完全で瀟洒な従者の兄+紅魔館の(非)日常   作:新幹線刈り上げ

5 / 22
紅魔組は日々色々な日常を送っている。確かに、同じような日を過ごすこともあるであろう。しかし、変わった日常もあったりする。紅魔館爆発?そんな古いネタはもう使えません。動画やニコニコでよく見る日常も参考にして咲夜の兄であるノエルを入れてみたら面白そうという勝手な妄想でできています。

・イメージソング

『そんな君、こんな僕』アニメ(NARUTO疾風伝~イタチ真伝~)(ED)歌手(Thinking Dogs)


*この小説を見るにあたっての注意点*

①この作品には『オリジナル主人公』をはじめとする様々な『オリジナル設定&展開』が混ざっています。

②れみりあのカリスマが常にブレイクしている恐れがあります。

③恋愛といっても凄くグダグダしています(主にレミリア)。

④作者は重度の銀魂と東京喰種好きです(影響しています色々と)。

⑤この作品はベヘモス様著の「竜が辿り着いた幻想郷」をマジリスペクトした作品です。
 
それでも「しょーがない見てやんよ!」と仰れる寛大な心の持ち主の方はこのまま下へスクロールお願いします



序章:紅魔館の日常
第00日 紅魔組の日常+完全で瀟洒な従者の兄=紅魔組の(非)日常


 ここは紅魔館。レミリア・スカーレットを主として、他にその妹であるフラン・スカーレットや門番に紅(ほん)美鈴(めいりん)、主の親友のパチュリー・ノーレッジ。そして、完全で瀟洒な従者でありメイド長の十六夜咲夜。その咲夜には実は兄が居た。その名は聖夜(ノエル)…

 

「エル…?パチュリーを私の元へと私を運んできてくれないかしら?」

 

 主であるレミリアは、午後3時になると、バルコニーに来てパチュリーを引きずりだs…運んできてティータイムをする。そして、ノエルと咲夜が毎日交互に紅茶を淹れるようにしている。

 

「承知致しました」

 

 すると、ノエルが右腕を横に広げると『ブォォンッ』という奇怪な音と共に円状に空間が開く。そこから、ティーカップ2つや、紅茶を淹れるのに必要な道具をそれぞれ円形のテーブルに並べていく。

 

「ですが、今日は咲夜の日では?」

 

 ポットに入っているお湯をティーカップの淵から滑らすように淹れていく。そして、ティーバックをカップに入れて、ソーサーで二つのティーカップにふたをして蒸らす。熟練の手捌きで、順々とこなしていく。

 

「咲夜には、他の事を頼んでいるのよ。」

 

「それは何用でございますか?」

 

「ただの御使いよ。エルが人里に行っても、ろくな事にならないわ」

 

 レミリアは苦笑しながら、紅茶の匂いを楽しむ。

 

「では…パチュリー様をお呼びします…」

 

 そういって、指を左指で『パチンッ』と鳴らすと何時の間にかパチュリーは座っていて、「むきゅっ、も、もうこんな時間!?」と驚くがすぐに状況を察して、自分のティーカップを手元に寄せてからまた本を読み始めた。

 

「後何秒かしら?」

 

 レミリアは足をブラブラしながら、紅茶が出来上がるのを待ちわびる。

 

「約20秒ですが、飛ばしましょうか?」

 

 ノエルはカップに被せているソーサーにそっと手のひらを乗せて聞く。

 

「いいわよ、香りを楽しむのもまたティータイムの一環よ。」

 

 そう言って、笑顔で指の爪でカップを突く。

 

「それでは、洗濯物を出してきますのでまた何かあればお呼びください」

 

 ノエルは一礼をして、その場から消え去った。レミリアはため息をしてパチュリーに話しかける。

 

「ねぇ…?どうしたらノエルはさぁ…何というかこう…フレンドリーに接してくれるかな…?」

 

 恋話をする子供みたいにむじゃきな笑顔で聞くが、パチュリーは本を読むのに夢中で気づくのに数秒掛かった。

 

「・・・そんなの、貴方が『もう、友達みたいに接してくれて結構よ』とか言えばいいじゃない」

 

「そんな簡単に言えれば言うわよ。だってさぁ、そう言ってもエルは鈍感だから首を傾げるだけで全く理解してくれないわよ」

 

 二人は、ソーサーを外してティーバッグをカップの中で軽く3回振ってそっと取り出す。そして、レミリアは「エル~」と大きな声で呼んだ。

 

 

 

 その頃―――

 

 

 

 ノエルは、瞬間移動で巨大洗濯機の置いている部屋の前まで移動した。すると、ドアノブを握った瞬間にノエルの背中にフランが飛びついてきた。

 

「妹様っ!?…危ないので降りてくれませんか?」

 

 フランは「え~」と、嫌そうな顔でゆっくりと降りる。

 

「というか、ノエルは私のこと『フラン』って呼んでくれてもいいのよ?」

 

 ノエルの真横に立って、両手を後ろで組みながら首を傾げて上目遣いでノエルに言う。

 

 やはり、こういうところはお嬢様と似ている…と思いながら口角を少し上げて「いいえ、これでも執事ですので」と言ってドアを開ける。

 

「では、私はここで洗濯物をお出ししますのでフラン様は美鈴と遊んできてはいかがでしょうか?」

 

