完全で瀟洒な従者の兄+紅魔館の(非)日常 作:新幹線刈り上げ
後、銀魂、東京グールが実写化されるらしいですね! 私、とても楽しみにしています。キャスティングはあれですが…。
そして、私は色々なゲームを始めました。受験生だけど。白猫だったりゲームオブキングス、クイーンズ。モンストやアヴァベルなどとたくさん始めました。どれも白猫以外は愛優という名前です。ノエル君が主人公なのに…。もし見かけたらよろしくです。
後、白猫はノエルという名前です。あ、そうそう! 白猫なんですがね、二周年記念でシャルとディーン引いたんですよ。何か勉強のモチベーションが下がりますね。没頭してしまって。まぁ、私の話は置いといて。
最近、またこうして投稿する事が出来ました。そして、勝手にいきなり決まったことなんですが…この作品を何と…
新しく、リメイクする事になってしまいました…。これはこの話が投稿される結構前から決めてて、友達にも伝えてなかったことです。
いつかは、多分受験の終わりからですかね。相当後になります。ですが一話目は大体書き直せました。約六千文字ですけど。
何故か私、この作品をもっと見て欲しい! と思う様になりまして。なのでこの話を皮切りに、書き方を大きく変えた?のです。例えば、?とか!とかを極力使わなかったり、会話と地の文の間に1行開けなかったり…と。いきなりで見にくいわ!と思うかもしれませんが、慣れてください(笑)。これからも、この調子になるかも知れませんが、この作品の事をちょこっとでも頭の片隅に置いていただけると嬉しい限りです。
この作品は多分終わりませんね。
では下へどーぞっ
第13日 晴天の霹靂
僕は、あの後すぐに永遠亭に入院した。目覚めたのは、入院から五日間かかったらしく、お嬢様たちが交代して看病してくれていたらしい。
しかし、目覚めてからはまだお嬢様たちとは会えていない。また、退院がてらに感謝の言葉を言わなくては。
妹様は四日前には退院したらしい。妹様は、その回復力により完全回復までしたが、僕は人間なので、一週間経った今も未だ安静にしている。
傷はもう悪くは無く、紅魔館の事も妖精や咲夜達に任せっきりにしているのも悪く思い、退院させて欲しい、と永琳に言い立てたのだが安静にしなさい、と聞いてはくれなかった。
しかし、思っていた程暇では無い。面倒を見てくれるイナバが居たり、暇を持て余した人たちが、寄って来る事もある。
そして、少し心配していた病院食というものだが、それに関しても大丈夫…だと思う。僕を子供だと思っているのか、永琳曰く、「成長期なのだから栄養たっぷりよ」、という口実に、飯に試用薬品を投与されている。はじめは、殺されるだの、永琳は悪魔だの、と僕はのたまわっていたが、イナバが、「あぁ見えて治す気はありますから」、と真剣な顔で言ってくるものだから諦め半分信せざるを得なかった。
そして、今日の昼間にイナバから愛優が情報交換がしたい、と会いに来ると知らせが来た。取り敢えず、会うために不安な朝飯を食べて、一通り体を診てもらった。当然、体に害は無く、傷も浅くなってきていた。永琳は、「このままだと、後二日で退院できるわ」、と満面の笑みを見せた。しかし、その顔は僕にとっては恐怖以外の何物でも無かった。
昼になり、食事による満腹感に浸っていると、突然病室のドアが音を立てて開いた。約束通りに愛優が来た。
愛優は、「よぉ、久しぶりだな」と言いつつ僕が寝ている横に丸い椅子に座った。
僕も久しぶり、と返す。
「それで、何日で退院何だ」
「後二日は安静にしろ、と永琳に言われた。」
「そうか…」
素っ気ないその言葉に変に感じていると、変な空気になって少し間が空いた。どういう話をしようか、確か情報交換がしたいと言っていたな、そう頭の中でこの空気から切り抜ける打開策を捻り出していると、愛優から話し出した。
「それで、唯月と戦った後、奴がどこに行ったか分かるか。」
「いや、全く。腹に傷入った後は記憶に無い。」
あの時、僕の意識が遠のいていく中、唯月の声が微かに聞こえた。
「………七百十二勝……七百十一敗……俺がまた・・・・追い抜いたな……」と。
まだ勝負は続いていたのか、と僕は思った。唯月と、最後に戦った時は、僕が負けて追いつかれたのだ。また、次会ったら今度は僕が勝つ。
