完全で瀟洒な従者の兄+紅魔館の(非)日常 作:新幹線刈り上げ
Talent 実在(記憶)している能力を操る程度の能力 ?????????????
Hobby 宴、読書、寺子屋に遊びに行く事など
Like 霊夢、本、ゲームなど
Size 身長 185 体重 68
基本的な馬鹿。作者はクローズ風に言うとでしゃばったリンダマンのような存在、と思っています。白髪に黒い髪が混ざっており、身長も男に中でも少し高い方(足が長いとは言ってない)。服装はいつも浴衣姿で、下駄を履いている。霊夢と魔理沙の小さい頃からの師匠で、それなりに強い。 情に深く、とても厚い。博麗神社に住んでおり、『何でも屋』を営んでいるが最近は金を盗らずに仕事をしている。実は、告白をした方は霊夢で愛優も二つ返事で承諾をしている。そして、ノエルと咲夜が従者になる前に出会っているとか・・・?。
作者の一言
お気に入りが二人も減ってしまった!?やはり『愛優』が原因だったか…?しかし、上手く繋げる上に見てない人にも分かるように書いていきたいと思います。このプロフィールの欄はちょくちょく更新されていきますので注意を(更新するときは報告するけどね)。後、コラボの内容もある程度決まりました!ぜひそちらもお楽しみに!! ど~でもいいですけど、この章の話を書くときだけ聞いている曲があるんですよね(血界戦線のED)。
愛優は今、天狗という妖怪を探していた。なぜなら、愛優はその天狗を一発殴り飛ばさなければならないからだ。理由は単純明快で、自分ではなく仲間が、大切な人を馬鹿にされたからだ。
しかし、祭りで賑わっているこの大きな人里の中で一つの集団を探す行為は時間が掛かる。なので、愛優は“能力”を駆使して探していた。
「どこだ…っ!?どこにいる!?」
それは愛優は止まった時間の中で人里の上空を飛翔しながら探していた。普段なら、この能力は咲夜とノエルの能力なのだが愛優の“能力”はそれを利用する能力なのだ。
そして、見つけたのはいかにも妖しい赤く鼻が長い仮面を被り、山伏の服装を着ている数十人の集団だった。愛優は取りあえず、時間を戻してその集団の前に降りる。
当然、周りの人たちはいきなり人が空から現れたのだから視線が愛優に集まり、活気な声がどよめきに変わりだす。
「お前か?天狗の長とやらは」
愛優は限りなく低く抑えた殺意を声に込めながら先頭を歩く者の前まで早歩きで近づいていく。
「あぁ、それがどうした?」
低いその声に嘲笑が含まれているのは仮面越しでも愛優には聞き取れた。すると、愛優はいきなりその天狗の長の前に立ち、拳を握る。
「てめぇだな…?霊夢に言ったのは…」
「はて?誰のことやら?」
その天狗は、とぼけているのか本気で忘れているのかまでは読み取れないが顎を撫でながら考えるフリをする。しかし、答えたのは長では無かった。
「それは、さっきの巫女の事をいってんじゃねーの?」
鈍った声を出しながら集団の中から現れたのは、ノエルとほぼ同じ服装をしている男だった。
「あぁ、博麗の巫女の事か。それがどうしたのだ…?」
天狗の長が『博麗の巫女』と発した瞬間、どよめきの声の中に「博麗の巫女だって…」や「マジかよ…殺される前に帰ろうぜ…」などの明らかに差別をするようなものも混ざり始めた。
愛優は奥歯を食いしばり、苛立ちを見せる。そして、大きな声で聞き返す
「そいつの事言ってんだ!てめぇか?その仮面越しでも臭うそのくっせぇ口で霊夢泣かしたのは…?」
すると、天狗の集団たちもどよめきだした。しかし天狗の長はケラケラと笑い出す。
「そうだ。『お前の“存在”は人里だけではなく“幻想郷”にさえも嫌われている』と言ってやったd…」