 二人で手を繋いで、洗濯機の前まで歩きながら聞くが、フランは「やだ」と言ってプイッと顔を背ける。

 

「まぁ、寝ているでしょうし。先ほど妹様のことを『フラン様』とお呼びしたのですが、それはどうなのでしょうか?」

 

 洗濯物を瞬時で降ろして、フランに聞く。フランは「う~ん」と羽をパタパタさせて、考える。

 

「まぁ、それでいいわよ。これからは私のことを『フラン様』って呼んで?」

 

 ノエルが衣服類が入った巨大洗濯かごを持ち上げて「承知致しました。フラン様」と言った瞬間、ノエルの聴覚にレミリアから発せられたであろう音波を感じた。

 

「お嬢様がお呼びになっているので、移動しますね」

 

 フランは右手を上げて「は~い」と言って左手で、ノエルの腕に触れた。

 

***

 

「何の用事でございましょうか?」

 

 巨大な洗濯ばこを胸のところで持ちながら異様な体勢で聞く。レミリアは「うわっ」と驚いて動揺するが、すぐに気を取り直す。パチュリーはそれを気にせずに未だに魔導書を読み続けている。フランは目を輝かせながら「いいなぁ」と二つのティーカップを眺める。

 

「あぁ、このティーバッグを片付けてくれないかしら?」

 

 そう言って、水滴が垂れないぐらいにブラブラとティーバッグを振るレミリア。パチュリーも「お願い」と言って、ティーバッグをすっとノエルの近くに差し出す。

 

「承知致しました。では、フラン様。行きましょうか?」

 

 フランは「うん!」と頷いて、またノエルの腕にしがみ付く。レミリアは「え?今フランのこと…」と最後まで言えずにノエルとフランは消えてしまった。

 

「・・・今までフランのこと『妹様』って名前さえ入れずに呼んでたのに、さっき『フラン様』って呼んでいたわよね?」

 

 レミリアは現実か幻想かを確かめるべく、パチュリーに聞くがパチュリーは・・・

 

 

「そうね。仲良くなっただけじゃない?速くしないと、取られちゃうかもよ?」

 

 パチュリーはレミリアに見向きもせずに本に視線を落としながら、適当に返す。

 

 レミリアは「意地悪~」とティーカップを持ち上げながら、口をプクっと膨らます。

 

***

 

 おまけ

 

 

 咲夜は、フランが割った御椀やその他の器を買いに行き、その帰りの事。

 

「ふぅ~重い~エル兄も来てくれればいいんだけどなぁ」

 

 咲夜は紅魔館の前にある、霧の湖を飛びながらそうぼやく。しかし、もう買い物が終わってしまっているので、後の祭りだ。途中、帰りを邪魔する妖精達を蹴りだけで蹴散らすので余計にストレスが溜まっていく。湖を抜けて、陶器類を壊さないようにゆっくりと陸地に着地をする。能力で、門を通らずに紅魔館に入ることもできるが、門番が仕事をしているかを確かめるためにあえて正当なルートで通る。

 

「はぁ…」

 

 やはり、門番の美鈴は寝ておりサボっていた。ビニール(ナイロン)袋を美鈴の目の前で置き、咲夜の癖である親指で人差し指を押して鳴らすという行為をすることで、美鈴は殺気を感じたのかピクリと全身を怯ませて起きる。

 

「おはよう…ございます…?」

 

「あら?おはよう。今は帰ってきたんだけど、何で寝ているの?」

 

 美鈴は腕を組んで、背中を壁に預けている状態でその体勢から一切動かさずにいる。一寸でも動いていないのかと問われれば、全身が痙攣しているかの如くに震わせていることだ。

 

「いえ…少し仮眠を取っていただけです。」

 

 目を逸らして言うのですでにバレバレなのだが咲夜は問い詰める。

 

「そう…?なら、後でエル兄に聞いておいてもよろしいかしら?」

 

「は!?はい!?…ノエル様ですか!?…」

 

「何か、嫌なことでも?」

 

(やっべぇ…咲夜さんストレス溜まってるから気をつけろって言われてたんだった…)

 

「いえ…何も…」

 

「じゃあ、エル兄のところへ行きましょうか?」

 

 笑顔で、咲夜は美鈴に聞くが拒否権は無くていつの間にかパチュリーとノエルの居る図書館へと移動していた。

 

「ん?あぁ、咲夜と美鈴か。どうしたんだ?」

 

 ノエルはソファに座って読んでいた本を閉じて机に置き、眼鏡を外して二人を見る。

 

「いえ、美鈴が仮眠を取っていたのですがエル兄が許可を?」

 

「いや、そんな許可をするわけが無いだろう?後、洗濯物を干しておいたから乾いていたら降ろしておいてくれないか?」

 

 咲夜は、それを聞いて「ありがとう」といって美鈴を半目で見る。

 

「じゃあ、美鈴。仕事終わったら私の部屋に来て頂戴ね?」

 

 笑顔で、咲夜言って美鈴は半泣きプラス無言でノエルに助けを訴える。しかし、ノエルはすでに本を読み始めており「ほどほどにしろよ~」と適当に呟いた。

 

~この後、二人の事は読者の想像にお任せします~


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。