

 

 その言葉を聞いて視線を戻すと気味の悪い笑みで私たちを見下している戦艦棲姫がいました。

 

「フフフ・・・」

 

「雑談してる暇なんて無いよ!各員被害報告!」

 

「村雨中破!だけど戦闘に支障はないわ!」

 

「こちら夕立・・・大破手前の中破っぽい・・・」

 

「春雨大破です・・・」

 

「五月雨中破手前の小破です!」

 

「涼風は小破ですんでるよ」

 

「了解。鎮守府に緊急通信入れたからすぐに援軍が来てくれるはずだからみんなしっかり避けてね!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 白露姉さんの指揮のもと、味方の到着までとにかく回避優先で戦っていたのですがやはり私を含めてみんなダメージを受けているので、完全に回避しきる事が出来ず、かする事が多いです。

 

「チョコマカト・・・以外ト元気ジャナイノ」

 

「舐めないでよ!これでも白露たち五人で修羅場を潜ってきてるんだから!」

 

「むしろこの程度、簡単すぎてあくびが出そうってえもんさ!」

 

「涼風ちゃん余計な事を言わないほうが・・・」

 

「フフフ・・・ナラ、退屈サセナイヨウニ、ソウネ・・・アノ大破シタピンク頭を集中的ニ狙ッテミヨウカシラ?」

 

「!?」

 

 そう言って戦艦棲姫は主砲を春雨姉さんに向けて、砲撃しました。このままでは春雨姉さんがやられちゃいます!

 

「春雨姉さん!危ない!」

 

「きゃっ!?」

 

 気がつくと私は春雨姉さんを突き飛ばしてました。そして戦艦の、それも姫級の砲撃が私の近くに着弾し、爆発しました。

 

「きゃああ!!」

 

「五月雨!」

 

 爆発の余波で吹き飛ばされた私は何度か海面を跳ね、暫く動く事が出来そうにありません。直撃でないのにこんなにダメージを受けるだなんて・・・

 

「アラアラ、自分カラ受ケニ来ルダナンテ、イイ趣味シテルジャナイ」

 

「ぐっ・・・!」

 

 戦艦棲姫はゆっくりと私に近づいて来ました。

 

「ジャア折角ダシ、最後ハ砲弾ジャナクテ直接叩キ潰シテアゲルワ」

 

「五月雨から離れて!!」

 

 姉さんたちが必死に私に近づけないように撃っているようですが対して効いていないようです。

 

「ソンナ豆鉄砲ジャア効カナイワヨ。サテ、沈ンデモラオウカシラ」

 

 とうとう時間切れみたいです。戦艦棲姫の後ろに控えている大きい艤装の腕が振り上げられていきます。ああ・・・最後に時雨姉さんに会いたかったな・・・

 

「サヨウナラ」

 

「五月雨ぇぇぇ!!」

 

 ズガァァン!!

 

 ・・・?なにも起きてない?不思議に思って戦艦棲姫の方を見るとなにかハサミのような物で艤装の腕を挟み込んでいる人がいました。それは・・・

 

「え?」

 

「ナニ?」

 

「時雨姉・・・さん?」

 

「間に合ったみたいだな」

 

 私の大好きな時雨姉さんでした。

 

 

 

 

 

 飛龍さんからの報告を聞いた瞬間、俺は一緒にいた艦隊の仲間を振り切って全速力で向かった。その甲斐あって、ギリギリ間に合う事が出来たようだ。

 

「姉さん?口調・・・」

 

「すまんね。話は後だ」

 

 口調に関しては俺もよくわからんから軽く流して戦艦棲姫の方を見る。だが奴は掴んだ瞬間驚いた顔をしていたがもう既に余裕の表情に戻っていた。

 

「ネエ。コレ外シテクレナイカシラ?早クシテクレナイト手ガ滑ッテ砲撃シチャイソウ」

 

「離しても離さなくても砲撃するつもりの癖になにを抜かしてんだてめえは。それに、言われなくても腕くらい離してやるよ」

 

 そう言った直後に俺はヒートクローに命じた。『焼き斬れ』と。

 

「ギャアァアアァァア!!??」

 

 おや?俺はデカブツの腕を落としたんだがな。デカブツも本体も痛がっているところを見ると感覚は共有しているらしいな。これは好都合。

 

「白露姉さん!今の内にみんなを連れて逃げろ!向こうに長門さんたちがいる!」

 

 パイルバンカーを収納しながら言うと白露がそれに待ったをかけた。

 

「時雨を一人に出来るわけないじゃない!白露も・・・」

 

「嬉しいけど、みんなボロボロだし燃料も弾薬も無いんだろ?俺は大丈夫だから」

 

