時雨転生史   作:航空戦艦山城

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やっと更新出来た。
今回は戦闘は無いです。
次回から戦闘が入りますかね。


第9話 休日は遊びとティータイム。なかなか充実した一日だった

 ーー前回から数日後ーー

 

 

 やあみんな。今日は俺に割り当てられた週に一回だけの休日だ。この前の休みみたいに姉妹と休みが被っているわけではなく、姉妹全員仕事で海に出ている。ちなみに以前提督にうちの姉妹の仕事について聞いた事がある。俺と初めて邂逅した時もそうだったが姉妹で一艦隊を組んでいる。現在も俺以外の全員で艦隊を組んでいる。これは提督曰く、

 

「あいつらは未解放海域などの攻略前の威力偵察部隊だな」

 

 との事で、どうやらあの六人は提督が着任してから最初期に来た艦娘らしい。春雨が最初期からいるのか!?と思って着任の経緯を聞いてみたら五月雨は初期艦、春雨は提督が着任して間もない頃に行われた大規模作戦で、雑魚の掃討をしていた時にいつの間にかいたらしい。早い話がドロップだな。周りの提督から血涙を流して羨ましがられたらしい。その他の姉妹は鎮守府の正面海域ドロップしたり建造で出たりしたらしい。

 

「まさか五月雨が初期艦だったなんて思わなかったよ」

 

「ああ。最初はあいつと二人三脚だったよ。いろいろ面白おかしな事があったものだ(遠い目)」

 

「あ・・・(察し)」

 

 んで、ある程度人数が揃った頃に改めて他の艦娘の適性を見て秘書艦を決めた時に扶桑に秘書艦の仕事を任せる事になったらしい。

 

 

 んで、現在。なにもする事が思い付かず、訓練でもしようかと思ったが、今日は金剛からティータイムに呼ばれてるんだよな。一昨日いきなり金剛が

 

「ヘーイ時雨!明後日の三時に私たちの部屋で紅茶を飲むから誘いに来たデース!」

 

 なんて言いながら執務室に入って来たからビックリした。まあ勿論OKしたんだが。だから訓練するにしても程々にしておかないと。なんて思ってると鎮守府の廊下を歩いていると外の広場からはしゃぎ声が聞こえてきたので外に出てみると向こうから電が走ってくるのが見えた。電もこちらに気が付いたのか笑顔でやって来た。

 

「あ!時雨さんおはようなのです!」

 

「おはよう電ちゃん。みんなで遊んでるの?」

 

「はいなのです!今は鬼ごっこをしてるのです!時雨さんもどうですか?」

 

 鬼ごっこか・・・やったのは小学生以来だな。

 

「んー、せっかくだし混ぜてもらおうかな」

 

「了解なのです!みんなを集めるので待っててくださいなのです!」

 

 と言って電は走り去っていき、二分ほどして数人の駆逐艦を連れて来た。

 

「時雨さん、お待たせしたのです」

 

「あら!代理秘書じゃない!おはよう!」

 

「Доброе утро(ドーブラエ ウートラ)」

 

「代理秘書さん、御機嫌ようなのです」

 

「時雨さん!おはよーございます!」

 

「時雨ちゃんおはようだっぴょん!」

 

「時雨じゃん!おはよう!」

 

「おはよう・・・ございます」

 

「おはよう。雷ちゃん、響ちゃん、暁ちゃん、雪風ちゃん、卯月ちゃん、皐月ちゃん、弥生ちゃん」

 

 俺含めると九人か。第六駆逐隊と睦月型しかいないな。雪風は陽炎型だけど。弥生は正直意外だったけどやっぱり遊び盛りなのかしらね。

 

「む、暁はレディなんだからちゃん付けで呼ばないで欲しいものだわ!プンプン!」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

 リアルでプンプン言う娘初めて見たな。そう思っていると電が

 

「じゃあ早速じゃんけんするのです!」

 

 と話を進めてくれたので早速じゃんけんに移る。

 

「「「「「「「「「さーいしょーはグー!」」」」」」」」」

 

 

「まあ僕と雪風ちゃんは勝つのわかってた」

 

「どうかしたんですか?」

 

「んー?なんでもないよ。それにしてもなんというか・・・」

 

 負けて鬼になったのはよりにもよって卯月か・・・

 

「嫌ーな予感がするな」

 

