完全で瀟洒な従者の兄+紅魔館の(非)日常   作:新幹線刈り上げ

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ウィ〜〜〜っ!!白猫の夏ガチャでリンデさん引いたぜ!フゥ〜〜っ!!後、エスメラルダさんと序でにカムイ。キャラの交換とか出ないかな?熊より美女(ノア)が欲しかったのですが。まぁ、カムイも強い!!と言われてるらしいですし、エスメラルダさんやリンデさんもいる訳ですし文句は言えませんな。武器ガチャ?知りませんな。
まぁ、自慢は置いといて。劉人さんのプロフィールはもー少し後に書かせて欲しいです。では、次回でお会いしましょう。

後!祝!お気に入り登録者数五十人突破!!イェーイ!


第14日 夢の続き

レミリアは八雲紫の屋敷に呼ばれていた…いや、誘われた、と言った方が良いのか。紫の屋敷は紫の式である八雲藍、式の式、橙の三人しか知らない。

何度か訪れた事のある愛優や、その他も詳しく場所を知らない。唯一の情報としては、

ーーー幻想郷のどこか、という事だけ。この事から推測するに、紫が操る”スキマ”の中にある訳では無さそうだ。

 

そして、今回、紫がレミリア”達”を呼んだには理由があった。

それは、劉人。つまり今、紅魔館に滞在中の少年のことであった。

 

レミリアは屋敷にある客間らしき所に案内され、そこの襖を開けるとそこには愛優もさぞ当たり前かの様に居座っていた。

愛優は、レミリアを見ると手を軽く振って挨拶をした。

 

「…で、何で愛優がここに居るわけ?」

 

レミリアは今にも帰りたそうな態度で愛優に指差す。しかし、愛優は大きく欠伸をして気にも留めてなかった。

 

「仕方ないじゃない、だってこの”人”も関係あるもの。」

 

紫がそう言った。

 

(何で、紅魔館の事なのにまた愛優が絡むわけ? もうストーカーにしか見えないんですけど)

 

レミリアは内心で愛優を叩きつつ、冷徹な眼差しを向ける。レミリアが何故、ここまで愛優を遠ざけるのかというと、大妖怪にも関わらず、誰とも群を為さず、レミリアが唯一気を置く友達とも呼べる(一途だが)人間の博麗の巫女、つまり霊夢の恋人だからだ。

群とは、大妖怪ーーー鬼、吸血鬼、鴉天狗、大蛇、そして天人など各妖の頭を司る人間で言う大名や大将の様な存在。それ即ち群を為す者。

 

しかし、愛優と紫は珍しかっ”た”一人一種の妖なのだ。昔は、この様な群を作ろうとせず、我が物顔で魑魅魍魎が跋扈する妖怪が多く居たが今では大人数で族を作り、縄張り争いをする様な者が増えた。

それもすぐに、紫と現博麗の巫女、霊夢による協働作業(スペルカードルールの創作)により、その争いも絶えた…かの様に見えた。

 

現大天狗の頭首ーーー文、又は天魔と元紅魔館の従者ーーー唯月が手を組んだ事により、それが争いの火種となりつつあり、各種族は今まで募っていた妖怪としての戦闘本能が縄張り争いという建前、暇を紛らわすための”命を掛けた遊び”をする気を躍起していた。

そんな中、”第一次”の戦いにより、より血気の高まった妖が、いつかいつかとその気を待っている事を裏世界を知らぬ愛優とレミリアは知る由も無かった。

 

そして、その中、突如紅魔館を訪れる少年の事で話がしたい、と約束したレミリアはまさか愛優が関係しているとは、頭の片隅にも考えていなかった。

 

「ふぅん…それで? 紫、愛優は今度は何をやらかしたのよ」

 

「おいおい、俺がお前んとこに厄介ごと運んでるみたいじゃねぇか。」

 

「実際そうじゃない。先の戦いも、愛優が騒ぎを起こさなければカラスも怒りをバラさなかったはずよ。こちらの被害は少無かったのは幸いだったけど、私たちはマトモに山に行けなくなったじゃないの。」

 

天狗と吸血鬼の争いにより、山の血風が強くなり、山の警備が激しくなると同時に無戦力の妖怪達が不満不安で躍起になり人を襲う事も少なくは無かった。

今まで無かった弊害が増えた事にレミリアは愛優に対し、今まで以上に怒りを露わにしていた。

 

「あの場所で物言わないヤツは男女の前に人として失格だ。」

 

「何が人間よ…私は貴方の生き方を否定する気は無いけれど、それ以前に貴方は人間じゃないわ!

