完全で瀟洒な従者の兄+紅魔館の(非)日常 作:新幹線刈り上げ
Talent 時空を操る程度の能力
Hobby パチュリーと読書、料理など
Like 綺麗な言葉(名言)、料理、筋トレなど
Size 身長 183 体重 65
紅魔館の従者。完全で瀟洒な従者の咲夜の兄で、この作品の主人公。恋心というものには鈍感だが人間観察が得意で、癖や弱点を見抜くこともできる。能力は簡単に言えばハンターハンターに出てくるノヴの『4次元マンション』(しかし一室のみ)+咲夜の『時間を操る程度の能力』。容姿は、咲夜と同じの銀色の髪で髪形も咲夜と余り変わらず、三つ編みをしていないというぐらいだ。顔つきはイケメンというのとクールさが滲み出ているが性格は外見では読み取れない程に穏やか。服装はいかにも執事という感じで、黒色が基調で縦に藍色の筋が入っている。レミリアやフラン、パチュリーには自分を『私』と呼んでいるが、それ以外の者には『僕』と呼んでいる。
「…97…98…99……100ッ!!」
ノエルは自分の“空間”を作り、その中で腕立て伏せをしていた。日課とも呼べる100回を終えて、ノエルは咲夜の縫った、お手製タオルで全身の汗を拭う。おもむろに立ち上がり、その場に空間を作る。そこを潜ると、調理室とは思えない空間が広がっていた。
そこには、咲夜が背を向けて昼食をほぼ一人で作っていた。雇われた妖精達が咲夜の指示に追いついていけてないのは明白ではあるが、良い匂いが部屋中に漂う。
「咲夜、今日の昼食は…うん…パエリアか?」
咲夜は大きなアルミ箔を両手で持ちながら、ノエルの存在に気づいて振り向く。咲夜は「えぇ…まぁ…パスタパエリアです。」と言って鍋に、アルミ箔を乗せる。
「あぁ、お嬢様とフラン様はトマトが苦手だから抜いておかないとな」
ノエルはそういって蒸している鍋を見つめて言う。妖精達は、他の料理を作っているが、鍋が『ボォッ!!』と音をたてて驚き、失神する者が現れた。ノエルは慌ててその火を消す。
「危ない…次は気をつけてな…っていうのも、もう27回目だけどね。」
妖精達は余程驚いたのか、殆どの妖精が涙ぐんでいてコクコクと頷く。ノエルは一番近くにいた黒髪の妖精の頭をポンポンと軽く叩く。
「…咲夜?後は、僕がやっておくから休憩でもしておきなよ…?」
「あ~、それじゃあ~今日は甘えよっかなぁ~」
咲夜は頭を抑えて、疲れた顔で軽く手を振って部屋を出て行く。
妖精達も何回かペコりと礼をして、持ち場に着き始めようとする。
「あぁ~皆も、僕が作っておくから良いよ。あ、でもパチュリー様や小悪魔達を食堂に呼んでおいて」
ノエルはパエリアの蒸す時間を飛ばして、盛り付けをしていく。妖精達も、「疲れたぁ~」や「パチュリー様に本を返さないと!」と雑談しながら出て行く。数秒後には広い部屋に静寂が訪れた。
数分後
「お嬢様。では、召し上がってください」
ノエルはレミリアの真横で一礼をする。全員が合掌をして「いただきま~す」と言う。
フランは、しかめっ面で“鼻を押さえて”スプーンを難しそうに使ってしめじや、まいたけなどの『子供が嫌う食べ物ランキング』に容赦無くえぐりこむ物を退けていく。
「あ、まさかっ!」
咲夜は何かに気づいたのかノエルの横でそう呟く。ノエルもまさかと思ってレミリアのパエリアを「失礼します」と言って手を使って匂いを仰ぐ。
「えっ!?ちょっ何するのよっ!?」
レミリアは、いきなりノエルの顔が真横に現れることに驚き、顔を赤くする。
「…咲夜…『にんにく』入れちゃったね…?」