そして、前見たいに皆で酒を飲むんだ。
僕が考えていると神妙な顔が面に出ていたらしく、愛優が「何考えてんだ」と、言ってきた。
「まぁ、つい前に目覚めたお前が覚えてる訳無かったか。」
「それであの後、愛優は何していたんだ。そのまま、永遠亭に向かったのか。」
「んにゃ違うな。少し、戦っていた。」
「誰と」
「親玉の天魔だよ」
「そうか」
「そして、一つ秘密があるんだ。」
愛優がそういって、人差し指を立てる。
「これは、霊夢にすら未だ行ってねェんだ。」
「何だ」
自ずと緊張した気持ちで耳を傾けると、愛優が言葉を続けた。
「実はな、天魔は文だったんだ」
声は小さくとも強い声だった。それよりも、言葉の内容に驚いた。無理も無い。
ついこの前まで、一緒に呑んでいた人が敵の頭だと言われたのだから。
「それは確かか」
未だ信じきれず、また聞いた。
「というのも、俺も余り分かんねェんだ。」
「どういうことだ」
「言った通りだ。分からねェ。戦った時、一度だけ天魔の首を刎ねた。」
「首を」
簡単に言うものだからつい聞き返してしまった。良く、お嬢様の部屋に生首やら手足やらが転がっていることが有って、慣れているつもりだった。
しかし、拍子抜けたような言い方だったものだから、少し驚いた。
「あぁ、そうだ。確かに刎ねた。しかし奴は何故か動いた。完全に天魔を殺ったと思っていた俺は完全に油断していてな、逆に斬られてしまった。そして、気が付くと首を絞められていたんだ。そいつの顔が文だった…」
「…他には何か無かったのか」
「何が」
「いや、何か有力な情報だよ」
そういうと、何か閃いたような顔をした。また耳を傾ける。
「いや、特に。だが、言うことはある。」
「それは何だ」
「文は敵では無い。しかし、お前の主人は文を拒むはずだ」
「成る程。じゃあどうするんだよ。」
これからの接し方の事では無い。その事を考えずともあちらの方が息を潜め、お嬢様達に会おうとすらしないと推測できるからだ。
そうではなく、アリスや、ミスティア、さとり達にはどうするかという事だ。
「酒は、暫く無しだ。」
「そうか。」
仕方が無いと思った。
「まぁ、お前と唯月の事が終わったらまた来るさ。アイツらも」
僕は何も言わなかった。愛優はそう言い終わると立ち上がり、挨拶を済ませ、扉を開けて部屋を出て行った。
それからはその日は兎やイナバ以外に、誰もここに訪れる者は居なかった。
愛優は来てから、翌日、お嬢様達が早朝久しく遅くまで寝ていた僕を起こす様に僕の病室の扉を開けた。
お嬢様はいつもの態度を崩していなかった。
咲夜もお嬢様と同じ様な顔をしていた。
「すみません、お嬢様。」
僕はお嬢様に体を向けて顔を下げた。しかし、何もお嬢様は言わなかった。恐る恐る、顔を上げるとお嬢様の目には涙が組んでいた。そんな、お嬢様を最近にも見た事を思い出して僕はまた過ちを犯した、と自負した。
何を言おうにも謝罪の言葉しか思いつかず、少し沈黙が続いた後、急に堰を切ったようにお嬢様は僕の懐に飛び込んできた。それは強くも無く、決して弱々しいものでも無かった。
吸血鬼本来の力や、重さでは無く、また別の”重さ”があった。
どうする事も出来なかった僕は、暫くそっとして置くと落ち着いたのかゆっくりと僕から離れた。
「すみません、お嬢様。」
次は頭を下げずに言った。唯月に負けたからでは無く、心配を掛けた事に謝った。
お嬢様は理解ってくれたのか、軽く微笑みながら頷いてみせた。
「それで、身体はどうなの。大丈夫かしら。」
「はい、後三日もあればまたいつもの様に復帰できます。」
「そう。」
全身の重荷が下りたかの様にお嬢様は丸椅子に座った。
「お嬢様、妹様はどうされていますか。」
「もう、いつもの様に戻ったわよ。後は、貴方だけ。」
「そうですか。」
「三日と言わず、完治するまで休んでいてもいいのよ。エルは人間、フランと違って自己再生能力が劣っているのだから。」
自己再生能力と聞いて僕は唯月を思い出した。妖怪と成り果てた唯月を。
「…そうですね。」
後、僕が居ない間に変化が無かったかなどと話しをして、お嬢様は安静にしなさい、と言った。その言葉に僕はどこか違和を感じた。ただお嬢様の気遣いだろうと思ったが声が、手が、お嬢様のどこかが”何か”に怯えている様にも取れた。