「白露。時雨の言う通りだよ。大破艦が二人もいるしあたいたちも中破してないとはいえ、もう戦えるほどの弾薬なんて無いんだ。他の艦娘も来てるみたいだし、あたいたちは退くべきだよ」

 

「・・・ごめん。頭に血が上ってたみたい」

 

「気にしなさんなって。じゃあ、村雨と夕立は春雨を。あたいと白露で五月雨を曳航するよ!」

 

「うう・・・すみません・・・」

 

「気にしないで。とにかく離れるわよ」

 

「時雨お姉ちゃん!沈んだりしたら許さないっぽい!」

 

「沈むかよー。気楽に待ってな」

 

 さて、みんなは行ったな。向こうもやっと落ち着いたのか忌々しい物を見るような顔をしている。

 

「オノレェェ!ヨクモォ!」

 

「うっせえんだよ。人の家族に手ぇ出したんだ。手前がやられる覚悟くらい出来てんだろ?」

 

 そう言い終わると同時に俺は本体の方に飛び掛った。

 

「その綺麗な顔を吹っ飛ばしてやるぜ!」

 

「グ!?」

 

 顔を狙って蹴りを入れたのだがギリギリでガードされてしまった。意外と反応速度あるな。

 

「っち、ガードしたか・・・ってうお!?」

 

「グオオオ!!」

 

 もう一体が厄介だな。片腕を落としたがそれでももう片方があるからな。それに加えて砲撃も出来る。

 

「なら・・・!!」

 

 デカブツをなんとか出来るか!

 

「おら!!」

 

 あ、硬い。

 

「グオオ!!」

 

「でも動作がデカイ!」

 

 掴もうとしているのだろう伸びてきた腕をジャンプして躱し、そのまま腕に飛び乗って駆け上がる。片腕が無いのを忘れていたのだろう。無い腕を使おうとしてすぐ気付いたようだが十分隙が出来た。

 

「爆雷を食らえ!」

 

 両手で掴めるだけ掴んで顔に投げる。どうせダメージなんて無いだろうが目的はそんなんじゃあない。

 

「ソンナ物ジャア傷一ツツカナイワヨ!」

 

「そうだね」

 

「ナッ!?コ、コッチニキタ!?」

 

 デカブツが怯んでる間に出来るだけ本体に攻撃する事が目的なのさ。

 

「トマホーク!」

 

「グッ!オノレ!」

 

 ぬぐぐ、浅かったか。だったらこのままコンボだ!

 

「目だ!耳だ!鼻!」※言ってるだけで狙ってる場所は違います

 

「グッ!ガッ!イ、言ッテル場所ト狙ッテル場所ガ違ウ!」

 

 まあ頭は高い位置にあるからボディを執拗に狙ってるわけなんだが、仕方ないね。蹴りを入れたりトマホークで斬りつけたりしていると艤装も俺に攻撃してきた。

 

「グオオオ!!!」

 

 このままだと食らってしまうが問題無い。何故なら・・・

 

「艦隊、この長門に続け!全砲門斉射!撃ぇぇ!!」

 

「グオオオ!?」

 

 長門さんたちが到着したからだ。

 

「ッチ!忌々シイ!出テ来ナサイ!」

 

 奴がそう言うとどこからともなく、まあ海の中からなんだが、イ級などの駆逐艦が大量に出て来た。いるんなら最初から出せよ。

 

「おっと、このままじゃあ面倒だな。でもまあそれは」

 

「うわ、めっちゃ出て来た。面倒そうだな。でもまあそれは」

 

「全砲門、Fire!」

 

「「私たち(長門さんたち)だけならな」」

 

「ナンダト!?」

 

 金剛さんたちも来てくれた。これで負ける要素は無いな。

 

「新兵器のお披露目だ!」

 

 蹴りで戦艦棲姫の防御を崩し、ヒートクローで胴体を拘束する。

 

「よーし、いい子にしなさい。戦艦棲姫!」

 

「グッ!コノ!!離セ!」

 

「あくまで駄々をこねるんだね!お嬢さん!!」

 

 ギリ・・・

 

「ウグッ・・・!」

 

「ばいばい!戦艦棲姫!」

 

 トリガーを引いてパイルを射出させる!

 

「ノット・・・バスタァァァ!!」

 

 ズドン!!

 

「ゴフッ!?」

 

 バキ!!