「じゃあ十数えるっぴょーん!」

 

「時雨さん、早く逃げるのです!」

 

「そうだね。因みに範囲ってこの広場内だよね?」

 

「そうだよ。広場の外と建物内、それと海は範囲外かなー」

 

「それと・・・最後にあの娘の姉として一つ」

 

「?」

 

「卯月は・・・きっと貴女を最初に狙って来る」

 

「だろうね。獲物を見るような視線受けたもん」

 

「じゃあ・・・頑張って」

 

「代理秘書も早く逃げないと捕まるわよ?卯月ちゃん意外と足速いから」

 

「足に関しては自信ある方だよ」

 

「きゅー・・・じゅ!行くっぴょん!目標は時雨ちゃんだっぴょん!」

 

「やっぱり僕か。さて、逃げないと」

 

「あ、そうだ。言い忘れたけどそこら中に罠張られてるから気をつけてね」

 

「罠って言っても足を引っ掛けるくらいでしょ?それくらいならなんとも・・・」

 

 ズボッ!

 

「ファッ!?」

 

 落とし穴!?何時から仕掛けてたんだよ!?歩幅が少しあったから咄嗟に向かいの淵を掴む事が出来たが結構深いじゃねえか!俺の身長と頭一つ分深いぞこれ!幸い喋りながらも距離を離していたのと日頃から鍛えていたので追いつかれる前に復帰する事が出来た。

 

「あっっぶなぁ・・・」

 

「まさか突破するとは思わなかったぴょん!でもまだまだ罠は沢山あるっぴょん!」

 

「ホントに油断してたよ。でも間単には捕まらないよ!」

 

 その後は逃げようとした先にテープを張られていたりよく漫画とかでも見る木の根元に網が仕掛けられたりと絶対短時間に仕掛けられなさそうな罠が豊富に出て来たがどれもギリギリ躱す事が出来、逃げられていたが遂に壁に囲まれた場所まで追い込まれてしまった。多分誘導されたんだろうな。

 

「ふー、ふー、もう逃がさないっぴょん・・・」

 

「あんな量を仕掛けてるなんて思わなかったよ」

 

「なんで全然疲れてないんだっぴょん!」

 

「鍛えてるからね」

 

「納得いかないっぴょーん!」

 

「はわわ、追い詰められてるのです!」

 

「でも追い詰めた方が疲れてて追い詰められた方は余裕そうだけど」

 

「なに呑気な事言ってるのよ!代理秘書さんが捕まっちゃうわよ!?ー」

 

「と言ってももうどうしようもなくない?」

 

「助けに行きましょうよ!」

 

「そんな事したら卯月に捕まっちゃうよ?」

 

「おお、勇者時雨よ。こんなところで死んでしまうとは情けない」

 

「響はなに言ってるの?」

 

 呑気に覗いてるけどあの娘らは逃げなくていいのかね。てか、俺が捕まる前提みたいだが舐めてもらっては困る。

 

「さて、もう観念するっぴょん!お前はもう完全に包囲されているっぴょん!」

 

「そうだね。左右と後ろは壁で前は卯月ちゃんに阻まれてるから普通に逃げる事は出来ないね。でも・・・」

 

  「?」

 

「上なら空いてるよ」

 

 鍛え上げた脚力を活かして壁蹴りをして上へ上り、呆然としている卯月の後ろに綺麗に着地し、何事も無かったかのように走り出す。電達も呆然としていたようだが少ししてから・・・

 

「・・・は!?に、逃げられたっぴょん!?ま、待てっぴょーん!」

 

「うわ!?こっち来た!逃げろ!」

 

 

「ふーむ、ちょっと本気出し過ぎたかな?」

 

 ある程度離れたところから観察しているとみんな急いで逃げているのがわかる。ボチボチ俺も逃げようかと思ったがあれは・・・

 

 

「みんな楽しそうだなー・・・」

 

 私は島風。速さならどんな娘にだって負けない自信があります!速きこと、島風の如し、です!とは言ったものの、ここに着任してからまともに友達が出来たことが無いんです・・・みんな姉妹がいたりしてて私が入る余地が無いというか・・・任務中とかなら多少話す事もあったりするんだけど、休日は大体一人になっちゃうの。

 

「や、おはよう」

 

「おうっ!?」

 

 

「おうっ!?」

 