そしてその違和感は、少なからず外れてはいなかった。
「エル」
お嬢様は真剣な顔をして胸に手を置いた。お嬢様は余り暑い部屋でもないに関わらず、尋常じゃない汗を掻いていた。
そして息を飲み、目を瞑ってからお嬢様は言葉を続けた。
「…二日後、貴方が退院した後に一人の人間が紅魔館に来るわ。」
「その人は何かお嬢様との約束ですか。」
「違うわ、ただの客よ。」
「どういう事ですか。」
「私の”予想”よ。私はその日、どうしても外せない用事が出来ちゃったのよ。簡単にあしらってくれないかしら。」
「分かりました。いつ頃か、分かりますでしょうか。」
「昼頃よ。後、私はその日には帰ってこれないから晩飯の用意はいらないわ。まぁ、この事は咲夜にも言ってあるから結構だから。」
「分かりました。」
後は何も話さず、お嬢様は帰っていった。残りの二日間は、何も無しに終わり、無事退院する事が出来た。腹の傷はすっかり塞がり、今までの疲労も消えていった。
例の御飯だが、永琳の入れた試用薬品は悪くは無く、むしろ退院への促進にもなった気もしなくは無い。永琳は僕の退院に喜んだが、まだ実験がしたいと名残惜しそうにもしていた。
これからは極力入院を避けたいと思う。
前に着ていた服は腹に穴が空いている事で処分し、お嬢様が新しく仕立ててくれた服に僕は袖を通した。
そして、紅魔館へと帰って来た。
いつもの如く、美鈴が寝ながら僕を迎えた。起こすがてらに「ただいま」と耳打ちすると、大きく身体を反応させて飛び起きた。
「あっノエルさんっおかえりなさい。退院おめでとうございます。」
美鈴は頭を下げた。
これで美鈴が咲夜に怒られる心配は無くなった。
門をくぐり抜けて庭を通り、いつもの様に大きな紅いドアを開けた。
そこにはいつもの様に忙しく働く妖精が僕の横を通り過ぎていった。そして、そこで少し突っ立っていると咲夜が現れた。
「帰って来たよ。」
そう言うと、咲夜はにっこりと笑って迎えてくれた。
「はい。朝の食事は終わらせたわ。後、お嬢様から聞いているでしょうけど昼に人が来るとか。」
「そうだな。それまでに今日の仕事を終わらせようか。」
「大丈夫、後は妖精がやるわ。後残っているのは昼食だけ。それもどうせなら、その来た人間と取った方が良いでしょ。」
「流石だな、これなら僕も要らなかったんじゃないか。」
冗談のつもり吐いたのだが、咲夜の顔に少し影が落ちた様に見えた。
昼前、予定よりも早くその”客”が来た。知らせは凄い形相で美鈴が伝えてきた。第一声が「怪しい人」と、言うものだから僕と咲夜はナイフを構えて臨戦態勢で迎えたものの門の前に居たのは僕よりも少し小さい、十五か十六の子供だった。その子供は当然慌てた態度を見せた。気の毒な事をしたと思い、僕と咲夜や何度も謝った。
取り敢えず、館へ入れて、客室へと向かった。
入るなりその子供は感嘆の声を漏らしていた。僕は、初めてここに来た時を思い出し、この子供に幼き自分と重なった気がした。
「それで、貴方の様な者がこの様な場所に何の用で」
子供は紅いソファに座ると楽な姿勢を取らず、部屋の気風に慣れていないのか緊張している様でとても硬い石の様に座った。
「い、いやただ迷っただけでして。そしたら、さっきの女の人が急に館に逃げて行ったので。」
「内の者が迷惑を掛けてすいません。後で説教をすえておきますので。」
美鈴、グッドラック。僕は心の中でこれから起きる美鈴の身に少しでも幸がふりかかるように祈った。
「はぁ。それで迷ったというか何というか。」
その子供は何ともモジモジしていた。
「それが、人探しをしていたのです。」
「人探し、ですか。」
人を探すのにこんな辺境な土地に辿り着くのか。しかも、こんな少年がか。道中、妖怪もいなかった訳もないはずだし。
「いえ、人というか妖怪です。」
「というと、君はその年で妖退治を。」
少年は首を振った。
「退治というより、仇討ちです。」
どこか納得が行った。人間も妖怪も神も鬼も織り成すこの辺境な世界でお互い何も憎まずの関係を築ける訳も無く、この少年の様に、誰かを妖怪に殺されたか攫われたかの仇で、妖怪退治に身を置く者も少なくない。
「それでその妖怪の名は。」