そう、にんにくは吸血鬼にとっては殺人道具そのものなのだ。死ぬことは無いが、一時的に体温の急上昇や他の病気を誘発する可能性がある。それが死を招くこともある。それを、基本はパエリアに入れる食材なのだが、二人だけのはいつも抜く事にしているはずが、咲夜はフランとレミリアの料理に入れてしまっていたのだ。
「ちょ、ちょっとっそんなもの何で入れちゃうのよ!」
ノエルはその言葉を気にせずにレミリアの顔を正面で見て顔を近づけていく。レミリアはドンドン顔を赤くしていき、体温も上がっていく。
「お嬢様、もう一口食べましたね?顔が真っ赤になっております。今すぐに病院へと行きましょう」
「えっ?いや、私は別にまだ食べてないけどっ!?」
レミリアは抵抗しようとするが、早とちりをするノエルはレミリアの手を握って引っ張ろうとする。
「でも、全身が熱くなっております。このままでは…」
「違うわよ…その…ちょっと…驚いたのよ…」
レミリアは小さな声で赤い顔を斜め下に逸らす。咲夜はその間に、フランとレミリアのパエリアをにんにく抜きのパエリアと取り替えようとする。
「御替り!!」
美鈴は鍋を片手で持ち上げて、大きな声で叫ぶ。その声は、食堂に響くほどだった。
咲夜は、「はいはい」と言って、フランのパエリアと美鈴の空鍋を取り替えた。
「では、お嬢様の料理は私が片付けておきます。」
「え?それって捨てちゃうってこと?」
ノエルはレミリアの鍋をフランの隣席に置いて、そこに座り始めた。
「いえ、私が食べます。フラン様、フラン様の分は咲夜が持ってくるので、もう少しお待ちを」
レミリアは「え~」と、冷めた表情をして、フランも「うん」と笑顔で言って、パエリアを待ちわびる。
数分後。咲夜が二人の料理を持ってきた。
「お嬢様、妹様、新しい料理をお持ちしました。」
咲夜は片手ずつで二人の鍋を置いていく。しかし、それはパエリアではなく二人の大好きなプリンアラモードだった。二人は「おぉ~」と喜びながら、配られたスプーンを握る。
ノエルも、食べる手を止めて二人のプリンアラモードを見て感動をする。
「もう、食べて良いのかしら!?」
レミリアは餌を食べるのを目の前で待つ犬のように、咲夜に言う。フランはすでに、食べて始めていた。
「まろやかぁ~」
フランは某日常のネタをパk…参考にして、幸せそうに掌を頬に当てる。レミリアは一口一口、ゆっくりと食べていく。
「そういや、昨日は僕が淹れたから今日は咲夜が淹れてくれよな。」
「分かってますって、昨日はエル兄に替わって貰いましたからね。」
咲夜は笑顔で答える。ノエルは思い出したかのようにフランのほうへと向く。
「フラン様。食事が終わりましたら、私と遊びましょうか。」
ノエルは食べ終えた鍋を瞬間で運んでから、フランを誘いかける。レミリアもまた、「あぁ」と、ノエルに話しかけようとする。
「うん、いいよ。今日は何する?」
フランは無邪気な笑顔でノエルに首を傾げる。そして、ノエルが答えようとした時にレミリアがそれを遮った。
「その前に、その…エルはこのまま残っておいてくれないかしら…?」
レミリアは、モジモジしながら目を合わせようとせずにパチュリーの席を見るとすでにその場から消えていた。唯一の救いが消えて、一瞬動揺する。そんな苦労をノエルは見ず知らずに返す。
「それは…何でしょうか?」
「えっと…それは…その…ちょっとお話を…したいかなぁって…」
ノエルは声にならないぐらいの音で「あぁ」と小さく口を開ける。
「そうでしたか、ではフラン様。後で、またお嬢様のお話が終わりましたらフラン様のところへと伺いますのでお待ちを」
フランは羽をパタパタさせながら「え~」と言って、少し悲しみながら食堂から出て行く。
そして、美鈴も食事が終わった数分後。
「では、お嬢様。そのお話とは…?」