愛優は天狗の長が嘲笑しながら言うその言葉を最後まで待たずに殴り飛ばした。すると、横に居た男が「ヒューッ!」と言ったのと同時に周りの野次馬化した人間の一人が悲鳴を上げてさらに事態が大きく膨らんでいく。
「我々は、大昔からこの東ノ国の山に住み着いていた大妖怪だ!そして、貴様が今殴ったのは!天狗の主である天魔様の側近様であるぞ!?」
「天魔様の側近…?笑わせるじゃねぇか。そこで寝ている奴は精々、言われる苦しみも殴られる痛みも知ら無ぇのに平気で人を殴り、傷つけるクズと同じだろう?」
愛優が苦笑して言った言葉を聴いていたのか天狗の長はゆっくりと立ち上がりながらしゃがれた声で話し出す。
「何故殴る?私の発言は的を射ていると思ったのだがな…」
「てめぇ、その言葉の意味を知ってて…その傷の痛みを知ってて言ったのか…?」
愛優は再び長の胸倉を掴み、殴りかかろうとする。
「言葉の意味を理解しているからこそ言ったのだ。痛み?傷?言葉に傷をつける力なんてないだろうに…」
天狗の長は今に至ってもまだ小馬鹿をするように笑いながら口を開く。
「あぁ、確かに『言葉』には形は無ぇからな…当然、体を傷つける事なんてできないだろうよ。だけど、心には傷は付くぞ?しかも体と違って一生もんの傷だ。卑怯とは思わねぇのか?影も形も無ぇくせに、治る体じゃなくて治らない心にダイレクトアタックするんだぜ?」
愛優は胸倉をガシガシと揺らしながら大きな声で言うが返事が来ない。横にいる男も、何も言わずに二人を見ている。そして、愛優は天狗の長ではなく次は周りの野次馬に顔を向ける。
「てめぇらもだ…。霊夢が何をしたって言うんだ?妖怪退治?ヘッ、アイツはよくサボっているぜ?しかも、頼むのはいつもお前らだろう?『博麗の巫女』だから人間とは違う?よく言うぜ、確かに霊夢がキレたら鬼のように怖いけどもな…だけどこれだけは言える。お前等よりもよっぽど普通の人間やっているぞ?お前等よりもよっぽど綺麗で強い心を持っているぞ?けどもそれをお前等が無断で踏みにじって汚している。その付いた泥だけを見て、偏見やレッテルを見ているだけで『違う』と決め付けている。だから霊夢の本心なんて知らねぇんだろう?見えねぇだろ?俺だけはちゃんと知っているぞ。」
愛優の話に聞き入った野次馬は話しているうちにどんどん集まっていた。野次馬たちは愛優の話を聞き終え、ざわめく。しかし、賛否両論という感じだ。さすがに愛優も予想をしていたのだろうか。軽くため息をつく。そして、天狗の長から手を離す。
「…覚えておけ…貴様の事は天魔様に報告させて貰うからな…。次会う時は断頭台の上か。その首片手で引っさげて人里を回ってやるわい」
天狗の長はさっきより低くしゃがれた声で勝ち誇ったように喋りだす。しかし、愛優の肩をぽんと叩き、天狗の長の元へ立つ男が居た。
「でも、腕は二本だよな?なら訂正しろ!残念ながら貴様が持つ首は二つだ!!」
そう言い放ち、銀髪の男がまたも天狗の長を殴り飛ばす。勿論、野次馬がさっきよりも大きく声を上げる。すると、美鈴の背中で寝ていたレミリアが起き出す。
「ノエル…ッ!?お前何で…!?」
「そりゃ、あんな大きな声で演説されれば気にならない訳が無いだろう。しかも、見たらまぁ演説者が
ノエルは笑いながら言う。
「おい、ルビの振り方おかしくねーか?馬鹿って書いてるよね!?コレ!」
「え?え?何よこの状況!?どういうことなのエル!?」
レミリアは美鈴の背中から降りて、さっきまでワイワイしてた祭りにどよめきが溢れている事に理解することができなかった。
「あぁ、レミリア様。申し訳ありません。“また”喧嘩売ってしまいました…次は天狗のようです。」