少し、お嬢様や妹様の場合を考えたが、どうしようもない事なのですぐに考えるのを止めた。
「名前は”倖喰妖怪”と言っていました。」
「では、君はそこに居たのですか。」
「…はい、十年前に兄を目の前で殺されました。その時、俺はまだ物心ついたばかりで妖怪の前に屈してしまいました。」
「ご両親は。」
「親は病気で既に。」
「…すみません。失礼な事を。」
「いえ、気にしてませんから…」
「それで、仇討ちがしたくてここまで来たのですね。」
「はい、その妖怪に言われました。『もし、仇が討ちてェのなら、強くなれ。俺よりな。』と。」
何かそのなまり方が”愛優”にも似ている気がしたがそれもすぐに予想から離れた。よもや愛優が人を殺すとは思えない。たとえ正当防衛であろうが何であろうが。
「そうですか。君は、ここに来るまで妖怪や妖精を倒したはずです。しかし、君は武器を何も持っていない。格闘か何かを。」
「いえ、龍法です。」
「龍法ですか。」
「ええ、門家によって龍派は変わりますが。」
「それでは君は何の龍派なんですか。」
「自己流ですよ。恥ずかしいのですが、俺は鐚一文金が無いので武器も買えないのです。なので、要らない様に自分で考えたんです。普通は剣やら槍やら弓に自分の精神を化して戦うんですよ。」
「それで、武器が無いんですか。」
「まぁ、武器がない龍法なんて僕だけだと思いますけどね。」
少年は、少し大きく笑った。僕も少し釣られて笑った。
「すみません。少し、その龍法というものを見せてはいただけないでしょうか。」
少年は快く承諾してくれた。念のため、結界を張っているとはいえ外に出て目の前の霧の湖で見せてもらう事にした。
出る時、咲夜は昼食を作るため席を外した。
「じゃあ、始めます。」
「はい。」
「では。」
少年はそう言うと、僕との、距離を開けて何か格闘家の様な構えを取った。そして、目を瞑る。
「汝之龍『龍生九子』」
”何か”を唱えただろう少年だが、未だ何も起こらない。
しかし次の瞬間、
「龍法術『龍星群』」
少年の背後から九匹の龍が具現化し、一斉に僕目掛けて飛んできた。蛇の様に首だけ伸ばし、食わんとする龍は僕の真上で大きな口を開けて地面事食らいつく。すんでのところで、口を両手で止めるが牙が手に刺さり、力が抜けて行く。しかし、左右後ろからも同じ龍が口を開けて向かってくる。 死を感じた時、僕は時間を止めてそこから抜け出した。
一気に大きな爆音が鳴り響き、僕が元いた場所の地面は大きくえぐられていた。
はっ、となった僕はすぐに少年を目に捕らえると同時に背後から、龍が迫るのを上に避けた。殺すつもりは無いが、防衛のためにナイフを少年に向けて投げる。
少年は、避けずにその場に立ったまま、ついにはナイフが全て刺さった。しかし、少年は消えていた。
「なっ」
また後ろから声がした。
「龍法術『龍王の牙』
黒く禍々しい八岐大蛇が具現化して、その牙を見せつけるかの如く口を開かせて向かってきた。それを全て避け、少年の懐に入りタックルをかました。少年は吹っ飛んだが、少し離れたところで止まった。
次の術を唱える前に、追撃を試みるも既に唱えられていた。
「終ノ龍『画龍点睛』」
それは、まるでとどめの一撃の様なものだった。龍の咆哮が巨大なビームの様に発射され、急に止まることができなかった僕はその攻撃を全身に浴びてしまった。
死には至らなかったものの、寸前に守りの体制に入ってなければ顔や首なども焼けてしまっていたはずだ。そのお蔭で新着の服が既に見るに堪えないものに成り果てていた。
「畏れ入ったよ。参った。」
「ありがとうございます。」
「君の術は、まるで忍法の様な物だったな。」
「そうですかね。まぁ、口寄せの術の応用みたいなものです。」
この後、他愛の無い話をして昼食を一緒に取った。始めは遠慮していたが料理の出来を見て直ぐにテーブルに向かって席に着いた。
緊張も解けて、笑顔で飯を食べていた。
僕は、予備の服を着てボロボロの服を部屋に片付けておいた。
食事の際、会話の中で妹様と少年の間で自己紹介があった。その少年の名は、劉人と言った。苗字は忘れたと言っていた。
この時の僕はこの”龍”が片鱗しかみせていない事を知る由も無かった。
The next time…
さて、次回はレミィの行方でも書くか…。