ノエルとレミリアは食堂からレミリアの部屋へと移動して、ソファで向きあっている。そして、ノエルから話を切り出した。
「うん。その~今まで、ノエルは私の従者として沢山働いてくれたわよね?」
レミリアは確かめるように、ゆっくりと話し始める。
「はい。それはお嬢様と妹様。そして、ここに住む者のために。」
「それでね…?その…これから何だけどさ…」
レミリアは両手を弄りながら、モジモジして話が中々進まない。ノエルはそれが、不思議に思ったのか首を傾げている。
「…もっと…何か…こう…友達みたいな…というか…」
「それは、フレンドリーに接して欲しいということでしょうか?」
「え?あぁ…うん…何か硬い言葉とかいらないって…ことなのかな…?」
先に言葉を取られてあっけない声が漏れる。ノエルはまさに考える人みたいなポーズを取って「う~ん」と聞こえるか聞こえないか分からない声を出す。
「例えば…どんな感じで接して欲しいのでしょうか?」
レミリアにとって、それはノエルとの『理想な関係』を築ける最高の返しだった。次はレミリアが「う~ん」と一生懸命に考える。
「えぇと~。それじゃあ…その…私の事を、お嬢様ではなく『レミリア』って呼んでくれないかしら」
「それは、呼び捨てにするということでしょうか?」
ノエルの言う事はそのままであった。直訳するとそうなるが、レミリアの場合は『仲良くなりたい』という意味での事だ。
「う~ん。そう受け取っちゃうとそうなるけど、どっちかって言うとさっき言ったその『フレンドリーに』という意味なのよ。これは命令よ」
レミリアは最後の言葉だけに威圧を掛けるように言った。ノエルは凄く驚いたが、考えがまとまったのかまた切り出す。
「では、せめて『レミリア様』と呼ばせてください。お嬢様の考えでは、主従関係を越えてしまいます。」
(えっ!?えぇ!?それだとフランと同じじゃない。もう、主従関係はどうでも良いって言いたいのに…)
レミリアは諦めたのか、一つため息を零して「それじゃあそれでお願い…」とだけ言って、部屋を出ようとドアへと歩き始めた。すると、ドアを開けようとした瞬間にフランが「終わった~!?」と言って入って来た。そして、そのままノエルの姿を見つけたと同時に背中に飛びついた。
「お姉さま!お話終わったぁ~!?もう、遊んでも良い!?」
レミリアはその光景を見て、少し羨ましいと思い、胸が苦しくなった。
「えぇ、今終わったのよ。二人とも遊んできなさい」
そう言ってレミリアは部屋から出て行った。
「はぁ…良いなぁフランは素直で…」
レミリアは部屋の中で聴こえて来る声に向かって呟いた。
次回へ続く…
『教えて!人妖先生!!』
え~始まりました。始まってしまいました。おはようございます。こんにちは。こんばんわ。人妖さんです。今回の質問はこれです。
ペン無-ム (動かない大)図書館にいつも本を借りている普通の人間さん(匿名)
Q、
えっと、結局は誰がにんにくを入れたんだぜ?完全で瀟洒な従者の咲夜がそんなミスをするはずが無いと思って心配で心配で、夜しか眠れないんだぜ!なんとか言って欲しいんだぜ!
A、
なんとか!という古典的なボケは無しで、ズバリ答えましょう。それは、妖精さんです。本編で、『パチュリー様に本を返さないと!』と言っていた妖精さんが犯人です。決して悪意は無いのでただのミスです。後、パッチェさんに速く本を返さないと、ノエルさんが「どしたのカサカサ」しに行きますので気をつけてください。
作者からの二言
キルミーベイベー二期を待ちすぎて最近わさわさして来ました。皆さんもチョコが欲しくてわさわさしないように。
お気に入り登録ありがとうございます!これからも、この作品を宜しくお願いします。