あの時、あの場所で、事の優劣も付かずに憤りでヤケになったのは貴方でしょ!」

 

レミリアは胸の内に秘めていた物を吐き出し切ったかの様に、荒い息をたて取り乱していた。

一方愛優は、貴方は人間では無い、という言葉に憤怒を顔に浮かべていた。しかし、愛優は怒りを言葉にしなかった。いや、できなかった。圧倒的正論に対し、確かな言葉で物申されて返す言葉が思い浮かばなかった。

 

「その辺にしなさい。確かに、愛優が悪いわ。貴方はもう少し、”人”としてでは無く、”妖怪”としてのプライドを持つべきよ。

貴方は少し、憧れが強すぎたのよ。」

 

レミリアは愛優の”憧れ”が誰かについて予想も付かなかったが、愛優のその異様な程の反応に対し、違和を感じていた。そして、遂に愛優は諦めの証拠に頭を下げた。

 

「はぁ…私も悪かったわ…。気を取り乱してごめんなさい。」

 

「もう良いわ。それじゃあ始めましょう。紅魔の館に入り込んだ龍の話を」

 

***

 

「文、お前愛優と戦ったらしいじゃねェか。」

 

「そーですよ。始めは天魔の奴が戦ってたんですけど、直ぐに首刎ねられちゃって。愛優さんったら本気で戦って来るモンですから、キツくてキツくて…、暫くは文々。新聞も休載ですかね。」

 

元紅魔館の従者、現”木蓮組”の頭である吸血鬼の唯月は山を表側で支配している天狗の頭、天魔こと文に看病をしてもらっていた。

しかしそれは一時的なもので唯月の傷は既に治り、今はただ部屋で寝ていただけであった。

 

「他の兵は?」

 

「あの悪魔の妹にこっ酷くお灸を据えられてしまいました。チートじゃないですかあれ。そりゃDIOもハイになりますわ。」

 

「それ関係ねーし。んで、紅魔の悪魔を引っ捕えて豚箱に打ち込んだのは良かったものの、誰かさんのせいで無駄になっちまったんだがそりゃどーして貰おうか、夢うつつ、罰を考えていたんだが極咎しか思いつかなかったんだが?」

「いやぁ、ありゃちょっとした気配りだったんですよ。」

 

「ほぅ、そのせいで山頂と麓の両方から挟み討ちを食らい、兵を無駄死にさせたと?言っとくが俺たちモクレンは数より一騎の戦力を基としているからな。兵は余り出せないぞ。」

 

「戦に名誉の死と無駄な死は紙一重以下。どちらも同様で意味なんてないですよ。」

 

「確かに。まぁ、彼処に入れていても脱獄は赤子を殺すより楽な作業だっただろうな。」

 

唯月はそう言いつつ寝床から立ち上がり、唯月が里の人間から特注した一張羅に着替え始めた。文は移動する唯月を目で追いつつ問いかける。

 

「あれ?何処かに行くのですか?」

 

「あぁ、一人、俗に言う”幻想入り”という奴を果たすモンが居るらしい。なに、森に行ってくるだけだ。後、次いでに墓参りもな。」

 

***

 

「昔、愛優がまだ精神的にも戦力的にも未熟で幼かった頃の話よ。昔、劉人という少年が人里に住んでいたわ。」

 

***

 

食卓には沢山の飯が並べられ、一目見て晩餐でも始まるのではと疑いたくなる光景の中、劉人とレミリアを抜いた紅魔館の皆が集まり、ついに食事が始まった。劉人は飯に箸を付けながら独り言の様にゆっくりと話を始めた。

 