 

「あ」

 

 クローが壊れた!?調整不足か・・・どてっ腹に風穴を開けたけど威力は逃げたよなあ。それにしても結構吹っ飛ぶね。

 

「グフッ・・・コ、コノォ・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

「諦めろ。もうてめえしか残ってないぞ」

 

「フフフ・・・ガフッ!・・・ソノヨウネ・・・ココハ・・・退カセテモラウワ」

 

 そう言ってデカブツと本体が海に消えていく。

 

「あ!待て!」

 

「貴様ノ顔、覚エタワヨ・・・!次ニ会ウ時ガ楽シミダワ」

 

 

 

 

 

「まあ逃したのは惜しいが、結果オーライだ。次で倒せばいい」

 

「・・・ハア、そうだね」

 

「口調・・・」

 

「ん?」

 

「いや、なんでもない」

 

「Hey長門ー!時雨ちゃーん!こっち来るネー!」

 

「?どうした金剛。騒がしいな」

 

「Newfaceが登場したヨー!」

 

「にゅーふぇいす?」

 

「ドロップか。誰だ?」

 

 あ、ドロップの事ね。この世界だとかぶりってどうするんだろう。

 

「朝潮型駆逐艦朝雲よ!どうぞよろしく!」

 

「ファッ!?」

 

 朝雲!?朝雲ナンデ!?

 

「?どうしたのよ」

 

「さあ?どうした時雨」

 

「え!?あなた時雨なの!?うわあ!久しぶりぃ!」

 

「ひ、久しぶり」

 

 なお、この後朝雲の紹介をした時に西村艦隊勢がガッツポーズをしていたのは見なかった事にする。

 

 

 

 

 

「おう、かなり無茶したみたいだな?」

 

「やあ提督。白露姉さんたちは?」

 

「一応大事をとって今日は医務室で一日入院だ。もう寝てるから見舞いは明日行ってくれ」

 

「了解」

 

「それにしても、あれ壊れたんだって?」

 

「まあ試験稼働も無しでいきなり実戦投入だからね。明石さんも笑顔なんだけど顔真っ青になってたよ」

 

「うわー・・・てか、資材とかどうなるんだ?」

 

「それはル級の艤装があるから大丈夫。最悪またル級を狩ればいいし」

 

「お前が言うと洒落にならんわ。ま、お前が戦艦棲姫を追い払ってくれたおかげで、前線基地確保はなんとかなりそうだ」

 

「その代償で姉妹がひどい目にあったんだけどね」

 

「その節はすまん」

 

「いいよ。一人も欠けてないんだし」

 

「あ、提督ここにいらしたのですね」

 

「ん?どうした扶桑」

 

「こんばんわ。扶桑」

 

「こんばんわ。提督、今日中の書類が急遽入りまして・・・」

 

「嘘だろ・・・時間を考えろよ大本営・・・」

 

「僕もなにか手伝おうか?」

 

「お前は二回も出撃してるんだ。もう休め」

 

「大丈夫よ。書類も少ないからすぐ終わるわ」

 

「そうかい?それならお言葉に甘えさせてもらうよ」

 

「あ、そうそう。今日部屋で一人じゃない?せっかくだし、私と山城の部屋で泊まっていって頂戴」

 

「いいのかい?」

 

「もちろん。あの娘も喜ぶわ」

 

「了解。じゃあお邪魔させてもらうね。お疲れ様」

 

「お疲れ様」

 

「お疲れ」

 

 扶桑と山城の部屋は和室系で布団で寝たんだが、寝る時に仕事が終わった扶桑と山城の布団を繋げて二人の間に挟まって寝る羽目になりました。柔らかくて、暖かくて、いい匂いでした。

 

 

 

 

 

「マサカ・・・駆逐艦ニココマデヤラレルトハネ・・・」

 

「ウワ、姫様大丈夫デスカ?」

 

「全然。アラ?アナタナニ読ンデイルノ?」

 

「ヲ?コレハ波ニ流サレテタノヲ拾ッタンデスケドワケワカンナイデスヨ?」

 

「悪インダケド、チョット見セテクレル?」

 

「イイデスヨ」

 

「アリガト。フンフン。『僕が考えた最強の装備』・・・随分ト頭ノ悪イタイトルネ」

 

 

 

 

 

「『MASS BLADE(マスブレード)』ネー・・・」




どうでしたかね?
無理やりな内容だしネタが多くてごめんなさい。
スパロボやってたら大体伝わります。(多分)
後、作者はACは未プレイです。PSとか家にあるの2ですよ。
VITAに来たら小躍りしながら買います。
ラストのノットバスターは最初から予定に入ってたのですが、ロジャーさんは書き上げる二日前にビッグオーの一話を見た時に謎の使命感に駆られました。
後悔も反省もしてません。
とても満足しました。
では、これで失礼させていただきます。

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