「うわっ!?びっくりしたじゃないか」

 

「びっくりしたのはこっちなんだけど!」

 

 やはりあの見覚えのあるバニーっぽいリボンは島風だったか。いったい何人がこの娘の為に提督になったのかね。

 

「ところで、こんなところでなにしてるの?」

 

 まあ聞かなくてもなんとなくわかっているんだがね。

 

「あ、貴女には関係無いでしょ!」

 

「んー、さしずめみんなと遊びたいけど切り出し方がわからないし、そもそも自分の入る余地が無いとか思ってる?」

 

「なんでわかるのよ!?・・・あ」

 

 まあ予想出来てました。にしてもつい認めちゃうとはおっちょこちょいね。まあ当たってたのならやる事は一つ。

 

「まあなんでかって聞かれるとなんとなくとしか言えないんだけどね。じゃあ行こっか」

 

「え?ちょっ!まって!なんで手掴んでんの!?なんで連れて行こうとしてんの!?」

 

「そりゃあ一緒に遊ぶ為に決まってるじゃないか」

 

「いやいやいや!いい!いいから!」

 

「いいって事はOKなんだね。よかった」

 

「そっちじゃな〜い!」

 

 

「みんな〜!ちょっといいかな〜!」

 

「ん?どうしたのですか?」

 

「あれ?島風ちゃんじゃないですか。おはようございます」

 

「お、おはよう」

 

「元気無いわね。そんなんじゃダメよ」

 

「なになにー?島風ちゃんもやる?鬼ごっこ」

 

「い、いや、島風は・・・それに迷惑じゃない?いきなり入って来て」

 

「僕はなんともないけど・・・みんなは?」

 

「人数が増えるのは大歓迎っぴょん!」

 

「弥生も・・・文句は無い」

 

「もちろん暁も響も構わないわ!」

 

「まあ確かに問題無いんだけど私にも喋らせてくれないかな」

 

「電も大歓迎なのです!」

 

「島風ちゃんも一緒に遊びましょう!」

 

「ほら。みんなOKって言ってるし、一緒に遊ぼうじゃないか」

 

「むぐ・・・わかったわよ!遊ぶわよ!遊べばいいんでしょ!」

 

「Good!じゃあまたじゃんけんしよっか」

 

 

「うーんこれは・・・」

 

「絶対に捕まえてやる」

 

「鬼は島風ちゃんなのです」

 

「最初に誰狙うか容易に想定出来るんだよなぁ」

 

「じゃあ十数えたら追いかけて来るのよ」

 

「わかったわ。じゃあ数えるわよ」

 

「さてどうするか」

 

「そういえば島風ちゃんって足速かったよね。ヤバくない?」

 

「大丈夫だよ。多分私たちは標的にならないから」

 

「?それってどういう・・・」

 

「・・・・・九・・・十。よし!そこを動くなあぁぁ!」

 

 やっぱりこっちに来たし!

 

「逃ぃげるんだよぉ!スモーキー!」

 

「スモーキーって誰よ!」

 

「ね?」

 

「ああ・・・なるほど」

 

 

「ゼー・・・ゼー・・・貴女なんでそんなに速いのよ・・・」

 

「そうだなー・・・毎日走り込みをしてるからかな」

 

「てかなんで息上がってないのよ腹立つわね・・・」

 

「うーちゃんと同じ事言ってるっぴょん」

 

「おーい!もうお昼だからご飯食べに行こうよー」

 

「そっか、もうこんな時間か・・・動ける?」

 

「無理・・・しばらく動きたくない」

 

 まああんだけ走ったら疲れるだろうね。しゃーない。お兄さんが一肌脱ぎましょうか。

 

「しょうがないな。よいしょ」

 

「え!?ちょっ!」

 

「おお!?」

 

「Χорошо。お姫様抱っことはやるじゃないか」

 

「はわわ!」

 

「おんぶでいいと思うんだけど・・・」

 

(かっこいい・・・)ポー

 

「暁ちゃん?どうしたんですか?」

 

「気にしなくて・・・いいと思うよ」

 

「男前だっぴょん」

 

「みんななにコソコソ話してるの?」

 

「「「「「「「なんでもない(ぴょん)」」」」」」」

 

「・・・」ポー

 

「?」

 

「降ーろーしーてー!」

 

 

 お、俺たちが一番乗りだったのかな?誰もいない

 