「俺がまだ全てにおいて幼かった頃、俺は両親と一人の兄と一緒に人里で住んでいた。それは楽しかった。あの日々が俺にとって全てで俺にとってとても大切な宝だった。父と母は共に妖怪退治をして生計を立てていた。そして兄も二人を目指してその道を順調に辿っていた。俺もそれに何気なくついていき、段々強くなる兄の姿が次第に憧れへとなっていた。父には遠く及びはしなかったものの、近い様で遠い、そんな存在をいつか掴もうと幼かった俺は夢描いていた。しかし、そんな生活はすぐに崩れた。

ある日、俺がいつもの様に兄と一緒に山の方へと歩いて行っていた。その日はいつもより深く入っていき、見る度妖怪も強さを増していた様に感じた。流石にずっと戦っていると疲れたので、休憩を求め少し開けたところを目指した。何故開けたところか、はもう覚えて無いが見つけた時は今でも鮮明に覚えている。開けた、と言っても円形で、深く少し暗かった森に太陽の光が一身に受けている人際目立った場所だった。俺は兄と一緒に射す光を頼りにその場所へと進んでいった。兄はすぐ近くまで寄ると急に立ち止まり、真剣な顔つきになった。俺も立ち止まったが兄はまたゆっくりと音を立てずに、小枝や木々を掻き分けて歩いて行った。またついていこうとするも兄は俺を見てあっちへ行け、と手でジェスチャーしました。その時の俺は愚かにも兄が何かレアな物を見つけたのか、と心躍らせていたもので、そんな制止を聞かずに近寄って行きました。それが俺の過ちだったかも知れません。兄が右手でジェスチャーした時、兄の左腕が吹き飛んで行くのを目の端で捉えた。兄はうめき声を漏らしつつ残った右腕で左肩を抑えた。血が止まらず、いきなりの事でパニックしていた俺は立ったまま何もできなかった。俺は必死で何とかしようと思った。だが俺は考えても考えても最後に出る答えは恐怖だった。兄は前を見てその敵を直視していた。兄は逃げろ、と言い終わった瞬間心臓に剣が刺さっていた。声がしました。それは兄の悲鳴ではなく、別の声。兄を殺した声だった。テメぇの兄を殺した。コイツが最後に逃げろつったんだ。逃げてやれよ。俺は必死に声を振り絞った。僕は逃げない。兄の仇を討つ。そいつは、俺の額に手をかざし、こう言った。そうか、なら殺ってみろ。俺の名は無い、が人は俺を倖喰妖怪と呼ぶ。いつか、テメぇが立派になり強くなったら、またテメぇを喰ってやるよ。その妖怪はそう言ったら消えていました。ソイツが誰かはまだわかりませんが必ず見つけて息の根を止めてやりますよ。それが俺の贖罪ですから。」

 

「…確かに。それは大変悲しい話だったと思います。」

 

ノエルは頭の隅で唯月の姿と劉人の姿が重なって見えていた。

 

「別に俺は同情を求めてなんかはいませんよ。」

 

どこか劉人の語気が強くなっていた。ノエルたちは食事の手を止め、互いに目を合わせる。

 

「すみません。僕も、同じような事を体験したことがあるので。そしてもう一人の従者がいたのですが、今の彼方みたいに復讐することを考えている。僕はそれが悲しいと言っているんですよ。」

 

「つまり、復讐は駄目だと?」

 

「否定はしません。実際、僕も仇を討とうと考えたことがありました。だけどそれではない。残された僕たちはその人のために少しでもその命を大切にし、生きていく…これが成すべき贖罪だと僕は考えます。」

 

「そうですか。ノエルさん、彼方は俺の考えを受け入れてくれると思っていましたが検討違いでしたか。」

 

「どういうことですか?彼方は迷ってここに来たのでは?」

 

劉人はゆっくりと立ち上がり、ノエルの方へと歩んでいく。武器のような物は一切持たず、戦う姿勢も見せず、ただ表情を崩さず歩んでいく。その不気味さにノエルと咲夜が椅子を引いて体を向ける。

 

「はい、迷い込みました。”森にですけど”。しかし、目指していた場所はここであってますよ。不気味な程に真っ赤な館。外界から遮断し、拒絶するかの様な濃霧。そして吸血鬼を支える四人の従者。いや、今はもう二人だけですか。


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