“また”。この言葉に愛優は引っかかるものがあったが、いきなり近くから怒声が聴こえたので、意識せずにそっちに視線が動く。
「また勝手に!いくら私が気高い吸血鬼だからって、庇い切れないわよ!?」
声の主はレミリアだった。しかし、怒っているようにも見えるが胸を張って照れながら言っているために全く怖くは見えない。
しかし、愛優とノエルはしまった、と思っていた。吸血鬼とは仲が悪い天狗と吸血鬼を怖がる人間の前での『吸血鬼』発言は非常に危ないことなのだ。
またも野次馬の悲鳴が上がり一気に人が居なくなっていく。しかし、レミリアは自分の発言で離れていってしまったことにショックを隠し切れずに咲夜の元へと縋りにいく。
「何?吸血鬼?それは真か。」
天狗の長は何かいい物を見つけたかのような声で話し始める。すると、何かに気づいた愛優はすぐに臨戦態勢に入り、バックステップを取る。いつの間にか長の横に居た男はすでに皆の視界から消えていた。
「おい!何をしている!!咲夜!速くレミリアと遠くに逃g…ッ!?」
愛優が言い終わる寸前に、消えた男が愛優の首元にナイフを突きつける。そして、状況を最後まで理解するまでもなく言われたとおりに能力を使って遠くへと逃げた。
「誰だてめぇ…てっきり、でしゃばるモブかと思ったがそうじゃねぇらしいな」
「唯月!」
声の主はノエル。ノエルもとっさにナイフを数本手に握っているが、唯月は愛優から手を離してぶっ飛んだ天狗の長の手を取る。
「あはは、ちょっと試しただけだよ。情に厚い馬鹿な“人間”かと思ったけど、見当違いだったよ…」
唯月は、まさか“妖怪”とはね…と最後に付け加えて愛優の横を通り過ぎる。
「お前、本当に戻ってきてたんだな…」
「よう…久しぶりだな…エル…」
唯月はその場で足を止めてノエルをにっこりと笑みを浮かべながら言う。そして、また足を動かしだす。
唯月がノエルの横を通り過ぎた時に、ノエルが話しを切り出す。
「あぁ…お前にずっと前から聞きたかったことがあったんだ…」
またも唯月はノエルの質問に足を止める。そして唯月は振り返らずに言う。
「あぁ、偶然だな。俺もお前に聞きたいことがあるんだ・・・―――――」
「「・・・―――――なぁ唯月(エル)。お前も僕(俺)の事…嫌いなんだろう…?」」
二人は低い声で聞きあう。そして、ノエルが先に切り出す。
「僕がいつもお前の仕事の手柄を取り上げるように横取りしていたもんな」
「んなことねぇよ。エルが俺よりも仕事が早かっただけだろう…?それを言ったら、エルだっていつも俺がお嬢様と仲良くしていたのを気にしていたんじゃねぇの?」
「それこそ、僕達よりも先に居た唯月がレミリア様と仲が良いのは当然の事だろう」
「そっか…お前も俺の事嫌いじゃなかったんだな…」
「そうだな…良かった良かった…これで、すっきりしたよ…お互い嫌いとかそんな甘いものじゃないってな」
「「あぁ」」
「「いつか…」」
「「ぶっ殺してやるよ…!!」」
二人は互いに振り向きながら、殺意を込めて言う。唯月はその黒い髪を夜風にたなびかせながらそのまま歩いていった。そして、遅れて天狗の長達も唯月に付いて行く。
天狗の集団が見えなくなったところで、愛優が緊張を解きつつため息をしながらノエルに近づいていく。
「何が、ぶっ殺すだよ!お前って奴は!いいのか?俺と霊夢は喧嘩慣れしているからどうにでもなるが、お前等は吸血鬼側だ。場合によっては大妖怪の種族同士の戦争になるかも知らねぇんだぞ?」
厳しく問う愛優だが、ノエルは苦笑しながら返す。
「戦争?受けて立つよ。紅魔の吸血鬼も甘く見られたものだな、あいつ等が相手にしているのが誰か、知らしめる良い時じゃないか。」