「食堂に着いたけど島風ちゃんはなに食べる?」

 

「ざるうどんで」(降ろしてもらうのは諦めた)

 

「あ、島風ちゃんと代理秘書の分は私たちが取って来てあげるわよ」

 

「なのです」

 

「そう?じゃあお願いしてもいいかな」

 

「もっちろん!もーっと頼っていいのよ!で、なに食べるの?」

 

「島風ちゃんはざるうどんで、僕は鯖の味噌煮定食かな」

 

「りょーかい!んじゃあ待っててね」

 

「はーい。・・・それにしても殆ど料理を貰いに行ってない気がする」

 

「なんか言った?てか早く席連れてってよ。人に見られたくないし」

 

「なんでもないよ。あそこにしようか」

 

 

 ボチボチ人が増えてきた頃でみんなが料理を持って

 

「お待たせだっぴょん」

 

「待たせたね」

 

「お帰り」

 

「はいこれざるうどん」

 

「ありがと」

 

「定食なのです」

 

「ありがとう」

 

「あ、弥生。その蕎麦一口頂戴」

 

「皐月の唐揚げ一つと交換なら」

 

「むー、わかったよ」

 

「暁ちゃん親子丼大盛りなんて大丈夫なんですか?」

 

「レディならこのくらい食べれるわよ」

 

「へ、へー」

 

 

「ふー、美味しかった」

 

「食べるのおっそーい」

 

「そりゃうどんよりは食べるの遅いよ」

 

「暁ちゃん大丈夫ですか?」

 

「レ・・・レディだからこんなの余裕よ・・・うっぷ・・・」

 

(だから雪風大丈夫か聞いたのに・・・)

 

「あ、暁ちゃんその親子丼ちょっと頂戴」

 

「え?まだ食べるのかっぴょん?」

 

「ホントはそんなつもり無かったんだけど落ち着いたら凄いお腹空いてさ。うどんじゃ足りなかったの」

 

「じゃ、じゃあはいこれ」

 

「ありがとー」

 

「そういえば代理秘書はこの後用事あったりする?」

 

「そうだね。三時に金剛たちにティータイムに呼ばれてるかな」

 

「!?金剛さんたちとティータイムに呼ばれ・・・うっぷ・・・」

 

「はいお水」

 

「あ、ありがと」

 

「そっかー、この後も遊ぼうかと思ったんだけど無理かしら?」

 

「そうだね。途中で抜けるかもだけどそれでいいなら」

 

「決まりね。まあなにして遊ぶかは決めてないんだけどね」

 

「決めてないのか・・・て、島風ちゃん頬にご飯粒付いてる」

 

「え!?嘘!?どこ!?」

 

「嘘なんか付く訳ないじゃないか全く・・・動かないで。取ってあげる」ひょい

 

「あ、ありがと「ん・・・」パクッ

 

「・・・え?」

 

「さすがは間宮さんと伊良湖さんだ。ご飯一粒にまで味が染みてる」

 

「え〜〜!?///」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

「Χорошо。さすがだよ。私の期待通りに動いてくれる」

 

「響ちゃん?」

 

「あああ貴女なにしてんの!///」

 

「え?なにってご飯粒食べたんだけど・・・もしかしてそういうの無理だった?」

 

「いや・・・そういうんじゃなくて・・・もういい」

 

「?」

 

「Χорошо。無自覚とはさらに好都合。秋雲に良い逸材が来たと伝えておかなくては」

 

「ひ、響?」

 

 

 さて、なにを間違ったのかわからんが島風が食べ終わってからずっと調子がおかしい。食べ終わって一休みしてからまた遊び始めたのだが何故か俺を狙ってくる。まあ全部あしらったからいいんだが。で、約束の三時が近づいてきたのでみんなに断りを入れて金剛たちの元に向かう事にした。島風が

 

「適当にあしらわれててムカつくぅ!ムキー!」

 

 なんて叫ぶので

 

「みっともないからそんな声出さないの。猿みたいだよ?」

 

 と注意するとまた怒りだしたのでとっとと退散する事に。島風弄るの楽しいな。

 

 

 戦艦寮の金剛の部屋に着いた。扉をノックしようとするが、その前に扉が開き、金剛が出て来た。

 

「時雨じゃないデスか!ちょうど呼びに行こうかと思ってたところデース!」

 