「お前も“馬鹿”だな…全く、誰に似たものか…」
「言いたくはないが少なくともお前に影響を受けていることは分かるよ、“馬鹿”が」
静まり返った祭りの中、二人は大声を上げて笑い出す。
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8月16日
祭りの一件から一週間が経ち、天魔は祭りの件を裏腹に吸血鬼、つまり紅魔館を叩き潰そうと考えた。狙うは、今はもう首だけとなった天魔の側近を殴った二人。
そして、ここは妖怪の山。様々な種族の妖怪が住み着くためにそう呼ばれている。鬼、天狗、河童、他にも様々な妖怪が居る。
そして、唯月はある準備を天魔としていた。それは、戦争。殺し合いの準備だ。軍隊の数的に言うと、圧倒的にこちらの方が有利だろう。しかし、紅魔館の強さ、恐ろしさを知っている唯月には喉に突っかかる小骨のような変な不安をどうしても取り除けない。
「いつ、攻め立てる?」
天魔と唯月は小さな山小屋の中で作戦を練っていた。しかし負ける気がしないと断言する天魔の考えに便乗して唯月も殆ど考えてはいなかった。そのせいか、全くといって良いほどにグダグダなのだ。
「もうすぐ、準備が終わる。攻めるのに格好の機会は8月20日だ」
天魔は能天気なのだ。本当に大妖怪の“天狗”という種族を率いる者なのか疑う時が数度もある。
「そうか、それで唯月が集めた軍勢は如何な者なのだ?」
「何度も言っているだろう。俺の仲間全てだ」
「ぬ?俺を出し抜くことはできんぞ?今ので二回目だ」
天魔の顔は面を被っていて見えないが、明らかに言い切っている。諦めた唯月はため息をつき、一週間前の事を思い出していた。見知らぬ妖怪が天狗の長、つまり天魔の側近を殴り飛ばしては演説を始め、終わったかと思えばまたも紅魔館の従者、十六夜聖夜ことノエルに殴り飛ばされる。気になるのだ、そこまでに自分の命を軽々と投げ出せる理由が。
天魔にとっては二回も見知らぬ者に殴られた者を側近にすることは醜態を晒すことと変わらないために見せしめをついでに首を切ったのだ。
「どうした?唯月。」
天魔が心配の意志を一ミリも入れずにしかめっ面の唯月に声を掛ける。
「…いや、何も。…一つお願いをいいか?・・・―――――」
「―――――・・・このとおりだ。もし、戦の中でノエルを見つけ次第殺さずにいて欲しい」
唯月はそういって胡坐をかきながら座る天魔の前で正座に直り土下座をした。
次回へ続く…
次回予告!!(ここの次回予告はあてにはならん割とマジで)
「戦争で仲間を死なせねぇためには必須のルールってのがある。それは自分が死なねぇってことだ。」
「囮ですか。それならここに居ますよ」
「いや何で俺ぇぇぇぇぇっ!!??」
「おい皆!上からノエルが来るぞ気をつけろ!!」
「知ってた?スカーレット家に伝わる秘伝っていうのがあるの」
「スカーレットオーバードラァァァイブッッ!!」
「いや、それジョ○サンの技ぁぁぁ!!!」
天魔に土下座をしてまでもノエルを殺させない唯月の理由、そしてそれぞれの種族に抱えられた譲れない想いとは・・・!?
この次回予告は第09日の次回予告です。第08日の次回予告ではありませんのでご了承下さい。作者のミスでこのようなことになり、本当に申し訳ございませんでした。
作者の一言
コラボをただいま投稿してくださっている和菓子ぃ様のネタが俺の笑いのツボを刺激しすぎて腹筋が凄いことに・・・(ムキムキィ…)。これは、ハードルが高くなっていってます。それでも、授業中を駆使して考えて生きますのでどうか暫しお待ちを。