「やあ金剛。今日はお招きいただき感謝するよ。それはタイミングが良かったね。遅れるわけにもいかないからと思って少し早めに出たんだけど」

 

 

「少し遅れたくらいで気にしないネー。立ち話もなんだし、中に入って入って」

 

「お邪魔します」

 

 おお、なかなかいい部屋じゃないか。シックな雰囲気で落ち着くな。

 

「時雨さん、いらっしゃい」

 

「今日は楽しんでいってくださいね」

 

「こんにちは、霧島さんに比叡さん。今日はお邪魔させてもらうよ。あれ?榛名さんは?」

 

「榛名ならお茶を取りに行ってくれてるネ。でもなんで三人は私みたいに呼び捨てじゃないんデス?」

 

「んー・・・なんというか、金剛もホントならさん付けにするのがいいんだけど金剛の場合こっちの方がしっくりくるというか・・・嫌だって言うならさん付けにするけど」

 

「別に気にしないからそのままで構いませんヨ。さ、榛名が来るまで座って待つネ」

 

 

 ーー三分後ーー

 

「お待たせしました。あ、時雨ちゃん。いらっしゃい」

 

「榛名さん、お邪魔してます」

 

「待ってたデース!早速始めますヨ!」

 

「気合い!入れて!飲みます!」

 

「姉様、紅茶は気合いを入れて飲まなくても・・・」

 

 

「それにしても時雨がまさか砲雷撃戦が出来ないって提督から発表された時は驚いたネ」

 

「あー、それは確かにですね。その代わりに手足を使った白兵戦を主にして戦うと発表された時はもっと驚きました」

 

「そうだね。あの時のみんなの反応はまちまちだったね」

 

 実は前回の終わりに戦闘に参加する話をつけた後に、このまま体質について黙っているわけにもいかないというわけで提督から他の艦娘全員に俺の体質と白兵戦主体の戦闘をすると伝えられたのだ。その時大体の艦娘は不安そうな顔をしていたのを覚えている。まあ当然の反応ではある。むしろ不信感を持たれなくてよかったくらいだ。

 

「私たちはル級を倒した方法がわかってスッキリしましたけどね」

 

「駆逐艦がどうやって夜戦でもないのに戦艦を倒したのかわかりませんでしたから。言われてみれば確かに、格闘なら通じてもおかしくはないのかもしれませんね。人型限定ですが」

 

「今は少しづつだけど実戦に出て一緒に戦わせてもらったり、提督や事情を知ってた他の艦娘のみんなが働きかけてくれたから不安がられる事も減って来たけどね」

 

「実際効いてますからネー。最近はチ級とリ級を倒したって聞いたネ」

 

「他の艦娘に夢中で隙だらけだったからね。その時僕だけ手が空いてたのもあったから首筋に思いっきり回し蹴りしたらそのまま沈んでいっちゃったんだ」

 

 その時他の艦娘は一様に驚くんだよね。まあ初見だと驚くわな。と、比叡が何かを思い出したのか手を叩いて

 

「あ!そうだ!この話は一旦置いておいて、実は私スコーン焼いてみたんです!」

 

「「「「!?」」」」

 

 あ、これ死んだわ。

 

「い、いつの間に作ってたネ!?全く気づかなかったネ!確か相部屋は榛名でしたよネ!?」

 

「は、榛名も気づきませんでした・・・」

 

「ど、どうしましょう・・・さすがにこの霧島も想定外でした」

 

「ささ、時雨ちゃん、お一つどうぞ!」

 

「「「あ!」」」

 

「う、うん。いただくよ」

 

 逃げられねえよ。あんな期待の眼差し受けたら。大丈夫。俺は艦無理なだ。死にはしない・・・はず・・・多分・・・運が良ければ。

 

「い、いただきます」

 

 

 そこから俺の意識は途絶え、眼が覚めると夕飯の時間だった。正直気絶する直前の記憶が曖昧だ。取り敢えず四人から心配されながら一緒に夕飯を食べて、ついでに風呂も一緒に入ったがあまり覚えていない。




島風との邂逅も予定と違ってしまった。
ホントはこんなコメディチックじゃなくてもうちょい重め?の予定だったんだけど・・・
次回はお楽しみ(楽しみな人いるのか?)の例のアレ登場です。
戦闘で使うかはまだわからないけど登場自体はします。

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